日本の“アジアBLブーム”とは?「2gether」「魔道祖師」「エネアド」「チェリまほ」…ドラマだけじゃない、アニメ・漫画にも流行到来中 | 超!アニメディア

日本の“アジアBLブーム”とは?「2gether」「魔道祖師」「エネアド」「チェリまほ」…ドラマだけじゃない、アニメ・漫画にも流行到来中

日本で実写ドラマ化&映画化され大ヒットとなった“チェリまほ”こと『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』が、タイのGMMTVで2023年に実写ドラマ化されることが発表されました。

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『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』タイで実写ドラマ化 (タイトル『CHERRY MAGIC 30 ยังซิง』)
  • 『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』タイで実写ドラマ化 (タイトル『CHERRY MAGIC 30 ยังซิง』)
  • 2gether(C)GMMTV COMPANY LIMITED, All rights reserved
  • 『魔道祖師 完結編』キービジュアル(C)2021 Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited
  • 『魔道祖師』日本版(C)2020 Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited
  • 「ENNEAD」(エネアド)(C)Mojito/ SEOUL MEDIA COMICS, INC./libre

日本で実写ドラマ化&映画化され大ヒットとなった“チェリまほ”こと『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい』が、タイの制作会社GMMTVより実写ドラマ化されることが発表されました。

日本では数年前から“タイ発BLドラマ”が大ブレイク。日本で大ヒットした『チェリまほ』がタイで実写ドラマ化されるとなると、おそらく日本でも再び“チェリまほ熱”が再燃するのではないでしょうか。

また日本ではタイ以外にも、韓国・台湾などの“アジアBL”が大流行中!
そこで今回は、興味はあるが見たことがない方に向けて、きっかけとなった作品、またドラマだけでなく話題のアジア発BLアニメ・漫画なども紹介していきます。

■日本にBLブームを巻き起こした作品は…


これまでも多くのBLドラマが作られてきた日本において、近年のブームの火付け役となったのはご存知『おっさんずラブ』。2016年にテレビ朝日系にて単発で放送されたドラマで、これまでにない“おっさん同士”の恋模様が話題となり2018年には連続ドラマ化。主演の田中圭、ヒロイン役の吉田鋼太郎、ライバル役の林遣都それぞれの演技やキャラクター設定、ピュアな恋愛模様、コミカルなストーリー展開が評判になり、瞬く間に話題となりました。
2019年には第2シリーズ『おっさんずラブ -in the sky-』が放送、さらには同年、映画も公開されています。

これがきっかけで、各局でBLを題材としたドラマが続々と制作されるように。冒頭に挙げた『チェリまほ』は、テレビ東京系にて2020年に放送。主人公・安達(赤楚衛二)が30歳まで童貞だったばかりに、その日から人に触れるとその人の心が読めるようになってしまう。そのせいで、誰からも好かれる爽やかイケメンで営業部エースの同期・黒沢(町田啓太)が自分に好意を寄せていることを知ってしまうことから始まるラブコメディです。こちらも今年2022年4月に映画が公開されました。

そのほか、中年カップルのほのぼのした食卓を描いた『きのう何食べた?』(テレビ東京系)や、ポルノ小説作家と大学生の物語『ポルノグラファー』(FOD制作)などが話題となりました。

■アジアBLブームは“この国”から始まった!


2020年までは、国内で生まれたBLドラマで賑わっていた日本。そこにアジア作品が加わったのは、筆者が思うに【2020年】。タイ発BL『2gether』の日本上陸がきっかけです(※2020年2月より本国放送開始)。

ゲイの同級生からの猛アタック回避のために、学校イチのモテ男・サラワットに“ニセ彼氏”になってとお願いしたタイン。冷たくぶっきらぼうなサラワットが見せる優しさ、言葉の暖かさに触れ、タインはいつしか“ニセ”ではなく“本物”の恋心を抱き始める……という王道ラブストーリー。王道だからこそ誰もが心ときめく物語と、主演の2人の圧倒的なビジュアルの良さで、多くの視聴者を虜にしました。

ちなみに、『2gether』前からタイBLはアジアでブームの片鱗を見せており、そのきっかけとなったのは『SOTUS/ソータス』(2016年)という作品。「SOTUS」という新入生の教育制度を導入している大学の工学部を舞台に、上級生による理不尽な罰則に歯向うコングポップと教育係のアーティットの恋愛が描かれています。

韓国でもBLドラマが初めて生まれたのも2020年。『君の視線が止まる先に』は、財閥御曹司×ボディガードという、身分違いの恋というのが韓国らしい設定ですよね。台湾BLも『HIStory』シリーズや『We Best Love』が日本で圧倒的な支持を受けています。

また、『2gether』も『SOTUS』も、日本語版小説やコミカライズも展開されており、書籍としても楽しむことができます。


2gether 1巻 <電子版限定特典付き> (クランチコミックス)
¥792
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)


SOTUS 1【電子特典付き】 (あすかコミックスCL-DX)
¥608
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

■アニメ・漫画にもアジアBLブーム到来


ドラマだけでなく、漫画やアニメにおいても“アジアBL”ブームの影響が。韓国において絶大な人気を誇るエジプト神話BL『ENNEAD』(エネアド)が、今日本でも話題となっています。

主人公は、「エネアド」と呼ばれる九柱神のうちのひとり・セト。彼の暴政に他の神々も頭を下げる中、まだ神に名を連ねていない若者ホルスは反抗。傲慢で奔放なセトを玉座から引きずり落とさんと戦いを挑むホルス。2人の対立、そして互いへの執着と欲望がユーモアを交えつつ美しく描かれています。

また韓国では、美しい映像・演出で話題となったアニメ『過呼吸』も是非見て欲しい作品。1話2分という身近さながら、心にじんわりとしみこむ優しい物語が魅力です。

そして忘れてはいけないのが、【中国】のBL作品。中国のオンライン小説サイト「晋江文学城」にて連載「墨香銅臭(Mo Xiang Tong Xiu/ぼっかどうしゅう)」先生による人気BL小説『魔道祖師』は、本国でもラジオドラマ、アニメ、漫画、実写ドラマ、ゲームと様々なメディアミックスを展開するほど大ヒット。2020年から日本でもラジオドラマ版、実写ドラマ版、アニメ版が吹替で展開されるなど広がりを見せています。

アニメ『魔道祖師』は、第3期となる『魔道祖師 完結編』の日本語吹き替え版が、2023年1月より放送されることが決定しています。

『魔道祖師 完結編』キービジュアル(C)2021 Shenzhen Tencent Computer Systems Company Limited

まだまだ日本でブームが続くであろう、アジアBL。これからもヒット作が多数生まれるはずなので、ついていけなくなる前に1度、ブームの火付け役となった上記作品を見てみてはいかがでしょうか。きっと、アジアBLの魅力に気付くはず!

《米田果織》
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