2019年4月より放送中のTVアニメ『女子かう生』。女子高生の日常を描いた本作の特徴は、何と言ってもキャラクターたちがセリフを言わない「サイレントアニメ」であること。そんな作品において声優陣はどのように演じたのか。今回はメインキャラクターである富戸もも子役の立花理香にインタビュー。セリフがないなかでの表現方法、そして作品の今後の見どころについておうかがいした。
――今回、演じてみて感じたキャラクターの印象を教えてください。
もも子ちゃんはいたずら心や遊び心が豊富な子で、日常のちょっとしたところを面白く変える才能の持ち主だなと思いました。そのおかげでいつも一緒にいる(渋沢)しぶ美ちゃんや(古井)まゆみちゃんを振り回していますけど(笑)。ただ、友達思いで、筋が一本通っているということが分かるようなシーンも原作では描かれています。いい奴なんですよ~。
――それだけのキャラクター性をセリフなしで表現するのは、なかなか大変だったでは?
そうですね。でも楽しかったです。いつもだとアニメのスタッフさんたちと一緒に、その子を作る作業をしてからアフレコにも臨んでいるのですが、今回は「とりあえずやってみよう!」という感じでした。そういう意味では演者にとっても挑戦だったし、スタッフさんにとっても挑戦的な作品だったと思います。一方で「任せてもらえている」という嬉しさもあり、その分、気合も入りました。
――役者としては腕の見せ所だったのでは?
そうですね! 私としては原作の“喋らなくても分かる3人の仲の良さ”がとても好きだったので、それが伝わればいいなと思いながらアフレコをしていました。だから、セリフがなくてもちゃんと会話をしているようにするとか、相手に言葉をかけているようにはどういう息遣いをすればいいのかとか……。色々と考えながら収録していました。そういう意味では、声優という仕事について色々と考えさせられる現場でもありましたね。そんなこと言うと壮大な感じになりますが、作品はゆるっと楽しめるものですよ♡
――そんなゆるっと楽しめる本作。アニメの映像を観たときの感想を教えてください。
まずは安心しました。というのも、私たちは状況の説明などが書かれた台本が手元にあるけれども、アニメをご覧になる方はそういうものがない状態な訳じゃないですか。だから、もちろん役者としてやれることはやったとは思っていたのですが、実際にちゃんと伝わるのかというのは内心ドキドキでした。ただ、一視聴者として観ても楽しめた自分がいたので、ホッとしたというのが素直な感想です。あとはアニメーションが滅茶苦茶可愛い! それがよかったです。
――一方できわどいカットなんかもありましたね(笑)。
いいカメラワークなんです(笑)!
――あとはBGMも日常感が出ていて癒されます。
そうなんですよ。ここまで喋らないアニメはあまりないと思うので、ミキサーさんも燃えていたんじゃないかなと思います。
――本作は女子高生の日常を描いた作品ですが、立花さんはどういう女子高生ライフを送られていましたか?
学校が終わって部活に行ったり、電車に乗ってうとうとしながら塾に向かったり……。
――結構リアル、というか生々しい高校生ライフですね(笑)。
ですね(笑)。でも、学校近くのファミレスで友達とパフェを食べながらおしゃべりするというのはやったことありますよ!
――作品的なこともやっていた。
やりました。ファミレスは頻繁に行っていたなぁ。友達がものすごくたくさんいたわけじゃないですけども、仲の良い友達2、3人とよく行っていました。
――充実した高校生ライフですね!
私、理系のクラスだったんですけども仲の良い子が文系だったので、授業中とか短い休憩時間は一緒に過ごせなかったんですよ。なので、放課後くらいしかゆっくり喋る時間がなかった。だからファミレスでよく喋っていたのかもしれない。
――なるほど。部活も勉強も頑張っていたとなると、結構、真面目な学生だったんですかね。
もう、本当に真面目! あと、派手なことや特別なことも特にしていなかったので、地味な生活を送っていたなぁとも思います。
――ちなみに、そのころはもう役者になりたいという気持ちはあった?
