すのはら荘では、いろんなところが大きくて柔らかい管理人・春原彩花が、純朴な少年・椎名亜樹を手取り足取りお世話するという、甘えん坊の理想郷のような光景が広がっている。そんなふたりを演じる佐藤利奈と喜多村英梨に、キャラクターや作品の魅力を語ってもらったインタビューが「アニメディア8月号」に掲載中。「超!アニメディア」では、誌面では紹介しきれなかったロング版インタビューをお届けする。
――おふたりはドラマCD(原作コミック第2巻特装版付属)からの続投ですね。 喜多村
佐藤 ありがたい話だよね。私たちも先生の期待に応えられるように頑張らなきゃ、と思いました。
――おふたりが演じている彩花と亜樹には、どんな印象を持たれていますか?
佐藤 彩花さんは、まさに理想の管理人さんですね。私もこんな管理人さんにお世話してもらいたいです(笑)。
喜多村 彩花さんは、なにもかもが絶妙なんです。“お母さん”ほど歳上感もないし、“お姉ちゃん”ほど子供っぽくもない。そのふたつの要素を超越した存在というか、聖女マリア感がハンパないんです。
佐藤 基本なんでも受け入れちゃう人だからね。そんな女性なので、1話の「キミのことを管理してあげるね」というセリフを言えちゃうんだと思います。正直あまりに完璧な女性なので、彩花さんを演じるときはつねに緊張しています。
喜多村 彩花さんを演じているときのサトリナ(佐藤)は本当にすごいんですよ。私じゃ感じ取れないくらい繊細な演技のニュアンスにもこだわっていて、自分からリテイクをお願いするほどですから。役者として頭が下がりますね。
佐藤 彩花さんを演じるときには、極力、佐藤利奈が出ないように気をつけています。注意しないと、不意のリアクションなどで私が出てしまいがちで…。私は彩花さんと違って至って平凡な人間なので、私の要素が少しでも入ってしまうと彩花さんの完璧さが損なわれちゃう気がして…だから彩花さんを演じるのはすごく難しいなと、毎回の収録で感じています。
喜多村 完璧なんですけど、完璧すぎないところもすごいよね。お茶目なところも多いんですよ。コスプレ好きだったり。
佐藤 1話でさっそく女学生になりきってたよね。ちなみに2話ではチアガール姿を披露してくれます(笑)
喜多村 形から入るタイプだよね。
佐藤 そうね。完璧なのに、ちょっと突飛な一面もあるから。本当に不思議な人。
――亜樹はどうですか?
佐藤 あっくん(亜樹)は完璧な弟です! 私にも弟がいますけど、こんなにかわいくなかったですから(笑)。あっくんだったら、私も猫かわいがると思います。
喜多村 思春期まっさかりだし、女の子みたいな容姿を気にしていたりと、繊細な男の子ではあるんですけど、彩花さんと一緒にいるときは、かわいがりたくなるオーラが出まくってますね。じつは私も亜樹を演じているときは、自分を殺しているんですよ。彩花と絡んでいると、私の中の男心が「彩花大好きだ―! 彩花は俺の女だ―!!」っと叫びだすので。
佐藤 実際、テストの段階で叫んでいたりするものね(笑)。
喜多村 抑えていても漏れ出ちゃうから(笑)。そのぶん本番では抑え込んでますよ。そうやって亜樹の男の子の部分を私なりに調整することで、男らしくなりたいけどうまくいかないダメかわいい彼を表現できたらなと思っています。
佐藤 そのダメかわいさが、彩花さんにとってはたまらなく愛おしいだろうね。だからすぐ抱きしめちゃったりと、あっくんへのスキンシップが過激なのかな。
喜多村 あのスキンシップを受ける側にとっては、複雑な心境だけど(笑)。
――アフレコ現場はいかがですか?
喜多村 現場はほぼ女性陣なので、亜樹ハーレムをぞんぶんに楽しんでいます。
佐藤 休憩中は、キタエリちゃん(喜多村)を中心につねにしゃべっている感じです。
喜多村 休憩中は完全に視聴者になっちゃっているから。「あのシーンの彩花さんはヤバかった」なんてその日収録した話数の感想を言い合ったり、最近は「『すのはら荘』のパロディーやスピンオフ作品があったら、どうなると思う?」なんて“もしも”話で盛り上がっています。
佐藤 あとは制作中の彩花さんの等身大フィギュアの話とかかな? だいたい作品のことについて話していますね。とても和気あいあいとしていますよ。
――アットホームな現場のようですね。さて、彩花と亜樹はこの夏をどのように過ごすと思いますか? イラストでは、ふたりでプールに訪れているようですが。
喜多村 サトリナ(佐藤)。そっちより、彩花さんの水着姿の感想がほしいみたいよ(笑)。さすが彩花さん、白が似合う、みたいな。
佐藤 この水着、胸が隠れてないよね?
喜多村 下乳が完全に出てるね。
佐藤 そういう仕様なの?
――そうみたいですね。その割には、彩花まったく恥ずかしがっているように見えません。もしや彩花は、セクシーな服が好みなのでしょうか!?
