小林千晃=クール・ダウナーキャラの払拭? 「自分の中にない、“演じにくい”と思う役を任されてからが本番」 2ページ目 | 超!アニメディア

小林千晃=クール・ダウナーキャラの払拭? 「自分の中にない、“演じにくい”と思う役を任されてからが本番」

TVアニメ『超電磁マシーン ボルテスV』が熱狂的な支持を受けるフィリピンで実写化を果たした映画『ボルテスV レガシー』“超電磁編集版”が、現在絶賛公開中。さらに、再編集された“超電磁リスペクトTV版”が11月12日よりTOKYO MXで放送される。

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■地道にコツコツ……気付けば“イケボ”に?

――今年は「ViVi国宝級イケメンランキング」のイケボ部門で1位を獲得しました。そもそも、小林さんが声優になるきっかけは何だったのでしょうか?

もともと俳優志望だったのですが、それに挫折したのがきっかけです。映画の吹替え版やアニメもよく見ていて、声のお芝居にも興味を持っていたこともあって、そこから声優を志すようになりました。

――その時点で、自身の声が“イケボ”であることは自覚されていた?

まったく! イケボだとかいい声だなんて言われたこともなくて。ここ数年でようやく言われるようになりました。

――それは意外です。それが今では国宝級のイケボに……。

たまたま今の時代に合った声だったのかなと思っています。髪型や服装も、その時代のトレンドってあるじゃないですか。僕の声もその1つだったんだろうな、と。僕からしたら、僕よりいい声だと思う人が無限にいますからね。

――大沢事務所を選んだきっかけは、その「いい声」の人が多かったからですか?

声はもちろん、僕の好きなお芝居をされる方が多かったからです。先ほどお名前を挙げた東地宏樹さんをはじめ、中田譲治さん、本田貴子さん、加瀬康之さん、川澄綾子さん……言い出すとキリがありません。作品やお芝居に真摯に向き合っている方が多い印象があって、大沢事務所に入りたいと思いました。

――声優という職業に就いてみて、一番うれしかったこと、また一番の挫折を教えてください。

うれしかったことは、常に更新されていっている気がします。この『ボルテスV レガシー』もそうですが、今まで関わりのなかった監督、プロデューサー、音響監督、役者さんたちと出会い、一緒に作品を作れることが一番うれしいです。そして、「あのときの演技がよかったからまた一緒にやろう」と再び呼んでくれることがあったらもっとうれしいですね。

挫折に関しては、やはり新人の頃になってしまいます。オーディションに受からない、仕事がない、先に同期が売れる……とか。デビュー作で主演! 出世街道まっしぐら!みたいな声優人生は歩めないと実感しました。でも、それが嫌だったわけではないんです。地道にコツコツとやっていって、食べていける程度になれればいいな……くらいに思っていました。基本的にあんまり気にしない性格なんですよね(笑)。だから、まだ挫折という挫折は味わっていないのかもしれません。

――では、これまで受けたディレクション、または先輩から受けた言葉・アドバイスの中で、一番印象に残っていること/大事にしている言葉は?

立場や功績を勝ち得ている人の中で、邪な気持ちで仕事に臨んでいる人ではない、心血を注いで作品を作っている人こそ信頼して、その「本物」になりなさいと言っていただいたことがあります。その「本物」を追い求めつつも、僕ができない表現を持っている邪な人もいて。視野を広く持っていろんなものを吸収しながら自分の好きなお芝居を見つけられるようにしたいと考えるようになりました。


《米田果織》
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