全然。まさか声優になって女子高生になるなんて思ってもいませんでした(笑)。個人的に『女子かう生』には、「あるある」というお話がたくさん出てくるんですよね。だから、先ほど地味な生活なんていいましたけども、『女子かう生』を読んだり観たりすると、その地味な生活が確かに楽しかったかも、と思えたんです。地味な女子高生ライフも輝かしいものだったのかな、と思えたので、何だか救われた気がしました。
――素敵な考えです。
いいことも言えるんです(笑)。
――さすがです(笑)。では、もし女子高生にいま戻れるとしたら、どんなことをしてみたいですか?
……スカートを短くしたいですね。
――なんと!
(笑)。私が通っていた学校はお勉強を頑張る子が多かったので、スカートもすごく短いという子はいなかったんですよ。あとはローファーを履きたかったです。私が思い描いていたミニスカートでローファーという女子高生のスタイルをやったことがないんですよね。いまだにローファーには憧れがあります。
――うちの学校はほぼみんなローファーでした(笑)。
いいなぁ。そういう格好もちょっとでいいからしてみたかったな。
――ちなみにしぶ美役の嶺内さんとまゆみ役の久保さんは「戻りたくない」とおっしゃられていました。
闇が深いよ、このキャスト陣(笑)! でも、その分今が楽しいというのは、むしろいいことですよね。
――そうだと思います! 本日は色々とお話ありがとうございました。最後に作品の今後の見どころなど、読者の皆様にメッセージをお願いします。
思わず「ふふっ」と笑ってしまう日常が描かれている作品ですが、大人になったいまだと、どこか懐かしいなと思える作品でもあるんですよ。私にとってはただの日常だったけども、箸がころぶだけで、女子高生のもも子たちにとっては面白いんです。大人になった皆さんはそういうシーンを懐かしいと思いながら観ることもできるんじゃないかな。あと、もも子的には、ぜひ最後の最後まで観ていただきたい。12話の最後まで! このサイレントな世界からの最後をぜひ楽しんで浸っていただきたいなと思います。
【プロフィール】
立花理香【たちばな・りか】2月27日生まれ。広島県出身。WITH LINE所属。主な出演作は『八月のシンデレラナイン』阿佐田あおい役、『アイドルマスター シンデレラガールズ』小早川紗枝役、『プリンセスコネクト!Re:Dive』キャル役 ほか
画像ギャラリーはこちら。クリックすると拡大します。
〈アニメ『女子かう生』情報〉
TOKYO MX“ふたばにめ”内にて放送開始
TOKYO MX 毎週(月)24:00~
AT-X 毎週(土)23:15頃~
リピート放送:毎週(日)26:45頃/毎週(火)15:15頃/毎週(金)7:15頃
BSフジ 毎週(火)24:15頃~
■イントロダクション
喋らなくてもカワイイ、サイレント女子高生アニメ!
残念美人のもも子を中心に、クール系メガネのしぶ美&癒し系ちびっ子まゆみの3人が過ごす楽しい高校生活♪
1人でも楽しい、みんなと一緒でも楽しい、ちょいバカでぐうかわな彼女たちの日常。
■STAFF
原作:若井ケン『女子かう生』(双葉社「WEBコミックアクション」連載)
監督・シリーズ構成:佐々木勅嘉
キャラクターデザイン:山本恭平
アニメーション制作:アニメーションスタジオ・セブン
■CAST
富戸もも子:立花理香
渋沢しぶ美:嶺内ともみ
古井まゆみ:久保ユリカ
■MUSIC
オープニングテーマ:あま津うに「silent days」
TVアニメ『女子かう生』Blu-ray情報
発売日:2019年8月30日(金)
価格:5,800円(税別)
収録話数:第1話~12話
アニメ『女子かう生』公式サイト
Joshikau-anime.com
アニメ『女子かう生』公式ツイッター
@joshikau_anime
撮影/高旗弘之
©若井ケン/双葉社・「女子かう生」製作委員会