【インタビュー】『Infini-T Force』春名プロデューサーに聞く劇場版の魅力とプロジェクトの今後 -「無限の可能性がある」 | 超!アニメディア

【インタビュー】『Infini-T Force』春名プロデューサーに聞く劇場版の魅力とプロジェクトの今後 -「無限の可能性がある」

2018年2月24日(土)より公開がスタートした『劇場版 Infini-T Force/ガッチャマン さらば友よ』。TVシリーズの続編として制作された本作では、TVシリーズに続きガッチャマン、テッカマン、ポリマー、キャ …

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 2018年2月24日(土)より公開がスタートした『劇場版 Infini-T Force/ガッチャマン さらば友よ』。TVシリーズの続編として制作された本作では、TVシリーズに続きガッチャマン、テッカマン、ポリマー、キャシャーンが活躍。加えて、科学忍者隊の創設者の南部博士やコンドルのジョーが登場するということでも話題を呼んでいる。そんな作品の魅力を深掘りするために、超! アニメディアでは、春名和道プロデューサーにインタビューを実施。プロジェクト全体のお話に加えて、今後の展望などについてもおうかがいした。


様々な「可能性」

――本日はよろしくお願いします。今回は『劇場版 Infini-T Force/ガッチャマン さらば友よ』のお話に加えて、「Infini-T Force」プロジェクト全体のことについてもおうかがいできればと思います。

よろしくお願いします。

――早速ですが、「Infini-T Force」プロジェクトはアニメ・コミックなど多方面に展開しています。これは最初の段階ではどこまでやると決まっていたのでしょうか?

プロジェクトが立ち上がったのが2014年の半ばくらいで、コミックについては初期から「月刊ヒーローズ」さんと一緒にやろうという話が上がっていました。企画会議にはコミックの編集担当の方や脚本を担当されている小太刀右京さんも何度かご参加いただいて、アイデアも出していただきました。劇場版に関してはその少しあとでしたね。

――なるほど。アニメとコミックはある程度連動して進めていった?

ある程度連動させようとは思っていたのですが、コミックならではの良さが出るようにやっていこうという話もしていました。アニメは12話、基本ワンクールで作ることが多いのに対して、コミックはカチッと話数が決められている訳ではないので長く続けようと思えば続けられるという側面もあります。そういう意味では世界観やキャラクターなどのベースは共有しつつも、その先はコミックとアニメそれぞれの得意分野にあった内容で展開していこうとプロジェクトチームで決めていきました。

――コミック・TV版・劇場版アニメと展開してきた本プロジェクトですが、どういう意図をもって制作されたのか、改めておうかがいできればと思います。

もともと「タツノコプロ55周年企画」ということがプロジェクトの主旨としてありました。その55年の歴史を振り返ったときに、創業者である吉田竜夫さんをはじめ、多くの方々が様々な可能性を残してくださったと感じたんです。その様な事をきっかけに4ヒーローがひとつの画面に集まったらどういう「可能性」が生まれるのかなど、プロジェクトを進めるにあたり、この言葉はひとつのキーワードになっていきました。

――そういう意図があるなかで本作はフル3DCGアニメとして制作されました。こちらも「可能性」のひとつだと思いますが、実際にやってみていかがでしたか?

タツノコプロは55年の歴史のなかで、本当に様々な映像表現に挑戦してきた会社だと思います。だから、今回3DCGという「可能性」に挑んだのもすごく意味のあることだったと思います。また、企画制作はタツノコプロ、実際の3DCG制作はデジタル・フロンティアさんという手法はタツノコプロとしても初の試みでした。振り返ってみるとチャレンジングな点がいっぱいあったと思います。

――プロデューサーとしてはどういう点が最もチャレンジングだったと感じましたか?

