ミステリアス、ツンデレ、お母さん(本物)……中山信宏プロデューサーが明かす7月アニメ『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』魅惑のヒロインたち【インタビュー】 | 超!アニメディア

ミステリアス、ツンデレ、お母さん(本物)……中山信宏プロデューサーが明かす7月アニメ『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』魅惑のヒロインたち【インタビュー】

井中だちま・飯田ぽち。の話題の小説『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』が、アニメ化され7月より放送される。政府が仮想現実世界へフルダイブするタイプのオンラインRPGを開発。そのテスターに選ばれた主人 …

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 井中だちま・飯田ぽち。の話題の小説『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』が、アニメ化され7月より放送される。政府が仮想現実世界へフルダイブするタイプのオンラインRPGを開発。そのテスターに選ばれた主人公・大好真人の冒険に、母親の真々子も同伴することになる。コミカルな設定を用いつつ、母子の問題も描く本作の中山信宏プロデューサーのインタビューが、「アニメディア5月号」に掲載中。超!アニメディアでは、掲載しきれなかった部分を含めたロング版をご紹介。


――ゲーム世界を舞台にした作品はほかにもありますが、本作だけの特徴とは?

 主人公の冒険にお母さんがついてくるところ。しかも主人公より強い。それが本作ならではの特徴と言えるでしょう。なぜ母子同伴なのか、母子が一緒に冒険をすることでどういうことが起こるのか。そこが一番面白いところです。また、舞台となるゲーム世界はデスゲーム的な物ではなく、プレイヤー同士が命のやりとりをするものではありません。

――原作小説の魅力的なところとは?

 原作小説が出版された当時、母がヒロインであることが話題となり、ネットでバズったんです。これまでいろんなヒロインが登場しましたが、一周回って「母がヒロイン? この手があったか!」と。読んでみると、意表をつく「飛び道具」のような内容ではあるものの、母と子の関係を考える作者の意図を感じ、芯のある作品だと思ったのが最初の印象でした。

――母がヒロインなのは、確かに新鮮です。

 「ヒロインなのだろうか?」とも思うんですけどね。原作ではヒロインと言っているのですからヒロインであろうと。真々子はヒロインと言えない感じもする一方で、ヒロインの枠に収まらないところもあります。真々子は主人公の真人よりも強くて、基本的には真々子が毎回事件を解決するようになっていますから。

――ヒロインに母性を求めるファンが増えてきたという世相もあります。

 本作は「バブみ(母性を感じること)」があるとも言われていますが、世相はあまり意識していません。ただ結果として、そういう状況になっているのは事実かなと。映像化したいのは、やはり真々子をどう見せるか。母の強さですね。でも、母を愛でるだけでなく、息子の真人の話もあります。真人の冒険の仲間である、ほかのヒロインキャラやゲストキャラ、それぞれの母と子の関係も毎回描かれます。

――母子の関係は、観る側の年代によって思い入れ方が違うかもしれませんね?

 監督も含めた僕たち世代と観てくれる若いファンでは、母子の関係を受け取る感覚は全然違うと思います。でも、だからこそ、僕らの感覚をフィルムに落とし込み、若いファンに「こういう関係もありだね」と感じてもらえるといいかなと思います。とはいえコメディなので、基本は「明るく、楽しく、元気よく」という内容を楽しんで観てもらいたいです。

――映像化するうえでのこだわりは?

 シリーズ構成の赤尾でこさんをはじめ、脚本を全員女性にお願いしました。それは、女性視点が入るほうがいいと思ったからです。本作のような、男性の理想とも言えるような物語を突き詰めてしまうと、言い方は悪いですが、どんどん気持ち悪くなってしまうのではないかと(笑)。やりすぎるとアダルトな香りや雰囲気になりかねません。そうしたシーンが本作にまったくないとは言いませんが、やりすぎるのは禁物です。そこで赤尾さんたちにお願いしたのは、そういった要素をすべて省くのではなく、過剰に盛り込まないこと。キャラクターが立つように「作品のいいところをピックアップしてください」というものでした。


――アニメオリジナルのエピソードなどは、追加される予定なのでしょうか?

 原作の内容をピックアップすることでシーンや展開が飛ぶことがあるので、それをつなぐために原作にはない要素が入ることはあります。また「ゲームあるあるネタ」を多少追加したところもあります。でも、原作にないものを大幅に組み込むようなことはしていません。ライトノベル原作をアニメ化するときは、意識して「本を読み終わったときとアニメを観終わったときの感覚をなるべく近いものにする」ことを目指しています。

――トンデモ設定ですが、ジ~ンとさせてくれそうな期待が持てますね。

 数話をかけて描く1エピソードのラストには「ああ」とうなづけるシーンが登場します。その内容が一貫していて、ブレないのがいいかなと思っています。

――映像では、エフェクトなどもきれいですね。

 制作スタッフには頑張ってもらってます。舞台がゲーム世界なので、魔法などのゲーム世界ならではの映像表現はきちんとお見せします。

――原作者はどんな形で作品制作に関わっているのですか?

 原作者の井中だちま先生は、アニメ化を「なんのドッキリだ?」とずっと思われていたとか(笑)。本当のことだと信じたのは、去年の富士見ファンタジア文庫感謝祭でアニメ化が発表されたときだそうです。そのころは、もう打ち合わせも始まっていたんですけどね。井中先生には、アニメ用につないだ原作にはないシーンのセリフを微調整していただきました。ほかにも、シナリオや絵コンテでキャラクターのリアクションや口調のチェックなどをしていただいています。

――制作がスタートしたのはいつごろだったのですか?

 1年くらい前ですね。いろいろなタイミングが重なって、制作スケジュールとしてはちょうどいい感じになりました。

――岩崎良明監督はどのような意欲を持っているのですか?

