『ポケットモンスター サン&ムーン』カキ役の石川界人とマーマネ役の武隈史子が語るアローラポケモンリーグ【インタビュー】 | 超!アニメディア

『ポケットモンスター サン&ムーン』カキ役の石川界人とマーマネ役の武隈史子が語るアローラポケモンリーグ【インタビュー】

TVアニメ『ポケットモンスター サン&ムーン』9月15日放送回にて、ついにポケモンリーグ優勝を果たしたサトシ。現在発売中のアニメディア9月号では、アローラポケモンリーグ第2回戦で激突したカキ&マーマネ戦の特集を掲載中。 …

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 TVアニメ『ポケットモンスター サン&ムーン』9月15日放送回にて、ついにポケモンリーグ優勝を果たしたサトシ。現在発売中のアニメディア9月号では、アローラポケモンリーグ第2回戦で激突したカキ&マーマネ戦の特集を掲載中。超!アニメディアでは、カキ役の石川界人とマーマネ役の武隈史子対談の本誌に入らなかった部分を含めたロング版をお届けする。


※このインタビューは2019年7月ごろのインタビューです。

――2016年11月に放送がスタートした本作。ご自身が演じるキャラクターに対する印象は約3年間で変化しましたか?

武隈 マーマネのキャラクターデザインを最初に見たときは、口がへの字になっている表情が多くて、笑顔が少なかったんです。だから、素直になれなくてちょっとだけ意地っ張りで内向的な子なのかなというのがイメージでした。それが成長を描いてくださる姿を見るうちに、とにかく誰よりも純粋で、誰よりも好きなことへの情熱や研究心が強い子だなと思うようになりました。

石川 カキは最初のアフレコのときはクールで正義感が強く、リーダー的な存在だと聞いていたんです。ところが、お話が進むにつれて、声が大きくなり、暑苦しさも増えたなという印象です。


――お互いのキャラクターについての印象を教えてください。

武隈 カキは、シリーズ初期の頃はたしかにかっこよかったですよね。スカル団も一蹴してくれて、すごくイケメンだ!と思いました。マーマネたちよりは1歳くらいお兄さんだという設定はうかがっていたんですが、先ほど石川さんがおっしゃったとおり、回を追うごとに、妹さんへのちょっと度を超した重い愛情が出てきたりして、あれ、なんか違う……と(笑)。でも、マーマネとしては、Zワザ合宿(アニメ123話)のお話でもわかるとおり、人やポケモンに真正面から全力でぶつかってくれるので、どこかお兄ちゃんのような、すごく素敵な仲間として見ています。


石川 マーマネは内気なキャラクターだと僕も思っていました。一人で抱え込んだりとか、悩んだりするようなタイプだと思っていたら、回を追うごとに積極的になっていくんです。それを見て、前向きなキャラクターなんだなと印象が変化していきました。1話のころのマーマネだったらリーグ戦に出ること自体考えていなかっただろうなという雰囲気だったのに、それがちゃんとリーグに出るようになったので、すごく変わったなと感じています。


――そんなふたりの直接対決には、どんな気持ちでアフレコに臨みましたか?

武隈 マーマネがリーグに出場 すると決めたからには、もちろん優勝を狙います!す。 石川さんにも相談させていただいたことがあるんですが、勝つという気持ちだけでなく、バトルを楽しむということも意識しました。マーマネは、サトシやカキの影響を受けて、すごく前向きに成長していると思うんです。ですからマーマネを信じて、私もやれるだけのことはやろうとアフレコに臨みました。そして、パートナーであるトゲデマルやクワガノンとの絆を信じ、一緒に戦っているんだということを意識しました。

石川 武隈さんもおっしゃったとおり、まずはバトルを楽しむこと。もともとカキはバトルが好きなキャラクターですから、楽しむことを意識するのではなく、自然と楽しんじゃっているという雰囲気を出したいと思っていました。なおかつ、今回はマーマネに強く意識を向けようと思って。一緒に合宿もしましたし、その合宿がカキ側に活きるシーンもあるので、マーマネと対決はしているけれど、一緒に戦っているという気持ちで心が熱くなっている姿を見せられたらいいなと思いながら演じていました。

――ふたりはサトシが来る以前からの付き合いがあるからこそ、直接対決というのは感慨深いものがありそうです

石川 きっとあったと思います。これまでもポケモンスクールのクラスメイトたちと協力することはたくさんありましたが、リーグ戦の準備は男の子だけで行ったんです。手の内もある程度はわかっていますが、だからこそシンプルに勝ちたい、楽しいバトルにしたいという気持ちがあったのかなと思います。

武隈 マーマネにとってカキはサトシと出会う前から一緒に過ごしていた唯一の同性のクラスメイトなんです。カキの強さや、おじいさんから受け継いだもの、バトルへの情熱は十分に知っていました。ただ、最初のころのマーマネは、バトルよりも宇宙飛行士になることしか興味がなかったんですよね。そんなマーマネがカキと戦えるまでになったというのは……“ウェイ”的な……。

石川 ウェイとは?(笑)

武隈 ……感動かな?

石川 感動なんですね。

武隈 はい(笑)。感動を覚えました。

――冨安大貴監督は、アニメディア8月号でのインタビューで、「リーグ戦で負けたとしても、戦いのなかで何かを学んでほしい」とおっしゃっていました。おふたりは、演じるキャラクターにリーグ戦でどんなことを学んでほしいですか?

