TVアニメ『魔術士オーフェン』森久保祥太郎と浪川大輔にインタビュー! 20年前、恩師から言われた「あなたつまらない芝居をしているね」という言葉の意味 | 超!アニメディア

TVアニメ『魔術士オーフェン』森久保祥太郎と浪川大輔にインタビュー! 20年前、恩師から言われた「あなたつまらない芝居をしているね」という言葉の意味

シリーズ生誕25周年、TVアニメ放送から20年を迎え、2020年に満を持して完全新作TVアニメとして蘇った『魔術士オーフェン』。主人公のオーフェン役は20年前と同じく森久保祥太郎が演じ、オーフェンの師であるチャイルドマ …

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 シリーズ生誕25周年、TVアニメ放送から20年を迎え、2020年に満を持して完全新作TVアニメとして蘇った『魔術士オーフェン』。主人公のオーフェン役は20年前と同じく森久保祥太郎が演じ、オーフェンの師であるチャイルドマンは本作より浪川大輔が演じている。

 今回は序盤のキーマンとなるオーフェンとチャイルドマンを演じるお二人にインタビュー。作品の見どころに加えて、20年前と今で変化したことなどについてもお話をうかがった。


年を重ねるとオーフェンの見え方が変わった 

――まずはおふたりが演じられるキャラクターのご紹介をお願いします。

森久保 僕が演じる「オーフェン」は、本名がキリランシェロ(・フィンランディ)といって、≪牙の塔≫という魔術士の最高峰の機関で育ちました。英才教育を受けていたので腕の立つ魔術士であり、将来も期待されていましたが、彼が義姉と慕うアザリーという女性が豹変し失踪したことをきっかけに≪牙の塔≫を出奔し、「オーフェン」と名乗るようになります。それからは金貸しを生業としながらアザリーの行方を捜す旅をしている、という人物ですね。

浪川 僕が演じるチャイルドマンは、基本的に厳格でまっすぐ、でも優しさも垣間見えるという魔術士です。小さいころのキリランシェロに魔術を教えていたので、いわば彼の師匠ですね。いまの彼には謎がありますので、それに関しては今後の展開をお楽しみください。また、僕個人としては、本作でナレーションも担当しております。『オーフェン』は「そうだ、いや違う」といった逆説など、独特のセリフ回しがあるので、それを忠実に読むのが大変でもあり、面白いところでもありました。

――森久保さんは20年前にアニメ化した際もオーフェンを演じられていました。

森久保 そうですね。当時はニヒルな男というイメージがありましたが、40歳を過ぎたいまになってみると、彼自身も揺らいだり未熟だったりする部分がある、そのなかでもひとつの目的に対して戦っていくという辛抱強い男なんだなと思うようになりました。オーフェンはそういう秘めた魅力がある男だと思っています。

――対して浪川さんは本作からチャイルドマンを演じることとなりました。以前のアニメシリーズでは中田譲治さんが演じられていましたが、演じる際、意識はされましたか?

浪川 雰囲気を似せたいなとは思って、家でも譲治さんの芝居を想像しながらやってみたのですが、2秒くらいでダメだ、全く違うなと思って。それなら、僕ができるチャイルドマンで演じようと思ってオーディションに臨んだんです。今回はチャイルドマン役でオーディションを受けてほしいというご指名だったのですが、個人的にも森久保さんの師匠になりたかったので(笑)、その気持ちの強さが選んでいただくきっかけになったと思います。

森久保 なんだ、それ(笑)。でも、キャスティングを聞いたときは「にやり」としました。20年前は僕も若くて、ただただ精いっぱいで、冷や汗と恥だけをかいていました。しかも譲治さんは大先輩だったので緊張しっぱなしだったんですけども、今回は浪川さんということで当時よりは対役者という意識でモノづくりが楽しめた気がします。

――おふたりは役柄的に掛け合いも多いかと思いますが、実際にやってみていかがでしたか?

