『Fate/Zero』に登場するウェイバーの成長した姿を描く三田誠の魔術ミステリー『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿』。本作を原作としたTVアニメ『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 -魔眼蒐集列車(レール・ツェッペリン) Grace note-』について、黒﨑静佳プロデューサーを直撃したインタビューが「アニメディア8月号」に掲載中。超!アニメディアでは、本誌に掲載しきれなかった部分を含めたロング版をご紹介する。
――『Fate/Zero』は、7人の魔術師とそれぞれが契約したサーヴァントが願いをかなえる「聖杯」をかけて戦った「第四次聖杯戦争」を描いた物語。ウェイバーのイメージが少年の面持ちだった『Fate/Zero』当時とはかなり変わったように見えますね?
以前は向こう見ずで見栄っ張りで、ともすれば利己的とも言える面が見えていたウェイバーでしたが「ロード・エルメロイ」の名や時計塔の講師としての役割を背負うことになり、そこには覚悟と責任感が備わったように思います。現在はいろんな重責(と借金)を背負いながらも、そこから目を背けずに目指すべきもののために前に進んでいます。
――知っておくと、より本作が楽しめる「TYPE-MOON」(※)シリーズ作品や設定があれば、教えてください。
「TYPE-MOON」作品の素敵なところは、ひとつのシリーズが終わってもまた別のシリーズでキャラクターと再会できるところです。ロード・エルメロイⅡ世や登場キャラクターたちは別シリーズにも登場していますので、それらの作品を見たり読んだりしてみるのも面白いかもしれません。もちろん、初めてシリーズに触れる方にも楽しんでいただける内容になっていますので、それは放送後の楽しみにとっておく…というのもおススメです(笑)。
――現在のウェイバー(ロード・エルメロイⅡ世)のキャラクターの魅力、2話以降の展開での、注目すべき行動のポイントを教えてください。
Ⅱ世にとって第四次聖杯戦争でライダーとともに戦ったことは、もちろんとても大きなものですが、彼の人生はそれから先もずっと続いていった。今回のアニメには、時計塔の講師として職務にまい進するⅡ世と、ライダーに憧憬を抱くウェイバーとしての両面が描かれています。「魔眼蒐集列車」編は、そんなⅡ世が自分自身のために進み、戦うエピソード。そこに至るまでの事件のなかで、彼にどんな変化が起きるか、注目してください。
――そんなウェイバー(ロード・エルメロイⅡ世)が立ち向かう難事件の数々の面白さ、注目ポイントを教えてください。
本作は、原作の「魔眼蒐集列車」編と、そこにいたるオリジナルエピソードで構成されます。オリジナルエピソードでは新しい魔術トリックなども描かれますので、お楽しみに。シリーズでおなじみの“あの”キャラクターも登場します!
――ロード・エルメロイⅡ世の相棒となるグレイの魅力について教えてください。
グレイはⅡ世の弟子であり、助手です。特殊な生い立ちで、その身に「アッド」という魔術礼装を携帯していて、てんで戦闘能力のないⅡ世に代わって荒事をこなす少女です。いじらしくてとにかくかわいいんです!(笑)。Ⅱ世をかいがいしく世話する様子だったり、相棒であるアッドに辛辣だったり、表情の変化はとぼしく見えるかもしれませんが、些細な変化がとてもかわいらしいので、ぜひそんなところに注目してください。
――エルメロイ教室の生徒である、フラットとスヴィンについて教えてください。0話で活躍していたふたりですが、2話以降の注目すべきエピソードは?
フラットとスヴィンはエルメロイ教室で双璧をなす優秀な生徒です。時計塔に入るだけでも魔術師としてとても優秀だそうなので、かなりのエリートなのでしょう。……でも、同時に凸凹コンビと言っていいくらい、トラブルを起こす問題児たちでもあります。天才のフラットと秀才のスヴィンという印象です。Ⅱ世にはとても頼りにされていて、彼らが事件解決に活躍するエピソードもありますので、楽しみにしていてください。特典ドラマCDでは彼らの学生寮での日常も描かれますので、ファンの方には楽しんでいただけると思います!
――アニメディア読者へメッセージをお願いいたします。
すばらしいスタッフに恵まれ、見ごたえのある美しい映像、繊細な音楽、魔術とミステリーが交錯する新しい「TYPE-MOON」アニメーションになったと自負していますので、幻想的な世界を楽しんでください!
※「TYPE-MOON」は、ゲームブランド。同ブランドの作品を原作としたアニメ作品には『真月譚 月姫』、『Fate/stay night』、『劇場版 空の境界』などがある。
取材・文/福西輝明
〈TVアニメ『ロード・エルメロイⅡ世の事件簿 -魔眼蒐集列車 Grace note-』作品基本情報〉
2019年7月より、TOKYO MX・BS11・群馬テレビ・とちぎテレビ・MBSにて放送
TOKYO MX:毎週(土)より 毎週土曜24:00~
BS11:毎週(土)より 毎週土曜24:00~
群馬テレビ:毎週(土)より 毎週土曜24:00~
とちぎテレビ:毎週(土)より 毎週土曜24:00~
MBS:毎週(土)より 毎週土曜27:08~
©三田誠・TYPE-MOON / LEMPC