GRANRODEOとTVアニメ『バキ』の親和性「ここまで振りきった歌詞が書けたのも『バキ』だから」【インタビュー】 | 超!アニメディア

GRANRODEOとTVアニメ『バキ』の親和性「ここまで振りきった歌詞が書けたのも『バキ』だから」【インタビュー】

2001年に放送されたアニメ『グラップラー刃牙』から17年を経て、シリーズ第2作『バキ』の放送がスタート。伝説の格闘技アニメのOPテーマ「BEASTFUL」を歌うのは、アニソン界の武闘派=GRANRODEO。格闘技全般 …

ニュース
注目記事
アー写
  • アー写
  • GRANRODEO
  • GRANRODEOとTVアニメ『バキ』の親和性「ここまで振りきった歌詞が書けたのも『バキ』だから」【インタビュー】
  • GRANRODEOとTVアニメ『バキ』の親和性「ここまで振りきった歌詞が書けたのも『バキ』だから」【インタビュー】

GRANRODEO
 2001年に放送されたアニメ『グラップラー刃牙』から17年を経て、シリーズ第2作『バキ』の放送がスタート。伝説の格闘技アニメのOPテーマ「BEASTFUL」を歌うのは、アニソン界の武闘派=GRANRODEO。格闘技全般が好きなKISHOWとバンド「六三四Musashi」時代に『K−1』などのリングで演奏した経験を持つe-ZUKAに、作品と楽曲の魅力、そして筋肉について聞いたインタビューが、「アニメディア8月号」にて掲載中。「超!アニメディア」では、掲載できなかったロング版をお届けする。

──『バキ』のOPテーマをGRANRODEOが手がけるのは、少し意外な気がしましたが、最初はどう思いましたか?

KISHOW 僕は『グラップラー刃牙』から読んでいたんですが、読者側にもバイタリティーが必要な、熱量がハンパじゃない作品ですよね。たとえば「ラーメン二郎」と言うか、『ジョジョの奇妙な冒険』と言うか。それらと同じようなベクトルで、その極北にある作品かなと思うんです。そのOPテーマと言うことで、それこそ「マキシマム ザ ホルモンさんとかがやったほうが合うんじゃないの?」と思ったのも正直なところですね。でも俺らのところに(オファーが)来たということは、13年くらいのキャリアで積み上げてきた幅のなかに『バキ』のような作品も収まっていると思ってもらえているわけで、そこは純粋にうれしかったですね。

e-ZUKA 僕は正直、原作マンガを読んだことはなかったんですが、格闘技とロックの親和性は信じていて。昭和の時代は、プロレスラーの入場曲によくメタルの曲が使われていたし、ロックと格闘技は切っても切れないものがあるから、今回みたいなタイアップはいいなと思いました。それに僕は、昔「六三四Musashi」という三味線や尺八を取り入れたバンドをやっていて、そのときに『Kー1』や『PRIDE』のステージで生演奏をしたことがあったんです。


──そんな経験があったんですね。

e-ZUKA それに声優の小野坂昌也さんが、『UWF』や『PRIDE』のリングアナをやっていたことは有名ですし、一時期アニソンのライブで流行ったサイリウムの「バルログ持ち」も、ゲーム『ストリートファイター』のキャラクターからきていて。そう考えると、格闘技ってアニメやゲームともけっこう縁があるんです。

──『バキ』とGRANRODEOが繋がるフラグは、すでにたくさんあった。そんなGRANRODEOが手がける楽曲「BEASTFUL」はメタルっぽい激しさがあって、そういう部分が『バキ』とハマりまっていますね。

e-ZUKA そうですね。これまでにも「silence」や「NO PLACE LIKE A STAGE」とか、メタルっぽい曲はあったんですが、スタッフから「最近そういうのがなかったから、そろそろどうでしょう?」なんて話もあって、それでメタル然としたものを作ろうという意識はありました。それで最初はもっと男くさい感じの曲を作っていたんだけど、もうちょっとインパクトがほしいという提案があって、Bメロを変拍子にしたりサビをハイトーンから始めたりといった、少しプログレッシブな展開にしていった感じです。

──『バキ』は肉弾戦と言うか、生身と生身の闘いなわけで。この曲の演奏も、ある意味生身の戦いような雰囲気です。

e-ZUKA 自分で作っておきながらですが、演奏がそうとう大変です。ギターとリズム隊が、バラバラのリズムを刻んでいて、すごく複雑なんです。これをライブで完璧に演奏できるまでにするには、相当な練習が必要ですよ。まさしく肉弾戦です。実際にベースの瀧田(イサム)さんは、「俺はステージの上を戦場だと思ってる」と言ってました。誰と戦っていたかは知りません(笑)。

KISHOW 瀧田さんもプロレスが大好きだから。

e-ZUKA バンドの六三四を一緒にやっていたときは、腰に赤い布を巻いていて。「それなんなの?」って聞いたら、「橋本真也リスペクトだ」って。

──歌はどうですか? バキが降りてきたみたいなことは?