浪川 パワーがある。オーフェンという役自体にエネルギーがありますが、その出し方を知っているなと感じました。それを正面から受けて、ずる賢い芝居をしないように心がけました。

森久保 過去にもコンビで掛け合いをする芝居が多かったですが、また新しい関係での掛け合いができた気がします。

――確かに、森久保さんが浪川さんのキャラクターを「相棒!」と呼ぶ間柄の作品もありましたね。そんな色々なところで共演するおふたり。浪川さんからみて、20年前のアニメと唯一同じキャストである森久保さんの様子はいつもと違いましたか?


浪川 森久保さんは主役だから、3番手だから4番手だからというのを考えて芝居をされるような方ではなく、いつも全力で演じられています。だから、芝居に対してはいつもと同じ熱量でしたが、座長としてみんなを引っ張ってくれていたと感じました。20年前のアニメ『オーフェン』の現場を唯一知っているのが森久保さんだったので、僕たちの道しるべになってくださっていたんです。座長らしい座長だったので、安心して好きなようにお芝居させていただきました。

森久保 自分としても主人公をやっているからとか、座長だからというのは普段はあまり意識せず、純粋に芝居をしようというモチベーションでいるタイプだと思っています。ただ、今回は平成版と令和版のアニメ『オーフェン』どちらも知っている、繋ぐ立ち位置でもありました。しかも、僕以外の役者さんは先代の方がいるというプレッシャーもあるなかで演じられる。それなら僕が盛り上げないといけないと思ったんです。また、20年前は最若手でしたが、今回は年齢的にも上のほうだったので、その役目は僕が果たすべきところ、芝居以外で現場でできることはやろうという思いがありました。

――実際、アフレコ現場の雰囲気はいかがでしたか?

森久保 大久保瑠美ちゃんや小林裕介くんは20年前のアニメを知っていて、今回関われることを喜んでいました。特に瑠美ちゃんは原作からのファンで、アニメに目覚めたのも『オーフェン』がきっかけだったらしくて。現場でも茶色くなった1巻の原作を持ってきていましたね。だから、一番『オーフェン』に詳しかったのは僕よりも瑠美ちゃんだったんじゃないかな(笑)。現場では瑠美ちゃんが「オーフェンペディア」として、セリフの言い回しなどのニュアンスについても「原作ではこうでした」と即答してくれて、すごく頼りになりました。あとは日笠陽子さんや伊藤静ちゃんなんかはデビュー当時から知っていますが、久しぶりにがっつり共演してみたら、お姉さんになっていました。渕上舞ちゃんも水野まりえちゃんも頑張っていましたし、いい空気だったと思います。楽しかったよね。みんなでお昼ごはんも食べに行ったし。

浪川 そうですね。チームワークはよかったと思います。みんな手練れの役者さんで、ひとつ、ひとつのセリフが面白かったですね。

森久保 プレッシャーを感じるなかでも、それぞれキャラクターを出せていたと思います。あとはスタッフの皆さんも作品愛が強かった。打ち上げでもみんなが作品の話で盛り上がっていたんです。もっと、もっとやりたいなんて意気込む人もいました。

浪川 そして、なんといってもキリランシェロを演じている方、声のハリがすごいんですよ。

森久保 よくやったべ(笑)。20年前は女性声優さんがキリランシェロの声をやっていらっしゃったのに、40歳を超えた僕が子供時代の声をやっていいのかと、困惑したね。

浪川 いやいや、絶好調でしたよ!

森久保 ほんとに? よし、まだいけるな。

浪川 いけますよ! 冗談っぽくなってしまいましたが、やっぱり森久保さんを芯として、まとまっていった。そんな現場でした。


恩師からの言葉のおかげで生き残れた

――先ほどからもお話にあがっていますが、本作は原作がスタートしてから25周年を迎えています。ここまで長く愛されているのは、どんな魅力があるからだと感じていらっしゃいますか?

