【インタビュー】アニメ「新幹線変形ロボ シンカリオン」速杉ハヤト役・佐倉綾音&男鹿アキタ役・沼倉愛美が語る魅力「王道とマニアックの融合」 | 超!アニメディア

【インタビュー】アニメ「新幹線変形ロボ シンカリオン」速杉ハヤト役・佐倉綾音&男鹿アキタ役・沼倉愛美が語る魅力「王道とマニアックの融合」

様々なコラボレーションなど話題を生み出すアニメ『新幹線変形ロボ シンカリオン 』。速杉ハヤト役の佐倉綾音と男鹿アキタ役の沼倉愛美のインタビューが、現在発売中の「アニメディア」5月号に掲載されている。「超!アニメディア」 …

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 様々なコラボレーションなど話題を生み出すアニメ『新幹線変形ロボ シンカリオン 』。速杉ハヤト役の佐倉綾音と男鹿アキタ役の沼倉愛美のインタビューが、現在発売中の「アニメディア」5月号に掲載されている。「超!アニメディア」では、誌面では紹介しきれなかったロング版インタビューをお届けする。

――本作の魅力はどんなところだと思われますか?


佐倉 子どもたちだけじゃなくて大人にも刺さる部分があるところかなと思います。基本的には子どもたちをターゲットにした作品だと思うのですが、いろんな現場でいろんなスタッフの方々に「観ているよ、面白いね」と言ってもらえるんです。登場人物も、子どもだけでなく大人たちも葛藤する姿が描かれていて、最初は「子どもたちに分かるだろうか?」と思っていたのですが、“元子ども”だった大人のみなさんにも楽しんでもらえていると聞いたときは「広い層をターゲットにしていたんだ」と納得しました。

――とくにどのようなところが大人にも受け入れられたのだと感じていますか?

佐倉 まず、設定的に王道なところでしょうか。起承転結がわかりやすく、直面した難問を解決していくカタルシスなど、物語の仕組みや仕掛けが大人に刺さる要因のひとつだと思います。子どもたちは、新幹線のことが大好きで知識も豊富なハヤトに親近感を覚えてくれているのかもしれません。

――沼倉さんはいかがですか?

沼倉 わかりやすさとマニアックなところが上手に融合されていると思います。たとえば、多くの新幹線は踏切のない専用線を走りますが、こまちとつばさは踏切のある在来線を走ります。だから、E6こまちとE3つばさの武器は「フミキリガン」と「フミキリシュリケン」。そうしたマニアックな部分は、鉄道に詳しい人は納得できるでしょうし、鉄道を知らない人も知る喜びを感じられるかなと思います。

――とくに魅力的だと感じるシーンは?

沼倉 地方出身のアキタとツラヌキの故郷とのつながりや、ハヤトとホクトなど親子のつながりも描くことで、登場人物が生半可な気持ちでシンカリオンに関わってはいないことを描いていると思います。とくに子どもが戦う状況を当たり前とは考えていないけれど、そうしないと日本の平和と安全を守れない大人たちの葛藤を描くシーンは、制作陣も力を入れていると思いますし、キャスト陣の間でも「いいよね」と話題に上ることが多いです。

――それぞれが演じるキャラクターの魅力について教えてください。

佐倉 私が思うロボットものの主人公は「熱血で、正義感が強くて、前へ前へ」というものでした。でも池添隆博監督からは「本作で熱血を担当するのはツラヌキで、ハヤトは『シティーボーイ』。都会っ子で、心やさしく、純粋ないい子」と説明されました。実際にアフレコが始まって印象に残っているのは「ありがとう」と「ごめんなさい」が言えるとってもいい子だということ。私も「ありがとう」と「ごめんなさい」は人生において非常に大事なものだと思っています。まっすぐでいい子で、心やさしいところが魅力的。熱血でなくても、みんなが慕ってついてくる。“現代のロボットものの主人公”の在り方としては、すごく素敵だと思います。女の子のファンからは『ハヤトを息子に欲しい』とか『弟にほしい』と言われることが多いですね。

――沼倉さんはハヤトの魅力をどのように思いますか?

