アーティスト活動を再開した久保ユリカのミニアルバムは「『踊る』『魅せる』ことを重視して、年相応の私らしく作りました」【インタビュー】 | 超!アニメディア

アーティスト活動を再開した久保ユリカのミニアルバムは「『踊る』『魅せる』ことを重視して、年相応の私らしく作りました」【インタビュー】

2017年よりアーティスト活動を休止していた久保ユリカが、ミニアルバム『VIVID VIVID』のリリースで再出発! 活動再開の心境や、ミニアルバムの制作秘話を聞いたインタビューが、発売中の『アニメディア3月号』に掲載 …

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 2017年よりアーティスト活動を休止していた久保ユリカが、ミニアルバム『VIVID VIVID』のリリースで再出発! 活動再開の心境や、ミニアルバムの制作秘話を聞いたインタビューが、発売中の『アニメディア3月号』に掲載されている。「超!アニメディア」では記事内でお届けしきれなかった部分も含めたインタビュー全文をご紹介する。

――今回リリースするミニアルバム『VIVID VIVID』でアーティスト活動再始動となります。アーティスト活動をお休みしていたのは、なぜだったのでしょうか?
 アーティスト活動のスタートの段階から、私のなかには「自分が歌わせてもらえるのは声優だから」という思いがあったんです。でも、アーティスト活動をしているうちに、胸を張って「声優です」と言っていいのかと不安になることもあって。もう少し、声優に集中したほうがいいタイミングなんじゃないかと思ったところもありましたし、ちょうど区切り的にアルバムを出せたというのもあって、一度お休みしたいと考えたんです。

――声優としての自分にきちんと向き合いたいという感じ?
 そうですね。自分が「声優だ」という意識を、今一度改めてきちんと持ちたいというのもありました。胸を張って「声優です」と言えなくても、とにかくそこに向かう一歩を踏み出せる段階くらいにはなりたいなと。アーティスト活動をお休みさせていただいていた間は、アニメやゲームも含め、役者として細かいところにも目を向けるようになれたんですね。とても素敵な作品や役にたくさん巡り合うこともできましたし、すごく充実した時間を過ごさせていただけたなと思っています。

――もしかしたら、両方に全力を注ぐことを難しいと感じていたのかなとも思っていました。
 私は器用な方ではないので、今でも両方に全力を注ぐのはすごく大変だし、難しいと思っています。ただ、お休みする前の私は「難しい」とか「できない」という自分を認めたくなかったんです。もちろん声優とアーティスト活動を両立させる大変さがあるなかで、それを頑張ってこなしている方々もいらっしゃる。できている人がいる以上、「できない」って言っちゃいけないんじゃないか、ここで自分が「両立できない」なんて言うことは甘えなんじゃないかと思ってしまっていて。お休みをいただいてやっと、「私にはできないんだ」と認めることができて、一歩進めた感じでした。

――認めることができたから、アーティスト活動も再開できた?
 実は、私から「じゃあアーティスト活動を再開するか」と提案したわけではなく、以前の活動でお世話になっていたプロデューサーの方やディレクターの方と、昨年の頭くらいにお話をする機会があったんです。そのときに「もしよかったら、改めて一緒に音楽をやりませんか」と声をかけていただいて。そのときには、できない自分を認められるようになっていましたから、「以前のようなスピードでリリースをすることはたぶんできないと思う」ということもお伝えしたんです。でも、音楽活動をやりたくなかったわけではないので、「もしマイペースでいいのであれば、ぜひやりたい」とお伝えした結果、いろいろあって2月にミニアルバムを出しましょう、という形になりました。聴いてくださる方にとってもお久しぶりですから、ミニアルバムくらいの曲数がピッタリなんじゃないかなということで、今回は5曲でお届けすることになったんです。

――今回のミニアルバムは、どんなコンセプトで作ろうと考えましたか?
 「私が魅せたい私」や「私らしさ」を大事にしました。ただ、私らしいといっても、以前のようなナチュラルな “らしさ”ではなくて、作り込んだ「久保ユリカ」を意識した感じでした。ビジュアルイメージからジャケット、「VIVID VIVID」のMVまで、とにかく作り込んだので、以前の私の活動を好いてくれていた方には受け入れてもらえるか、残念な気持ちになったりしないかとドキドキしていましたが、MVやジャケットを発表したときに「久保ユリカっぽい」という感想をいただいて、とにかくホッとしました。実は、2018年の私のテーマが「年相応」だったんですね。そういう意味では、素とは違う「年相応」の私らしい作品作りができたのかなと思っています。

