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【インタビュー】『恋は雨上がりのように』近藤役・平田広明が語る理想の中年男性- 「夢を持ってもがいている人はいくつになってもカッコいい」

2018/2/22


 2018年1月よりフジテレビ“ノイタミナ”ほかにて放送がスタートしたTVアニメ『恋は雨上がりのように』。本作は『マンガ大賞2016』『このマンガがすごい!2016』オトコ編などにランクインした人気マンガを原作とした“純粋な正統派ラブストーリー”である。

 「超!アニメディア」では作品の魅力を深掘りするため全三回のインタビュー連載を実施。第二弾となる今回は近藤正己役の平田広明さんにお話をうかがった。

近藤正己役の平田広明さん 撮影:Kawabe Amiri(WATAROCK)

平田さんが演じる近藤正己

作品あらすじ
陸上部のエースだったが怪我で走ることをやめてしまった橘あきら(17歳)と、夢を諦めた過去を持つ、あきらのバイト先であるファミレス「ガーデン」の店長・近藤正己(45歳)。海辺の街を舞台に、青春の交差点で立ち止まったままの彼女と、人生の折り返し地点にさしかかった彼が織りなすものがたり。

演じるうえで大事なのは共感

――本日はよろしくお願いします。まず、『恋は雨上がりのように』の台本を読んだときの率直な感想を教えてください。

一般的な30分アニメの台本と比べると行間が多いように感じました。だから、映像や音楽との間合いや台詞の重みが違ってくるのかも知れません。

――近藤についてはどのような印象を持たれましたか? 個人的には読み進めていくとカッコいい大人だなと思いましたが……。

最初はカッコいい大人という印象はありませんでした。ただ、あきらという可愛いお嬢さんに告白されても自分を保とうとしているので、紳士的ですし大人だなと思いました。ただし、それは近藤の心のなかの話で、周囲から見るとやっぱりどこにでもいる冴えない普通のおじさんなんですよね。

――確かに最初の印象はそうかもしれません。なぜあきらが近藤を好きになったのか分からないくらいでした。

そうですね、そこが大事なポイントだと思います。最初から何かキラッと光るものが見えちゃったらつまらないでしょう。何よりあきらは17歳の女子高生。45歳の近藤にとっては何処となく怖い存在なのではないでしょうか。

――あきらが怖い?

あきらが怖い表情をする描写もありますが、そういうことではなくて、あきら個人というよりも、あの年ごろの女の子は中年男性にとって怖い存在なのかもしれません。どんなことを考え何を思っているか分からないから、おじさんにはミステリーな存在だと思います。

――雨の日にあきらから告白されたにも関わらず「どこかで誰かに撮られていたんじゃないのか」と、あとから考えるシーンもありました。

何を考えているか分からない子から告白されたら、誰だって疑心暗鬼にもなるでしょう。あれは近藤の純粋な面が出ている、とても彼らしいシーンですよね。きっと若いころから真面目な性格だったんだろうな。

――そうかもしれないですね。では、そんな近藤を演じるにあたって、特に意識したことはありますか?

特別こだわったところはありませんが、意図的にダサくしようと見え見えの演技をするとお芝居全体がモタついてしまうので、忙しいネズミみたいにいつも動き回っている等身大の近藤の日常を僕なりにイメージして演じています。それでも、アフレコ時に「それだとカッコよすぎる」と言われたことが2、3回あったかな。「僕の日常はカッコよすぎるのかな」と言ったら「それはない」と全員に言われてしまいました。

――そんなエピソードが!

ありました。なので、カッコよさげな雰囲気が少しでも見えそうになったら気をつけるようにはしていましたね。

――カッコよさが出てしまわないよう意識した?

僕自身、自分が美声の持ち主だと思っていないです。カッコいいキャラクターのときはカッコいい声に聞こえ、また、ダサいおじさんの役ならそういう人物の声として聞こえてくるものだと思っていますので、アフレコでも声質はそれほど意識はしません。

――平田さん自身が近藤と似ていると感じる部分はありますか?

似ていると特に感じたことはありません。僕はいただいた役やキャラクターとの共通点を探すタイプではないんです。ただ、近藤のやっていることは理解できますよ。

――どの作品においても共通点などはあまり意識されない?

そうですね。演じるうえで大切なのは共通点ではなく、共感だと思うんですよ。どれだけそのキャラクターの内面を理解できるかが大切だと思います。たとえば今回のような原作のあるアニメだと、原作ファンの方はいろいろなイメージを持って共感しながら読まれていると思います。僕たちもその共感を自分の中にしっかり持っていないと、キャラクターや作品の楽しさを伝えることはできないでしょう。僕たち役者は伝える側ですから、作品にこめられた魅力を十分理解して、共感や感動できる部分をきちんと伝えていかないといけないと思っています。

――共通ではなく、共感なんですね。

現実社会に存在しないようなキャラクターを演じることもありますが、その役が作品においてどんな役割を果たすのか、誰を愛したり、また傷つけたりするのか、どういう起承転結を経てどう成長するのかを掴んでおかないといけないと思います。

カッコいい大人の条件は夢を持つこと

――平田さんは本作の公式サイトで「全国の中年男性の希望にならないといけない」というコメントもされていました。平田さんが考える中年男性の理想像とはどういったものでしょうか?

