「シャインポスト」声優・夏吉ゆうこ“泥臭く頑張っているところが好きです（笑）”―声優インタビュー第3弾

コナミデジタルエンタテインメントとストレートエッジが手掛けるメディアミックスアイドルプロジェクト発のTVアニメ『シャインポスト』が、2022年7月より放送中です。
大きな夢を抱くも、小さな成果しかあげられないアイドルユニット「TiNgS」のもとに、まるでやる気はないが、一つ特別な力を備えたマネージャー・日生直輝が現れるところから、物語は始まります。

このたび、「TiNgS」メンバーを演じる声優5名のオフィシャルインタビューが到着。
第3弾の本記事では聖舞理王役を演じる声優・夏吉ゆうこへのインタビューをお届けします。

自信がないからこそ強がってしまう　極端な振れ幅も理王のかわいいところ

――夏吉さんが担当している聖舞理王はどんな女の子ですか？

第一印象は「生意気」でした。見た目もかわいくて自信満々、グループでリーダーシップを取っている子なんだろうなという印象でした。でも、台本を見たり設定を知ったりしていくうちに、これはこじらせているぞ……と（笑）。やさしさや自信のなさの裏返しで強気に出ちゃうタイプなんですよね。

――二重人格なのかと思うくらい違いが出るときがありますよね。

極端なんですよ。本当は気弱で自信がないのに、周りに助けを求める方法を知らなくて失礼な態度を取ってしまう。でも、その感情は繋がっているものなので、空回っている部分も普段の強気な部分もなるべく地続きになるように演じたいと思っていました。

――強気な部分だけを強調すると、嫌味な子にも感じられてしまいますもんね。

そうなんです。だからこそ嫌な子は見えないように、理王の魅力を引き出してあげるからね、と親みたいな気持ちでアフレコをしていました。私と理王は、結構似ているところがあるんですね。私は人見知りなんですが、お仕事を始めてからたくさんの女の子と一緒にユニット活動をする機会が多くて、周りの子といい関係を築かなきゃと悩んだこともあって。周りのことを気にしすぎて自分の思っていることが言えない理王には、すごく共感できたんです。なので、演じるときには自分の経験値を14歳くらいまで下げて、比較的素に近い状態でお芝居をしました。

――自信満々ときの理王は演じていて気持ちいいですか？

声に出すと気持ちよさはありますが、実際の理王は心からそう思っていないだろうなと感じるんですね。「自信満々で何でもできちゃう女の子」を演じている。なので、あえて消化不良感を持つような意識を、いつも頭の片隅に置いています。

――作中には、TINGS以外にもたくさんのアイドルが登場します。その中で、TINGSがほかには負けていないと思うのはどんなところですか？

不揃い感？　TINGSって性格も悩んでいることも能力も全然違うんですよね。普通に見ていたら、なんでこの5人をユニットにしたんだろうと思うくらい。でも、それでいて噛み合うのがTINGSの魅力だと思うんです。実際演じているキャストも、みんなお芝居に近いところにはいるけれど、舞台役者だったり声優だったりと畑が違いますから、当然経験してきたことも違う。それでも仲良く補い合ってステージに立てるところが、ほかのアイドルのユニットには負けていないんじゃないかな。個人的には、泥臭く頑張っているところが好きです（笑）。

――TINGSのキャストの皆さんは、実際にステージに立って歌やダンスを披露していますが、夏吉さんがステージに立つときに心がけていることは？

『シャインポスト』の振り付けは、ほかのコンテンツよりもカロリーが高めというか、本当のアイドルの方が踊るのと同じくらいの難易度なんですね。しかも、理王はダンスがそれほど得意というわけではないので、不器用なりにどうするだろうということは考えていますね。ただ振り付けをマスターするだけじゃなくて、ここで感情を入れたアクションをしてみるとか、下手っぴだけどウインクをしてみるとか。ただ、これは私の性格かもしれませんが、自分の生身の体でライブをやっている以上、理王ではないという気持ちがどこかにあるんですね。なので、理王に寄せて頑張る夏吉ゆうこです、みたいな思いはあるかもしれません。

――作中でもキーワードとして登場する「シャインポスト」ですが、夏吉さんにとっての「シャインポスト」は？

役者として尊敬している方はたくさんいらっしゃるのですが、声優になる前から坂本真綾さんの活動の仕方に憧れていて、ずっと目標にしてきたので、真綾さんが私にとっての「シャインポスト」です。お芝居もされて、透明感のある歌声で曲も好きですが、やはり生き方に憧れます。自分も実際に舞台でお芝居をする機会が増えているので、ひっそりうれしさを感じていたりもします。

――5人それぞれにソロインタビューをさせてもらっているので、ぜひほかのメンバーについての印象も教えてください。祇園寺雪音役の長谷川里桃さんは、夏吉さんから見てどんなところが魅力ですか？

『シャインポスト』が始まる前から、お芝居の映像も何度か見ていたりして里桃ちゃんのことは知っていたんですね。モデルさんみたいにきれいな方なので、一緒に活動すると決まったときには驚きましたし、当時はクールビューティーだと信じていました。でも、実際は変な子でした（笑）。舞台経験が豊富で立ち位置や段取りを覚えるのも早く、ダンスの練習中にはアドバイスもくれるし、いつもみんなをリードしてくれるんですよ。でも、生放送になると、途端に言動がズレていくんです。「これがあの、ダンスで絶対にミスをしない里桃ちゃんなんだろうか……」とギャップを感じるところが多くて。生放送のときだけは、少女感が強くなって、その天然なところもすごく好きです。

――では、放送も始まったところで、『シャインポスト』という作品全体の面白さを教えてください。

『シャインポスト』は原作小説から始まり、アニメ、ライブ、そして将来的にはゲームとさまざまなコンテンツに広がっていく物語です。原作小説からアニメに入る方、逆にアニメから原作小説を読む方と、いろんな角度で作品を楽しめると思うんですね。楽曲を含め、供給の多さも魅力ですし、ひとりの女の子の葛藤にクローズアップして、主人公の日生くんとの交流で悩みが解決していくところもすっきりしていて個人的に好きなポイントです。気持ち的には『水戸黄門』みたいな感じですかね（笑）。どの子も魅力的ですので、きっと見ていくうちにTINGSのみんなを愛していただけると思います。ぜひ彼女たちの繰り広げる人間ドラマを楽しんでください。

取材・文／野下奈生（アイプランニング）

『シャインポスト』を見る
プライムで観る／30日間の無料体験を開始する
(価格・在庫状況は記事公開時点のものです)

Amazon

楽天市場