森久保 原作者の秋田(禎信)先生ともお話していたんですけども、『オーフェン』はいわゆる「ライトノベル」というジャンルの走りなんですよね。当時でいえば『スレイヤーズ』もそうだったと思いますが、『オーフェン』は「ライトノベル」というジャンルのムーブメントのきっかけとなった作品の一つだと思います。その原作に出会った衝撃は大きなもので、今でも記憶に残っている方が多いのではないでしょうか。そして、記憶が薄れなかったのはほかでもない、秋田先生が『オーフェン』の物語を書き続けていたからだと思います。世界が止まらなかったから、原作ファンからも愛され続けた。あとは、古さを感じないところ。原作は25年も前にスタートしたものなのに、今のアニメとも遜色ないと感じるのも魅力だと感じています。

浪川 確かに、普遍的なものが軽妙に入っている、王道のアニメってところは魅力的ですよね。森久保さんは収録でぜえぜえしながら、命を削って演じていましたよね。これは、オーフェンがそれに値するキャラクターだからだと思います。絶叫もたくさんされていて、収録後はサウナを出たあとみたいにスッキリされていましたよね(笑)。

森久保 やり切ったからね(笑)。

浪川 作品的には胸を締め付けられるような場面も多いですが、オーフェンの声を聴いていると何だか元気になれるんです。そういうのは芝居からも伝わってきました。そういったキャラクターの魅力も大きいと思います。

――20年前といえば、おふたりも既に役者としての道を歩まれていました。いま振り返ってみて、自分が変わったなと感じるところはありますか?

浪川 いっぱい変わったなぁ。

森久保 変わったよね。同じ人間じゃないよね(笑)。

浪川 別人ですね(笑)。

森久保 全然違うと思う。むしろ、当時の自分の未熟さからすれば、よく役者として生き残れたなって思います。ただ、今も役者を続けられているのも『オーフェン』があったからといって過言ではないかもしれないです。

――そうなんですね!

森久保 はい。当時、ステファニー役を玉川砂記子さんが演じられていました。砂記子さんは当時同じ事務所に所属していた大先輩であり、僕が声優になりたての頃からお世話になっていた方です。そんな方と『オーフェン』の現場でご一緒できた。しかも僕にとっては初主演みたいなものだったので、世話になった姉さんに成長した自分をお見せできる場だと思って張り切っていたんですよ。で、ある日の収録がすんなり終わったから、これで褒めてもらえると思ったら、帰り道に「あなたつまらない芝居をしているね」「NGを出さないで収録が終わったら、いい芝居ができたと思っているんじゃない?」ってダメ出しをされて。

浪川 僕の先生でもあるんですけど、そういう厳しいことを言ってくださる方なんですよね。

森久保 そう。あの一言は目から鱗でした。要するに、NGを出さないような中途半端な芝居をしていないか、もっとソリッドで、自分がこうだと思った芝居をしたほうがいい、ってことだったんです。そういう尖った芝居をして演出されるのは、むしろいいこと。まんべんなく当たるような芝居をしていてはダメと言われました。この一言が今日まで役者をやっていくなかですごく大事な言葉になっている。僕の芝居に癖があったり、極端だったりするのは、この言葉が一因にあるんじゃないかな。

浪川 確かに、それは、森久保さんが誕生しますわ!

森久保 それ以来、「こうか!こうか!」と、極端な芝居に振っていって、演出で直してもらうというやり方をするようにしています。

浪川 いい言葉ですね。僕も一度メールがきたことがあって。「ちゃんと地に足がついていますか」って。

森久保 子供のころから知っているもんね。母心だよね。

浪川 20歳の頃でした。僕、死んじゃったのかなとビビりました。

――今なら、そういう言葉も理解できる?

