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「チェンソーマン」第二部を陰キャが読むとどうなるか? 主人公・三鷹アサの“ヒロイン像”がエグい

TVアニメも放送された藤本タツキが描くダークヒーローアクション『チェンソーマン』の第二部「学園編」が連載中。主人公・三鷹アサはどう描かれているか?

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TVアニメも放送された藤本タツキが描くダークヒーローアクション『チェンソーマン』。原作は「少年ジャンプ+」にて第二部「学園編」が連載中だ。

■第二部「学園編」のあらすじ

今作で主人公としてスポットが当てられているのは三鷹アサ。クラスに馴染めずに鬱屈した日々を過ごす少女で、「正義の悪魔」に襲われ死亡する。だが、「戦争の悪魔」のヨルと契約し、体を乗っ取られたことで生き返る。
アサは体を取り返すため、「チェンソーマンと戦争する」というヨルの目的に協力するはめに。
一方、チェンソーマンの正体とはバレずに学校へ通うデンジ。ひょんなことからアサと接触することになり……。


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■立体的に見えてきたアサの“本質”

新たに女子高生が主人公となり、学園生活が舞台となる今作。第一部に続いてデンジ、吉田ヒロフミも登場しており、時折アサと少女マンガ展開にいくのか?とも思える雰囲気も。だが、そんな展開になりそうもない。そもそもデンジは今まで出会う女に殺されそうになってばかりの男。女運のなさはジャンプ作品で1、2を争うキャラクターかもしれない。
今回のアサ(ヨル)ももれなく殺そうとしている。2人のデート回も描かれたが、別の意味でドキドキするストーリーとなった。

第113話「ペンギンが見たい!」で出掛けた水族館デート。デンジを武器にするために、自分に惚れさせようと企むアサとヨル。「私ってそこそこ可愛いからちょっと遊べばすぐ惚れるでしょ」と自信ありげなアサだったが、イソギンチャクやヒトデの説明を一方的に喋り続けたため、デンジは辟易してしまう。
面白い説明を披露すれば相手に好きになってもらえると思っているアサだが、彼女とのデートはデンジとヨル、そして読者から見ても、めちゃくちゃつまらない。ヒトデの知識を30分喋れるのはすごいけれど。

さらに、突如現れた「飢餓の悪魔」に策略により、アサとデンジ、吉田やデビルハンター部の部員が水族館に閉じ込められてしまう。皆と協力して食料や脱出する方法を探っていくなかで、アサは仲間が見つけた魚に対して「私魚食べれないですけど」と発言。その言動や行動から「文句を言って協調性がない」「ここぞという時に失敗する」という言葉を突きつけられる。

この話を読んでいると、なぜアサがクラスに馴染めない“孤独の少女”だったかが答え合わせのように見えてくる。常に主観的な意見しか持たず、そのため空気を読めない発言をしてしまう。悪気があるわけではないのに、自分が正しいと思ったことだけを過信しているために、気付かず他人を遠ざけている。アサはコミュニケーション能力が低く不器用な、いわゆる“陰キャ”なのである。

その陰キャを脇キャラでもなく敵キャラでもなく“主人公側で描く”ことに衝撃があった。本当にいそうなリアリティある陰キャムーブに、思わず共感性羞恥心を感じた方もいただろう。この話には1万超えのコメントもつき話題となった。
陰キャの筆者もダメージを受け、アサと一緒になんだか落ち込みながら読んでいたが、アサと向き合い「面白い女」と笑うデンジに救われた気がした。

今後、アサはデンジと吉田やデビルハンター部、さらにはナユタとどのように関係していくのか。アサの一喜一憂を、ともに心臓をヒュッとさせながら楽しみたいと思う。


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