いわゆる2Dセルアニメを中心に制作しているタツノコプロと、3DCG制作をしているデジタル・フロンティアさんがひとつの作品を一緒に作っていくうえで、セルと3DCGの文化の違いが思っていた以上にありました。それを乗り越えるのがとてもチャレンジングなことだったと思うのですが、鈴木監督をはじめ、両社のスタッフが密に話し合いを重ねることでお互いの考えに対する理解が深まっていき、結果的にはお互いの200%の力がつぎ込められた作品になったと信じています。

――モーションキャプチャーでキャラクターの動きを作って、その動きに併せて声優さんが声をあてる、そしてその声の感情に併せてまたモーションキャプチャーのアクターさんが表情を作っていく、という絵の作り方も挑戦的なことのひとつだった気がします。

そうですね。ただこれに関してはデジタル・フロンティアさんが元々モーションキャプチャーでキャラクターに動きをつけるという手法を導入されていたので、その特徴を活かして鈴木監督が制作を進めていったという感じです。あと、声に合わせて表情をつける、という部分ですが、これは元々なかった工程なんです。元々は顔に表情がついている状態でアフレコをする予定だったのですが、スケジュール調整など色々と整えているなかで生まれた手法なんです。


「正義」とは何か

――先ほどまでは制作面のお話を中心にうかがってきましたが今度は劇場版のストーリー面についてお話をうかがえればと思います。劇場版はTV版ありきのストーリー展開となっていますが特に意識された点は?

個人的に一番意識したのは劇場版という限られた時間のなかでヒーローたちのドラマやカッコよさ、そしてアクションをいかに詰め込むか、という点ですね。

――反面、冒頭ではTV版のダイジェストがありましたが、これは初見の方でも分かるようにという配慮からでしょうか?

必ずしも劇場版を見に来てくださる方がTV版も見てくださっているとは限らないという配慮でもありますが、既にTV版を見ている方もおさらいができればと思って、こういう構成になりました。

――なるほど。劇場版ならではの点でいえば、コンドルのジョーや南部博士の登場も挙げられると思います。

やはり周年作品ということで、放送当時もすごく人気があったキャラクターであるコンドルのジョーを出したいという意図は企画段階からありました。そこから、健とジョーの関係をどう描いたらいいのかアイデアを出していき、「正義に対する考え方のぶつかり合いを描けたら面白いよね」という話になっていったんです。ここに、更に南部博士を加えたらどうなるのか、という話合いになり劇場版のストーリーが組み立てられていった記憶があります。企画段階では、実は健が並行世界の健とぶつかり合うという展開もあったんですよ。

――そうなんですね!

はい。南部博士が登場しない案もありましたし、そういう紆余曲折を経て、今のストーリーに至ったという感じです。

――先ほどそれぞれの「正義」のぶつかり合いというお話がありましたが、春名プロデューサーは、「正義」とはどういうものだと思いますか?

そうですね……。いざ、考えてみると本当に難しいですが、「正義」は各個人の成長過程の中で形成された価値観だと思うんですよ。だから人によって「正義」が何かというのは違う。僕にとっての「正義」が皆さんにとって正しいこととは限りません。本作ではまさにそういうところを描いていると思います。

――確かに、本作では健が正義だと思う人もいれば、考え方の違いで健とぶつかるジョーが正義だと感じる人も、敵対する南部博士が正しいと思う人もいる気がします。そういう多面性が本作の魅力なのかなとお話を聞いていて感じました。

そうですね。必ずしも「この人が正しい」という絶対はないと思うので、松本監督もそういった点を意識されながら見方によって変わる作品を作られたと思います。


プロジェクトには無限の可能性がある

――先ほど「正義」についておうかがいしました。本作ではそんな「正義」を成そうとするヒーローたちが登場しますが、春名プロデューサーが思い描く理想のヒーローとはどのような存在でしょうか?

僕がヒーローと聞いて連想するのは見返りの求めない人ですね。何かしてほしいからやって「あげている」ではなくて、誰かを助けたいから、それが自分で正しいと思ったから行動するというのがヒーローだと思います。

――そういう行動はやろうと思ってもなかなかできない事ですよね。

できないですね。ただそういう価値観とは別に個人的にカッコいいなと思うのは、寡黙な、背中で語るようなヒーローです。普段はチャラくてもやる時はきりっとなる人もカッコいいですよね。本作でいえばポリマーが近いかもしれません。

――ちなみに、タツノコプロさんの作品であれば、どの作品が一番好きですか?

沢山あるんですが、初めて『ガッチャマン』を観たとき、アクションや動きの繊細さ、メカやガジェットのカッコよさなどがとても印象的でした。その後の映像作品に多大なる影響をあたえた事は今見ても納得できます。あとはリアルタイムで観ていた『宇宙の騎士テッカマンブレード』も好きです。

――結構ハードで、ダークなお話ですよね。

ダークですね。謎の宇宙生命体「ラダム」という敵に家族や仲間を「テッカマン」に改造されてしまい、地球を守るために彼らと戦わなければならないというストーリーでした。双子の弟とのライバル関係についてもダークなドラマ展開でしたよね。

――どのあたりに惹かれましたか?

