「GOGOバンチ」連載中の『ちょっとまて野球部!』が実写映画化され、1月27日(土)から公開される。野球マンガながら、熱血な野球シーンはなく、部員たちのほのぼのとした日常を描いた異色部活コメディーである本作で、メインキャスト3人を演じる須賀健太(大堀広揮役)、小関裕太(秋本高兵役)、山本涼介(宮田捺生役)。役柄同様にチームワークばっちりな3人に、演じる上で意識したところ、撮影中のエピソードなどを聞いた。
ーー完成作をご覧になった感想からお願いします。
小関 いい意味で「ユルいな~」と思いました。ライブ感満載でその場で生まれるものでシーンごとに作り上げていく現場だったので、編集されて一つの作品として、まとまったものを見ると「こうなるんだ!」と新鮮で面白かったです。「現場でこんなことがあったな」っていうのを思い出しながら見ていたんですが、マネージャーさんから「うるさいぞ!」と言われるくらい笑いましたね(笑)。
須賀 笑ってたね。
山本 俺と小関は一緒に完成作を見たんですけど、誰よりも笑ってました。それにつられて俺も笑うっていう(笑)。
小関 (笑)。
須賀 僕は「いい尺だな~」と思いました。
小関・山本 あぁー!
須賀 ちょうどいい上映時間だなと。何も考えずにフラットに見られるし、どの世代の方が見ても楽しんでいただけるんじゃないかと思います。映画館でお客さんの反応を見ながら見てみたいですね。どこで笑いが起こっているのとか気になる(笑)。
小関 こっそり見に行きたいよね。
須賀 うん、こっそり隠れて(笑)見に行こうと思ってる! 映像と同じタイミングでセリフを言ったりてみようかな(笑)。
山本 みんなビックリするから!(笑)
ーーそれぞれのキャラクターを演じるにあたって意識したところはありますか?
小関 僕が演じる秋本は、乙女系男子という設定で、口調は男らしいんだけど、かわいらしいものが好きとか趣味が女の子っぽいという男子。宝来(忠昭)監督はもともと僕らがリアルでも同じ高校で学生生活を送っていたことを知っていたのもあって、現場では僕らにすごく信頼を置いて自由にやらせてくださったんです。なので、現場の中で生まれるものを大事にしつつ、変に作り込まずに設定を忠実に守りながら、演じました。
須賀 原作が短編集みたいに「部活あるある」を切り取って見せる感じで、演じる上で自由にできる“余白”の部分が多いなという印象だったので、僕もきっちり役作りをするというよりは、自由に楽しく自分なりの肉付けをさせて演じさせてもらいました。ただ、マンガだからこそ面白い表現を、実写で映像にするときどう見せていくかというのは意識しましたね。アドリブもたくさん入れたので、編集する監督は大変だったと思います(笑)。
山本 大堀と秋本の2人でボケとツッコミは成立しているし、僕が演じる宮田は、あまり喋らないし、喜怒哀楽をあまり出さない役だったので、これは動きでシュールさを出すしかないと思ってやりました。「宮田ならこんなに早く動かないな、でもゆっくりすぎてもおかしいな」と思いながら、自分の中で絶妙なスピード感を研究して演じていました(笑)。
須賀 それもあってか、わりと演じていて体がぶつかることが多かったよね(笑)。大堀と秋本が部室で場所取りをしているときに宮田が急に入り込んでくるシーンとか。
小関 あぁー! あのシーンはその場のテンションで自由にやらせてもらってたよね。
須賀 それで言うと、お好み焼き屋のシーンもかなり素が出てた!
山本 たしかに(笑)。放課後3人でお好み焼き屋に行くシーンがあるんですけど、僕が席について立ち上がろうとしたら目の前に照明があって、頭をぶつけそうになるという(笑)。
小関 あったね(笑)。
須賀 照明の位置も現場に行ってみないとわからないからね。「まさか照明がここにあるとは!」みたいな感じに仕上がっていると思います(笑)。
ーー先ほどのお話で、皆さんは実生活でも同じ高校だったということですが、高校時代は交流はあったんですか?
山本 めちゃくちゃありました。
須賀 僕らの通っていたコースが人数が少ないこともあって、ホームルームは1年生から3年生まで一緒に受けてたんです。
小関 僕の5人後ろくらいにやまもっちゃん(山本)がいて、斜め右後ろに健太くんがいて…。
山本 めっちゃ覚えてる(笑)。
須賀 全然覚えてない…。
小関 ウソでしょ(笑)
(小関がホームルームでの3人の位置関係をして説明してしばし盛り上がる)
山本 でもこうやって仕事で共演するのは初めてだよね。
小関 うん。プライベートしか知らないから、不思議な感覚だった。
須賀 ソワソワしたよね(笑)。
ーー現場の雰囲気はいかがでしたか?
