ニヤきゅんが止まらない♪ “器用に不器用”な2人が愛おしい『あざといちゃんとヤンキーくん』をピックアップ!【「ジャンプTOON」注目作レビュー/Vol.3】 | 超!アニメディア

ニヤきゅんが止まらない♪ “器用に不器用”な2人が愛おしい『あざといちゃんとヤンキーくん』をピックアップ!【「ジャンプTOON」注目作レビュー/Vol.3】

器用に不器用な2人にニヤきゅん♪『あざといちゃんとヤンキーくん』をピックアップ!【「ジャンプTOON」注目作レビュー/Vol.3】

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『あざといちゃんとヤンキーくん』書影
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  • 『あざといちゃんとヤンキーくん』第1話
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集英社が2024年5月に創刊した、スマートフォン・タブレット端末向けの縦読みマンガアプリ「ジャンプTOON」。コマを縦読みに組み替えフルカラー化された、メディア化で話題の人気作品の“タテカラー版”も目を引くが、本アプリならではの魅力がより光るのはここでしか読めないオリジナル作品の数々だろう。

本稿では、その「ジャンプTOON」オリジナル作品より3月9日(日)に連載を開始した『あざといちゃんとヤンキーくん』をピックアップ。アニメ化にも期待(妄想)を膨らませつつ、その面白さを紹介する。

■あらすじ紹介

「だって愛梨、どうしても好きにさせたい人がいるから」。顔も性格も可愛いことを自負する高校1年生の中谷愛梨は、その自覚に違わずとてもよくモテる。ある日告白してきた先輩(その日2人目に受けた告白だった)なんて、まともに話したこともないのに好意を伝えてきたくらいだったが、彼女はその思いには応えない。明るくて愛嬌があり、そしてちょっぴりあざとい自分が「付き合って」と言えば、男の子はみんなオーケーするんじゃないかな……あの男以外は。そんな愛梨の視線の先には、自分に唯一“落ちる”気配がない男子がいた。

その彼――愛梨と同じクラスのヤンキー・橘蓮太郎は、目つきが悪くて不愛想でほとんど人と喋らない、いわゆる一匹狼タイプ。その“ぼっちヤンキー”な蓮太郎には、なぜか愛梨の好き好きアピールが全く効かないのである。「愛梨にもジャンプ読ませて~」「うるせ、あっち行け」「ねーちょっとだけ」。隅っこでひとり過ごす彼に話しかけつつ腕に抱き着き、上目遣いでお願い事をしても、その反応は実に味気ない。「愛梨に落とせない人なんかいるはずないもん…!」。彼のなびかなさが、モテっぷりと可愛さを自覚する愛梨をムキにさせていた。

「あっぶねー…落とされるとこだった―――!!!」。一方、愛梨を素っ気なくあしらった蓮太郎は、後になって激しく頬を赤らめていた。彼は知っているのだ。ぶりっ子な彼女が自分を落としにかかっていることを。そしてそれは、自分への心からの好意からではないことを。

「眠たい」「予習を忘れた」「お腹が減った」「帰りに寄り道したい」「黒板が見えない」……。傍目には教師の声だけが響く授業中の教室も、蓮太郎にとっては賑やかしい。なぜなら、その脳内には常に周囲の人間が考えていることが聞こえている。彼は「人の心が読める」のだ。

■あざとい彼女もヤンキーな彼も“自分らしく”ありたい!「器用だけど不器用」な2人がもたらすニヤきゅん

「人の心が読める」という蓮太郎の奇妙な力は、彼に物心がついた時点で既に備わっていたものだった。人の心を読み、それに合わせて行動する。そうしていれば何も問題は無かったが、やがてそれだけでは済まないことも出てきた。なにせ、誰もが抱える“表の言葉と裏の心”の両方が、常に筒抜けで飛び込んでくるのだ。彼は日々、その矛盾に振り回されていく。
「知らなきゃ何も考えずに、今まで通りいられるのにな…」。成長するにつれ自分の力を恨むようになった蓮太郎が、他人を遠ざけたいがゆえに辿り着いたのがヤンキーとして振る舞うことだった。髪を染め制服を着崩し、ガラの悪い態度を取れば誰も自分に寄り付かない(具合のいいことに、そういった振る舞いは彼の性に合っていた)。そうやって中学3年間を乗り越え、このまま高校も、と思っていたところにしかし、愛梨という存在が現れる。

物語のキモになる蓮太郎の秘密を明かす第1話、そしてその力を掘り下げる第2話のここまでの展開からだと、愛梨に振り回される“器用だけど不器用”な彼の目線が軸になると想像させる。愛梨のあざといアプローチをやり過ごす、蓮太郎の奮闘を楽しむラブコメディかと思いきや、本作『あざといちゃんとヤンキーくん』が広がりを見せるのはここからである。

