読者に人気のアニメ作品から、期待の声優に作品や役柄について語ってもらうインタビュー企画「Megami’sVoice」。2020年1月号には、『放課後さいころ倶楽部』で武笠美姫を演じる宮下早紀が登場。「超!アニメディア」では、本誌で紹介できなかった部分も含めた、ロングインタビューをお届けする。
“怖い”という気持ちを忘れないように演じたい
――『放課後さいころ倶楽部』という作品の第一印象を教えてください。
オーディションのときに原作を読ませていただいたんですが、ボードゲームの説明がとてもわかりやすかったです。ミキちゃんたちが楽しそうにプレイしている姿も魅力的で、すぐに自分でもやってみたいなと感じました。アニメになっても、そのおもしろさは変わりませんでした。それでいて、アニメには少し原作と違うエピソードも盛り込まれているので、原作を読んでいる方々にも新鮮な感覚で見ていただけるのではないかと思いました。
――オーディション時点での、キャラクターについての印象はどうでしたか?
ミキちゃんは、引っ込み思案で泣き虫で怖がり。演じるのがすごく難しそうだなという印象でした。でも、読み進めていくと、人に対するやさしさが見えてきて。マイナスな感情だけで生きているんじゃないとわかってホッとしたのを覚えています。
――そんなミキを演じるときに心がけていることは?
オーディションのときは原作の表情を参考にして、なるべく困り眉で演じるようにしました。それはアフレコが始まってからも変わっていません。スタッフの方からは「初期のミキは(人と接するのが)『怖い』という気持ちを忘れないでいてほしい」というディレクションをいただいたので、その気持ちをしっかりと持つようにしています。ただ、自分があまり「怖い」と思うことがないので、感情を絞り出すのは大変です。
――そういう意味では、ミキと宮下さんとで共通点は少ない?
そうですね……。私は明るいほうであるとは思います。たとえば、お店に並んで待っているとき、いろんな人とお話をしたいと思い、うしろの方に話しかけてみたり。
――さすがにミキは見知らぬ人に話しかけたりはできなさそうですね。
どちらかというと、アヤちゃんのほうが気さくにいろんな人に話しかけそうですよね。でも、ミキちゃんもだんだんと社交的になっていくので、いつかは気さくに話しかけたりできるようになったらいいなと思っています。
――ほかに、ミキを演じる際に気をつけていることは?
ミキちゃんは内に秘めていた感情がじわじわと表に出てくるタイプなので、どの程度感情を出せばいいのかは、スタッフの方と相談させていただき、バランスを考えながら演じています。
――ゲーム中に感情的になって、突然大声を出す、なんてこともなさそうですよね。
声を強く出しすぎると、ミキちゃんらしくなくなってしまうので、声を荒らげないというポイントは守るようにしています。それから、子どものころにいじめられていたというトラウマを今でも抱えている子なので、悩んだり抱え込んだりすることも多くて。そういったシーンでは、彼女の気持ちをしっかりと考えるようにしています。
――そういう過去があるせいか、ミキは人の感情に敏感なところがありますよね。クラスメイトの田上くんの、アヤへの気持ちにも真っ先に気づいていましたし。
一歩引いたところからみんなを見ているからこそ、人の感情には敏感なのかもしれませんね。
――それでいて、絶対行動しなければいけないところでは、行動できる。第1話でミドリに泣きついていたところも印象的でした。
もともとは、きちんと自分の意見を言える子だったんだと思うんですね。それがトラウマで引っ込み思案になっているだけなんだろうなと。負けず嫌いなところや、アクティブさはきちんと持っているところも、私はミキちゃんの魅力だと思っています。
――第8話まで進んだところで、特に印象的だったエピソードは?
第5話の、アヤちゃん、ミドリちゃんと一緒に金沢に遊びに行ったエピソードです。旅館で出会った少年・たかしくんが“ごいた”というゲームをじょうずにプレイできなくてしょげるシーンがあったのですが、やさしくサポートするシーンがすごく素敵でした。初対面の子に話しかけられるようにもなって、成長しているなとうれしくなりました。
――ミキは全編で京都弁を話していますが、方言は難しいですか?
