数多くの名作アドベンチャーゲームを世に送り出したゲームデザイナー・シナリオライターである、故・菅野ひろゆき氏の代表作が原作のアニメ『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』。主人公・有馬たくやのもとにリフレクターデバイスが届き、数奇な運命を辿ることとなった物語は、たくやが大人になり、さらに奇妙な謎に巻き込まれる「異世界編」へと突入、そしてクライマックスを迎えた。
超!アニメディアでは、主人公・有馬たくや役の林勇、たくやの娘であるユーノ役の小澤亜李、監督を務める平川哲生にインタビュー。現世編を振り返っての感想から異世界編の見どころ、またたくやへの思いなどを語っていただいた内容を全3回に分けてお届けする。第3回目はネタバレを含む『YU-NO』の魅力や見どころについてお話をうかがった。
ーーユーノは洗脳され心を失うなどキャラクターが変化しましたね。演じるうえで大変でしたか?
小澤 子供のときの無邪気な感じと心がなくなったときの違いを表現するのが大変でした。ここはゲーム版でも苦労したところなのですが、無邪気だったあの子が大人になって強くなったり人々を率いている感じを出すのが難しかったですね。
林 心の整理が大変そうだったね。
小澤 そうなんです。分厚くしてしまうとかわいさが消えてしまうと思ったので、そのバランスを保つのが大変でした。
――なるほど。では、そんな目まぐるしい展開となった『異世界編』のなかで印象に残っているエピソードやキャラクターは?
小澤 全体的なところでいうと、たくやのお父さん感ですね。ただ、私はお父さんだと思っていますが、「現世編」から観ている人は“エッチなたくやくん”というイメージがあると思うので、きっとたくやへの印象って全然違うんだろうなぁ、と。砂漠のシーンではユーノを守ってくれて、本当に子供思いなお父さんだなと感動しました。あとは「バズク」。「バズクにやられた」という言葉が衝撃的過ぎ!
監督 何をされたかは直接言ってないですからね(笑)!
小澤 そうですけど!! 何せ、あんなキャラクターですから、二人きりになってされることっていえば……。
林 ね(笑)。その次の回でたくやが見せるトラウマが半端じゃなかった。
小澤 「もう拷問はいやだ!」って言っていましたよね。絵がないからこそ、逆に想像すると怖かったです。あとは林さん、アフレコで羽交い絞めにされていた時がありましたよね?
林 あった! 体の奥底から叫び声を出すためにやったんだよね。あんな体験、初めてだった。
小澤 あれくらいリアルにやることってあまりないので、『YU-NO』のこだわりを感じました。
林 羽交い絞めされていない、テストのほうを使われていたらどうしよう……。
小澤 あんなにリアルなのいらないってね(笑)。
林 頑張ったのになぁ(笑)。ああいう感じで声を引き出してもらったことがなかったのでしんどかったですが、『YU-NO』を作るにはここまで必要なんだとも思いました。自分の体の奥底からの声を引き出していただいたというのは感謝ですね。俺はデオとカーツといったアニメオリジナルキャラクターなど、ゲームになかった要素が印象に残っています。アニメならではのオリジナリティは、ゲームをプレイされた方もより楽しんでいただける点かなと思います。
監督 ユーノが一気に成長する回はアフレコ時に聞いていても楽しかったですね。いきなり喋りだすのが面白かったです(笑)。
――小澤さんから「たくやの見え方が違うかも」というお話がありましたが、皆さんはたくやみたいな人物についてどう思いますか?
林 羨ましいですよ。あんなに下ネタを言っても許されていますし、みんなから信頼されているんですから。
小澤 うーん……お父さんとしてはすごく好きなんですけれど、お母さんがいなくなったら別の女のところになびいちゃうってところはいただけない! 甲斐性がありすぎてしまうので、子供目線からすると「ちょっと待って!」ってなる。でも、やっぱりすごくいいお父さんだなとは思いますね。いつも苦悩して頑張ろうとするから人間性も素敵だと思います。
林 そこがブレないのがたくやの魅力だよね。
監督 確かに。僕はゲームをやったとき、正直たくやがなぜモテるのか、第一印象としてはあまりわかりませんでした。だから、アニメ版ではお二人が言っているような「信頼されている、いい奴」というのを拡大して表現しているんですよね。例えば、三角山の洞窟で澪を背負っているときに「お前、太っただろ」ってわざと言ってリラックスさせようとしているところとか。単なる下ネタじゃなくて優しさで言っているというのを僕なりに解釈してアニメに落とし込んでいます。アニメのたくやはゲームよりもカッコよさを誇張しているんですよね。
小澤 ゲーム版のたくやは何というか、もうちょっとゲスいですよね(笑)。
監督 それもたくやらしさではあると思うのですが、僕のなかでたくやをいい奴にしてもっと好きになりたかった。だから、「異世界編」ではなんだかんだ言って時々、(波多乃)神奈ちゃんのことを思い出しているシーンを入れているんです。彼女のことを忘れてないたくやでいて欲しいから。そういったゲーム版との違いを林さんが丁寧に演じてくださるので、非常に僕が好きになれるたくやになったなと思っています。
