『劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~』の初日舞台挨拶が9月30日(土)に東京・新宿で行われ、黒沢ともよ(黄前久美子役)、朝井彩加(加藤葉月役)、豊田萌絵(川島緑輝役)、安済知佳(高坂麗奈役)、寿美菜子(田中あすか役)らキャストと小川太一監督が登壇した。
高校生たちが吹奏楽に打ち込む姿を描いたTVシリーズ『響け!ユーフォニアム』の第2期を「久美子とあすか」を軸に再構築した本作。
舞台挨拶では最初にBGMと共に、制服姿の黒沢、朝井、豊田、安済の4人が登場。「私たち北宇治カルテットです!」と全員で挨拶。最初に黒沢が「今日はいろんなお話ができたらと思います」と話し、朝早くからのイベントということで、客席に向かって元気に「おはようございます!」と皆挨拶をしていた。
司会進行は黒沢が担当。黒沢の呼びかけで寿と小川監督、そして本作に登場するゆるキャラ・チューバくんが登場した。「見ていただいてどうでしたか?」と寿が尋ねると、客席からは大きな拍手が起き、「胸がいっぱいです」と笑顔を見せた。さらに、寿は「あすかにとってターニングポイントになるシーンが思っていた以上に入ってました。総集編なので、久美子といっぱい掛け合いをするシーンが総集編としてカットされるのではなく、そのまんま入っていて。気持ちをもっていくのは大変だったんですけど、やりがいがありました」とあすかを演じた手応えを語った。それを聞いてあすかと2人のシーンが多い久美子役の黒沢も「大変でしたね」と当時を振り返った。
本作が初監督作品となった小川監督は、「すごい作品の監督をさせてもらったんだなと感じました」と大勢のお客さんを前に緊張した面持ちで挨拶。キャストから「(初監督作品の公開)おめでとうございます!」と言葉がかけられ、それにあわせて会場から拍手が起こると、感無量といった様子だった。
また、寿から本作でこだわった点について聞かれると、「オープニングは完全に新作で、そこは僕が絵コンテを切らせてもらいました。そこは自信を持ってやらせてもらいましたね」とコメント。さらに、今まで登場人物の心情に寄り添ったカット割りをしていたのを、今回のオープニングでは映像を意識して、速いテンポで、気持ちのいいところ、カッコイイところで切っていき、PVのような作りにした、新しい試みであったことを明かした。
このほか、パンフレットや入場者プレゼントの現物が登場すると、絵柄のかわいさに絶叫する安済の筆頭にテンションが上がるキャストたち。朝井は、パンフレットの中身を表情で表現するというムチャぶりを任され、充実の中身であることを全身でアピール。その様子に会場からは笑いが起こった。
最後の挨拶では、それぞれが作品についての熱い思いを語った。
小川監督「控え室で控えながら、今までに公開されているんだなと本当にしみじみ感慨深いものがありました。こうやって公開できたのはファンの皆さんのおかげです。本当にありがとうございました」
寿「あすかとしてもう一度あのシーン、このシーンを演じられたこと、あらためてあすかってこういう面があったんだってことをたくさん見られて、あすかを演じられて幸せだなと思いました。絵もキレイだし、音もすばらしいし、みんなのお芝居も素敵ですし、ウィークリーのショートムービーもあるので、ぜひとも何度でも劇場に足を運んでもらって、ユーフォの世界を堪能してください」
安済「今回はアフレコの時に音響監督から『1期と2期を忘れてください』と言われ、再録とはいえ、新たな物語を紡いだ感じでした。麗奈としては滝先生の思いは出さず、トランぺッターの麗奈というのも一回忘れるというか、トランペット一色だったのが、久美子に出会っていろんなことに目を向け始めるというのが麗奈だったんですけど、今回は久美子の良き理解者として隣りに寄り添っている感じでした。妻のように、夫が外で葛藤しているのを『どうした?』みたいな(笑)。そんな立ち位置の麗奈というのも新鮮で、演じていて楽しかったです。劇場ではまだこの作品を味わっていないので、後日一人で観に行きたいと思います!」