――作り込んでいるというだけあって、曲調がバラバラですよね。
 そうなんです。でも、全部が揃ってみると意外とまとまりがある、すごく不思議なアルバムになりました。この言い方だとみなさんがドキドキしちゃうかもしれないんですが、悔いのない作品ができたかなと思っています。あ、別にこれでまたお休みするというわけではないですよ(笑)! ひとつひとつを丁寧に作り上げることができたという意味で、「悔いがない」と思えたんです。

――曲調はバラバラでも、踊ったりできそうなニュアンスが入っているところは共通していますね。
 「EDMっぽい曲で歌ってみたい」というのも、私の希望でした。実は、そもそも私は歌うことに自信がないし、上手ではないと思っていることも、プロデューサーの方やディレクターの方にもお伝えしたんですね。でも、せっかくだからいいものを作りたい。私が毎日ボイストレーニングをめちゃくちゃ頑張ればいいのかといえば、それは方法のひとつとして間違ってはいないのだろうけど、今の段階ではあるものを活かして、よりよく磨くのはどうだろう、そうするのはどうしたらいいかと考えて「踊る」「魅せる」にたどり着いたんです。一番踊っていたときと比べたら、体力がなくなっているのは感じていたから、「それなら」と体力作りのために運動や筋トレをしてみたら、すごく楽しくて。なるほど、私はこれが今楽しいんだなと感じることができて、よりいっそう「踊る」「魅せる」ことを重視しました。「魅せたい」という思いが統一されているから、バラバラな曲調なのにまとまって聞こえるのかなとも感じています。

――ぜひ、それぞれの曲についても聴かせてください。まず、「VIVID VIVID」はすごくポップな曲です。
 この曲はかわいらしさと、年相応のセクシーさも出したいという「セクシーキュート」がテーマです。アルバム全体のコンセプトがまさに「セクシーキュート」なので、表題にふさわしい1曲になりました。聴いていて景色が浮かんだり切なくなったりする曲も素敵ですが、せっかくの再出発だから、とびきりハッピーになれたらなと思い、こんな曲に仕上げていただきました。

――2曲目の「Instant@Heart」は、クールでかっこよく、今までにはなかったタイプの曲ですね。
 声質的に強い音が出にくく、頑張ってもやわらかくなりがちだったので、かっこいい曲に苦手意識があったんです。でも、スタッフの方がそれを理解してくださり、私の声に合うかっこよさ、大人っぽさのある曲を作ってくださいました。新鮮だったぶん、レコーディングは圧倒的に難しかったです(笑)。個人的には、これをライブでどうカッコよく魅せるのかが課題だなとも思っています。

――3曲目は「しかししかじか」。
 問題曲ですね(笑)。この曲に関しては「奈良を出して」とか「鹿を使って」とか「私を紹介して」とか言ったわけではなく(笑)、作詞をしてくださった烏屋茶房さんが、私のことをすごく調べて作ってくださいました。愛を感じています。タイトルも歌詞もふざけていると思われるかもしれませんが、意外と何回も聴きたくなる中毒性があるんです。これはたぶん、私にしか歌えない曲だと思います(笑)。

――アナウンスが入っているところに、声優らしさもありますね。
 とはいえ、このアナウンス、オチがないんですよね(笑)。そのまま落ちサビにいくので、きょとんとしちゃう方も多いかもしれません。

――4曲目の「幸せの雲」では作詞も担当。
 最初に詞を好き勝手に書いたら、とんでもなく救いようのない詞になってしまったのが印象的でした(笑)。曲の切なさに引っ張られたみたいで。よく考えたら曲のオーダーをするときに「ちょっと切ない要素もほしい。でも悲しいバラードにしたいわけではないんです」と言っていたので、自分のせいなんですけど……。(作詞担当の)毛蟹さんがメロディーに合う形で言葉を組み立て直してくださって、私らしさを残しつつも、救いのある曲になりました。EDMっぽさや踊れる要素もきちんと入っているところもポイントです。

