「ABEMA」オリジナルの声優レギュラー番組として2018年より放送されている『声優と夜あそび』。MCをつとめる声優陣は毎日代わり、彼らがお酒を手にしながらトークや企画を展開していく姿を楽しめるという、声優ファンにはたまらない番組だ。
そんな『声優と夜あそび』も2022年で5年目。アニメ!アニメ!では、その新シーズン開幕を記念して、各曜日のMC陣へインタビューを実施。昨年の振り返りや、新シーズンへの意気込みを訊いた。
今回は、2022年でも継続して木曜MCを担当する浪川大輔にインタビュー。4年間休まず続けてきた『声優と夜あそび』への考え方や、新たな相方・細谷佳正とのコンビネーションに想いを巡らせてもらった。
[取材=森 元行 文=ハル飯田 撮影=小原聡太]
◆正解のない「夜あそび」の難しさ
――2022年も木曜日MC継続となります。率直に感想はいかがですか。
浪川:時代の流れも速いですし、我々の力だけじゃどうにもならないこともある。その中で番組が続くこと自体が有難いことなので、こんなにそれぞれのパーソナルを受け入れて応援していただける皆さんにありがとうございます、という気持ちでいっぱいです。続けることって難しいので、当たり前だと思わないようにしないとなとは思っています。今年もパワーアップした姿を見せていきたいです。
――昨年の夜あそびで印象に残った回はありましたか。
浪川:『アニー』に続いて2年連続でミュージカルの主演(石川界人さんの誕生日企画の『ライオンキング』)をやることができたので、今年はないように祈っています(笑)。このご時世でロケが難しく企画も縛られる中で大変だったのですが、それぞれにそれぞれの印象があります。
――去年はAIも何度か登場がありましたね。
浪川:AIとの絡みは、どういう流れになるのがゴールなのかが見えないんですよね。なにが正解なんだろうって。あと特集!「浪川大輔特集」みたいなのがしんどかった!あれもボケたらただのアホな人みたいになっちゃうし、真面目にやったらやったで……。あの企画は僕の台本にはほとんどなにも書いてなくて、打ち合わせも全然なくて、もう「怖いな、夜あそび」って思いました(笑)。
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――結局はどちらの方向性に落ち着いたのでしょうか。
浪川:うーん、半々ですかね。バラエティーでもあるので、そこは頭をフル回転させながらやっていた感じです。
――AIくんは「夜あそびフェス」にも登場しました。
浪川:フェスは本当に皆さんおもしろかったですね。ものすごくハードルの高い企画が昼と夜で2回あって、あれも本当に台本も答えもない回だったので。訓練の場と言うか、お笑いをあれだけ追求するというのは難しかったです。でも、みなさんが笑ってくれて良い空気だったと思います。
――モノボケにも挑戦されていましたね。
浪川:あれも台本がないどころか、なんのアイテムが出てくるかも知らないんです。皆がやっているのをひっそり「何が出てきてるの?」って袖から覗いていました(笑)。
◆求む、宇宙人かトップランナー!
――新しい木曜日の相方は細谷佳正さんになりますが、どんな番組になるでしょうか。
浪川:いやあ、やってみないと全く分からないですね。過去マンスリーMCとして、様々な方と絡みましたが1ヶ月でしたから。自分もそうですし、細谷くんとどう楽しめるかがポイントになるのかな。ものすごい世界観があって喋れば面白い方なのは分かっているので安心はしていますが、細谷ワールドに引きずり込まれすぎないよう気をつけます。
――細谷さんは都市伝説とか怪奇現象とかがお好きな方という印象があるかと思いますが。
浪川:僕もそういうのは嫌いじゃないんで楽しみですけど、見てる人にも楽しんでもらうにはどうするのか、って感じです。
――お仕事では細谷さんとの共演もありますよね。
浪川:ずっと昔から、細谷くんが20代の頃から一緒によくお仕事させていただいているので、人となりも、その凄さも知っています。けど、バラエティーで一緒にやるのは初めてなので、今の所は想像つかないですね。
――どんな関係性になるのか楽しみですね。
浪川:そうですね、どっちが引っ張っていくとか。こんなに読めない人は初めてかも知れない。良い意味でね。ワクワクに繋がってます。
――細谷さんに事前に伝えておきたいことはありますか。
浪川:緊張していると風のうわさで聞いたので、お互い良い年齢だし「リラックスして良い雰囲気でやろう」ですかね。観てくれる人も肩肘はらず楽しんでもらえたらいいかな。気張らず頑張ろう、とは言ってもかなり気合い入るタイプなので、言っても聞かないでしょうけど(笑)。
――『夜あそび』では体を張っていらっしゃいますが、今後もそのような企画はあるんでしょうか。
