土屋太鳳のネガティブから一周回ったポジティブさ 仕事での落ち込みも「乗り越えたぞ」と糧に | 超!アニメディア

土屋太鳳のネガティブから一周回ったポジティブさ 仕事での落ち込みも「乗り越えたぞ」と糧に

ポンコツAIとクラスメイトが織りなす、爽やかな友情と絆。10月29日公開のアニメーション映画『アイの歌声を聴かせて』で土屋太鳳は、ちょっぴりポンコツなAIの主人公・シオンの声を務め、伸びやかな歌声も披露する…

ニュース
注目記事
土屋太鳳のネガティブから一周回ったポジティブさ 仕事での落ち込みも「乗り越えたぞ」と糧に
  • 土屋太鳳のネガティブから一周回ったポジティブさ 仕事での落ち込みも「乗り越えたぞ」と糧に

 ポンコツAIとクラスメイトが織りなす、爽やかな友情と絆。10月29日公開のアニメーション映画『アイの歌声を聴かせて』で土屋太鳳は、ちょっぴりポンコツなAIの主人公・シオンの声を務め、伸びやかな歌声も披露する。シオンの明るく天真爛漫な性格は、太陽のような眩しい笑顔がチャームポイントの土屋と合致するものがある。ポジティブな雰囲気を纏っているからか、土屋は友人に悩みを相談するよりも、友人から悩みを相談されることの方が多いという。

 人気実力ともに、土屋は20代俳優のトップランナーと言っても過言ではない。今年は大学を8年かけて卒業したことでも話題に。たおやかな見た目とは裏腹に、ガッツのある人だ。目標を定めて一心不乱に道を切り拓いてきたのだろう。そんな土屋に友人たちが悩み相談をしたくなるのも理解できる。

 しかし土屋は意外なことを口にする。「常に未来は不安です。毎日のように『どうしたらいいのだろうか?』と思いながら生きています。今の自分がやっていることが果たして将来に繋がっているのだろうか?幸せに繋がっているのだろうか?と」。現状に胡坐をかくのではなく、葛藤と向き合いながら前進している。

 自身の中にも悩みや葛藤があるからこそ、相手の心中を慮ることができる。だから土屋の周りには人が集まる。曰く、友人からのお悩み相談ではアドバイスはせずに共感することを意識しているという。「相談してくる相手は、私に解決策を求めているのではなく、寄り添って共感してほしいと思っているはず。私は自分の中の似たような経験や感情と照らし合わせて、相手の気持ちに共感するようにしています」と思いやりを滲ませる。

 俳優業のみならず、司会業もこなす。多忙ゆえ、様々な仕事が重なるときもある。土屋は「自宅では頭がパンク寸前です!」と目を丸くしながらも「不思議なことに仕事場に行くと仕事脳にガラッと切り替わる。『逃げたい!』と思うことだってあります。でも結局は『やるしかない!』と思う。しかもどんなに不安やプレッシャーがあっても、結局はぐっすりと眠れているんです」と笑い飛ばす。

 「常に未来は不安」。そんなネガティブな気持ちを突き詰めた果てに辿り着くのは「目の前にいる人、目の前にある仕事を楽しくしたい!という思い」なのだとか。「ネガティブから一周回ったポジティブさを積み上げて、10年後、20年後に振り返ったときに『今の私はこうなった!』と胸を張れるような人でありたいから」。それが今の土屋の目標だ。

 もちろん疲れるときもあるし、ストレスだってそれなりに溜まるだろう。そのデトックス方法は、年齢とともに健康的に変化してきた様子。「かつての私のデトックス方法は“家族の前で泣く”でした。いきなり私が泣き出すものだから、家族は『ど、どうした?』状態。ただ私よりも姉がつられて号泣するので笑ってしまう。今は家族みんなでゴハンを食べる時がデトックス。私が手作り料理を振る舞ったりして、それを『美味しい!』と言いながら食べてくれる姿を見ると安らぎます。家族から好評なのは餃子です」と嬉しそう。

 仕事で受けたダメージは仕事で取り返すという考えの持ち主でもある。「失敗したり、緊張したり、落ち込んだりすることもあります。舞台挨拶はいまだに緊張しますし、喋りながら『私何を言っているの!?』と思うことも多々。でもそれが終わると『なんとかなったぞ!』『乗り越えられたぞ!』と充実した気持ちになる。些細な瞬間ですが、仕事を終えて移動の車中で『お疲れ様でした!』と言われて『ほんとだね~!』とグデ~ッとなる。そんなときが癒しの時間かもしれません」。小さな幸せを見逃さず、充実のタネにする。反省はするが後悔はしない。それを積み重ねてきたし、これからも積み重ねていくつもりだ。

 『アイの歌声を聴かせて』のアフレコ収録も、充実感と共に振り返ることができる。声優としての先輩である実弟・土屋神葉との自宅レッスンもいい思い出だ。「作品のテーマや役柄について説明して、どのように声を出せばいいのかを相談しました。気づいたら二人で発声をはじめて歌っていたけれど…」と無邪気さに照れ笑い。

 完成作品を初めて見た際は、思いもよらない感情に襲われたという。「声優に抜擢されたときは『私でいいのだろか?』とおこがましい気持ちになったり、歌の音域も高くて自分の声をそこに持って行くことに苦労があったりしました。初号試写の際は冷静に見ることができず、心臓もバクバク…のはずなのに気づいたら感涙。『ありがとう!』と思ったし、自分にとって大切にしたい作品だと改めて思いました」。やはり最後はチャームポイントの笑顔で締めくくる。土屋は手応えとともに封切りを心待ちにしている。

取材・文:石井隼人
写真:You Ishii

《ABEMA TIMES》
【注目の記事】[PR]