――そして最後を飾るのは「旅風船」。
 この曲が一番、以前の私のソロと歌い方や楽曲の雰囲気が近いのかなと思っています。そういう意味では、以前の私の活動を好きでいてくださった方にも手に取っていただきやすいのかなと。この曲は、充電期間を経て「ただいま」をみなさんに伝えたい――その思いで作詞をお願いしました。私が書いたんじゃないのに、私から出たような歌詞になっていて、最初に見せていただいたときに感動しました。でも、私だったら「風船」というワードは思いつきもしないと思うので(笑)、作詞家さんの素晴らしさを感じられた曲でもあります。

――試聴等をされたファンの方の反応をどう受け止めていますか?
 「みなさんが喜んでくれるものを作りたいというところ」から「自分も楽しめるもの」をという形にコンセプトをシフトしたのでかなりドキドキでしたが、SNS等での反応を見ると好意的な意見が多いので、ホッとしています。それから、好きな曲がバラバラなところも面白いなと感じました。「Instant@Heart」と「幸せの雲」なんて真逆に近いのに、「どっちもいい」って言ってくれて……。みなさんの反応を見て、これはいろいろな人が楽しめるお得感のある1枚になったんじゃないかと思えるようになりました。

――久保さんの表現者としての広がりが感じられる、素敵な1枚になっていると思います。
 ありがとうございます。私は人からの評価をすごく気にしていますし、ちょっとウソっぽく聞こえるかもしれませんが「できる限り自分の周りにいる人が楽しくて幸せであってほしい」と思っているんです。本気で「久保とやってよかった、楽しかった」と言ってほしいと思っていますし、そう言われてやっと達成感を感じられたり、安心できたりするタイプなんです。それもあって、これまでは「可能な限り多くの人がいいと思うものを作らないと」みたいな気持ちがあったんですが、それは逃げでもあると思うんです。みんながいいって言ったからいいだろう、みたいな。それが今回は、ちょっと勇気を出して自分自身が楽しむこともちゃんと考えながら作ることができたし、それをよしと思うこともできるようになったので、やりがいのある1枚が作れたなと感じています。

――5月にはライブも決まっています。
 平成最後の春といわれる時期ですが、4月はリハーサルでそれどころじゃないと思います(笑)。とにかく「魅せる」音楽をやると決めたからには、しっかり体力をつけてパフォーマンスを見せられるようにしたい。健康に楽しく、平和に頑張りたいです。

――では、最後に読者へメッセージを。
 アルバムを聴いたあとにこういった形で細かくお話したことを知ってもらえると、作ったときの気持ちも伝わると思います。「チーム・久保ユリカ」として、やりたかったことをこの1枚でお届けできたと思うので、できるかぎりたくさんの方に聴いてもらえたらうれしいです。今までの形の私を応援してくださっていた方はビックリしちゃうかもしれないけれど、とにかく一度、聴いてみていただけたらと思います。これからもマイペースで自分らしく頑張りますので、今後ともよろしくお願いします。

<プロフィール>
【くぼ・ゆりか】5月19日生まれ。奈良県出身。フリー。2016年2月にシングル『Lovely Lovely Strawberry』でソロデビュー。これまでにシングル3枚、アルバム1枚をリリース。声優としての主な出演作は、『青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない』梓川かえで(花楓)役、『少女終末旅行』ユーリ役など。

<ミニアルバム『VIVID VIVID』情報>
発売中
ポニーキャニオン
初回限定盤:3,456円、通常盤:2,700円
1年半の充電期間を経て、アーティスト活動を再開する久保ユリカのミニアルバム。全5曲にわたって「魅せる」ことにこだわり、バラエティーに富んだ楽曲をそろえた。新たな久保ユリカのアーティスト像が感じられる1枚に仕上がっている。初回限定盤には、表題曲のMVとメイキング映像を収録したBlu-rayが付く。

初回限定盤
通常盤

 

取材・文=野下奈生(アイプランニング)

 

《超!アニメディア編集部》
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