沼倉 やさしさと、自分の好きなものに一直線なところでしょうか。私は、鉄道のことは詳しくないのですが、ハヤトの新幹線が好きという熱量のようなものは共感できます。そういうところは新しい主人公像かもしれません。ハヤトがアキタとツラヌキに頼ることでふたりをまとめる話(6話)がありましたが、そんな方法を思いつくのはハヤトの才能だと思います。リーダー的にみんなを引っ張っていくのではなく、自然に人が集まって協力してしまう。そうした人を引きつける魅力みたいなものを一番持っているから、熱血などのわかりやすい主人公的要素がなくても、ハヤトは“主人公”なのだと思います。

――では、アキタのキャラクターの魅力は?

沼倉 自分と向き合う孤高のスポーツ・ビームライフル競技をやっていて、神経が研ぎ澄まされている印象。クールだけど冷たい人ではなく、他人を理解する力もある。ギャップとして甘党という設定が最初からあって、第一印象とはちょっと違う、ほっこりする一面も持っています。最初は「夢のためにこうしなきゃいけない」という思いが強かったですが、ハヤトと出会うことで「もっとできることがあるんだ」ということを知ってシンカリオンの運転士になりました。これからもそういう〝気づき〟が彼のなかでたくさん起こり積み重ねていって、将来いい男になるんだろうなと、私はすごく期待しています(笑)。

――アキタは、オーディションで監督たちからどんな提示があったのですか?

沼倉 シティーボーイのハヤトと違って「田舎者」です(笑)。最初は方言で話すエピソードがあることを知らなかったので、どう表現するか悩みました。そこで、アキタはプライドも高いので、ほかの人から田舎者と言われないように、あえてしっかりと標準語で話すことにしました。

――10話で方言をしゃべる姿に驚いたファンも多かったかもしれませんね。

沼倉 山形県民のシノブを演じる吉村那奈美さんが本当に山形出身と聞いて、当初は「ネイティブな方言を話す方と会話するの?」と気後れしました(笑)。私の祖父母が東北出身なので方言の雰囲気はなんとなく知っていたので助かりました。おじいちゃん、おばあちゃん、ありがとう(笑)。

――「話は読めた」と言うアキタは、頭が切れそうですね。

沼倉 オーディションの資料には「〝話は読めた〟は口癖で、じつはよく分かっていないことが多い」と書かれていたんです(笑)。でも、ちゃんと読めるように設定が変わったみたい。

佐倉 アキタがしっかりしないと、みんなおバカになっちゃうからね(笑)。

沼倉 3人のバランスをとって、そういうのはツラヌキの役目になったのかも(笑)。

佐倉 確かに3人のバランスはすごく大事にされているのを感じます。とくにハヤトは、セリフからも感じるのですが、運転士3人組のなかで、アキタやツラヌキがやりたいようにやっているところを上手にバランスをとるポジションだと思っています。

沼倉 3人の関係を「ジャンケン」にしたいという話もありましたね。アキタはハヤトに弱く、ツラヌキはアキタに弱く、ハヤトはツラヌキに弱い。体力的な強さではなく、連携を取るときなどの主導権を握る、おおよその力関係という意味で。

佐倉 お互いがお互いの持っていないものを補い合っていて、それが芝居の組み立てになっていますね。

――佐倉さんから見たアキタのキャラクターの魅力は?

佐倉 私は、アキタが一番好きなんです。昔から、斜に構えているとか、闇が深そうといった〝クールキャラ〟が好きなので、第一印象から決めてました。予想通り中身もクールで、プライドも高くて。思ったより闇は深くなさそうなので、そこは安心しました(笑)。スイーツが好きだったり、ちょっとヌケてるところがたまにあったりするギャップもかわいい。ハヤトとツラヌキはイヌっぽいけど、アキタはネコっぽいところがいいですね。

沼倉 私は、ツラヌキ推しなんですよね。体つきが好きなんです。とくに設定画の私服の後ろ姿が、3人のなかではわりと男っぽいんですよ。そこにグッとくるものがあります。

佐倉 これでりえしょん(ツラヌキ役の村川梨衣)がハヤトを好きと言ったら、誰も叶わない三角関係が完成する(笑)。

――その流れで、シャショットの魅力は?

