『キンプリ』新作劇場版は「初めて見ても楽しめる」! 西Pに聞く、ジェットコースターのように引き込まれる魅力とは? | 超!アニメディア

『キンプリ』新作劇場版は「初めて見ても楽しめる」! 西Pに聞く、ジェットコースターのように引き込まれる魅力とは?

『キンプリ』シリーズ最新作である劇場版『KING OF PRISM -PRIDE the HERO-』の公開が、6月10日(土)に迫っている。公開を記念して、「超!アニメディア」では描き下ろしのサイトトップイラストを頂戴した。また、西浩子プロデューサーにインタビューを敢行。本作の魅…

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 型破りな展開、演出、そして「応援上映」という新たな映画館での楽しみ方を広めた話題作『KING OF PRISM by PrettyRhythm』。その最新作である劇場版『KING OF PRISM -PRIDE the HERO-』の公開が、6月10日(土)に迫っている。

 人々を魅了してやまないエンターテイメントショー「プリズムショー」。その素晴らしさで世界を輝かせる「プリズムスタァ」を目指し、養成アカデミー・エーデルローズに入学した一条シンは、大先輩であり、憧れのプリズムスタァである速水ヒロをはじめ、仲間たちとともに4年に1度の大会「プリズムキングカップ」に挑む――。 

 前身にあたるTVアニメ『プリティーリズム』シリーズから本作の制作に関わる西浩子プロデューサーに本作の魅力を伺ったところ……「シリーズを知っていてもよくわからない」との爆弾発言!? その真相とはいったい? 注目キャラクターから『プリティーリズム』シリーズのファンにうれしい演出まで、たっぷりと語っていただいた。

本作で「オバレ」の物語に決着が

――ずばり、『KING OF PRISM(以下、キンプリ)』の魅力はどういったところでしょうか。
 男女問わず手に汗握る、胸熱くなる作品です。元々はもっとキラキラした、イケメンが歌って踊る、観ていて楽しくなるものを作ろうと考えていたんですが……菱田正和監督はそういう作風の方ではないので(笑)。ただ、だからこそ面白くなったというところもあります。男の人が見ても、女の人が観ても面白いもの。菱田監督はよく「全人類向け」と表現しているんですが、そういう作品かなと思っています。だから特にジャンルを「女性向け」と区切ることなく、男性にも観ていただきたいですし、男性が見ても熱い作品だと思います。

――確かに、菱田監督の作品は「女の子向け」である『プリティーリズム』シリーズでも「熱い」演出が際立ちますよね。劇場版前作でも、劇場に男性の姿が多く見られました。
 そうなんですよ。そもそも、キンプリの前日譚にあたるTVシリーズ『プリティーリズム・レインボーライブ』のファン層が男女半々だったので、そのなかで『キンプリ』を観に行ってくれた男性が、「男が観ても面白い!」と言ってくださったこともあって。キンプリも全体で見るとお客様の男女比が2:8くらいなんですよ。

――そうなんですね。今作は、いったいどんなお話になるのでしょうか?
 シナリオを作る際、こちらからの希望としては「Over The Rainbow(以下、オバレ)の話」をお願いしたんです。前作ではたくさんの新しいキャラクターが登場したので、彼らについてもお見せしたい気持ちはあるんですが……。やっぱりそこは我慢して、きちんとヒロたちの話をしてほしいと。

――前作の最後に予告のような映像が入っていましたが、当時から続編の話は持ち上がっていたのでしょうか?
 元々は2本立てで作りたかったのですが、なかなかそう簡単にはできなくて。「まず1作目を作ろう!」となったんです。それで前作はいろいろとやりたいことを詰め込んでいるんですね。続きが作れる予定はありませんでしたが、展望や決着については最初から決まっていました。

――それであの思わせぶりなエピローグが入っていたんですね。
 そうですね。万が一、1作で終わってしまっても「この後はこうなるんだな」というのが伝わればなと(笑)。

 個性あふれるプリズムスタァたち。なかでも注目は……

――今作ではいよいよ「プリズムキングカップ」が開催されますが、これはどういった大会なのでしょうか?
 五輪のように、4年に1回開催されるプリズムショーの大会です。『プリティーリズム・レインボーライブ』では「○○セッション」という名前で頻繁に大会の描写が登場するんですが、そもそもプリズムスタァというのは、大会で勝負をして、技を競い合ってきたんです。男子プリズムショーの大会が「プリズムキングカップ」というわけです。ちなみに、今回は「サンダーストームセッション」という大会名になっています。今回、初めて大会の様子が描かれますが、キンプリはそもそもこの大会を目指すお話だったんですよ。

