鈴木このみが「真理の鏡、剣乃ように」をリリース「神奈ちゃんの思いが感じられるように意識しました」【インタビュー】 | 超!アニメディア

鈴木このみが「真理の鏡、剣乃ように」をリリース「神奈ちゃんの思いが感じられるように意識しました」【インタビュー】

5月8日にアニメ『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』のEDテーマ「真理の鏡、剣乃ように」をリリースする鈴木このみ。その製作過程を聞いたインタビューが、アニメディア5月号に掲載されている。「超!アニメディア」では、本 …

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 5月8日にアニメ『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』のEDテーマ「真理の鏡、剣乃ように」をリリースする鈴木このみ。その製作過程を聞いたインタビューが、アニメディア5月号に掲載されている。「超!アニメディア」では、本誌記事内ではお届けしきれなかった部分も含めたインタビュー全文をご紹介する。


『YU-NO』のEDは神奈の思いに寄り添って歌った1曲

――表題曲「真理の鏡、剣乃ように」は、『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』のEDですが、作品についてはどれくらい知っていましたか?

 じつは、お話をいただいたときは全然知らなかったんです。

――最初にPCゲーム版が発売されたのは、鈴木さんが生まれた1996年なんです。

 同い年なんですね! だとすると、知る機会がなかったですね……。歌唱のお話をいただいてから、アニメのプロデューサーにお話を聞いたり、ガイドブックを読んだり、今は実際にゲームもプレイしています。タイトルに「恋」というワードが入っていて恋愛要素もあるけれど、謎解きや歴史もののような雰囲気もあり、独特な世界観の作品なんだなと感じています。

――表題曲を最初に聴いたとき、EDっぽくはなくて勢いのある曲だなと感じました。

 私もそう思いました! 久しぶりにド直球なアニメソングだという感覚があり、新鮮な気持ちでレコーディングに臨みました。歌うときは、“とにかくストレートに”を心がけました。1回聴いただけで耳に残るような強いメロディーなので、変にクセをつけて歌うよりは、まっすぐに歌ったほうがいいのではないかと思いました。


――作品世界から漂う、どこかミステリアスな雰囲気などは、歌うときに意識しましたか?

 サビをまっすぐに歌うぶん、ほかで謎めいた雰囲気を感じてほしいと思いながら歌いました。この曲の歌詞が、作中に登場するキーマンである波多乃神奈ちゃんの気持ちに寄り添ったものになっているんです。それもあって、私自身で歌うよりも、神奈ちゃんになりきったほうがいいという気持ちが強くなり、ストレートさは残しつつも神奈ちゃんの思いが感じられるように意識しました。

――神奈にはどんなイメージを持っていますか?

 言葉数が多いわけではないので、キャラクター像をつかむのはすごく難しいんです。でも、孤独や切なさを抱えた女の子だと感じています。

――孤独や切なさをテンポの速いメロディーに乗せて歌うのは、意外と難しそうです。

 疾走感&ストレートさと、孤独&ミステリアスって、同居させるのが難しいので、あまり元気になりすぎないように、でも落ち込みすぎないように、歌うときはバランスに気をつけました。

――ほかの部分では、レコーディングはスムーズでしたか?

 個人的には歌いやすかったです。作詞・作曲の志倉千代丸さんとは直接お話はできなかったのですが、プロデューサーの方から「ライブで盛り上がってもらいたくて、フル尺のときはイントロをアニメサイズより長くしている」と志倉さんがおっしゃっていたと聞いて、今からライブで歌うのがすごく楽しみです。

――タイトルも印象的ですよね。なぜ「剣乃」の「乃」が漢字なのかと。

 私も最初はなんと読んだらいいのか悩みました。でも、作品のファンの方から「剣乃」というのがゲーム原作の方の当時のペンネームだと教えていただきました。こういうギミックを入れてくるところが、志倉さんのにくいところなんですよね。

――原作はもう20年以上前の作品ですが、それが今アニメ化されるということは、長く愛してくださっているファンが多いということですよね。

 こういう歴史のある作品に関わらせていただけるのは、アニソンシンガーとして光栄です。でも、それゆえにプレッシャーもあります。原作ファンの方は、きっとアニメをとても楽しみにしていると思うんです。だから、その期待を裏切ってしまいたくないなと思って。レコーディングのときはできる限りの情報を頭に入れて臨むようにはしていますが、それが無事に伝わるかどうかはオンエアされるまでわからないのでドキドキします。でも、この作品をたくさんの方に観ていただける手伝いを少しでもできていたらと思います。

――この曲は、MVも撮影するんですよね。

 じつは、撮影はこれからなんです。これまで私のMVはバンドの方と一緒に撮ることが多かったのですが、楽曲にデジタル感があったので、あえて違うことにも挑戦してみようということになり、CGを使うことになりました。疾走感を活かすためにレース風の映像になるそうなのですが、自分の頭だと完成図がうまく想像できなくて……。でも、いろいろな仕掛けもされるそうなので、細かい部分もチェックしてもらえたらと思います。

――ジャケットなどのビジュアルは、笑顔もなく、かなり大人っぽいイメージになりましたね。

 撮影のときに「笑わないで」と言われました(笑)。楽曲が持つスタイリッシュでミステリアスな雰囲気を前面に出そうということで、いつもとは違った表情で撮ることになったんです。今まで笑顔の写真が多かったのでヘンな感じもするのですが、曲によって表情や衣装をガラッと変えられるのもアーティストの特権ですし、すごく楽しい撮影でした。「今日は私、(女優の)石原さとみさんになる!」という気持ちで撮影に臨んだんです(笑)。

