読者に人気のアニメ作品から、期待の声優に作品や役柄について語ってもらうインタビュー企画「Megami’sVoice」。「メガミマガジン6月号」には、『ひとりぼっちの○○生活』で一里ぼっちを演じる森下千咲が登場。「超！アニメディア」では、本誌で紹介できなかった部分も含めた、ロングインタビューをお届けする。
――『ひとりぼっちの○○生活』という作品の第一印象を教えてください。
私は、本作の原作を担当されているカツヲ先生が描かれた『三ツ星カラーズ』のアニメに少しだけ出させていただいたことがあったので、「先生の絵だ！」というのが第一印象でした。とにかく女の子たちがかわいくて、ぼっちのがんばりを見ていて、親のように応援したくなりました。
――ぼっちに対する第一印象は、どんなものでしたか？
冒頭から吐いていて、とてもアグレッシブな子だなと（笑）。
――アニメの第１話にもあったシーンですね。
はい（笑）。私は、タイトルのイメージから、ぼっちはもっとおとなしい子だと思っていたんです。でも実際に原作を読んでいくと、オドオドしながらも「こうしたい」という信念があって行動している子だとわかり、根性があるなと感じました。親友のかいちゃんから「中学で友達を作らないと絶交」と言われても、それに反論するでもなく、素直にがんばろうとする姿には、好感が持てました。
――人の言葉を素直に信じすぎるところは、見ていて心配になります。
でも、私はそういう素直なところや、思ったことがすべて行動に出るところも、ぼっちの素敵なところだと思っています。彼女は人に対して取り繕ったりしないんです。裏表がないから、きっと周りの人たちもぼっちを受け入れてくれるんだろうなと思います。
――そんなぼっちを演じるにあたり、どんなことを心がけていますか？
やはり信念を持っている子なので、「何をしたいと思っているのか」が視聴者の方に伝わるように演じることを心がけています。声自体は極端に作っているわけではないのですが、ぼっちは見た目からしてもすごくかわいい子なので、そのかわいさがきちんと出るように、私の思うかわいいをすべて詰め込んでいます。
――冒頭のぼっちは言葉がつっかえてしまうことも多いですが、演じるのは難しいですか？
アフレコではきちんと声が聞こえるようにとか、相手に届くようにと意識しがちなので、届かなくてもいい話し方をするのは難しいです。
――ほかに、難しかった点は？
すごくモノローグが多い作品なのですが、オンとオフの切り替えをきちんとしないといけないところは、少し手こずりました。
――実際にスタッフの方からは、どんな指示がありましたか？
第１話で、ぼっちの足がつるシーンがあるのですが、見た目を意識して、アフレコのテストのときは、かわいめに演じていたんです。でも、「汚い音を出していいよ」とおっしゃっていただいたのが衝撃的でした。吐くシーンも「もっと汚く！」というディレクションがあって。ぼっちがきれいにまとまってしまうとおもしろくないという指示も理解できたので、それ以降は吐くシーンなどは“汚く”演じることも気にかけるようにしています。
――ぼっちの行動で、共感できるところはありますか？
あせったらあたふたしてしまうところは、すごく似ているなと思います。
――逆に、見習いたいところは？
めげないところ。私は落ち込むと逃げてしまいがちなのですが、ぼっちは家に帰って作戦会議をちゃんとしているんですよね。それもいやいやではなく、やる気満々なので、そういうタフなところは見習いたいです。
――ぼっちに関わるキャラクターへの印象を教えてください。
（砂尾）なこちゃんは、ぼっちにいつもやさしくしてくれるので、好意を持って見ています。（本庄）アルちゃんは、なこちゃんとのやりとりがおもしろい。キレのあるツッコミが素敵です。ソトカ（・ラキター）は、こうと決めたらやりたいことをなりふり構わずにやるあたりが、ぼっちとよく似ている子だなと感じました。かいちゃんは、ぼっちのことを心配してくれる、すごくいい人なのかと思いきや、途中に入る回想を見ているかぎり、かなり無鉄砲な子なんじゃないかと思うようになりました。そして、これから登場する倉井佳子ちゃんは、ぼっちに厳しくあたってくる、とても珍しいタイプの子です。でも、彼女も信念を持っていて、ぼっちはそれを見抜いているから、オドオドせずにしゃべれるのかなと思っています。（押江照代）先生は、ぼっちからすると、いつも気にかけてくれるいい先生。でも、なこちゃんにあまりにもおびえすぎているので、もう少しがんばってほしいなと思ってしまいます。
――森下さんは、本作のＯＰをメインメンバーの４人のうちのひとりとして、ＥＤをひとりで担当されていますね。
主役も名前のあるキャラクターも演じるのが初めてなうえに、レコーディングも初挑戦でした。主題歌を歌うことが決まってすぐにボイストレーニングに通ったのですが、実際のレコーディングではとにかくメロディーに乗せて歌うことに必死で。でも、それがぼっちらしさとも重なったようで、テストで歌ったあとは「もっとがんばっている感じを曲に乗せていいよ」とディレクションをいただきました。
