1967年より、東映が子供向け映画をまとめて上映してきた「東映まんがまつり」が29年ぶりに復活、2019年4月26日(金)に全国公開する運びとなった。今回上映されるのは、謎の海域に潜む伝説の超大物バーソウル「“神(しん)”海魚ポセイドン」に挑む『映画 爆釣バーハンター 謎のバーコードトライアングル! 爆釣れ!神海魚ポセイドン』、フー・スー・チーのおかしくてキュートな3姉妹が巻き起こすおっぺけぺーな日常を描いた『えいが うちの3姉妹』、ダンボールから作られた冒険家コンビであるネコのヤマオリ・イヌのタニオリが伝説のお宝をさがしにダンボール惑星を大冒険する『りさいくるずー』、そして、幼児から小学校低学年の男女を中心に人気を得ている、見た目はおしりでも推理はエクセレントな名探偵「おしりたんてい」が活躍する『映画 おしりたんてい カレーなる じけん』の4本だ。
今回は『映画 おしりたんてい カレーなる じけん』に登場する重要キャラクター・アルパチ役を演じる爆笑問題・太田光にインタビュー。作品のことに加えて、アニメ事情や憧れの声優などについておうかがいした。
爆笑問題・太田光
――まず、『映画 おしりたんてい カレーなる じけん』のアルパチ役のオファーがきたときの率直なお気持ちを教えてください。
遅かったなと。オファーをずっと待っていましたからね。ようやくきたか、という感じです。何といっても声優がやりたかったから。『アイス・エイジ』で吹き替えなんかもやりましたけど、それから一向にオファーがこないからさ。どうなってんのかと。
ーーそしたら今回、オファーがきた。
遅いから怒りすら感じているね。何をしてるんだと!
――と、東映さんにお伝えしておきます! ちなみに、同じく東映さんの作品でいえば、映画『プリキュア』には相方の田中さんがご出演されていますね。
田中がやるって聞いて東映さん、センスないなーって思ったよね。
――俺だろって?
そうそう。俺のほうが上手だから! だから、オススメは「東映まんがまつり」です。『おしりたんてい』、面白いよ。
――では、太田さんが今回演じられるアルパチはどういう役ですか?
役の説明をするだけで全部ネタバレになっちゃうからなぁ。まぁ、屈折した若者ですかね。今回はゲストキャラクターとしての登場ですけども、今後は恐らくレギュラー放送にも絡んでくるんじゃないかな。あとはアルパチのスピンオフ作品があるみたいな話まで聞いてるけど。
――スタッフさんがみんな苦笑いしていますが……(笑)。
いやいや、そのうえで引き受けているから! まだ謎が多いキャラクターですから。まだまだ語れる部分はあると思うよ。
――本当にレギュラー出演やスピンオフ作品の放送が実現することを期待しております。
やるからね!
――やる気十分ですね(笑)。続けて、アフレコを終えての感想もおうかがいできればと思います。
『アイス・エイジ』のときは吹き替え前の外国人の声を聴きながらやっていたから声を入れるタイミングも分かったんだけど、今回はそれがないから難しくって。しかも色は塗られていない、完成もしていない状態の絵で声を入れないといけないから余計に大変。台本と映像を見ながらアフレコしたんだけども、絵を観てもどこをやっているか分からなくてさ。最初は台本見ながらやっていたけど途中で投げ出しちゃった。だから声優さんってすげーなって思いましたよ。
――改めて声優さんのすごさが分かった?
俺のときはまだ他のキャラクターを担当した声優さんの声が入っていて雰囲気もつかみやすかったけどさ、あの出来上がってない絵と台本だけでタイミングつかめたり、雰囲気つかめたりするのはすごいよね。
――それでもまた挑戦したい?
もう把握しましたから。
――どんな役を演じられるのかも楽しみです。太田さんは人気声優さんがスゴイと思った声優さんに投票して、それをランキング形式で発表する特番の司会もされていましたが、声の芝居をするうえで参考にされた声優さんなどはいらっしゃいましたか?
山田康雄さんですね。あとは富山敬さんとか、広川太一郎さんとか、野沢那智さんとか。僕たちの世代は皆さんの声で育っていますから。皆さん洋画の吹き替えなんかでも活躍されていたなぁ。そういう方々の声って今聞いても安心するし、カッコいいなって思う。
――憧れ?
憧れだね。広川さんは洋画の『モンティ・パイソン』シリーズの吹き替えなんかもやっていたけど、字幕のものと比べても、広川さんが吹き替えていたもののほうが面白いなって思った。
――堂に入った芝居をされていた?
すごかったね。
――いま声優さんのお話が中心でしたが、太田さんはアニメがお好きだともおうかがいしたことがあります。最近はどんなアニメをご覧になられましたか?
最近はね、『コードギアス』。あとはNetflixで配信している『A.I.C.O. Incarnation』を5話ぐらいまで観てるかな。
――Netflixさんで配信されているオリジナルアニメもご覧になられているんですね!
観てますよ。絵が綺麗だし、お話も面白いですよ。
――観るアニメの基準ってあるんですか?
特にはないかな。面白いって耳にしたり、誰かが言っていたり、記事になっていたりしたもので興味深かったものを観る。
――『魔法少女まどか☆マギカ』もおススメされてご覧になられたんですよね。
そうそう。『まどマギ』も観たし、あとは『あの花』(『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』)とかね。新海誠さんも『君の名は。』(2016年公開映画)ですごく話題になる前から『言の葉の庭』(2013年公開映画)で知っていましたから。
――色々とご覧になられているんですね!
昔から観ていますから。それこそ、我々は「東映まんがまつり」ど真ん中世代です。『長靴をはいた猫』とか、『海底3万マイル』とかのアニメ作品や、『仮面ライダー』シリーズとか、色々とやってましたよ。あとは東宝の『ゴジラ』。東映と東宝の作品が夏休みの楽しみでね。自分の家ではどちらかに行って、もう一方を友達のお母さんに連れて行ってもらって観てたなー。当時はまだテレビマンガでしたけど、それがアニメを観るようになった原点かな。アニメって言い始めた『ヤマト』(宇宙戦艦ヤマト)のときも中学生で、これも世代。
――今と昔のアニメを観比べてみていかがですか?
今のアニメは昔とは技術が違って、絵の躍動感とかも各段に違う。あと最近のアニメは話が複雑で主人公が完全に正義の味方じゃなくて、悩みを抱えていたり、人間の作り方が複雑だったりするから見ごたえがあるなと。反対に昔のアニメは分かりやすかったかな。主人公が喧嘩好きの作品とかいっぱいで。
――今と昔それぞれに良さはある?
そうそう。どっちも面白さがある。今回「東映まんがまつり」が復活するってのはすごくいいことだと思う。本当に楽しみだったから。
――演じられる役のことから太田さんのアニメ事情などについてもお話いただきありがとうございました。最後に改めて、今回の映画の見どころについて教えてください。
アフレコの時、少しだけ完成した絵があったけど、綺麗で素晴らしかった。おしりが主人公だけど、全然下品な感じがしないんだよ。あんなに上品に綺麗に描いているから面白いよね。子供は大喜びでしょう。今回ゲスト出演だけど、レギュラーやらせてほしいよね。毎週出せばいいだけだから。東映さん、よろしく。
「東映まんがまつり」は2019年4月26日(金)劇場にて公開される。
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