宝多六花役の宮本侑芽が語るTVアニメ『SSSS.GRIDMAN』の終わらない魅力!「思春期の男女の日常的な葛藤も魅力のひとつ」【インタビュー】 | 超!アニメディア

宝多六花役の宮本侑芽が語るTVアニメ『SSSS.GRIDMAN』の終わらない魅力!「思春期の男女の日常的な葛藤も魅力のひとつ」【インタビュー】

昨年、話題を集めたTVアニメ『SSSS.GRIDMAN』。最終回を迎えたものの、2019年1月からも様々な局で追加放送がスタート。まだまだ振り返り上映会など、話題もイベントも尽きない本作から、宝多六花役の宮本侑芽のイン …

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 昨年、話題を集めたTVアニメ『SSSS.GRIDMAN』。最終回を迎えたものの、2019年1月からも様々な局で追加放送がスタート。まだまだ振り返り上映会など、話題もイベントも尽きない本作から、宝多六花役の宮本侑芽のインタビューが「アニメディア1月号」に掲載。超!アニメディアでは、未掲載を含めたロング版をご紹介する。


普段はやさしい女子高生
裕太に寄せる気持ちは?

ーー宮本さんが演じる六花は、一見クールだけど面倒見の良い面もあります。どんなキャラクターという印象ですか?

 一見すると、どこにでもいる女子高生だけど、女子高生だって家族や友達のことを大切にしますし、困ってる人がいれば助けたくなる。いわゆるJKといういかにも今どきな女の子ではなく、すごくリアルな女子高生像として描かれているのが六花の魅力だと思っています。脚本としてはぶっきらぼうな口調で今どきのJKですが、お芝居のアプローチの仕方としてはふだんはやさしい女子高生という部分の感情を大切にしています。

ーー宮本さんは年齢的に、六花とはそんなに離れてはないですよね。

 そうですね。なので、いつもの宮本侑芽より少しテンションを低めにすれば六花になじむことができたので、等身大のまま理想の六花像に近づくことができたと思っています。だから基本的には苦労はなかったのですが、唯一、アカネという現実世界ではあり得ない存在と掛け合いをするときに、どういう気持ちで臨めばいいのか、すごく難しいと感じました。

ーー回を重ねるごとにアカネの正体が明かされていきました。六花とアカネは幼なじみだったんですよね。

 物語としてはアカネの本性がどんどん描かれていくんですけど、六花は、まだアカネの表面上の性格しか見られていないんです。だからアカネがなぜ怪獣を作っているのか、まだわからないでいる状態のまま、アカネが裕太を刺してしまう。今は「アカネは急にどうしたんだ?」という戸惑いが一番強い状態なので「アカネと話がしたい」と思っています。これからどのようにアカネと話をして、アカネをどう理解していくのか、そこは今後の見どころにもなっていくと思います。もともと幼なじみで仲がよかった過去も描かれていますし、元のアカネの性格を知っているからこそ、元の性格に戻ってほしい、そのころのふたりに戻りたい。ひとりの友達として、関係を修復したいと考えているんです。


ーー自分の経験に重ねて演じることもあると思いますが、アカネは非現実的な存在なので、現実の経験と置き換えて理解することはなかなか難しいですよね。

 これはアカネを演じている上田麗奈さんもおっしゃっていたことなのですが、アカネは怪獣を作っているけれど、普通の女の子と同じようにイライラしたりするし、ストレスが溜まったりするんです。ただ、そのはけ口として、怪獣を作って気に入らない相手をないものにするという行動に出ているだけ。誰だって、イライラして何かに当たってしまうことはあるわけで、その矛先としてたまたま怪獣があった。六花としては、ひとりの女子高生の繊細な心をどうしても読み取りたくて、「なんでそうなっちゃったの?」と、ただ気持ちを知りたいだけなんです。だからアカネに対して怒ったりしないし、強くとがめるようなこともない。

ーーその一方で、裕太との関係は、どんな風に感じていますか? 裕太が記憶をなくす前に、何があったのかとか。

 1話で「記憶喪失のふりだったら最悪だからね」というセリフで、意味深な関係を想像させるところがありました。でも何があったかは、あえて明確にされていなくて、じつは私も知らないんです。個人的には恋愛対象と言うよりも、グリッドマン同盟の一員として、裕太がいてくれないと困るし、だけど裕太には死んでほしくない。友情のほうが強いんじゃないかと思っています。

ーー内海に対してはいかがですか?

 内海は、いつも裕太に「頑張れ」と言っているんですが、それは特撮好きな男の子としてグリッドマンと怪獣の対決の部分を応援していて。そんな内海に対して六花は、「そこじゃないでしょ!」と思っているはずです。「戦闘中に人が死んでいるのに、どうしてあなたはそうやって“THE男の子”なの?」と、疑問をずっと抱えている。傍から見ていると、思春期の男の子と女の子の、ものごとに対しての考え方や価値観の違いがすごく描かれているなって思います。私自身も内海に対しては、六花と同じようにイラッとすることが多いです(笑)。

ーーその年代の女の子から見ると、男の子って子どもなんですよね。

 そうなんですよね(笑)。でも、六花も子どもだなと思うところはあって、内海からも「感情でしかものが考えられない」と思われているように、後先考えずに感情で走り出してしまうところがあるんです。結局アカネもそうで、思春期の女の子と男の子が、日常で葛藤している様子が、この作品の魅力のひとつだなって思いますね。

