毎年話題になるアニメ映画の数々。2024年も『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』や『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』など、多くのアニメ映画が公開されヒットした1年であった。
本稿ではそんな2024年に大奮闘した作品の入場者プレゼントや興収、さらには同作品のブラッシュアップ版展開までを分析しながら、さまざまな映画を振り返っていく。
■ここでしか手に入らないグッズに原作者描き下ろしマンガまで、入場者プレゼントは超バラエティ豊か
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近年のアニメ映画といえば、入場者に配布される特典が用意されていることが多くみられる。
例えば年末の話題をさらった『劇場版 忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師』では公開初週にクリアカード、翌週にはキャラクターデザイン・新山恵美子の描き下ろしイラスト使用のカードが配布と週替りで異なる特典が展開中だ。
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そのほか『僕のヒーローアカデミア THE MOVIE ユアネクスト』や『「進撃の巨人」完結編THE LAST ATTACK』などなど、数え切れない作品で行われている入場者プレゼント。
内容はバラエティに富み、イラストを鑑賞できるグッズだけでなく、原作者描き下ろしマンガが読める冊子が登場することもあった。
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また『わんだふるぷりきゅあ!ざ・むーびー!ドキドキ ゲームの世界で大冒険!』では、子供だけがもらえる入場特典として「フレンドリング」が用意されていた。
もちろん、大人ももらえる特典として歴代プリキュアも描かれた「クリアカード」も登場。
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アニメファンの間で注目を集めた兎山悟とそのペット・兎山大福の変身姿が描かれたキャラクターデザイン・宮谷里沙による「スペシャルポストカード」が配布されたことも。世代を問わず人気を集める“ニチアサ”アニメらしい施策が行われていた。
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どれも映画公開中にしか手に入らない超貴重なグッズで、配布初日は映画館にファンが殺到したり、毎週通ってしまうファンも少なくない。同じ映画を何度も見てしまう理由のひとつとしてもよくあげられるのが、入場者プレゼントだ。
■年間の興行収入ランキングTOP5のうち、3作品がアニメ映画と大ヒット作連発!
映画といえば、興行収入の数値が気になる方も多いのではないだろうか。週末3日間の動員数が○万人、初週は○億円を売り上げた……など、アニメと関係のないニュースを見ていても自然と耳に入ってくる興収は、「自分の見た映画はいくらだったんだろう?」と自然と意識してしまうことも多いと思う。
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2024年に最も売り上げた作品は、約157億円の『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』だ(※2024年11月末時点)。
劇場版『名探偵コナン』といえば、作品の主役キャラクターが100億円もの興収を得たことになぞらえて「100億の男(または女)」という称号で盛り上がったり、鑑賞済みのことを作品の関連ワードに紐づけて「○○済み」と呼んだりすることが流行している。なお本作では、ゲスト出演の大泉洋にちなんで「おおい済み」と呼ばれていることが多かった。
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続く2位は『劇場版ハイキュー!! ゴミ捨て場の決戦』で約116億円。主題歌「オレンジ」もたびたび地上波の歌番組で披露されるほか、リアルなバレーボール選手の人気も相まって、アニメ好き以外からも注目を集めた作品だ。
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そして間を空けて4位は『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』と、上位5位以内だけでもアニメ作品が半数以上並ぶ1年となった。前述の入場者プレゼントも、興収を後押しした要因だろう。
■声出しOK“応援上映”に同名映画をリメイクして再公開など…1作品での楽しみ方も広がる
映画といえば静かに見るものだが、近年は“応援上映”としてキャラクターの応援を声を出したりペンライトを振ったりして応援できる上映会が流行っている。「推しを応援したい」という気持ちを持った観客が集まるので、痛バ持参や推しカラーの服を着て参加するファンも多い。
