『劇場版Infini-T Force/ガッチャマン さらば友よ』Blu-ray&DVD発売記念 声優・関智一×モーションアクター・村松和輝対談【インタビュー】 | 超!アニメディア

『劇場版Infini-T Force/ガッチャマン さらば友よ』Blu-ray&DVD発売記念 声優・関智一×モーションアクター・村松和輝対談【インタビュー】

アニメスタジオ・タツノコプロの創立55周年を記念し制作されたフル3DCGアニメ『Infini-T Force』。今年2月に公開された本作の劇場版のBlu-ray&DVDが発売中だ。ガッチャマン/鷲尾健の声を演じ …

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 アニメスタジオ・タツノコプロの創立55周年を記念し制作されたフル3DCGアニメ『Infini-T Force』。今年2月に公開された本作の劇場版のBlu-ray&DVDが発売中だ。ガッチャマン/鷲尾健の声を演じた関智一と、モーションアクターを務めた村松和輝に、声と動きの両面から、共にひとりのキャラクターを作り上げていった過程を語ってもらった。そのインタビューが「アニメディア9月号」に掲載中だが、「超!アニメディア」では紹介しきれなかった部分も合わせてご紹介する。


――まずは、モーションアクターとはどのような役割なのか教えてください。

村松 実際の人間の動きをアニメに置き換え、よりリアルな表現をするための俳優です。マーカーのついた全身タイツのようなスーツを着た状態で芝居をし、動きのデータを録って、それをもとにアニメに当て込むという流れになります。僕らモーションアクターもセリフをすべて覚えて、一連の芝居をして、それをカメラでいろいろな角度から録ってもらっているので、意識としては普通のお芝居と変わらないと思います。

 村松さんが演じてくださった動きをもとに作られた映像を見て僕が声の芝居をし、さらにその後、村松さんが僕の声に合わせて表情のお芝居をする、という流れですよね。

――戦闘シーンはどのように撮影しているのでしょうか?

村松

 戦闘シーンはアクション俳優の方が実際に動いています。ただ、アクションシーンに関しては僕がやらせてもらっているところもあるし、逆にアクションの方が日常パートを演じているシーンもあるので、一概に分けられないんです。「バード・ゴー!」という変身時のアクションも、僕がやっているときがあれば、アクション俳優の方がやっているときもありますね。

――本作の魅力のひとつである3DCGによるキャラクターのリアルな表情や動きは、そうやって作られていたのですね。役作りについては、どのような点を意識されましたか?

村松

 絵コンテがあるので、基本的に動きは決まっているんです。でも、絵コンテをそのままやるだけでは、自分じゃなくてもよくなってしまう。タツノコプロの方も「モーション(行動)ではなくエモーション(感情)の部分を投影したい」とおっしゃっていたので、あまり考えずに感情から出た動きを優先した結果、健になったと思っています。よく腰に手を当てるポーズをしていたのですがこれも「健っぽいな」と思ってやったわけではなく、お芝居のなかで自然に動きが出たあと、たしかに健っぽいなということで使った動きなんです。その結果、人物像が浮き立ってきたなと思っています。

 健は4人のなかで最年長なので「“昭和のお父さん”みたいな感じにしてほしい」と言われました。自分も昭和生まれでお父さん世代でもあるので、気取らず自分のまま芝居ができましたね。村松さんが動きを演じてくださっているので、人間の呼吸が感じられて芝居しやすいんです。そこに乗っかっていく、いわば便乗商法です(笑)。



――一般的なアニメのアフレコと比べ、違いはあるのでしょうか?

 作品にもよりますが、アニメは絵に合わせすぎちゃダメなんです。2次元の制約を飛び出すためにも、表情に縛られずに芝居をすることが大切。でも今回は、僕のアフレコのあとに村松さんが表情の芝居をしてくださる流れだったので、村松さんの動きの芝居に乗っかりつつ、自分のやりたいようにできました。村松さんのセリフまわしが素敵だなと思ったら、そこも真似してみることもあって。声優さんって型にはままった芝居をする人が多いし、自分もそうなってしまう部分もあるんです。「っぽい芝居」といか。時間の制約もありますし、一発勝負の職人芸みたいになっちゃうんですよね。そんななかで、声優とは別の分野で芝居されている方の感覚をお借りできるので、アニメっぽくない言い回しも入れることができたと思います。そういう意味で、芝居をやれる余地が多い作品だったと思います。

村松 僕、じつは自分の声にコンプレックスがあるんです。本当は関さんみたいな声を出したいのですが、録ったものを聞いてみると全然声が出ていないところもあって。でも、こうして関さんには届いているし、意識せずやっていたところに関さんの解釈を加えて演じてくださっているので、本当にふたりで、アクション俳優の方もいれると3人で作り上げたという意識が強いです。

――村松さんは、関さんの声に合わせて表情の芝居をされているとのことですが、どのように行っているのでしょうか。

村松

 動きの芝居をするときと流れは同じです。顔にマーカーをつけて、いろいろな角度で撮影し、表情の動きをデータ化する。昔は顔中に小さいマーカーをたくさんつけていたのですが、今は技術が進歩して専用のペンで顔にマーカーを描くするだけでデジタルに落とし込めるようになりました。

――関さんの声の芝居を聴いて、芝居の解釈が変わることはありましたか?