佐倉 超かわいいです!1話から好きになっちゃいました。ハヤトのことが心配でおせっかいを焼いたりとか、人間味があふれていて。まるで家族のような、恋人のような距離感で接するシャショットが大好きです。

――では、8話でふたりがケンカしたときは悲しかったですか?

佐倉 いや、楽しかったです。痴話ゲンカっぽかったから(笑)。

沼倉 シンカリオンの状態ですねてる(笑)。

佐倉 そうそう。かっこいいのにかわいい(笑)。

沼倉 で、「いいかげんにしろ!」ってなぐったツラヌキ、正解! みたいな(笑)。

佐倉 3人は、そういう補い合いみたいなところがありますね。ツラヌキはハヤトとシャショットの間に入っていることが多いです。

沼倉 シャショットの信頼を得ている感じがする。

佐倉 そういうとき、アキタくんは知らんぷり(笑)。

沼倉 見てるだけ。「お前らの問題だろ」みたいに考えて、深入りはしないのかな。出番じゃないと思っているのか。人との仲を取り持つのは苦手なのかもしれないです。そもそも個人プレイが得意な人なので、そこまで人間関係は得意じゃないのかも。

佐倉 でも、ハヤトが困ったときには「仕方ない」と言ってきてくれたりとかしますよ。

沼倉 助けることはかまわない人なんですけど、取り持つのはね。じつは「どうしよう」って考えているのかもしれないけど。行動まではいけないかもしれないですね。

――仲を取り持つのはツラヌキが適任かなと思いますね。

沼倉 そうそう。

佐倉 みんなのオカンみたいな感じ。

――シノブはどんな印象ですか?

佐倉 シノブは、忍法を使えて、この可愛らしい外見で、ずるいですよね(笑)。みんな絶対好きになるでしょう。桜が舞う変身シーンもかっこいいですよね。1話のOP映像から出ているので、「この子、誰?」って、心惹かれてる人がたくさんいるだろうなと思い、「あとあと出てきて活躍するからもう少々お待ちください」という気持ちで観ていました。

沼倉 シノブが初めて出てきた回が、アキタと方言でやりとりしてるからというのもあるのかもしれないですけど、ふたりがすごい土臭くて、「めっちゃかっこいいな、このふたり」って思いました。

――リュウジはどんな印象ですか?

沼倉 感じ悪いやつです(笑)。中学2年生でも、ハヤトたちからすればめっちゃ大人に見えますよね。さらに、彼自身が大人びています。

佐倉 最初、キャラクターを知らずにキャスト表を見たときに「あれ? 運転士なのに子どもじゃないの? 逢坂(良太)さんが子どもを演じるのかな?」って思いました。でも、登場したら、なぜ逢坂さんなのかよく分かります。

沼倉 強いんですよ、N700Aが。悔しい。本当、悔しい。

佐倉 強い。かっこいい。勝てない。ずるいですよ、ひとりだけ何歩も先に行っちゃっているから。

沼倉 ハヤトたち子どもがそれぞれの覚悟を持って連携をとろうとしながらやっていたけど、そこにちょっと大人のリュウジが入ってくることで、ハヤトたちの輪が変化するかも、っていう。これまでなんとかやってきて、ちょっと自信もついてきたハヤトたちですが、リュウジという圧倒的な強さを持つ年上の運転士が現れたことで『このままじゃいけない、もっと頑張らなきゃいけない』という、新たな変化、世界が広がるきっかけになるかもしれません。そうした一石を投じてくれるキャラクターなので、観ている人はリュウジのことも好きになっちゃうと思います。

――これまでで印象に残っているエピソードは?