――ライバルとして登場する新キャラクターの高田馬場ジョージも気になりますね。
 ジョージは本当にかわいいので(笑)、楽しみにしていてください。

――「かわいい」キャラクターなんですか?
 馬鹿かわいいというか、ちょっと不遇なところもあるんですが、本人はそれに気づかず「自分は恵まれている」と思っているので……。憎めないかわいいお馬鹿です。おすすめです(笑)。

――その他に重要なキャラクターはいますか?
 推しはジョージと、彼が所属するユニット「The シャッフル」なんですが……注目なのは十王院カケルですね。飄々としたふうを装いながら、裏でかなり動いています。問題が解決するのは、結局のところカケルの尽力あってこそだったりしますし、カケルには注目していただきたいですね。

――前作では特に仁科カヅキと大和アレクサンダー(以下、アレク)のプリズムショーが話題になりました。本作で注目してほしいプリズムショーはありますか?
 全部いいですよ! 本当に本当に全部がいいと思っているんですけれども……。そうですね、アレクについては前作に引き続き面白い……というより怖い、ですかね(笑)。一押しは如月ルヰのショーですね。とても美しくて素晴らしいです。激しいバトル要素が強いアレクとも、(一条)シンのフレッシュなショーともまた違う、新しい演出がルヰのショーには用いられています。バラード的と言いますか、今までにないタイプのプリズムショーになると思うので、そこは注目してほしいですね。

――『プリティーリズム・レインボーライブ』を観ていた人からすると、天羽ジュネのショーを思い出しそうなお話ですが……。
 そうですね。ジュネを髣髴とさせるような美しいショーを作ってくださいました。息を飲みます。

――ところで、エーデルローズ生のプリズムジャンプは今作で見られるのでしょうか?
 そこは劇場で見てのお楽しみで……! 新入生のジャンプを見たい方は、2017年初夏リリース予定のスマートフォン向けゲーム『KING OF PRISM プリズムラッシュ!LIVE』で楽しんでください! 手のひらの上で彼らのジャンプが観られます。

――キンプリといえば応援上映も楽しみのひとつですが、応援上映においてのおすすめのシーンはありますか?
 今回は……観客の皆さんの「アフレコ(観客のためのセリフ)」が難しいと思います。求められる演技のレベルが高いというか……「声優さんではない方がやるにはちょっと難しいのでは……?」というようなものになっています。私自身、「これどうやってやるの?」と思いながら観ていました(笑)。ぜひ何度も通って練習してください! わかりやすいところでいうと、新入生たちが「1、2、3、4、」と掛け声をするシーンがあるので、そこはぜひみなさんも一緒に言っていただきたいなと思います。あとは、うちわを使った「アクション」ですかね? (香賀美)タイガの修羅場うちわです(笑)。ぜひ公式のうちわで参加していただければと思います!

 意外と体育会系? ヒロとシンの上下関係

――今回、「超!アニメディア」用の描き下ろしイラストは一条シンと速水ヒロの先輩・後輩コンビです。6月ということで、雨に濡れた子犬を拾ってきてシャワーを浴びたあと……というシチュエーションですね。
 かわいいですね、これ! わんこもかわいい。実はシンは「わんこみたいな愛される子にしてほしい」とお願いして作っていただいたたキャラクターなんですよ。なので、わんこがわんこを抱えている状態ですね(笑)。ヒロとシンって、意外と一緒にいるシーンが少ないんです。こういうイラストが見られると私もうれしいです。
 今作ではヒロが不機嫌だったり、沈んでいるようなシーンがあるんです。普通後輩なら「どうしよう、先輩すごく機嫌が悪い」とビクビクするところだと思うんですが、シンはあえて声をかけていないんです。それはもちろん台本で決まっていることなんですが、シン役の寺島惇太さんは「先輩の機嫌が悪いとき、元気がないときって、後輩はなかなか『どうしたんですか』と聞けない。おこがましくて声をかけられない。でも本当は心配している」……というシンの心情を、寺島さんなりに考えて演技をしてくださったそうなんです。
 目に見える行動は取っていませんが、シンはシンなりに先輩としてヒロを慕っているんですよね。なので、このイラストみたいに後ろから声をかけられたらとてもうれしいと思います。今作でも、会話はなくても「ヒロさんみたいになりたいな」と強く思っているし、先輩の背中を見てそれに影響を受けている。菱田監督らしい体育会系なストーリーになっています(笑)。