ーーキャラクターが発するセリフも、物語的にはすごく重要とのことですね。

 雨宮(哲)監督の脚本に対するこだわりがすごくて、一言一言に絶対無駄なセリフがないし、無駄な言葉やカットもない。最後まで観ていただけると、なんでこういうしゃべり方をしていたのかとか、どうしてこういうセリフがあったのかなど、全部がすっきりすると思います。特に、ラストに出てくる六花のセリフは泣けました。ぜひ楽しみにしていてほしいです。

昭和歌謡曲を聴き込み
歌い方を研究して収録

ーーそんな六花が歌うキャラソン「ガラス玉」は、昭和歌謡チックな楽曲で、キャラソンらしからぬ雰囲気です。

 最初に聴いたときは、おっしゃるとおり昭和歌謡曲だと思いました。でも私は平成生まれなので、昭和歌謡曲だということはわかるけど、どう歌えばいいか、どうアプローチをすれば昭和歌謡曲っぽくなるかで苦戦しました。そこでレコーディングの前に、中森明菜さんと山口百恵さんの曲を聴き込んで研究したんです。

ーー研究の成果が表れているわけですね。

 はい。明菜さんと百恵さんの歌に共通していたのは、どこか何も考えていないかのようにフラットに歌っていること、感情を入れるキーポイントとなる歌詞で“こぶし”を入れるようにして歌い上げること、そしてリズムに対して半歩ずれるような、溜めるリズムの取り方をしていること。この3つが自分のなかで得られた研究成果で、それらを意識して歌いました。“こぶし”を回して歌うのは、私が今まで歌ってきたキャラソンにはなかったものだったので、練習中は苦戦しましたが、自分のなかで「できた」と思ったときは、すごく気持ちよかったです。

ーー歌詞は、六花の気持ちが表現されているように読み取れました。

 作詞のRIRIKOさんは本当によく六花のことを考えて、歌詞を書いてくださっています。1番の歌詞から最後の歌詞にかけて、だんだん六花の本当の気持ちがわかるようになっているんです。歌詞にも出てくるんですけど、いわゆる思春期の女の子の面倒くさいところが、すごく歌詞に表れていると思います。

ーー歌詞は全体的に、六花のアカネに対する気持ちを歌っているのでしょうか?

 解釈がいろいろできるので、それぞれで考えていただいたほうがいいかなと思います。ただその相手に対して、六花がいつもどう思っているのかという心の内がすごく表れていますね。だから歌い方も、あえて淡々と語るようなものを心がけました。

ーー今まで宮本さんが歌ってきたキャラソンとは、まるでタイプの違う曲調ですけど、その部分はいかがでしたか?

 六花の声は自分の地声に近いので、声を作らずに歌えたというところでは、今までのキャラソンのなかでもいちばん歌いやすかったです。以前のキャラソンは、声から作ってアフレコをして、その上で歌い方もキャラクターに寄せていって作り込んでいった感じで、まだ私自身はつたないながらも、技術で組み立てたイメージがあります。でも六花のキャラソンは、声の作り込みをせず、歌詞の気持ちを表現することを優先させた印象です。

ーーこれまであまり特撮モノは観なかったと思いますが、本作をきっかけに、怪獣に興味が持つことはありましたか?

 すごくハマってしまいました。「秋の円谷フェスティバル」というイベントで、ペガッサ星人に初めて会ったのですが、このペガッサ星人が、かわいくてしかたがなくて(笑)。ペガッサ星人は、すごく切ないバックストーリーをたくさん持っていて、家族愛があったり、人間のことがすごく好きだったり、人間味をペガッサ星人に感じていて。でも、いざ実際にペガッサ星人と会ったら「ウオ〜!」ってすごく派手なアクションをして迫ってくるんですよ。その姿を観て、「本当はそんな子じゃないのに頑張っているんだね〜」と思って、すごく健気で、愛おしく感じました。なので、ペガッサ星人は激推しです(笑)。『SSSS.GRIDMAN』では、2話に出てきたデバダダンです。ちょっとメカっぽくて蛍光色があしらわれているデザインからして可愛いくて、でもどこか目の焦点が合ってなくて、ビームの出し方も何だか雑で、なんともアンバランスなところがかわいいです。

ーーヒーローの必殺技で、ほしいものはありますか?

 原作の『電光超人グリッドマン』に、フィクサービームというのが出てくるんですけど、これは壊れたところを修復する機能があるんです。裕太役の広瀬(裕也)くんみたいに、いつも噛んじゃう人とか(笑)、私も噛んじゃうので、そういう人にビームを当てて、噛むクセを直したいです。鏡に向けてビームを撃って、自分に当てて自分自身を成長させたいです(笑)。

取材・文/榑林史章

〈TVアニメ『SSSS.GRIDMAN』情報〉
■追加放送局
千葉テレビ  1月8日(火) 19:30より
テレビ埼玉  1月8日(火) 19:30より
テレビ神奈川 1月8日(火) 25:00より
サンテレビ  1月8日(火) 24:30より
RKB毎日放送 1月9日(水) 26:30より
BS11     1月3日(木) 23:00より

「SSSS.GRIDMAN CHARACTER SONG.2」
六花が歌う「ガラス玉」は、70〜80年代の歌謡曲をほうふつとさせる、切ないミディアムナンバー。六花の葛藤する心の内を、宮本侑芽が抜群の表現力で歌い上げる。カップリングには新条アカネ(声/上田麗奈)が歌う「もっと君を知りたい」を収録。こちらは雨宮哲監督が作詞を担当した、爽やかなロックナンバーになっている。

SSSS.GRIDMAN CHARACTER SONG.2
「ガラス玉/もっと君を知りたい」
発売元/ポニーキャニオン
1350円(税込)

Ⓒ円谷プロ Ⓒ2018 TRIGGER・雨宮哲/「GRIDMAN」製作委員会

《超!アニメディア編集部》
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