 岩崎監督は「こうしたい」という意見を明確に言われる方で、キャラクターをすごく大事にされています。「ここでキャラクターがこうするのは、正解か否か?」とか、キャラクターの動きや見せ方を気にされますね。

――ちなみに真々子の見せ方は?

 ちゃんと母として描き、なおかつ、ヒロインとしても描くということを気にされていました。ギリギリのバランスだと思います。単純に年上のヒロインということであれば、描き方は全然変わったでしょう。もっと恋愛軸に持っていけばいいのですから。でも本作のヒロインは、じつの母なので恋愛軸に持って行けない大前提があります。そこがほかの作品と決定的に違うところです。幸いなことに、真人はほかのヒロインキャラに「真のヒロイン、キター!」という健全なリアクションをする子ですから(笑)、過度に恋愛軸に寄せる必要はありませんでした。

――では真々子は、どんな魅力を持ったキャラクターなのでしょう?

 彼女の魅力は、大いなる愛で包み、息子の真人のすべてを受け入れてくれるところ。決して猫かわいがりや甘やかしているわけではありません。叱るところは叱る。決して子離れできていないわけではないのです。ちゃんと真人に向き合っているんですよね。ある種、理想的な形になっていると思います。ただ、映像や内容的にはどうしてもピーキーな(突出した)ところが出ちゃうので、ベタベタしてるところが目立つかもしれません。かなり変わったお母さんであることは間違いなく、ゲーム世界では「母の光」というスキルで、うれしくなると光り出すなど、もうムチャクチャです(笑)。

――若々しいお母さんですよね?

 原作のイラストを担当された飯田ぽち。さんは、彼女の体のシルエットを「重力の影響を受けているライン」にしているとか。顔は若々しく見えるけれど、少しずつ体のラインが変わっていくところを意識しているそうです。

――茅野愛衣さんによる真々子の声が素敵です。

 アニメ化以前に茅野さんがCM展開などを担当されていたので、最初に「キャストは茅野さんから変えない」と決めました。ベストチョイスですよね。茅野さんの演技は、説得力があるのですごく助けられています。茅野さん自身は母ではないですが、母感があります(笑)。今作のメインのキャスト陣のなかではキャリア的に一番上ですしね、そういった意味でも安心感があるかと。

――ほかのキャラクターについても教えてください。真人はどんなキャラクターですか?

 年相応の主人公のような気がします。母に素直になれないところとか、間違うことは間違う。でも、間違えたらちゃんと「ごめんなさい」と謝ることができる。変にごまかしたりしないところは、ちゃんとしてる子だと思います。母に対する反抗も年相応で、自立心が芽生えた思春期の男の子の一般的な態度ではないでしょうか。普通の男の子が正面から気持ちをぶつけていく。そこがいい子だなと思えます。また、彼を中心に話が回っていくのは間違いありません。彼がヒロインに鼻の下を伸ばし、そこにお母さんが関わってきてドタバタ劇を展開するなど、一番生き生きしているキャラクターです。

――真人は何かを見いだしそうですか?

 真人は、大きくは成長しないと思うんです。物語の基本は、毎回提示される母子の関係や問題について、真人なりに出す答えが問題解決の糸口になり、真々子がそれをアシストする感じ。ただ、クライマックスでは、真人は母の思いを受け止めたうえで自分の思いを語ることになっていくので。

――真々子や真人を冒険に誘う白瀬さんは?

 白瀬さんは謎の人ですね。真人たちが参加するゲームの運営側の人なので、普段見せる彼女の姿が素なのかつくりものなのかすらもわからないところがあります。舞台を整えるというか、場を用意する人。主人公たちにクエストを与えて、無理難題を言ったりすることもあります。まさに面々を冒険に誘う人で、かなりおかしな人。

――冒険の仲間になるポータは?

 ポータは原作だと色々設定がありそうなのですが、アニメはそこまで踏み込まない形になります。裏表がなく、かわいがられるマスコットキャラという感じです。あと、荷物持ちで、アイテムを作り出したり、必要なものを用意するなど、パーティーには不可欠。冒険の役に立つ女の子です。

――もうひとりの冒険の仲間のワイズは?

 ヒロイン格のひとりで、いわゆるツンデレキャラ。賢者なので役に立つのですが、残念ポイントがいっぱいある。魔法封じにかかりやすいとか、調子にのりやすいとか。また、彼女も母との間に問題を抱えています。キャラクター的には元気があって、ドライブしていく(活動的な)キャラクターなので、そこが面白さになるかな。

――最後に、7月の放送を心待ちにしている読者へメッセージをお願いします。

 原作の持つテイストを最大限に活かすべく、しっかりと作っている状況です。母でありながらヒロインである真々子に癒されること間違いなし。日々の生活に疲れているみなさんは、この作品を観てぜひ癒されてください。また、お母さんがご健在ならば「母ちゃん元気?」なんて連絡する気持ちになっていただければ、作ったかいがあります。応援よろしくお願いします。

『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』作品概要
<スタッフ>
原作:井中だちま(ファンタジア文庫/株式会社KADOKAWA)
 原作イラスト:飯田ぽち。
監督:岩崎良明
キャラクターデザイン:八重樫洋平
シリーズ構成:赤尾でこ
音楽:井内啓二
アニメーション制作:J.C.STAFF

<キャスト>
大好真々子:茅野愛衣
大好真人:石谷春貴
ワイズ:鈴代紗弓
ポータ:原田彩楓
メディ:Lynn
白瀬:新井里美

アニメ公式サイト
https://okaasan-online.com 

アニメ公式Twitter
@okaasan_online

©2019 井中だちま・飯田ぽち。/株式会社KADOKAWA/お母さんは好きですか?製作委員会

《超!アニメディア編集部》
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