難しいです。私は奈良出身なので、方言自体にはなじみがあるんです。ただ、父が大阪、母が京都出身ということもあり、いろんな方言が混ざってしまっていて。京都の言葉はおっとりしているし、独特の言い回しもあるし、何回もご指導をいただきました。
――お母さんからダメ出しをされたりしましたか?
しました(笑)。やはり、地元の人からすると、気になるところは多かったみたいです。今後ももっと勉強していきたいです。
――第8話では、ドイツからやってきたエミーリアも登場しました。アヤ、ミドリ、そしてエミーリアにはどんな印象がありますか?
アヤちゃんはとにかく元気で明るいムードメーカー。一緒にいたら最高に楽しいですし、男の子たちからモテるのもわかります。ミドリちゃんは、ボードゲームの説明役でもありつつ、ゲームに熱い想いを抱いている子。しっかり者なのに、女の子にはチョロいところもかわいいです(笑)。アヤちゃんにだけは冷たく当たりつつも、最終的にはデレるところもいいなと思います。エミーリアちゃんは、お母さんのようにみんなを包んでくれる存在。精神的に余裕があって、すごく周りを見てくれている、素敵な子です。
――アフレコ現場はどんな雰囲気ですか?
スタッフの方がボードゲームを実際に持ってきて、遊ぶ機会を設けてくださるんです。ゲーム中はすごく楽しく、でもアフレコ中は引きしまっていて、バランスのいい現場だなと思います。
――これから先の見どころを教えてください。
この先も4人それぞれのエピソードがさらに深く描かれていきます。ドキドキハラハラしていただけることは間違いないので、ぜひワクワクしながら待っていてください。
MegamiにQuestion
宮下早紀の魅力をもっと知りたい、という読者必読! 宮下に8つの質問を実施。
Q.チャームポイント
A.えくぼ
いろいろ考えて、えくぼにしました! でも、自分で言うのはちょっと恥ずかしいです(笑)。
Q.ニックネーム
A.サキミヤシタ(笑)
以前、別のお仕事でご一緒させていただいた優木かなさんが呼んでくださっています。でも、それ以外はニックネームらしいものがなくて。学生時代も名前の呼び捨てが多かったんですよ。なので、今はニックネームを募集しています。
Q.自分の声の特徴
A.甘ったるい
クールな役をやらせていただいたときは、この甘さはいらないなと思うこともあります。なので、今はキャラクターによってきちんと切り分けられるように勉強中です。
Q.自分の性格
A.少年ジャンプ
「少年ジャンプ」といえば、友情・努力・勝利。私は友情も大切にしていますし、何より勝利を目指してコツコツ努力をするのが性に合っているようで、まさに「少年ジャンプ」みたいな性格だなと思っています。
Q.今、ハマっている趣味
A.散歩
なるべく2~3時間は歩くようにしています。目的もなく歩いていると、突発的におもしろいことも起こるので、歩くのは好きです。
Q.ボードゲームの経験は?
A.セレクタ社のゲームで遊んでいました
母と話していて、子どもの頃ドイツのメーカー「セレクタ社」のゲームで遊んでいたことを思い出しました。子どもでも安心して遊べる木のゲームで、すごく楽しく遊んでいました。
Q.もし、自分が“倶楽部”を作るなら?
A.工場見学倶楽部!
学生時代に行っときは、あまり興味がなくてただ見ているだけでしたが、今見るといろいろな発見があると思うので、ぜひ工場見学に行って、お友達を作りたいです!
Q.本作のキャッチフレーズ
A.『放課後さいころ倶楽部』は、ボードゲームの説明書よりも説明書です!
すごくていねいにボードゲームの説明をしてくれているし、見ているだけでもわかりやすいんです。きっと見てくだされば、ゲームをプレイしたいと思っていただけます!
Profile
みやした・さき/12月4日生まれ。奈良県出身。シグマ・セブン所属。主な出演作は、『はるかなレシーブ』比嘉かなた役、『ひとりぼっちの○○生活』小篠咲真世役など。
『放課後さいころ倶楽部』公式サイト
http://saikoro-club.com/
『放課後さいころ倶楽部』公式Twitter
https://twitter.com/saikoro_club
取材・文/野下奈生(アイプランニング)
(C)中道裕大・小学館/放課後さいころ倶楽部製作委員会