憧れたり、ああいう大人になりたいとか個々の方に感じることもありますが、具体的な「理想像」となると持っていないです。ただ、ひとつだけ言えるのは、夢を持っている大人はカッコいいということです。夢を諦めたのか、はたまたもう掴んでしまったのかは分かりませんが、前を向いていない大人を見ると「この人の人生はもう終わりなの?」と思ってしまいますね。なので、いくつになっても挑戦している、何かを渇望している、夢を追いかけている大人は素敵だなと思います。

――そういう大人の方は見ていて憧れます。

本来、年齢を重ねるということはその分だけ経験を積んでいるわけですから、若い人たちよりもできることや手にしているものも多いと思うんです。そういう大人がもう一段階高みを目指してもがいている姿はとてもカッコいいと思います。

――近藤もモノローグでは「45歳。夢も希望もない」と言っていますが、物語の中盤以降では夢を捨てていない部分が浮き彫りになります。

何か沸々と思っているところがあるんですよね。ただ、近藤はいろいろと現実の厳しさも知っていますから夢だけでは動き出せないし、夢だけ追いかけて走れないことも知っている。それでも夢に向かって動こうとしている彼は、やっぱりカッコいいですよ。

――ここまで平田さん自身や近藤のお話が中心でしたが、アフレコの様子についてもおうかがいできればと思います。アフレコ現場の様子はいかがですか?

和気あいあいとしていますよ。出演者もみんな『恋は雨上がりのように』のお話が好きみたいですね。かないみかちゃんは、ほのぼのしながら「いいわね、この話…。あっ、いけない、出番だ!」って慌てたりして。ストーリーに集中しすぎて、お客さん状態になっちゃうのかな。

――渡辺監督やあきら役の渡部紗弓さんもおっしゃられていましたが、作品の雰囲気がそのままアフレコ現場にも出ていそうですね。

そうですね。ほんわかしていますよ。あきら(渡部)とはる(宮島えみ)はいつも仲良くしていますし、ユイ(福原遥)はムードメーカーですよ。

――アフレコ現場の雰囲気がよく伝わってきました。最後に、読者の皆さんへ作品の魅力などについて、改めてメッセージをお願いします。

見どころについてはこちらから押し付けるものではないと思っていますので、ご覧になったままを感じていただければと思います。原作を読んだことがある方はアニメと原作の違いを、またその逆に原作通りの空気感が出ている点など、様々な角度から楽しんでいただけたらうれしいです。一点、マンガとアニメの違うところをいうならば、スピード感です。マンガは自分のペースで読み進めることができますが、アニメは製作者側でスピードを決めて提供します。今回は作品に思い入れのある渡辺監督が製作されているので、そのスピード感も心地よく感じていただけるものになっていると思います。その点にもぜひご注目ください。

 『恋は雨上がりのように』は毎週木曜24:55からフジテレビ“ノイタミナ”ほかにて放送中。また、Amazonプライム・ビデオにて配信もされており、過去の放送を見ることもできる。

◆プロフィール
平田広明【ひらた・ひろあき】 8月7日生まれ。ひらたプロダクションジャパン所属。主な出演は『ONE PIECE』サンジ役、『TIGER & BUNNY』ワイルドタイガー/鏑木・T・虎徹役ほか、洋画『パイレーツ・オブ・カリビアン』ジャック・スパロウの吹き替えなども担当。

<TVアニメ「恋は雨上がりのように」情報>
◆スタッフ 
原作:眉月じゅん(小学館「週刊ビッグコミックスピリッツ」連載)
監督:渡辺歩
シリーズ構成:赤尾でこ
キャラクターデザイン・総作画監督:柴田由香
音楽:吉俣良
オープニング・テーマ:CHiCO with HoneyWorks「ノスタルジックレインフォール」
エンディング・テーマ:Aimer「Ref:rain」
アニメーション制作 :WIT STUDIO

◆キャスト 
橘あきら:渡部紗弓 / 近藤正己:平田広明 / 喜屋武はるか:宮島えみ / 西田ユイ:福原遥 / 吉澤タカシ:池田純矢 / 加瀬亮介:前野智昭

公式 HP 
http://www.koiame-anime.com/ 
公式 twitter 
@koiame_anime

©眉月じゅん・小学館/アニメ「恋雨」製作委員会



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