浪川:前みたいに運動会みたいなことじゃなくて「ある意味体張ってんな」って企画になるかもですね。折角の企画を、我々がどう面白くできるかなって言うのはすごく『夜あそび』で勉強させてもらっています。
――勉強、というのは例えばどんなことでしょうか。
浪川:テレビの感覚とか、企画に対する向き合い方とかです。すべて自分のパーソナルで勝負してるわけじゃなくて、フリーな部分を時間に収めて伝えるテンポ感とか、なるべく多くの人に楽しんでもらえる喋り方とか。木曜日のゲストって、この業界とは全く関係のない方もいらっしゃるので、そういう機会も一個一個が勉強になります。その代わり体力は使います。
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――新たにゲストとして呼んでみたい方はいらっしゃいますか。
浪川:細谷くんとのコンビですから、もうそっち系の人。ぜひ宇宙人に来て欲しいですね。宇宙人が来てくれたら細谷くんは漏らしちゃうんじゃないかな(笑)。
――お二人で交信して呼び出すんでしょうか。
浪川:実は既に交信する企画はやったことあるのですが上手く行かなかったので、是非番組でブッキングしてほしいですね。自称でも良いので是非(笑)。
――それは難しいオーダーになりそうですね(笑)。
浪川:あとは、いつも「その世界のトップランナーに会いたい」とは言ってますね。何でもいいので、トップにどうやって昇り詰めたのかを知りたいんです。ほんとになんでも良くて、例えば「ミニカーを世界一作った人」とかでもOKです。
――プロフェッショナルと言うか、専門性の高いお話に惹かれるタイプでしょうか。
浪川:すっごい面白いです。まぁ番組として難しいところもあるかもしれませんが、個人的にはとても好きです。何かに特化していることって好きなんですよね。
――今年のMC陣を見て、他の曜日で遊びに行きたいのはどこでしょうか。
浪川:実はそんなに他の曜日行ったことなくて、1000回記念で月曜日に行ったこととWEEKENDだけで、ほぼないんですよね。何この「ウォーカーズ」って!?
――ロケ番組になるそうです。
浪川:ほぉー、なるほどね。良いね。「ウォーカーズ」に行きたい!
――相方だった石川さんは新たに「繋(コネクト)」を担当されます。
浪川:(木村)昴が居なくなった後っていうのは物凄いプレッシャーだと思いますけど、彼ならきっと大丈夫だと思っています。いろんな意味で相当大変だと思うけど、楽しく頑張って欲しいですね。
◆欠席無しの秘訣はオンオフの切り替え?
――最近の浪川さんご自身の夜あそびは何でしょうか。
浪川:あんまり変わったことはしてないかな(笑)。お酒飲んだりゲームしたりですね。他の人はなんて言ってるんですか?
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――ゲームとか、寝ることとか。金田朋子さんは「人間としての感度を高めるために、縄文時代のような生活をしている」と仰ってました。
浪川:人間としての本来の能力を高めるために、なるほどね。……それは「夜あそび」なの?
――それは……どうなんでしょう(笑)。夜は健康的な生活をされているタイプでしょうか。
浪川:どうなんだろうなぁ。結構仕事が入っていることが多いので、家に帰ったら「無」になって、リハーサルとかはなるべくしないようにはしてます。もう「するなら朝」と割り切って超だらけてますね、立ち上がるにも何秒かかるんだってくらいゆっくりして、テレビも見てるけど何も考えてなかったり(笑)。パチッとスイッチが切り替わりますし、特にこの一年はそうしてます。リセット!
――4月からの新シーズン、ご自身でチャレンジしたいことはありますか。
浪川:今やろうとしていることが全部中途半端なんです。体を鍛えるとか、ちょっと痩せようかなとも中途半端。今日もラーメン食べちゃったし。何かひとつ「やり切ったね」というのが欲しいです。
あと、僕は『夜あそび』を4年間で1回も休んだことがないんです。ちょっとした体調不良にも敏感なご時世の中、くぐり抜けてやってきました。これは大きなチャレンジだと思うので、是非5年間1回も休まないように頑張りたいです。
――ありがとうございます。それでは最後に、視聴者の皆さんへメッセージをお願いします。
浪川:新しいスタイルで木曜日が始まります。今まで石川界人くんの時もマンスリーの時もそうでしたけど、段々とひとつの形ができていくと思います。それが皆さんの生活にフィットして、笑いの素になるよう、癒しの素になるよう、楽しんでいきたいと思いますので、1回見たら是非1年間通して見ていただけると嬉しいです。
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4年間皆勤賞を維持している浪川。果たして5年目の今年もそれを維持できるのか!?新パートナー・細谷佳正の絡みも楽しみにしつつ、新たな一年の始まりに期待したい。