新田恵海、リデビューシングル「Sing Ring」で音楽活動を再スタート「今の自分の100%以上を詰め込んだ」【インタビュー】 | 超!アニメディア

新田恵海、リデビューシングル「Sing Ring」で音楽活動を再スタート「今の自分の100%以上を詰め込んだ」【インタビュー】

新田恵海が、2020年3月25日(水)に発売となるシングル「Sing Ring」で、音楽活動を本格的に再スタート。発売中の「アニメディア4月号」では、リデビューへの思いなどについてお話いただいたインタビューが掲載されて …

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 新田恵海が、2020年3月25日(水)に発売となるシングル「Sing Ring」で、音楽活動を本格的に再スタート。発売中の「アニメディア4月号」では、リデビューへの思いなどについてお話いただいたインタビューが掲載されている。「超!アニメディア」では、彼女の歌への思いやMVの収録についてなど、誌面に掲載しきれなかった内容を盛り込んだ長文版をご紹介。

新田恵海

――新しいレーベル、リデビューという形での再出発ですね。

 自分の音楽をこれからどうしていこうかと考えているときに、デビューのころからお世話になっている木皿(陽平)さんに相談させていただいていたんです。そうしたら、「一緒にやっていきませんか」とお声がけをいただき、それをきっかけにリデビューとなりました。ずっとキャラクターソングでご一緒させていただいたり、私のソロのライブも観に来てくださったりして、すごく信頼の置ける方でしたし、何よりご一緒させていただくといつも楽しくて。「いい音楽を作っていきたいね」という前向きなご提案もあったので、いいアーティストになりたいという思いで決断しました。

――昨年末には、数年前から発声障害だったことも公表しました。

 ファンクラブの皆さんにはすでに伝えていたんですが、私としてはあまりかっこよくない姿は見せたくなかったんですね。でも木皿さんが、「えみつん(新田の愛称)が戦って、みんなと一緒に歌を取り戻していく姿を見せよう」と言ってくださったので、発表させていただきました。今は木皿さんやファンの皆さんと一緒に、もう一度自分の歌をつかみにいきたいという気持ちです。

――歌が思うように歌えないことで、自分にとって「歌」はどんなものだと感じましたか?

 私にとって、歌うということは特別なことではなく、自然で当たり前のことだったんですね。でも、今回それにつまずいて失って、やっぱりなくてはならないものなんだと再認識しました。自分を見てほしいというよりも、誰かのための自分でありたいという気持ちが大きいのですが、それを伝えるためにはどうしても歌が必要ですし、自分が生きていくことに直結しているんだなと改めて感じました。

――リデビューまでの間、舞台に立たれる機会も多かったですよね。

 はい。声の表現に不安を感じる部分はありましたが、チャレンジを諦めるつもりはなくて。お芝居が手がかりになるかもしれないし、今できることを精一杯やろうと思ったんです。でも、できることとできないことがやっぱりあって、そう甘くはないな、とは思いましたが。そんななかで、去年の11月に『リスアニ!LIVE BEIJING』で、久々にソロアーティストとして歌う機会がありました。調子を気にはしていましたが、海外ということもあり気負いすぎず、シンプルに楽しく歌えて。もちろん、思うようにいかない瞬間もありましたが、うまくやることよりも楽しむことがどれだけ大事なのかを学んで。もう一度歌えるかもしれないという手応えを感じました。

――今回3曲入りですが、「Sing Ring」「Every day a Lucky day!」「ORATIO」でジャンルがだいぶ異なりますね。

 表題曲は、リスタートの決意を示す曲にしたい、というお話から「Sing Ring」を制作することになりました。自分で歌詞を書いてはどうかという提案もいただいたのですが、自分の歌が自由にならないところで書いてしまうと、皆さんに心配をかけてしまうような気がして。木皿さんと話し合い、私のことをよく知ってくださっているyozuca*さんに制作をお願いしました。yozuca*さんは、調子の良かった私も、うまくいかない私も見てくださっていて、実際に音楽を作る前に今考えていること、これからどうしていきたいかをヒアリングしてくださって。結果、自分以上に私らしい音楽を作っていただけたと思っています。

――「Sing Ring」は、どんなテーマにしたいと思いましたか?

