TVアニメ『夏目友人帳 陸』のオープニングテーマを歌う佐香智久、アニメディア6月号で掲載しきれなかった全文インタビュー | 超!アニメディア

TVアニメ『夏目友人帳 陸』のオープニングテーマを歌う佐香智久、アニメディア6月号で掲載しきれなかった全文インタビュー

放送中のTVアニメ『夏目友人帳 陸』のオープニングテーマ「フローリア」を歌う佐香智久。作品についての思いを語ったインタビューが、2017年5月10日発売の「アニメディア6月号」で掲載されていたが、その記事内でお届けしき …

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 放送中のTVアニメ『夏目友人帳 陸』のオープニングテーマ「フローリア」を歌う佐香智久。作品についての思いを語ったインタビューが、2017年5月10日発売の「アニメディア6月号」で掲載されていたが、その記事内でお届けしきれなかった部分も含めたインタビュー全文をご紹介する。

ーー「フローリア」の作曲は、アコースティックギターでされたのですか?
 はい。メロディーから作りました。今までの『夏目友人帳』シリーズのテーマソングとはまた違った曲調で、それでいて本作特有の爽やかな緑のイメージを落としこむことができたらな、と。さらに応援歌であるけど、押しつけがましいものにはしたくない。そんなイメージのなかで浮かんだのが、8分の6拍子のワルツのリズムでした。そこに今お話ししたイメージを落としこみながら、自分らしい青くささも加えていった感じです。

ーー「フローリア」というタイトルの由来は?
 「花が咲く」という意味のフランス語です。サビの頭のメロディーと一緒に、このイメージがふっと出てきていました。それで自然と「フローリア」だなと思っていましたね。その「フローリア」という言葉が歌詞を呼び込んでくれた部分もすごくあるのですが、ただどういうことを書くかについては、すごく悩みました。

ーー人気シリーズだけに、すごくプレッシャーを感じていたとかはありましたか?
 それはありましたね。シリーズの全話を見て、歴代のOPとEDを全曲聴かせていただいて、その上で「自分にしか書けない曲はどういうものだろう?」とさんざん考えて、「夏目くんのキャラソンを書くくらいの気持ちで書こう」と思いました。そうしたら、自然と彼の気持ちをしっかり考えられたし、そこに込めたい自分のメッセージも明確になっていきました。

ーー歌にこめたかったメッセージというのはどんな内容だったのですか?
  夏目くんが、妖のために真摯に向き合っている姿をずっと追っていくと、次に何かあったとき「夏目くんならきっとこうするだろう」というのが、なんとなく想像できて。自分なら投げ出してしまうような局面でも、一生懸命向き合っている彼の姿が、「かっこいいな。素敵だな」と思ったんです。それで、「遠回りでも、ちゃんと一歩一歩前に進んでいるよ。遠回りしたことも含めて、すべての経験が養分となって、やがて花を咲かせるんだよ」と、夏目くんにもこの作品を観ている人にも、伝えられたらと思いました。

ーー佐香さん自身も、これまでの人生において遠回りしていると思うときはあったのですか?
 ありますね(笑)。最短ルートを進んでいるつもりでも、気づくと遠回りしていて。でも、遠回りしたからこそ見ることができた景色や出会えたものや人が本当にたくさんいます。そういう部分は、夏目くんも同じですよね。最初はすごく作詞で悩んだけど、そうやって夏目くんと自分自身を重ねることができたことで、そこからはスムースに書くことができました。

ーー歴代テーマソングをすべて聴いたとのことですが、そのなかでも特に好きだった曲はありますか?
 第1期のOPテーマだった、喜多修平さんの「一斉の声」が、とても印象に残っています。あと「夏目友人帳」のOPは、すごく前向きになれる曲が多くて、第4期のOPテーマで、ひいらぎさんの「今、このとき。」も、すごく振り切った爽やかさがあって好きです。それに対してEDは、夏目くんのちょっと影を感じる部分を、すごくやさしく歌っているものが多くて。第5期のEDテーマで、Aimerさんの「茜さす」はすごく好きです。

ーーそういう部分で、今回“OPらしさ”も意識しましたか?
 『夏目』のOPは、爽やかさや明るさが重要だと思うのですが、僕がイメージしたのは、スキップしたくなるような明るさではなくて。ゆったりと木漏れ日のなかで揺れているような、そのくらいの明るさや爽やかさで作りたかったんです。

ーーやさしい明るさみたいな?
 明るいけど、ちょっと影も感じるというか。夏目くんのちょっと一歩引いている感じが、僕はすごく好きなので、それも出せたらなって思いました。一歩引いて、悩んで立ち止まって考えたりするけど、でも最終的には「はっ」と息を一つついて、また前を向いて歩き出すような。そういうテンポ感が出せたらと思いました。

ーーちなみに歴代テーマソングは、どれも映像とのマッチングが秀逸ですよね。
 はい。やっぱり映像は、曲を作りながらどこか意識していました。たとえば大きな木の根元に夏目くんが腰を下ろして、ニャンコ先生と鼻歌を歌っているみたいな絵が、きっと合うんじゃないかなって想像していました。実際にどのような映像になるかは、僕も毎週のオンエアで、みなさんと一緒に楽しみたいと思っています。

<PROFILE>
さこう・ともひさ
ニコニコ動画など動画共有サイトで「少年T」名義で動画をアップし人気を集め、2012年に佐香智久としてシングル「愛言葉」でメジャーデビュー。これまでに、『君と僕。2』のOPテーマ「ずっと」、『絶園のテンペスト』のEDテーマ「僕たちの歌」などアニメテーマソングを担当。近年は、TVアニメ『ポケットモンスター』シリーズのキャラソンを数多く手掛けている。

<ニューシングル「フローリア」情報>
発売中
初回生産限定盤1,600円、期間生産限定盤1,300円、通常盤1,300円/SACRA MUSIC
「フローリア」は、エスニックで牧歌的なサウンド感とワルツ調のリズムに、佐香の少年っぽさがありながら、やさしく包みこむような感覚の歌声がマッチした。カップリングには、アップテンポのポップな前向きナンバー「世界を変えるのは他でもない」、いきものがかり「ブルーバード」のカバーを収録。「ブルーバード」は、原曲とはまた違った、切なさと疾走感を生み出している。

《超!アニメディア編集部》
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