豊田「1期、2期のことはすべて忘れて録ろうとなって、私も周りのリアルな空気にのっていこうと思ってたら、『緑輝ちゃんはそのままでいいです」と言われて(笑)、いい意味でファンタジーであってほしいと音響監督から言われまして、いい意味で変えずに演じました。私も劇場ではまだ見られてないので、見て皆さんと早くこの気持ちを共有したいと思います。(本編前に流れる)ウィークリーショートムービーでは、緑輝ちゃんが写真係で毎回出てきますので、そちらも楽しみにしていてください!」
朝井「最初に見た時に、最初からフル演奏で、それがオープニングかいって思ったんですよ。(前作から)9ヶ月ぶりのユーフォを迎え入れてくれるような感じで、世界に入り込むことができたんじゃないかなと思いました。TVシリーズを振り返るという名目ですけど、まったく一つの新しい作品として、楽しむことができると思います。演奏の裏に描かれているそれぞれのキャラクターの思い、私は特に、部長の覚悟や友情や信頼が音で見えるのが胸に響きました。皆さん響いたシーンはそれぞれ違うと思うんですけど、その響いたシーンをお家に持って帰っていただけたらうれしいです」
黒沢「今までの久美子を愛しながら、2期の最初に立ち戻ってかっこわるくてもいい、あすかのいいところを伝えたいという個人的な気持ちも込めてがむしゃらに演じさせていただきました。どんな形で皆さんの胸に届くのかは分かりませんが、もし何かしら響くものがあったら他の人にお勧めしていただけたらと思いますし、ウィークリーの動画もありますので、ぜひぜひ何度でも劇場に足を運んでいただけたらうれしいです」
最後は全員で「本日はご来場いただきありがとうございました!」と挨拶し、舞台挨拶は幕を閉じた。
<『劇場版 響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~』情報>
2017年9月30日(土)全国ロードショー
◆スタッフ
原作:武田綾乃(宝島社文庫『響け!ユーフォニアム』シリーズ)
総監督:石原立也
監督:小川太一
脚本:花田十輝
キャラクターデザイン:池田晶子
シリーズ演出:山田尚子
美術監督:竹田明代
楽器設定:髙橋博行
撮影監督:髙尾一也
音響監督:鶴岡陽太
音楽:松田彬人
音楽制作:ランティス
音楽制作協力:洗足学園音楽大学
演奏協力:フレッシュマン・ウインド・アンサンブル2014
音楽監修:大和田雅洋
アニメーション制作:京都アニメーション
製作:『響け!』製作委員会
配給:松竹
◆キャスト
黄前久美子:黒沢ともよ
加藤葉月:朝井彩加
川島緑輝:豊田萌絵
高坂麗奈:安済知佳
田中あすか:寿美菜子
小笠原晴香:早見沙織
中世古香織:茅原実里
塚本秀一:石谷春貴
黄前麻美子:沼倉愛美
滝昇:櫻井孝宏
◆イントロダクション
あなたと一緒に響かせたい――。
高校生が吹奏楽に打ち込む姿を真摯に描いたTVアニメ『響け!ユーフォニアム』。
そのTVシリーズ第2期を、本作で初めて監督をつとめる小川太一が「久美子とあすか」を軸に再構築。あすかから久美子へ、受け継がれていく想いがある。
劇場版『響け!ユーフォニアム~届けたいメロディ~』は2017年9月30日全国ロードショー!
◆ストーリー
私は、先輩のことが――。
吹奏楽コンクール全国大会出場を控えた、私たち北宇治高校吹奏楽部。
うだるような夏の暑さが去り、秋の涼しげな気配が近づいたころ。
先輩が退部するかもしれない……。
私たちを襲った衝撃は大きく、不安をそう簡単に拭うことができなかった。
美人でカリスマ性があって、
ユーフォが上手くて、
みんなから頼りにされている「特別」な先輩。
でも、ふとした瞬間に見せる氷のように冷たい表情、
他人を突き放すような瞳、
誰にも本当の自分を見せない先輩。
「全国に出たい」
誰よりもそう思っているのに、
ただの高校生のくせに無理に大人ぶろうとする先輩。
そんな先輩が私は苦手で……、
もしかしたら嫌いだったかもしれない。
だけど私は――。
あなたと一緒に響かせたい。あのあたたかいメロディーを。
だって、私は先輩のことが大好きだから――。
『響け!ユーフォニアム』公式HP
http://anime-eupho.com/
『響け!ユーフォニアム』公式Twitter
@anime_eupho
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会