KISHOW 降りてくると言うか、「雄々しく」ということは意識しました。タイトルは造語で「より獣らしく」みたいな意味で「BEASTFUL」と付けたんですが、だからこそオスの本能というか、戦うような意識はどこかで持っていましたね。でも今回は、何においても「なぜなら『バキ』だから」という、その一言ですべてが片づいてしまうくらい『バキ』の存在が大きいです。歌詞にしても、たとえばサビのフレーズは、自分の中でも強くてわかりやすい言葉を意識的に使っているし、ふだんはボカす表現をするところも、あえてストレートに表現している。ここまで振りきって書けたのは、きっと「『バキ』だから」というのがあったからでしょうね。それに今回は、アニメタイアップ曲では初めてシャウトを取り入れているんですけど、そういうアプローチにチャレンジできたのも、『バキ』だから合うんじゃないかと思ったからで。

e-ZUKA 楽曲も『バキ』に負けないように、というか、僕らは筋肉が無いぶん、音数で負けないようにしようと思ったんです。

──『バキ』であるからこその楽曲ということなんですね。ちなみにKISHOWさんは、『バキ』で好きなキャラクターはいますか?

KISHOW 花山薫かな。実在した裏社会の人がモデルになっていて、あの伝説のプロレスラー・力道山でさえも、その人を怖れていたという都市伝説があって。僕は昭和のプロレスが今も大好きだから、こういう話はたまらなくロマンを感じるんです(笑)。あと『グラップラー刃牙』の最大トーナメント編に出てきた、暴走族の二代目特攻隊長・柴千春も好きでした。格闘技経験がゼロなのに、実はけっこう強くて、根性だけのストリートファイトで勝ち上がるっていうのは面白いしロマンだし。でも結局のところ、ライオンと虎とどっちが強いのか…みたいなことを、生身の人間がやっているのが『バキ』なんだなって思います。

──武井壮さん的なマインドですかね。

KISHOW そうそう(笑)。中二の男の子に限らず、男にはそういう漠然とした強さに対する憧れがありますよね。原作者の板垣恵介先生は、きっといまだにそういう少年マインドを持ち続けているからこそ、こういう作品を描けているんだろうと思います。

e-ZUKA ギターだって、そういうところがありますよね。速く弾けるほうが偉いみたいな。僕にもそんな少年時代があったし、速弾きで世界征服するって本気で考えてましたから(笑)。

──そういう少年マインドを持った人が『バキ』を観て、GRANRODEOのファンになってくれたらうれしいですね。

KISHOW それこそ僕らが子どものころは、ジャッキー・チェンの映画をテレビで放送した次の日に、学校で男子がみんなマネしてたし。『ビー・バップ・ハイスクール』を観た翌日は、みんなヤンキーになっていましたよね。かつて僕らがそうだったように、『バキ』を観て格闘技に興味を持ったり、曲を聴いてバンドをやってみようと思ってくれたらいいですよね。それくらいの影響力を持ったアニメや楽曲になっていると思います。

e-ZUKA 『バキ』のファンの方が、僕らの曲を聴いてどう思うのか……。圧倒的に男が観るわけで、曲に対する男の反応は普段あまりないから、すごく楽しみです。

KISHOW 一時的に、ムキムキのファンが増えるかもしれない (笑)。

──ちなみに、本誌が「嵐のマッチョマン特集」ということなのですが、好きな筋肉の部位ってありますか?

KISHOW 僕は、小学生のときからナチュラルに腹筋が割れていたんです。、大胸筋がついたことがないから、大胸筋が大きいのはすごいなと思います。自分がそうなりたいわけじゃないけど。

e-ZUKA 僕は、見ての通り筋肉がついたことがないので、一生のうちに一度くらいは腹筋が割れてみたいですね。

──KISHOWさんは、鍛えていたりするんですか?

KISHOW してないですよ。ライブで必要な筋肉はライブで鍛えられると思っているので。だって、虎やライオンは狩りをするために筋トレなんかしないじゃないですか!(笑)

──(笑)では最後に、読者へメッセージをお願いします。

KISHOW 男ならたぎるものが必ずあると思うので、自分のなかのモンスターを飼い慣らさずに、持て余しながら『バキ』を観ていただいて、「BEASTFUL」も聴いていただければうれしいです!

e-ZUKA 「BEASTFUL」が『バキ』とどんな風にマッチするのか、僕自身も楽しみです。みなさんも一緒に楽しみましょう。

【グランロデオ】ボーカリストで声優のKISHOWと、ギタリスト/コンポーザーのe-ZUKAで2005年に結成。同年にアニメ『IGPX』OPテーマ「Go For It!」でデビューし、これまでに28枚のシングルと7枚のアルバムなどをリリース。『黒子のバスケ』や『文豪ストレイドッグス』など人気アニメのテーマソングを多数手がけるほか、FLOWとのコラボバンドFLOW×GRANRODEOとしても活動。

〈CDリリースインフォ〉
『バキ』OPテーマ
BEASTFUL
GRANRODEO
発売元/バンダイナムコアーツ
 『バキ』のOPテーマの表題曲は、激しいリズムと速弾きギター、そしてアツいボーカルが、ステージという名のリング上で華麗なバトルを繰り広げるようなナンバー。ギターソロは、ジャズの名曲「キャラバン」のフレーズを取り入れた遊び心も聴かせる。カップリングには、KISHOWのトリッキーな歌詞が世界観を作る、ダンスロックナンバーの「アサメシマエのヤサシイセカイ」を収録。

初回限定盤:2,052円

通常盤:1,296円(各税込)


取材・文/榑林史章

《超!アニメディア編集部》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集