沼倉 いろんなキャラクターにそれぞれかわいいと思える部分があるのですが、ゲンブが意外とかわいい。

佐倉 そう! ゲンブ、かわいい!11話のゲンブが、彼をヒーローショーのスーツアクターと勘違いしたおばちゃんと会話するシーンでは、スタジオ騒然でした。

沼倉 「おばちゃんと会話してる〜」って。私たちにとっては衝撃でしたね(笑)。

――「これから、こんな展開が観てみたい!」と楽しみにしていることは?

沼倉 まだ出てきていない新幹線がたくさんあると思うんですけど、日本中の新幹線を登場させたら、次は海外の列車も出てきてほしいですね。

佐倉 おおっ!

沼倉 そこまで続いたらよくない?

佐倉 最終的に全国、全世界のシンカリオンを集めて劇場版、全員集合みたいな(笑)。

――夢がありますね。

佐倉 あと鉄博(埼玉・大宮鉄道博物館)でイベントをやったときにヒーロースーツのシンカリオンが来てくれて、とってもかっこよかったので、シンカリオンたちのヒーローショーが観たいし、声を当てたいですね。子供たちに向けて生でシンカリオンを体感できるイベントを、ぜひお願いします!

沼倉 リアルなところで言うと、どんな運転士がこれから続々と出てくるのか、というところには注目してほしいですね。発音ミクも登場しますし。

佐倉 私が知っている〝初音ミク〟のイメージとはだいぶ違いました。意外なギャップがあるので、楽しみにしていてください。

沼倉 新しいミク像ですね。

――最後に、4月ということで、ハヤトとアキタが喜びそうな春ツアーを企画するなら、どこに行くのがいいと思いますか?

佐倉 ハヤトは、目的地よりも、そこへ行く移動手段の新幹線に乗ることを何よりも楽しむと思います。

沼倉 アキタは、その場所でなにを食べられるか、どんなスイーツに出会えるのかというほうが重要かも。有名なスイーツ店をリストアップして巡るんじゃないかな(笑)。

<TVアニメ『新幹線変形ロボ シンカリオン』情報> 
TBS系全国28局ネットで毎週土曜あさ7時~7時30分放送中!

◆ストーリー 
鉄道博物館、京都鉄道博物館、リニア・鉄道館の地下深くに存在する特務機関「新幹線超進化研究所」は、“漆黒の新幹線”が生み出す巨大怪物体から日本の未来を守るため「新幹線変形ロボ シンカリオン」を開発した。「シンカリオン」とは、実在する新幹線から変形する巨大ロボット! その「シンカリオン」と高い適合率を持つ速杉ハヤトら子どもたちが運転士となり、研究所員ら大人たちと力を合わせて強大な敵に立ち向かう! 果たして“漆黒の新幹線”の目的は・・・!? 子どもたちは日本の未来を守れるのか・・・!? チェンジ! シンカリオン!

◆スタッフ 
監督 池添隆博 
シリーズ構成 下山健人 
キャラクターデザイン あおのゆか 
メカニックデザイン 服部恵大 
音楽 渡辺俊幸 
音響監督 三間雅文 
アニメーション制作 OLM 
アニメーション制作協力 亜細亜堂 
CGアニメーション制作 SMDE 
制作 小学館集英社プロダクション 
オープニング主題歌 BOYS AND MEN 「進化理論」 
エンディング主題歌 村上佳佑 「Go One Step Ahead」

◆声の出演 
速杉ハヤト 佐倉綾音 
男鹿アキタ 沼倉愛美 
大門山ツラヌキ 村川梨衣 
シャショット うえだゆうじ 
上田アズサ 竹達彩奈 
速杉ホクト 杉田智和 
三原フタバ 雨宮 天 
出水シンペイ 緑川 光

公式サイト 
http://www.shinkalion.com/ 

公式Twitter 
@shinkalion 

シンカリオンTV 
http://www.shinkalion.com/movie/

©プロジェクト シンカリオン・JR-HECWK/超進化研究所・TBS

《超!アニメディア編集部》
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