喜多村 たぶんですけど、彩花さんは あまり周りの視線を気にしない人なんじゃないかなと。「着てみたいから、着てみた」みたいな、素直な気持ちで選んじゃっているんだと思いますね。それがたまたま露出度が高かっただけの話で。ましてや亜樹を誘惑しようなんて考えは、まったくないんだと思いますよ。
佐藤 イタズラ心はあるんだけどね。
喜多村 それも、亜樹がかわいいから、ついつい構いたくなっちゃうだけなんだろなって。そういう意味でも、彩花さんのマリア感は超越している感じがします。
佐藤 そうだね。作中には、エッチというか際どいシチュエーションがちょくちょく登場するんですが、生々しい感じは全然なくて、むしろ微笑ましいくらい。
喜多村 この作品全体に言えますけど、品があるんですよね。だからシチュエーションがエッチな感じでも、ほんわかした雰囲気が消えない。きっとねこうめ先生の柔らかい画風のおかげなんでしょうね。だから、いついかなるときも彩花さんのマリア感は薄れないんだと思います。
佐藤 あっくんのことも、ほかのすのはら荘メンバーと同じく、ただただかわいくて愛しいんだと思います。性別は関係ないんだろうな(笑)。だから寮の女の子たちも同じように、膝枕してあげたくなっちゃうし、チュッチュしたくなっちゃうんじゃないかな。
――聞けば聞くほど、彩花さんの聖女っぷり神がかってますね。では改めて、ふたりはどんな夏を過ごすと思いますか?
佐藤 彩花さんは、すのはら荘を空けないイメージがありますね。管理人さんですし、すのはら荘のことをとても大切にしているので。
喜多村 「今日はお庭の草むしりをしましょう」なんて、毎日働いてそう。それを見た亜樹が「管理人さん手伝いますよ」と申し出て、ふたり仲よく草むしりしているうちに、一日が終わっちゃいそう。
――亜樹はそれで満足なのでしょうか?
佐藤 あっくんは彩花さんに頼られたい子なので、やる気満々じゃないかな?
喜多村 基本、真面目だしね。それにきっと、亜樹が赤面するようなシチュエーションにも出くわすでしょうから(笑)。あたふたしつつ楽しんでると思いますよ。
――微笑ましい光景ですね。では最後に、今後の見どころを教えてください。
喜多村 すのはら荘には彩花さん以外にも個性的な女子がたくさんいます。彼女たちと亜樹がどうに関わっていくか注目してください。そして彩花さんと仲よくなっていくうちに、亜樹の彩花さんへの感情も少しずつ変化していきます。ドギマギしたり焦ったりするのは相変わらずですが、亜樹の中に育っていく淡い感情をどう彩花に表現するのか、そちらも楽しく見守っていただければと思います。
佐藤 彩花さんは毎話完璧で、サービス満点です。TVの放送は毎週木曜日なので、週の前半に溜まった疲れやストレスを、彩花さんやみんなにたっぷり癒やしてもらってくださいね。そして6話には彩花さんの妹の菜々ちゃんが登場します。菜々ちゃんも彩花さん同様、癒やしオーラにあふれています。しかも、ちょっぴり積極的なんです。そんな菜々ちゃんの態度にあわあわするあっくんもすごくかわいので、ぜひ楽しみにしてくださいね。
■プロフィール
【さとう・りな】5月2日生まれ。福岡県出身。東京俳優生活協同組合所属。
【きたむら・えり】8月16日生まれ。東京都出身。EARLY WING所属。
取材・文/宮島岳史
〈TVアニメ『すのはら荘の管理人さん』情報〉
AT-X 毎週木曜日夜9時30分〜
TOKYO MX 毎週木曜日夜10時30分〜
BS11 毎週木曜日夜11時30分〜
■あらすじ
地元を離れて都会の中学校に進学することにした少年・椎名亜樹。さっそく中学校の寮・すのはら荘にやってきた彼は、そこで管理人の春原彩花と出会う。亜樹を女の子だと勘違いした彩花は、スキンシップをはかるべく一緒にお風呂に入ろうとする。なんとか亜樹が誤解を解くも、彩花は意に介さず「これからは私がキミのこと管理してあげるね」と亜樹の耳元で囁いた。あまりの出来事に亜樹は失神。しかも介抱された彩花に、生まれたままの姿を見られてしまう。
■スタッフ
原 作/ねこうめ(まんが4コマぱれっと/一迅社刊)
総監督/大沼 心
監 督/湊 未來
助監督/井上圭介
シリーズ構成/志茂文彦
キャラクターデザイン/平田和也
音 楽/川田瑠夏
音楽制作/フライングドッグ
アニメーション制作/SILVER LINK.
■キャスト
春原彩花/佐藤利奈
椎名亜樹/喜多村英梨
雪本柚子/高森奈津美
月見里菫/瀬戸麻沙美
風見ゆり/宮本侑芽
春原菜々/佐倉綾音
内藤苺愛/長妻樹里
小薗井舞子/中島 愛
八穂 錦/伊藤 静
椎名茉莉/茅野愛衣
©ねこうめ・一迅社 / すのはら荘の管理人さん製作委員会