村松

 ありますね。たとえば、セリフはあるけど動いていないシーンの表情って難しいんです。でも、関さんの芝居を聴いて「あ、そういう解釈をされているんだな」と思ったらそのままもらうこともありました。声の芝居を聴いて解釈を感じるのは、新鮮だし演じやすかったですね。アニメのこういう作り方が今後増えていっても面白いと感じます。あと、「顔を意識してください」とディレクションをいただくのですが、僕のなかの反骨精神があって…。顔を意識し過ぎると表情ではなくポーズになってしまうんです。思いがあるから言葉にでて、さらに表情に出る、ということを芝居で表現したかったので、逆に意識しすぎないようにはしていました。


――完成したものをご覧になった感想はいかがでしたか?

 CGの作品にはあまり出たことがなかったので、完成したものを観るまでは「どうなるんだろう」と思っていたんです。でも、実際に完成版を観てみたら表情もすごく豊かで想像以上に感動しましたし、ヒーローたちの人間模様や葛藤に心を揺さぶられて気がついたら泣いている自分がいました。女性の視聴者の方には、ヒーローものだと思わずに、ひとりの女の子を4人の王子さまが入れ替わり立ち替わり守ってくれる恋愛シミュレーション的な要素を楽しんでくれていた人も多かったみたいですね。なのでまだご覧になっていない方は、騙されたと思ってちょっと観てみてください(笑)。自分の感情の赴くままに行動する子供っぽいヤツや、理屈っぽいヤツ、闇を背負っているヤツなど、いろいろなタイプがいるので。僕らが演じている健は、至極まっとうなことを言ってくれる、古きよきタイプの男ですね。一見ウザそうだけど、そんなふうに叱ってくれる人って周りにあんまりいないのではないでしょうか。孤独を感じていたり悩みを抱えていたりする方が観たら希望を見出せるような、現代のアニメ好きな人でも感情移入しやすい作品だと思います。

――そのあたりに注目しながら本作を観ると、新しい魅力が発見できそうです。それでは最後に、おふたりが思う「ヒーロー像」を教えてください。

村松

 ヒーロー像とは少し逸れるかもしれないのですが……健たちって変身したあとも、それぞれの名前で呼び合うんですよね。「ガッチャマン」「テッカマン」ではなく、「健」「城二」って。それってすごく大事なことで、この作品の魅力でもあると思っていて。彼らは、ヒーローである以前にひとりの人間としてそこにいるわけで。変身できるからヒーローになったわけじゃなく、心が動いたから、他者のために動けるからヒーローになったと思うんです。言ってしまえば自分勝手なヤツらですよ(笑)。きっと、健本人は自分たちのことをヒーローと思ってないのでは、と思っています。

 いつもは一般庶民だけど、いざというときに立ち上がれる人がヒーローだと思います。この作品では彼らが代表してヒーローになっていますが、敵に立ち向かう勇気さえあれば誰でもヒーローになれるし、その気持ちにパワーが宿るのだと思います。


<プロフィール>
【せき・ともかず】9月8日生まれ。東京都出身。アトミックモンキー所属。
【むらまつ・かずき】6月28日生まれ。神奈川県出身。ジェイエフシーティー所属。

《パッケージ情報》
『劇場版Infini-T Force/ガッチャマン さらば友よ』
【発売】発売中
【品番】Blu-ray:PCXP.50594 DVD:PCBP.53788
【価格】Blu-ray:¥7,000(本体)+税 DVD:¥6,000(本体)+税
【枚数】本編1枚
【収録分数】本編90分+特典映像45分(予定)

【内容解説】
戦いの末に自分たちの世界を取り戻し、それぞれが生きるべき場所へと戻ったガッチャマン=健、テッカマン=城二、ポリマー=武士、キャシャーン=鉄也の四人。しかし彼らはある目的のため、笑と共に再び時空を超えて一つの世界へと降り立った。そこは平和を脅かす人類の敵「ギャラクター」が猛威を振るい、それに対抗するガッチャマン率いる「科学忍者隊」が戦い続けた世界。
 だが、その世界の様子に違和感を覚える彼らの前に、一人の男が姿を現す。それは科学忍者隊の創設者、南部博士。見知ったはずの健に不審な表情を向ける南部は、ヒーローたちに思わぬ言葉を告げる。「どうやら君たちは私の敵らしい」と……。そして、その様子をビルの上から見つめる一つの影があった。それは健と共にギャラクターと戦い続けた、科学忍者隊のナンバー2。その名を“コンドルのジョー”。4大ヒーローの新たなる激闘が幕を開ける!

【スタッフキャスト】
ガッチャマン/鷲尾 健:関 智一
テッカマン/南 城二:櫻井孝宏
ポリマー/鎧 武士:鈴村健一
キャシャーン/東 鉄也:斉藤壮馬
界堂 笑 :茅野愛衣
佐々岡:遠藤 綾
コンドルのジョー/ジョージ浅倉:鈴木一真

南部博士: 船越英一郎

原作:タツノコプロ
監督:松本 淳
脚本:熊谷 純
音楽:やまだ豊
主題歌:flumpool「To be continued…」
キャラクターデザイン原案:大暮維人
ヒーローデザイン原案:さとうけいいち
スーツ・メカニックデザイン:中北晃二

【特殊内容/特典】
◆特典映像(予定)
・初日舞台挨拶
・レジェンドトークショー(笹川ひろし×大河原邦男)
・モーションアクタートークショー
◆封入特典:ポストカードセット(6枚)
発売元:ポニーキャニオン

『劇場版Infini-T Force/ガッチャマン さらば友よ』公式サイト
http://www.infini-tforce.com/

『劇場版Infini-T Force/ガッチャマン さらば友よ』公式Twitter 
https://twitter.com/Infini_TForce

取材・文/鈴木幸

©タツノコプロ/Infini-T Force製作委員会

《超!アニメディア編集部》
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