――カップリングの「Curiosity」は、三味線とタップダンスの音色が印象的です。

 この曲は、私が10年くらい習っていたタップダンスを活かしてみたいと思ってお願いした曲なんです。そうしたら、プロデューサーの方から「和の要素も入れてみる?」と提案をいただき、三味線を入れることになりました。和風な歌は歌ったことがあるのですが、和と洋を融合した曲は経験がなかったので、これは面白いかもしれないと思ってチャレンジしてみました。音源に実際にタップの音が入っているんですが、あれも自分で踏んでいるんです。

――すごく挑戦した1曲なのですね。歌詞については、どんなものをイメージしたのですか?

 私からは、「真面目になりすぎないでほしい」とお願いしました。5月から始まるツアーのタイトルが「CurioCity」になることは決まっていたんです。そのキーになる曲を作りたいというところが始まりだし、「好奇心」をテーマにしているからには、型にとらわれずいろいろなことに飛び込んでいくようなものがいいなと思ったんです。

――実際に歌詞が上がってきたときの感想は?

 バッチリでした。いろいろな歌い方にトライできそうなのもうれしかったです。私はリズムやピッチを気にしがちで、枠から外れた歌い方をするのが苦手だったんです。でも、この歌詞を見てちょっとくらい外れてもいいのでは思えたので、勇気を持って新しい歌い方にも挑戦できました。ちょっと前までは、自分で自分を型にはめて、コンペで曲を選ぶときも「私っぽくない」とか「私はこのワードを歌わなさそう」とか、自分で勝手に可能性を狭めていたんです。でも、それを取り払って、自由に伸び伸び歌えたので、まさに新しい私が出ていると思います。

――一番気に入っているポイントは?

 2番のBメロは、果てなくエンターテイメントを追い続ける感じが自分の思いに近いと思いましたし、「永遠がほしい」というワードも胸に来ました。ライブやツアーをやらせていただけるのは当たり前のことではないとわかっているからこそ、それが当たり前になる「永遠がほしい」と思うので。それから、挑戦する“メラメラ感”が表現できたところもお気に入りです。

――ちなみに、自分っぽさを取り払う挑戦をしようと思ったきっかけは?

 小さな積み重ねはもちろんですが、去年の日比谷野外音楽堂でのライブが大きかったと思います。念願のステージだったんですが、野外ということもあって音の跳ね返りがホールと違い、自分でも4曲目くらいまでは戸惑いがあって。でも、MCに入ったら、急にお客さんの顔がちゃんと見えて、私がステージに立っていることを喜んで、このライブを楽しみにしてきたということが感じられたんです。スタッフの皆さんが、私の夢を叶えようと頑張ってくださった思いもひしひしと感じて、これからもっといろいろなことができるんじゃないかと思えるようになって。すごくパワーをもらえたのだと思います。

――直近のライブは5月のツアーですね。

 今回のツアーは原点回帰しつつ、これからも好奇心を持ってチャレンジしていくという意味を込めています。タイトルを「Curiosity」ではなく「CurioCity」としたのは、私のライブを観た方が、終わったあとに自分も何か挑戦してみようとか、ワクワクできるものを探してみようとか、そんなことが感じられる街のようなものにしたいなと思ったんですね。いろんなことに挑戦するライブにする予定なので、ぜひ遊びに来ていただきたいです。

――ツアーの前にはリリースイベントもあります。

 直接ファンの皆さんにお会いしてお話できる、大好きなイベントです。私からもお話したいですし、皆さんの感想や意見も聞いてみたいです。今回、名古屋と大阪はフリー観覧もあるので、ぜひふらっと見に来ていただけたらうれしいです。以前のリリースイベントで、「いきなりライブに行くのはちょっと怖い」と言う方もいらっしゃったのですが、リリースイベントは気軽に参加できますので、ぜひいらしてください。

――それでは最後に、アニメディア読者へ向けてメッセージをお願いします。

 改めて長い歴史のある素敵な作品に関わらせていただけて、本当に光栄に思っております。個人的には作品世界にピッタリな曲を歌えたと思っておりますので、作品と合わせて楽しんでもらえたらなと。また、リリースイベントやライブなど生で届ける機会をたくさん設ける予定なので、CDを聴いて、ライブにも足を運んでもらえるとうれしいです。よろしくお願いします。

取材・文/野下奈生(アイプランニング)

PROFILE
【すずき・このみ】11月5日生まれ。大阪府出身。アミュレート所属。2011年、第5回全日本アニソングランプリでグランプリを獲得し、2012年に「CHOIR JAIL」でデビュー。これまでにシングル15枚、アルバム3枚、ミニアルバム1枚、ベストアルバム1枚をリリースしている。

『真理の鏡、剣乃ように』 
発売中
5pb.Records
アーティスト盤:1,800円
アニメ盤:1,300円

▲アーティスト盤ジャケット

 鈴木このみの16枚目となるシングル。表題曲はTVアニメ『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』のEDテーマ。疾走感のあるサウンドに乗せて、鈴木の伸びやかでパワフルな歌声が響く。カップリング「Curiosity」は、和と洋のテイストが融合した曲で、自身が踊るタップダンスのステップ音も使用されている。

《超!アニメディア編集部》
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