須賀 他の共演者も知っている人たちが多かったので、すんなり打ち解けていきましたね。
小関 先輩役だけど、裏ではイジラレてる人もいたり(笑)。
須賀 木村役の柳(喬之)くんね(笑)。イジるとちゃんとツッコんでくれるので、それを見たくてみんなでずっとやってた。
小関 ボケ担当の人が多かったからね。
山本 それを僕がまとめていて…。
須賀・小関 いやいやいや(笑)。
ーー演じた中で印象に残っているシーンを教えてください。
小関 宮田が光合成をするシーンです。撮影現場でもずっと見てたくらいお気に入りのシーンなんです。やまもっちゃんの演じる宮田が、実写の宮田にちゃんとなっていて、笑いをこらえるのに必死でした(笑)。
山本 笑ってたね。撮影していたのが2月だったので、とにかく寒かったのが印象に残っています。もともと寒いのが苦手なのに、設定が夏だからオール夏服で…。
小関 ユニフォームも長袖なんだけど、体温を下げる効果のある素材で、着てるとスースーするんだよね。
山本 そう! 熱を逃がしてくれるから、逆に裸でいる方があったかいみたいな(笑)。真冬に着るもんじゃないなと思いました。なので、撮影の合間は、ずっとストーブの前にいました。
須賀 いたね。
小関 みんなで場所の取り合いをしてたよね(笑)。
須賀 僕は長回しのシーンが多くて、そのどれも印象に残っていますね。長回しだとアドリブもやりやすいし、空気感も作りやすい。みんなで普通に会話してたら徐々にテンションが上がってくる、みたいなのができてよかったなと。どこが長回しなのか、考えながら見るのも楽しいかも!
小関 特に映画の後半のシーンは(長回しが)多かったよね。
須賀 多かった。「ちゃんと繋がるのかな~」と思いながら、毎回アドリブで違うことしてたなぁ(笑)。
山本 俺も思ってた(笑)。
小関 でも蓋を開けてみたら面白いしちゃんと繋がっていて、さすが監督だなと思いました。あと、撮影スケジュールが急に変更になって、別の日に撮る予定だったものを「今日撮っちゃいます!」ってなったこともあったよね?
須賀 あった!「セリフ覚えてない…」ってなりながら、5分で7ページ分覚えたり。「まだまだイケるな」って思いましたね(笑)。
ーー野球部の3人の日常を描いた本作ですが、学生時代の部活の思い出はありますか?
須賀 僕は、中学時代バレー部でした。ビンチサーバーで、「ピンチを呼ぶサーバー」と呼ばれていました(笑)。仕事もしていたので、あんまり練習には出られなくて、試合にも絶対に勝てるだろうってタイミングでしか出してもらえなかったんですけど(笑)、僕が試合に出るとめちゃくちゃ士気が上がるんです! サーブがあんまり入らないから、たまに入るとチームメイトがめっちゃ喜んでくれて(笑)。
小関 僕は中学時代テニス部でした。健太くんと同じでサーブがあまり入らなかった(笑)。しかも筋肉がないから、試合中に腕が壊れていくっていう(笑)。やまもっちゃんは、サッカー部だったよね?
山本 うん、部活じゃなくてクラブチームだけどね。
須賀 マンチェスター・ユナイテッドFC?
山本 なんでイギリスのプロサッカークラブに俺いるの?(笑)
須賀・小関 (笑)。
ーー野球部キングオブバカ、強肩の乙女男子、童顔のマイペース男のように3人にはキャッチフレーズがついていますが、お互いにキャッチフレーズをつけるなら?
須賀 (小関の方を向いて)「雑ボケ大王」。
小関 大王! ヤッター!
須賀 ボケが雑なんですよ。2人でいるときもひたすらボケてくるから俺がツッコむんですけど、ずっと笑ってるんです。
小関 心地いいんです、ボケたものを拾ってもらってツッコんでもらうっていうのが。やまもっちゃんは…。
須賀 「メンズノンノ※」(笑)。
小関 そのまんま!