――そういうのを振り返りながら作品を改めて観ると、色々な発見があるかもしれませんね。本日はお話ありがとうございました。最後に一言ずつメッセージをお願いします。
小澤 自分の課題だけではなく、世界との戦いになってきてスケールが大きい話になりました。そこに立ち向かうたくやの姿が本作の見どころですよね。
林 小澤さんが言っていたようにお話のスケールがとてもデカくなりました。「現世編」と「異世界編」どちらのBlu-rayもチェックしてほしいですね。
監督 実はBlu-ray BOX第3巻にはアニメ本編や原作ゲームでは描かれることのなかった、あり得たかもしれない並列世界を描いた完全オリジナルエピソードのおまけの話を用意しています。そちらもぜひ注目して欲しいです。
林 『YU-NO』ってそういうことを描写しようと思ったら、無限大ですよね。そういう可能性の多さも作品の魅力なのかなと感じます。
【Blu-ray BOX発売情報】
Blu-ray BOX第1巻 発売日:8月28日(水)
収録話:第1話~第8話 価格:21,000円+税
【初回限定版特典】
◆PC-9800シリーズ版キャラクターデザイン・長岡康史 描き下ろし化粧箱BOX
◆リメイク版キャラクターデザイン・凪良 &アニメ版キャラクターデザイン・大塚舞 描き下ろしインナージャケット
◆「YU-NO」大解剖ブックレット~今までの「YU-NO」の歴史がここに~(32P)
◆幸せお風呂ポスター【亜由美】
◆書き下ろしオリジナルシチュエーションドラマCD
【映像特典】
CM&PV集
詳細:http://yuno-anime.com/product/bd1/
Blu-ray BOX 第2巻情報
発売日:10月26日(水)
収録話:第9話~第17話
価格:21,000円+税
【初回限定版特典】
◆PC-9800シリーズ版キャラクターデザイン・長岡康史 描き下ろし化粧箱BOX
◆リメイク版キャラクターデザイン・凪良&アニメ版キャラクターデザイン・大塚舞描き下ろしインナージャケット
◆「YU-NO」大解剖ブックレット~今までの「YU-NO」の歴史がここに~(32P)
◆オリジナルサウンドトラック
【映像特典】
[現世編]ノンクレジット OP/ED
詳細はこちら⇒http://yuno-anime.com/product/bd2/
Blu-ray BOX 第3巻情報
発売日:12月26日(水)
収録話:第18話~第26話
価格:21,000円+税
【初回限定版特典】
・PC-9800 シリーズ版キャラクターデザイン・長岡康史 描き下ろし化粧箱 BOX
・リメイク版キャラクターデザイン・凪良 &アニメ版キャラクターデザイン・大塚舞 描き下ろしインナー ジャケット
・「YU-NO」大解剖ブックレット ~今までの「YU-NO」の歴史がここに~(32P)
【映像特典】 完全オリジナルエピソードの新作アニメ
[異世界編]ノンクレジット OP/ED
アニメ『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』情報
<ストーリー>
主人公である有馬たくやは幼少期に母を亡くし、歴史学者である父も二ヶ月前に事故で亡くしてしまった。すべてにおいて活力を失ってしまった学生生活最後の夏休み。ある日、用途不明の丸い鏡とガラス玉のはまった妙な物体が入った小包が届けられる。同梱されていた手紙には父親が生きていると思わせる内容が…?!
「今夜10時に、この物体を持って剣ノ岬(三角山)へ行け」
指示に従いその場へ向かうと、謎の女性が倒れていた。そこには学園⾧と謎の転校生の姿も。瞬間、地響きとともに光に包まれる…。
並列世界を駆け巡る旅が、今、始まる!
【放送情報】
AT-X:毎週火曜23時~
TOKYO MX:毎週水曜22時~
ABCテレビ:毎週水曜26時46分~
BSフジ:毎週木曜24時~
メ~テレ:毎週土曜26時44分~
※放送日時は、都合により変更になる場合があります。
【スタッフ】
原作:菅野ひろゆき/MAGES.
監督:平川哲生
キャラクターデザイン:大塚舞
助監督:松下周平
サブデザイン/小物設定:藤崎賢二/枡田邦彰/村山公輔
美術監督:坂上裕文/加藤浩
美術設定:加藤浩
美術背景:ととにゃん
色彩設計:宮脇裕美
音響監督:たなかかずや
撮影監督:難波史
撮影アドバイザー:中村雄太
編集:丸山流美
音響監督:たなかかずや
音響制作:東北新社
音楽:ヨナオケイシ/高見龍/Evan Call/川村竜(BPS Studio)
音楽制作:MAGES.
OP・ED作詞、作曲:志倉千代丸
アニメーション制作:feel.
プロデュース:GENCO
製作:PROJECT YU-NO
【キャスト】
林勇
小澤亜李
真田アサミ
坂井恭子
井上麻里奈
長久友紀
土井真理
名塚佳織
小林ゆう
藤原祐規
江口拓也
上田燿司
佐藤美一
楠大典
立木文彦
【新作ゲーム情報】
発売日:発売中
機種:Nintendo Switch™、PlayStation®4、PlayStation®Vita
価格:通常版 6,800円(税抜)
ダウンロード版 6,000円(税抜)
CERO:D(17歳以上対象)
(C)MAGES./PROJECT YU-NO