そして興収1位を獲得した『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』でも「愛を叫べ!100万ドルの応援上映」と題した応援上映を実施。ここでは専用の「自動制御ペンライト」が取り入れられており、カラーが本編のセリフ・音楽・効果音など演出に合わせ自動で変化するのだ。
キャラクターのイメージカラーに合わせて色が変わったり、本作の見どころでもあるアクションシーンではランダムに輝いたり、一転してライトが消え真っ暗に静まり返ったりと、専用のペンライトだからこそ楽しめる体験ができる上映会として話題になった。
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応援上映の先駆者ともいえるアイドルアニメ『KING OF PRISM(キンプリ)』シリーズは、2024年に最新作『KING OF PRISM -Dramatic PRISM.1-』を公開。もちろん本作でも応援上映が行われ、SNSでは「気になったアイドルを応援するだけだから、シリーズ未視聴でも楽しめる」と既存ファンから新規ファンまで好評を博した。
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また2024年は、大ヒットした同名の映画をブラッシュアップ、リメイクして再公開するといった試みもよく行われていた。
例えば2023年公開の映画『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』は、目玉おやじである鬼太郎の父と水木の過酷な運命、バトルシーンの迫力などをさらに増した『真生版』が上映。
オリジナル版に327カットのリテイクを加え、音声も再収録しこれまでの臨場感がさらにアップ。制作陣が思い描いていた“真なる姿”へと生まれ変わった作品は、すでに何度も見ていたファンをますます虜にしてみせ、興収を大幅に伸ばした。
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そして「ネット流行語100」の年間大賞を受賞した『機動戦士ガンダムSEED FREEDOM』も、本編映像に500カット以上のアップデートを施した“特別版”を公開。通常版では見れなかったエピローグカットも追加され、キラやラクスといったキャラクターの新たな姿を描いていた。
繰り返し見ることを前提とした応援上映に、ブラッシュアップ版の上映など1作品の映画だけで何通りもの楽しみ方ができるようになってきている。期間限定でしか味わえない劇場での映画を、前述した入場特典とあわせてさまざまな形で体験しておこう。
■クリエイターの名前にも注目!
アニメ映画は、ときには「○○さんが手掛けているなら見よう」といったように、作品名ではなくクリエイターの名前で話題になることもある。
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6月に公開された完全オリジナルアニメ映画『数分間のエールを』は、その一例だ。本作は全編CGアニメーションになっており、監督・演出からキャラクターデザインなど、映像のほぼすべてをぽぷりか、おはじき、まごつきの3名からなる映像制作チーム「Hurray!」が担当。
個人ではなくチームで作られた本作を、細田守、原恵一、新房昭之、大河内一楼、ヨコオタロウら総勢33名の著名人・クリエイターが大絶賛。各界で活躍する人々から「刺さった!」という声が非常に多く寄せられた。
コメントを見て「大好きな監督の太鼓判がある映画だから見てくる!」という観客が増え、クリエイターの名前が直接的な動員数アップへと繋がった作品でもある。
また、ひたむきにマンガを作り続ける2人の少女の姿をみずみずしく描き、やがて起きる2人の運命を分ける出来事を強烈に描いた『ルックバック』は、全世界20以上の国・地域でも興行収入500万ドルを突破するという世界的大ヒット映画になった。
そんな作品を『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』『借りぐらしのアリエッティ』『風立ちぬ』など、数多くの劇場作品に主要スタッフとして携わってきた押山清高が監督・脚本・キャラクターデザインまでひとりで務めたことも話題に。作品だけでなく、クリエイター自身の名前も広く注目を浴びるようになっているのだ。
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2024年のアニメ映画も定番の入場者プレゼントからクリエイターのネームバリューといったものまで、幅広い要因が重なって大ヒット作が連発。
2025年には観客の投票によって全48通りのルートが展開されるという、日本“初”となる観客参加型のインタラクティブ映画『ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-』が2月21日に公開を控える。
さらに、あいみょんの主題歌や芸能人のゲスト声優出演でも話題の『映画ドラえもん のび太の絵世界物語』が3月7日公開と、早くも注目作が続いていく。
今後も一体どのような作品が注目されていくか、新年から早くも期待が止まらない。
(C)諫山創・講談社/「進撃の巨人」The Final Season製作委員会
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