「結果的に前向きな曲にしたいです」とお伝えしました。前向きとはいっても、元気いっぱいに明るく頑張ろうというものではなく、いいことも悪いこともあったけれど、それでもやっぱり前を向いて歩いていく姿を表現したくて。底抜けに明るいよりは、いろいろなことがあっても「結果前向き」というのが私らしいのかなと。できあがった曲を聴かせていただいたときは、ポップだけど気負わず、朗らかなやさしさやセンチメンタルを感じるところが響いてきて、とても大きなプレゼントをもらった気持ちでした。

――冒頭にはアカペラがあります。

 アイデアをくださったのは、yozuca*さんなんです。CDって、完成させるときに音の調整が入るのですが、調整というお化粧をせず、今の私の自然な声を入れたほうがいいのではないかとご提案をいただいて、あのパートを入れることになりました。アカペラがあることによって、飾らない、嘘のない、今の私の曲が歌えたという気持ちがより強くなりました。

――レコーディングで意識したことはありましたか?

「Sing Ring」のレコーディングには、不調のこともありますが、小手先で表現する歌ではないと思い臨みました。この曲の一部を生きるような感覚で、感情のままに素直に歌って。レコーディング中にも、今までできなかったことが突然できることもあって、アーティスト・新田恵海はこの曲と一緒に成長していくんだと実感できるレコーディングになりました。アーティストとして、自分の苦しみを人に押しつけるような歌を歌いたかったわけではなく、誰かの背中を押したり、元気や勇気の元になれたりしたらうれしいと今でも思っています。でも、頑張ったり挫折をしたりした経験があるからこそ、響くものもあると思うんですね。私自身が今、そういう状況だからこそ、きっとそんな経験をした人に響く歌になったと思います。

――「Every day a Lucky day!」は、軽やかな曲です。

 この曲は最後にできたのですが、ほかの2曲ができあがっている状態でどんな曲にしようかと考えて、みんなが思うえみつんらしい曲を入れたいなと思ったんです。曲は、「新田恵海のキャラクターソングを作ってください」とお願いしました。いくつかコンペで選ばせていただいたのですが、どれもすごく多幸感があったんです。みんなから、私ってこんな風に楽しい人だと思われているんだというのが感じられてすごくうれしかったですが、そのなかでもとびきりハッピーで、ウキウキする曲を選ばせていただきました。特に「ラッキーソング」という歌詞が気に入っていて、この曲を朝聴けば1日がうまくいきそうな、そんなラッキーアイテム的な曲になったと思います。

――「Sing Ring」とはまた違ったナチュラルさがありますよね。

 リスタートにあたり、木皿さんと「10年後も、その先も歌っていけるアーティストになろう」と目標を立てたんです。なので、40代の女性が歌ってもかわいい曲になるように、大人女子が感じられるワードをたくさん入れてもらいました。私も、この曲のように年を重ねていきたいですし、この歌のような生き方をして、素敵な女性になっていきたいです。

――ものすごいハッピーではないけど、ちょっとした幸せがのぞくような歌詞が素敵ですよね。

 自分の物語がミュージカルになったような、そんな感覚ですね。アイドル的なキラキラ感とはまた違うキラキラがあって、物語が見える曲になっていると思います。

――この曲はCS「旅チャンネル」で放送中の『新田恵海の女子トク旅』のOP曲になるそうですね。

 自分と縁の深いお友だちゲストさんを招いて、そのゲストさんが私と旅をしたいところを選んでくださるという番組です。女子感があるところに、曲がマッチしていますよね。

――番組はにぎやかで楽しそうですね。

 楽しいです! ロケ中にはハプニングもありますが、それを含めてもすごく楽しいんです! 一緒に食べるご飯も、おいしいというより楽しい! 幸せがつまっているので、それを曲でも感じていただきたいです。

――「ORATIO」はオンラインアクションゲーム『アラド戦記』オリジナルアニメ『アラド:逆転の輪』のOP主題歌です。

 世界観がすでに決まっている曲なので、私が普段言わないようなワードが盛り込まれていて、ザ・アニソンという感じの盛り上がりもすごく好きです。こういう曲を歌えるのが久しぶりで、とても高まりました。