――では、ヒロから見てシンはどんな後輩なんでしょうか?
 前作に、公園で待つオバレにシンが会いにくるシーンがあるんですね。あそこでオバレの3人は「こいつになら自分たちの後を託せる」と思ったんだそうです。そこで見初めたというか、ピンとくるものがあったんでしょうね。

――多くを語らずとも通じ合う、先輩後輩の関係性も見どころですね。
 菱田監督が男子校出身という影響も大きいと思います。お風呂場でわちゃわちゃしたりだとか、寮でみんなでご飯を食べたりだとか、あれは男子校では普通のことを描いているそうなんですよ。女性からすると「ぎゃっ」と思うんですけど、男性から見れば「何がおかしいの?」と(笑)。男子校あるあるなんだそうです。

――今作では先ほどもおっしゃっていた通り、話の中心がオバレになりますが、シンもいろいろと意味深なシーンが多いですよね。
 シンはまだまだ伸びしろがあるキャラクターで、裏でこっそりと動かしていただいています。何かがあるんだよ、と匂わせているところですね。『プリティーリズム』シリーズを観ていた人はちょっとずつ気づいていらっしゃるかもしれません。そこも要チェックです。なんとなくファンタジーな展開にしているわけではなく、もともといろんなところに繋がっているんです。シンとルヰについて描き始めると「東京五輪までかかる」と菱田監督もおっしゃっているので(笑)。時間がかかりそうですね。

注目は「口が悪すぎる観客のヤジ」!?

――TVシリーズから「アフレコ中にセリフが追加される」ことで有名ですが、アフレコ中の印象的なエピソードはありますか?
 ライブシーンなどの女性陣のガヤ(喧騒)が全部アドリブです! めちゃくちゃ口が悪い(笑)。みんな本当に楽しそうで……ストレスかと思うくらい(笑)。前作もガヤがありましたけど、「次回があったらやらせてください」と女性キャスト陣がおっしゃってくださって……。なので、女性陣渾身のガヤに注目です。ガヤは後方スピーカーから出るようにしていただいたので、ガヤを楽しみたい方はぜひ、劇場の後ろのほうの席を選んで観ていただくといいかもしれないです。キャストさんの聞き分けは……しないほうがいいかも……幻滅しちゃうかもしれません(笑)。
 プリズムジャンプ中のセリフもアドリブが多かったですね。武内駿輔さん(大和アレクサンダー役)の英語も現場で追加されたものです。追加と言えば……TVアニメ『プリティーリズム・オーロラドリーム』で登場したセリフを、シンが踏襲しています。元々そのセリフも、榎あづささん(高峰みおん役)が当時の収録中にアドリブでおっしゃったそうなんです。今回の『キンプリ』収録のとき、ブースの中に榎さんがいて(笑)。寺島さんは何も知らずにそのセリフを収録して、榎さんのアドリブを、しかも本人の前で言っていたことをあとで知らされる、というドッキリみたいなことがありました(笑)。

――それはシリーズファンにとってうれしい演出ですね。
 シリーズをずっと観ていてくださった方にうれしい演出は、ほかにもいっぱいあります! うれしいどころか「もう失神してしまうのでは?」というシーンもありますので……リアルタイムでご覧いただいていた方は本当にうれしいと思いますよ。