ヒーローとしては「ラダム」という宇宙生命体から地球を守らなければならない、でも、そのためには家族や仲間を倒さないといけないという、どうしようもない状況のなかでの葛藤の描き方が衝撃的で惹かれました。あとは単純にアクションやデザインがすごくカッコよかったです。

――作品についてだけでなく、春名プロデューサーが考える「正義」や「ヒーロー」などについてもお話いただきありがとうございました。最後に改めて『劇場版 Infini-T Force/ガッチャマン さらば友よ』の見どころについて教えてください。

ストーリーの面ではやはり、コンドルのジョーや南部博士など劇場版から登場するキャラクターたちがどう絡んでくるかという点に注目いただければと思います。先ほどもお話がありましたが、本作では彼らと健の「正義」がぶつかり合います。なので、見方のひとつとして「自分なりの正義とは何だろう」というのを考えながら観ていただけるとまた違った面白さを体感していただけるのではないかなと思います。

――登場するどのキャラクターの視点で見るかによってとらえ方も変わってくるかもしれません。

そうですね。一度だけでなく、2・3回見ていただいて「正義」について考えていただけると嬉しいですね。

――ちなみに、プロジェクトの今後の展開については期待しても?

この先どうしていくのか具体的には決まっていないので僕個人の気持ちとしてのお話しかできませんが、今回が『ガッチャマン』にスポットを当てた作品になったので、今後は『キャシャーン』『テッカマン』『ポリマー』をもっと掘り下げていきたいですね。『ガッチャマン』に関しては他の科学忍者隊も登場させたいです。あとは本作の後日談なども描いていきたいですね。コンセプトの話にも繋がってくるのですが、「Infini-T Force」というタイトルは“無限の可能性”という意味が込められているので、どんどんプロジェクトの輪を拡げていきたいです。





■作品情報
タイトル:『劇場版 Infini-T Force/ガッチャマン さらば友よ』
公開時期:2018年2月24日(土)
配給:松竹
出演:関 智一(ガッチャマン/鷲尾 健)、櫻井孝宏(テッカマン/南 城二)、鈴村健一(ポリマー/鎧 武士)、斉藤壮馬(キャシャーン/東 鉄也)、茅野愛衣(界堂 笑)、遠藤 綾(佐々岡)、鈴木一真(コンドルのジョー/ジョージ浅倉)、船越英一郎(南部博士)
監督:松本 淳(『閃光のナイトレイド』『PERSONA -trinity soul-』監督)
脚本:熊谷 純(『PSYCHO-PASS サイコパス 2』脚本、『アクエリオンロゴス』シリーズ構成)
■作品あらすじ
戦いの末に自分たちの世界を取り戻し、それぞれが生きるべき場所へと戻ったガッチャマン=健、テッカマン=城二、ポリマー=武士、キャシャーン=鉄也の四人。しかし彼らはある目的のため、笑と共に再び時空を超えて一つの世界へと降り立った。そこは平和を脅かす人類の敵「ギャラクター」が猛威を振るい、それに対抗するガッチャマン率いる「科学忍者隊」が戦い続けた世界。だが、その世界の様子に違和感を覚える彼らの前に、一人の男が姿を現す。それは科学忍者隊の創設者、南部博士。見知ったはずの健に不審な表情を向ける南部は、ヒーローたちに思わぬ言葉を告げる。「どうやら君たちは私の敵らしい」と……。そして、その様子をビルの上から見つめる一つの影があった。それは健と共にギャラクターと戦い続けた、科学忍者隊のナンバー2。その名を“コンドルのジョー”。4大ヒーローの新たなる激闘が、スクリーンで幕を開ける!

『劇場版 Infini-T Force/ガッチャマン さらば友よ』3月17日(土)~先着入場者プレゼントのデザインは笑!

※非売品
※特典は無くなり次第終了となります。

公式HP
http://www.infini-tforce.com

公式Twitter
https://twitter.com/Infini_TForce

 (c)タツノコプロ/Infini-T Force 製作委員会

《超!アニメディア編集部》
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