石川 カキにとってマーマネというのは、バトルで意識する相手ではなかったと思うんです。そんなマーマネが、肉薄してきたことで、カキ自身も驚いたと思います。もともと負けるつもりもないでしょうけれど、それでもマーマネと手合わせをして、若干の意識の変化はあるのかなと。ですから、カキには“油断大敵”ということを学んでほしいです。そして、友達と勝ち負けが明確につくバトルを全力でする楽しさも知ってもらいたいです。

武隈 マーマネはまず頭で考えるタイプの子で、たとえば「びりびりちくちくトゲデマル!」では機械の誤作動でシャッターが降りてしまい、パートナーのトゲデマルと離ればなれにてしまったとき、サトシが「シャッターを壊していく」と言っても、ためらってしまうような子だったんですよね。でも、今はカキへのリスペクトの精神を持ちながら戦っていると思うので“頭で考えすぎないこと”と学んでほしいです。それに、もし負けたとしてもここで終わりではないですし、宇宙飛行士になるという夢もありますから、へこたれずに頑張る気持ちを学んでもらえたらと思います。

――サトシとピカチュウにはどんな印象がありますか?

石川 今作でのサトシとピカチュウは、これまでのシリーズとはだいぶ印象が変わったなと思います。今まではポケモンがある程度人の言葉を理解しているような描写もありましたが、本作は冨安監督も「人間と(人語を理解しない)人間以外の生き物との絆みたいなのを描きたい」とおっしゃっていたんです。それもあって、コミュニケーションの取り方が変わったのかなと。それでもコミュニケーション不全が起きないのは彼らだからこそだなと。会話は明らかに成立していなくても、気持ちがつながっている。そういう意味では、僕が子どものころから観てきた彼らと変わりないなと感じます。

武隈 サトシは何も考えていないように見えて直感力があり、判断力と瞬発力もすごいですよね。私も放送当時から観てきたので、それが変わっていないことは尊敬します。自分もしがらみや理屈を取り払って、サトシのような生き方をしてみたいなと思えるような、リスペクトできるキャラクターですね。

――これまでで印象的だったエピソードを教えてください。

武隈 「メテノとベベノム、星空に消えた約束!」でのメテノとの別れです。マーマネは幼いころにメテノと複雑な別れ方をしてしまっていて、悲しくてその記憶に蓋をしていたのを、仲間と一緒に思い出していくというのは印象的でした。マーマネはお別れの話で成長していくことが多かったので、引っ越し未遂の「さよならマーマネ!」や、テッカグヤが登場した「輝け星舟テッカグヤ!」のどちらもが印象深いです。

石川 僕が印象に残っているのはマオが幻影にとらわれてお母さんと再会する話、「カプ・レヒレの霧の中で」です。『ポケモン』はポケモンとの別れや決別で泣ける話も多いんですが、このお話は人と人の別れだったので、とても珍しいなと感じたんです。何よりもマオ役の上田麗奈さんのお芝居が真に迫っていて、テストの段階でもう泣けてしまっていました。

武隈 私もこの日はアフレコのときから号泣でした。

――これまでの『ポケットモンスター サン&ムーン』という作品を振り返って、どんな魅力があると感じていますか?

武隈 これまではサトシが旅を続けていたけれど、本作だとアローラ地方に定住するじゃないですか。それもあって、人間同士やポケモン同士の関係性が、より濃密に描かれているなという印象で。

石川 本作は、初期のポケモンもかなり出てきましたし、これは長く続いているシリーズならではだと思っていました。

武隈 リージョンフォームのように、今まで観てきたポケモンの違う姿が観られるのもいいですよね。

石川 そうですね。武隈さんがおっしゃったように、自分の知っているポケモンからの変化が観られることもあって、大人の方も楽しんでいただけているんじゃないかなと思います。「シリーズのなかでも異色」といわれることもありますが、大前提の王道があっての“異色”ですから、それができる『ポケモン』は、やはりすごい作品なんだと感じます。

【いしかわ・かいと】10月13日生まれ。東京都出身。プロ・フィット所属。
【たけくま・ふみこ】2月23日生まれ。東京都出身。ACT JPプロデュース所属。

取材・文/野下奈生(アイプランニング)

〈TVアニメ『ポケットモンスター サン&ムーン』情報〉
毎週日曜日夕方6時よりテレビ東京系で放送
総監督:湯山邦彦
監督:冨安大貴
シリーズ構成:松井亜弥
キャラクターデザイン:中野悟史,安田周平
美術監督:武藤正敏
サトシ:松本梨香
ピカチュウ:大谷育江
ロトム図鑑:浪川大輔
リーリエ:真堂圭
カキ:石川界人
マオ:上田麗奈
スイレン:菊地瞳
マーマネ:武隈史子
ククイ博士:中川慶一
オーキド校長:堀内賢雄
ムサシ:林原めぐみ
コジロウ:三木眞一郎
ニャース:犬山イヌコ
ソーナンス:うえだゆうじ
グラジオ:岡本信彦
ルザミーネ:木下紗華
ビッケ:藤村知可
ザオボー:真殿光昭
バーネット:國立幸
TVアニメ『ポケットモンスター サン&ムーン』公式サイト
https://www.tv-tokyo.co.jp/anime/pokemon_sunmoon/

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《超!アニメディア編集部》
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