ユニットプロジェクトは自分の中の「課題」と向き合う話

――話は少し変わりますが、前売り券と連動する形で4月に劇場限定盤、5月に全国盤が発売された「ユニットプロジェクト」の聴きどころを教えてください。エーデルローズ生たちのユニットデビューシングルという位置づけだそうですね。
 今回のCDは、プリズムの煌めきを全国に広めるために、二人一組で曲を作って各地でライブをしてくるという課題を、エーデルローズ主宰・氷室聖から与えられた……というお話になっています。エーデルローズ生それぞれが、自分自身に対する課題や、心の中に悩みを持っていて……それを描けたらいいなと思っていました。もちろんキャラクター同士の関係を描きたいのもあったんですけど。
 ユキノジョウとレオのコンビは、ふたりとも女性らしい外見のキャラクター。お風呂場で女性と勘違いされてしまうシーンがあるほどです。ただ、歌舞伎の女形をしているユキノジョウはより女らしい所作を覚えたいと思っていて、逆にレオは、もっと男っぽくなりたいと思っている。でも、自分自身の良さにも気づいてほしかったんです。お互いのことを尊敬し合って初めて、「自分は尊敬してもらえる存在なんだ、他人からそう言ってもらえるんだ」と気づく。もちろん目標はあるんですが、それでも「自分は自分でいい」という気持ちになれる歌になっています。ガールズバンドっぽい、疾走感のある、スカッとした曲ですね。
 シンとカケルに関しては、特にそういう悩みがないコンビで(笑)。カケルは悩みを自分で解決できてしまう人ですし、シンはぽやぽやしていてあんまり深く考え込まないタイプ。そんなふたりが海に行って「泳ごうよ!」「パーティーしよう!」と盛り上がっている、夏らしい、みんなでわいわい楽しむときに聞きたい曲をお願いしました。いわゆる「パリピ」な感じです(笑)。
 コウジとミナトはお料理が得意なコンビ。このふたりは特にそう思っているんですが、料理って「誰かのために」作るものなので、お客さまをおもてなしするような、喜ばせるイメージの歌になっています。ほかの曲とは違ってミドルテンポで、まったりリラックスしながら聴いていただければと思います。
 すべての曲が毛色の違うものになるようにしているんですが、カヅキとタイガの曲はザ・ストリートな感じです。ラップも入れてもらっていますし、ストリート系に特化した曲です。カヅキはちょっと余裕ぶっていて、タイガはそれに必死について行っているイメージ。「タイガ、来いよ!」「カヅキさん!!」……というような、ふたりの関係を表現しています。
 ヒロとユウは、ふたりとも『プリティーリズム・レインボーライブ』から登場しているキャラクターなんです。ヒロのつらい気持ちを本当に理解しているのは、エーデルローズの中ではユウだけ。コウジとのこと、そしてふたりの中で特別な存在である蓮城寺べるという女の子のこと。ヒロとユウの中には共通して「べるとコウジ」という存在がいるので、その大切な人について歌える曲がいいなと思って作ってもらいました。この曲だけ、ユウが作詞作曲をしているんです。ヒロが思っていることをユウが聞いて、歌詞を書いています。ユウはヒロをライバル視していて、「お前なんか!」という態度をよく取ってしまうんですが、本当はすごく心配してくれている。そんなユウのかわいさを噛みしめて聴いていただきたいですね。あわよくばユウ人気が上がってほしい(笑)。一番子どもっぽく見えるんですが、実はとっても大人だし、心の優しいいい子なんです。

――それでは最後に、ファンへのメッセージをお願いします。
 『キンプリ』をご存じない方もいっぱいいらっしゃると思いますし、こんな話を聞いてよくわからないと思われた方もいらっしゃるかもしれませんが……大丈夫です! とりあえず劇場へ来てください。今作は元のシリーズの話を知っていてもよくわからないと思うので(笑)。よくわからなくても楽しめます。新しくできたジェットコースターに乗ると思って、お気軽に観に来ていただいて、衝撃を受けて、ぜひ『プリティーリズム』シリーズも見ていただければと思います。劇場でお待ちしております!

 

<劇場版「KING OF PRISM -PRIDE the HERO-」情報>
6月10日全国公開

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◆スタッフ
監督:菱田正和、脚本:青葉譲、CGディレクター:乙部善弘、キャラクター原案&デザイン:松浦麻衣、プリズムショー演出:京極尚彦、音楽:石塚玲依、音楽制作:エイベックス・ピクチャーズ、音響監督:長崎行男、音響制作:HALF H・P STUDIO、原作:タカラトミーアーツ/シンソフィア/エイベックス・ピクチャーズ/タツノコプロ、アニメーション制作:タツノコプロ、配給:エイベックス・ピクチャーズ、製作:キングオブプリズムPH製作委員会

◆キャスト
神浜コウジ:柿原徹也、速水ヒロ:前野智昭、仁科カヅキ:増田俊樹、一条シン:寺島惇太、太刀花ユキノジョウ:斉藤壮馬、香賀美タイガ:畠中祐、十王院カケル:八代拓、鷹梁ミナト:五十嵐雅、西園寺レオ:永塚拓馬、涼野ユウ:内田雄馬、 法月 仁:三木眞一郎、如月ルヰ:蒼井翔太、大和アレクサンダー:武内駿輔、氷室 聖:関俊彦、黒川 冷:森久保祥太郎、山田リョウ:浪川大輔

公式HP      
http://kinpri.com/

公式Twitter   
@kinpri_PR

(c)T-ARTS / syn Sophia / エイベックス・ピクチャーズ / タツノコプロ / キングオブプリズム PH 製作委員会

《超!アニメディア編集部》
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