――歌声はとてもかっこいいなと思いました。

 曲の世界観に合わせたら、自然とこの声になっていった感じでした。もっと歌を取り戻してから歌えたら、さらに気持ちがいいんだろうなと今から楽しみです。ただ、初めて録ったときは思うように歌えなくて悔しいという気持ちもたくさんありました。でも、悪い意味ではなくて、暗闇から100%抜け出せたわけではないけれど、光も見えているし、進む方向も決まっている。私としては、その悔しさも勲章だという気持ちです。

――CDジャケット写真のビジュアルイメージは、まさに等身大の自然な姿という感じです。

 今回、横浜で撮らせていただいたのですが、町の雰囲気が都会とも少し違っていて、当日は寒かったですが、楽しく朗らかに撮影できました。

――「Sing Ring」のMV撮影の思い出は?

「Sing Ring」には、迷いやネガティブに聞こえるかもしれないワードがあるけれど、「結果前向き」な曲なので、最後まで観てくれた人が背中を押されるような、自然と前を向けるようなMVにしたいとお願いしました。やまない雨はないし、私は私らしく、あなたと歩いて行くよというメッセージが伝わったらいいなと思います。

――完成した段階でうかがっていいのかわかりませんが、もう少しよくなってからという話はありませんでしたか?

 そうですね……。タイミングを計っていないといえば嘘になってしまうんですが、これまでにやれることはやったんです。だけど、大きな一手がどうしてもつかめなくて、何もないところでもがいているような状態で、歌という大きな柱を失った自分が無価値なものにも思えたこともありました。でも、背中を押してくれる人たちがいて、その先の目標が明確になったときに、立ち止まっていても進めないんだったら、もがいてでも進むほうが私らしいんじゃないかなと思ったんですね。この歌を聴くのは辛いという人もいるかもしれないけれど、元気いっぱいの私だったらこの曲たちは生まれなかったし、苦しみもあるからこそ、絶対に私は負けないんだという気持ちを見せたかったので、今のタイミングでよかったんだと思っています。私にとって、歌うことは生きること。戦って幸せになることが歌のなかにあるので、今の私は歌を通して生き様を見せていけたらいいな、という気持ちでいます。

――まさに、今の新田さんを切り取った1枚なんですね。

 はい。今の私ができる100%以上のものを詰め込めみました。ここをスタートとして、これからどんどんどんどん新しい階段を上っていけたらなと思っています。

――8月にはライブも決まりました。

 ライブは、皆さんと笑顔で再スタートできるような特別な時間にしたいと思っていますので、ぜひ遊びに来てください。苦しいなかにいるときはつらさもあるけど、その苦しみを知った上で戦うぞっていう希望が見えているので、今はとにかくたぎっていますね(笑)。元々負けず嫌いなので、やってやるぞとギラギラしています。

――最後に読者へメッセージを。

 すごくお久しぶりになりますが、リデビューということで新しく音楽活動をスタートさせていただくことになりました。ここを第一歩として、また皆さんといろんな景色を見に行けたらいいなと思っています。私も強い羽を取り戻して、もっともっとみんなのもとに届けにいけるようになりたいので、これからも一緒に歩いて行ってもらえたらうれしいです。

取材・文/野下奈生(アイプランニング)

「Sing Ring」概要
新田恵海のリデビューとなるシングル。全3曲収録。表題曲の「Sing Ring」は、新田の等身大の気持ちをていねいに表現したナンバー。歌への真摯な想いが伝わる1曲に仕上がった。同梱されるDVDには、表題曲のMVを収録している。
価格:2,000円(税別)


PROFILE
新田恵海【にった・えみ】12月10日生まれ。長野県出身。ディファレンス所属。これまでに、シングル5枚、アルバム2枚、ベストアルバム1枚をリリース。声優としての主な出演作は、『ラブライブ!』高坂穂乃果役、『1000ちゃん』1000ちゃん役など。

《超!アニメディア編集部》
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