『劇場版モノノ怪』三部作の最終章にあたる『劇場版モノノ怪 第三章 蛇神』が、2026年5月29日より公開中だ。6月5日、企画プロデュースとしてクレジットに名を連ねていたツインエンジン・山本幸治氏が、自身のX(旧Twitter)で同作における「声優の降板と再起用とその情報の出し方」についての経緯の説明、および寄せられた意見に対する謝罪の文書を公開した。
※以下の本文にて、本テーマの特性上、作品未視聴の方にとっては“ネタバレ”に触れる記述を含みます。読み進める際はご注意下さい。
『劇場版モノノ怪』は、2006年にフジテレビの「ノイタミナ」枠にて異例の高視聴率を記録した『怪~ayakashi~』の一編「化猫」から派生し、2007年にTVアニメシリーズとして放送されて以来、根強く愛され続けている『モノノ怪』が“新生”した完全新作の劇場映画だ。謎と思惑が渦巻く女の園・大奥を舞台にした壮大なサーガが、2024年7月公開の第一章『唐傘』、2025年3月公開の第二章『火鼠』、そして5月より公開中の第三章『蛇神』の3部作で描かれてきた。
その制作・公開にあたっては、TVアニメで主人公・薬売り役を務めた櫻井孝宏が、制作側の「作品性の観点からの決断」によって降板し、劇場版三部作では神谷浩史が新たな薬売り役に起用されたという経緯があった。そのうえで公開後3日間、5月31日23時59分までは公式としてSNSでのネタバレを控えてほしい旨を呼び掛けていた『蛇神』に、神谷演じる“坤の薬売り”と別に櫻井演じる“離の薬売り”が再登場したことについて、様々な声が上がっていた。
このたびの投稿はこれを受けてのもの。山本氏はまず、櫻井の再起用については「蛇神の後に登場する百目とどう決着をつけるかが懸案となっており、もう一人の薬売りを召喚するというアイデアが出されました」としたうえで、「どこかで離の薬売りを求めるお客さんの声に応えたいと考えていたこともあり、離の薬売りを良い形で登場させ、お客様に喜んでもらえることができれば、最終章の節目にふさわしいものができると再起用を決断しました」と説明した。
劇場版ではあくまで“坤の薬売り”が主人公であり、“離の薬売り”は“坤の薬売り”の応援要請に答えて登場する存在として描くこととした、という。だが、「その情報の出し方」に対する意見が相次いでいることについては「一番の問題はその決断に伴い必要な配慮が欠けていたことだと考えております。前項の描き分けができていれば、離の薬売りの登場は喜んでいただけるはずだと考えておりました」とする。
「離の薬売りとの再会を事前情報なく体験してもらいたいと考え、事前の情報出しを行わず、3日間ネタバレをしない期間を設ける施策を行いました。結果的にこの施策が、離の薬売りの登場を望まない方々に対して、鑑賞するか、鑑賞をしないかを選択する機会を損ねる結果となりました。想定の甘さを痛感し、大変申し訳なく思っております」と受け止め、「事前に出演者情報をお伝えしなかったことで不快な思いをされた方がいらっしゃることについて、配慮が不足しておりましたことを心よりお詫び申し上げます」と謝罪の言葉を記した。
なお山本氏は、今回の事態を受け、責任を取る形でプロデューサー業を引退するとしている。これについては「時代感覚、顧客感覚との乖離を感じることが増え、それによるチームへの影響、グループスタジオ、作品への影響などを考えてのことです。今後は経営と後進の育成、業界のゲームチェンジに挑むつもりです」とも伝えている。
(C)ツインエンジン