山本 一番雑!(笑)
小関 「ギャップ男子」は? 10代のとき、学校の中ではすごいしゃべるのに、現場ではすごく静かっていうのを見て、ビックリしたことがあるんです。今はそこまで思わないけど、やっぱり現場によって違う顔があるのかな~と思ったから「ギャップ男子」! サブタイトルは「いろんな顔を持つ男で」。
須賀 ダサっ!(笑)
小関 「ギャップ男子~いろんな顔を持つ男~」。
山本 映画のタイトルみたい(笑)。
小関 健太くんは…
山本 「ツッコミマシーン」!
小関 あと、「洋服大好きストリートボーイ」!
須賀 オシャレ!(笑)
山本 「ツッコミマシーン」はダメだった?
須賀 嫌いではない(笑)。
山本 じゃあ「ツッコミマシーン」&「洋服大好きストリートボーイ」ということで(笑)。
ーーでは最後に公開を楽しみにしている皆さんにメッセージをお願いします。
小関 気負わずリラックスして見られる作品だと思います。野球部なのに野球をしないユルさが魅力だと思うので、ぜひ楽しんでいただけるとうれしいです。
須賀 コメディー映画というと「爆笑!」みたいなイメージがありますけど、この作品はクスリとくる笑いの連続です。あと最初にも言いましたけど、尺がいい(笑)。気軽に見ていただける作品だと思うので、学生の人はもちろん、学生だった人も学生時代の友だちと一緒に見ていただくと、より楽しめるんじゃないかと思います。
山本 ドストレートのパンチじゃなくてフックで攻めてくるような笑いで、うまくハマるとすごく面白いと思いますし、本当にこういう人たちいたんじゃないかなと思っていただけると思います。1月公開ということで、新年早々いっぱい笑ってもらって、2018年いいスタートを切っていただけたらいいなと思います。
須賀 スケールが大きい(笑)。
山本 いい1年にしましょう!
※山本はファッション誌「MEN’S NON-NO」のモデルとしても活躍中。
◆プロフィール
須賀健太【すが・けんた】1994年10月19日生まれ、東京都出身。映画「ダブルミンツ」(2017年/高校時代のみつお役)、「嘘なんてひとつもないの」(2017年/山崎真役)などに出演。現在、劇団新感線「髑髏城の七人」Season月に出演中。4月からスタートするハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!! “はじまりの巨人”」では主演を務める。
小関裕太【こせき・ゆうた】1995年6月8日生まれ、東京都出身。「ミュージカル『テニスの王子様』2ndシーズン」2011年~2012年/菊丸英二役)、ドラマ『恋がヘタでも生きてます』(2017年/柿谷真吾役)などに出演。3/21に『曇天に笑う』の公開が控える。
山本涼介【やまもと・りょうすけ】1995年5月15日生まれ、奈良県出身。「仮面ライダーゴースト」(2015年~2016年/深海マコト役)などに出演。2/8から上演されるもののふシリーズ最終章「駆けはやぶさ ひと大和」に沖田総司役で出演する。また映画「ニート・ニート・ニート」の公開が控えている。
<映画『ちょっとまて野球部!』情報>
2018 年 1 月 27 日(土)より 池袋 HUMAX シネマズ ほか 全国ロードショー
◆ストーリー
県立神弦高校野球部は強豪でも弱小でもない日本一平均的なチー ム。3 年生最後の夏が終わり、1 年生の大堀・秋本・宮田ら残された部員たちの新たな日常がスタートする。授業をやりすごし、運動 部最下級生お馴染みの雑用をこなしながら野球に励む 3 人。 ある日、テストの追試で赤点を取った大堀がピンチに!再追試に 落ちると夏の合宿に参加できない!!野球部のキングオブバカ・大 堀は無事に再追試をクリアし、合宿に行けるのか!?
◆キャスト&スタッフ
須賀健太 小関裕太 山本涼介 宮崎秋人 荒井敦史 塩野瑛久 柳喬之 尾関陸 田村升吾 西野太盛 磯崎亮太 ダーウィン/田中聡元 田中日奈子 大隣望鈴 長田侑子 池原猛 庵原匠悟 堀部圭亮 福士誠治
原作:ゆくえ高那「ちょっとまて野球部!-県立神弦高校野球部の日常-」(新潮社「GOGO バンチ」連載中)
監督:宝来忠昭
脚本:友池一彦
音楽:フジモトヨシタカ
製作・配給・宣伝:日本出版販売 東映ビデオ
公式サイト
http://www.chottomate-movie.com/
公式Twitter
https://twitter.com/chottomatemovie
©2017 ゆくえ高那・新潮社/「ちょっとまて野球部!」製作委員会