ＥＤは三拍子のリズムで、素で歌うぶんには歌いやすいんです。でも、そこにぼっちとしてのがんばりを乗せようとすると途端に難しくなってしまって。音を取ることとがんばることを両立させるのに苦心しました。
――主役が初めてということで、アフレコ現場で見る景色はどうでしたか？
アフレコブースにある席の真ん中に座らせていただき、多くの方の背中を拝見させていただいています。それを見て、学ばせていただけることがとても多いです。
――主役ということで、イベントなどの出演も多くなりますよね。
はい。先日も「ＡｎｉｍｅＪａｐａｎ ２０１９」でステージイベントに出演させていただいたのですが、胃痛が止まりませんでした（笑）。セリフを読むことに関しては練習もできますが、イベントはどうしたらいいのかがわからなくて……。一緒に登壇されたみなさんと一緒なら大丈夫と思っていても、胃痛は止まりませんでしたが、実際に目の前にお客さんがいらっしゃるのを見て、これだけ多くの方がアニメを楽しみにしてくださっているんだとわかり、放送が待ち遠しくなりました。
――放映は第４話まで進んでいますが、これまでのお気に入りのシーンは？
第１話で、ぼっちがなこちゃんと一緒に信号待ちをしているシーンがあるんです。そこでガラスに映った自分たちを見て、笑って「友達ができました」って言うんですね。そのくだりがすごく好きで。がんばりの中にある安堵の表情がお気に入りです。
――では、今後の見どころを教えてください。
第１話ではひとりでがんばっていたぼっちにも、第５話くらいになるとたくさん友達ができています。みんながアドバイスをくれたり、応援したりしてくれたりして、ぼっちもどんどん前に進めるようになっていきます。ぼっちには成長が見られますので、その成長をぜひチェックしてほしいです。
◆MegamiにQuestion
Q.チャームポイント
A.奥二重
人から言われたことはないのですが（笑）、あまり周りで見かけないので。
Q.ニックネーム
A.もりちー
照代先生役のたかみなさん（高橋未奈美）さんが、第1話のアフレコのときに付けてくれました。
Q.自分の声の特徴
A.高い
時々キンキンしちゃうなと思うことがあるので、日頃はおとなしくしゃべるようにしています。
Q.自分の性格
A.のんびりや
人が何をしていても、こうと決めたら周りのことが耳に入らないことがあります。かなりマイペースなんです。
Q.今、ハマっている趣味
A.カフェ巡り
お休みの日に外観や内装のかわいいカフェに行くのが好きです。コーヒーを飲みたいというよりは、かわいい場所に行きたい欲が強いです。
Q.中学時代の思い出
A.バスケットボールをやっていました！
みんなには吹奏楽部っぽいと言われますが、小学校から中学校にかけては、かなりバスケに入れこんでいました。
Q.ぼっちは人が苦手ですが、森下さんの苦手なものは？
A.計画通りにやること。
学校のテスト勉強などの計画を立てても、絶対ギリギリになって徹夜でやることになるんです（笑）。
Q.本作のキャッチフレーズ
A.ハチャメチャ中学生！
ぼっちだけじゃなく、登場する女の子たちにはみんなどこかハチャメチャなところがあります！
取材・文／野下奈生
Profile
もりした・ちさき／2月12日生まれ。神奈川県出身。アプトプロ所属。主な出演作は、アプリゲーム『メギド72』ルネ役など。テレビアニメ『はるかなレシーブ』『三ツ星カラーズ』にも出演。
〈TVアニメ『ひとりぼっちの○○(まるまる)生活』情報〉
MBS・TBS・BS-TBS“アニメイズム”枠ほかにて放送開始！
MBS：毎週金曜日26：25～
TBS：毎週金曜日26：25～
BS-TBS ：毎週土曜日25：30～
AT-X：毎週日曜日21：30〜
【リピート放送】毎週火曜日21：00～／毎週木曜日13：00～／毎週土曜日29：00～
※放送日時は予告無く変更になる可能性がございます。
STAFF
原作：カツヲ（「コミック電撃だいおうじ」連載）
監督：安齋剛文
シリーズ構成・脚本：花田十輝
キャラクターデザイン：田中紀衣
衣装デザイン：今田 茜
助監督：池下博紀
総作画監督：田中紀衣・小田武士
CAST
一里ぼっち：森下千咲
砂尾なこ：田中美海
本庄アル：鬼頭明里
ソトカ・ラキター：黒瀬ゆうこ
『ひとりぼっちの○○生活』原作特設サイト
http://daiohg.dengeki.com/sp/bocchi/
TVアニメ『ひとりぼっちの○○生活』公式サイト
hitoribocchi.jp
TVアニメ『ひとりぼっちの○○生活』公式Twitter
@bocchi_anime／#ぼっち生活
©2018 カツヲ／ＫＡＤＯＫＡＷＡ／ひとりぼっちの製作委員会