「あんたを落とせば全員コンプリートよ…!」。そんな愛梨の内心が丸わかりである蓮太郎は、処世術として身に着けた“ぼっちヤンキー”な振る舞いを彼女にも貫こうとする。しかし、愛梨は全くめげない。「絶対逃がさないんだから~」と自分にこだわる愛梨に、蓮太郎はつい内心で毒づいてしまう。「誰から構わず好かれたいだけのかまってちゃんぶりっ子が」と。
そして、愛梨にそう毒づくのは彼だけではなかった。蓮太郎はある時、女子たちが声に出して彼女のぶりっ子を悪く言い、間の悪いことに愛梨がそれを耳に入れてしまった現場に遭遇する。「…うわこれ泣くんじゃね?」。ショックを受ける愛梨を危惧した蓮太郎だったが、その態度は意外なものだった。愛梨は「ぶりっ子で何が悪いのっ!」と前を向いていたのだ。

「可愛いは愛梨が生まれ持ったスペックだもん!」「私は私の武器を生かして楽しく生きてるだけ、文句あるかっ!」。愛梨はただの“誰から構わず好かれたいだけのかまってちゃんぶりっ子”ではなかった。「俺のこの力もあんなふうに考えられたら…」。蓮太郎は感心するような様子を見せる。そう、“器用だけど不器用”なことをしているのは、愛梨もなのであった。

「ぶりっ子のくせに、ちょっとカッコいいじゃん…」。こうして彼女への見方が変わった蓮太郎が、その後の愛梨に対して見せるリアクションは冒頭の大きな見どころのひとつだ(ここが最初の“ニヤきゅん”ポイントになる読者も多いはず)。どうやら愛梨を意識し始めているらしいと自覚した蓮太郎は、愛梨に“落とされる”前に自分から“落とす”ことを決意する。

こうして密かに成立する、愛梨と蓮太郎の“落としあい”。方向は全く違えど、傍目には外面を作り込んでいるようで、その実は自分が自分らしくあろうとするための振る舞いである……という「器用に不器用なことをやる」クセ強な2人の恋愛模様に、ならではのニヤきゅんがあふれるのが本作だ。

その駆け引きは、もしアニメ化されれば表と裏の演じ分けが大きなポイントとなりそう。内心がどのように表現されるのか、ぜひ映像でも観てみたいものだ。

■ぶりっ子×ヤンキーの駆け引きが愛らしい♪「縦読み」で際立つ“しぐさ”に注目

……と、様々な思いを巡らせつつ繰り広げられる、ぶりっ子な愛梨とヤンキーな蓮太郎の駆け引き(冒頭では一貫して愛梨が押し、蓮太郎が引きだ)が微笑ましい本作。「縦読みマンガ」だけにひとコマごとの存在感が大きく、際立つふとした“しぐさ”が愛らしいのも魅力だ。

冒頭においては、愛梨は(それこそが自分そのものだ、と自負しているからこそ)全開でも嫌みには感じないぶりっ子はもちろん、(少しイジワルな目線だが)蓮太郎に対するぶりっ子が空振る様子も可愛らしく、つい微笑んでしまう。一方の蓮太郎は、ヤンキーな外面を保つ“スン”とした感じが(作中では「一匹狼」と表現されそのデフォルメも描かれるが)これまた愛らしい。彼が人目に付かないところで照れて顔を真っ赤にしていたり、実は感情豊かであることを分かっているからこそ、つい保護者目線になるのは筆者だけではないはずだ。

そして第3話では、“初の共同作業”としてプール掃除の模様が描かれ、2人は否が応でも接近することになる。表向きには全く嚙み合わずに終わるが、掃除後の蓮太郎のふとした本心の一言に、愛梨が示す急展開の反応は見ものだ。ここでの2人の思わぬ“しぐさ”こそ、冒頭のターニングポイントだろう。
アニメ化されるとすれば、「ここからが本番だな!」と視聴者が今後の展開に期待する最初のシーンとなるのでは。

■キラキラと輝く印象的な心のときめき…あざといちゃん×ヤンキーくんの恋の行方は

このほか、コメディチックながら恋愛模様が軸となる作品だけに、心のときめきを盛り上げるキラキラとしたエフェクトも、「縦読みマンガ」の大きいコマで実に印象的に視界に飛び込んでくる。あざとい愛梨がエフェクトの彩りでより可愛らしく見えるのももちろんだが、冒頭においてより印象に残るのは蓮太郎がときめいた際のそれだろう。

読者という“神の視点”だからこそ把握しつつ見守ることができる甘酸っぱいときめき。キラキラと輝く“ニヤきゅん”な場面の数々は、マンガでここまで盛り上がるのだから、アニメで動きや音をもって描かれるならばどんなエフェクトが展開されるのか?と楽しい妄想が膨らむ。

そんな『あざといちゃんとヤンキーくん』は現在、「ジャンプTOON」にて配信中だ。3話分が無料で、最新話は毎週火曜日に更新される。一定時間待つと無料で作品を読める「待てば無料」を利用しても楽しめる本作は今年3月にスタートしたばかり。ぜひこの機会に追いかけてみよう。

>次のページで第1話をまるっと試し読み!

【 「ジャンプTOON」概要 】
[サービス名]ジャンプTOON(ジャンプトゥーン)
[サービス開始日]2024年5月29日(水)

『あざといちゃんとヤンキーくん』
(C)ゆず未来/集英社


《仲瀬 コウタロウ》
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