浪川 そうですね。当時は恐怖メールだと思っていましたが、今では理解できます。

森久保 そういう意味でもやっぱり変わったと思いますよ。

浪川 そうですね。ただ、20代前半の勢いがなくなったという意味ではよくも悪くも変わったんだと思います。それは残念でもありますが、でも他にも手に入れたものはいっぱいあります。

森久保 この年齢になって、勢いだけでやっていてもね(笑)。恐ろしい。

浪川 全速力か急ブレーキしかできませんというのは怖い。

――「これくらいでいいだろう」と無難な芝居ばかりしていたらふたりとも生き残れなかった。

森久保 もちろん。

浪川 そうですね。ただ、そうやって年齢を重ねることで芝居が変わってきているはずなのに、20年前の役をまた演じられる森久保さんはやっぱりすごいと思います。

――本日は色々とお話いただきありがとうございました。最後に今後の物語のポイントを教えてください。

森久保 2話、そして3話から早くも見逃せない展開がまっています。後に繋がるシーンがあります。

浪川 そういう意味では、1話、2話をよく覚えておいてほしいですね。

森久保 細かくね! 見返せる方は見返してみてください。そうすると、より面白くなるはずです。

浪川 スッキリすると思います。今が大事なとき! 見逃さないでください。


 

プロフィール
森久保祥太郎【もりくぼ・しょうたろう】2月25日生まれ。東京都出身。主な出演作は『NARUTO -ナルト-』奈良シカマル役、『メジャー』茂野吾郎役、『ペルソナ4』花村陽介役、『うたの☆プリンスさまっ♪』寿嶺二 ほか。

浪川大輔【なみかわ・だいすけ】4月2日生まれ。東京都出身。主な出演作は、『君に届け』風早翔太役、『ペルソナ4』鳴上悠役、『あひるの空』高橋克己役、『波よ聞いてくれ』須賀光雄役 ほか。

TVアニメ『魔術士オーフェン』作品情報
◆配信情報
【独占先行配信 2020年1月7日より毎週火曜日25:00~】
・U-NEXT
【2020年1月14日より 毎週火曜日24:00~】
・d アニメストア、Abemaビデオ、Amazon プライム・ビデオ、FOD、GYAO!、バンダイチャンネル、Hulu、J:COM オンデマンド、ビデオパス、みるプラス、ひかりTV、ビデオマーケット、DMM動画、music.jp
【2020年1月14日より 毎週火曜日 25:00~】
・Netflix、niconico(ニコニコチャンネル)
【2020年1月14日より 毎週火曜日 25:15~】
・niconico(ニコニコ生放送)
【2020年1月14日より 毎週火曜日 26:00~】
・AbemaTV
【2020年1月15日より 毎週水曜日 12:00~】
・アニメ放題
※配信日時は予告なく変更になる場合がございます。

◆放送情報
2020年1月7日よりTVアニメ放送中
AT-X 1月7日より毎週火曜日23:00~
(リピート放送:毎週(木)15:00/毎週(日)6:00/毎週(月)7:00)
BSフジ 1月7日より毎週火曜日24:30~
TOKYO MX 1月8日より毎週水曜日22:00~
WOWOW 1月8日より毎週水曜日24:00~
(※全話無料放送)

※放送日時は変更になる場合がございます。

◆ストーリー
時を取り戻す
大陸最高峰の魔術士養成機関《牙の塔》で暮らしていたキリランシェロは、大陸最強の魔術士・チャイルドマンの下で、彼の持つ戦闘技術と暗殺術のすべてを受け継ぎサクセサー・オブ・レザー・エッジ《鋼の後継》と称されるエリート魔術士だった。
ある実験により異形の姿となって失踪した義姉・アザリーを探すため《牙の塔》を出奔したキリランシェロは過去を捨ててオーフェンと名乗り、トトカンタ市でモグリの金貸業に身をやつしていた。
そこで出会ったおしかけお嬢様クリーオウ、弟子の少年マジクという新たな仲間と共にアザリーを救う旅が始まる。
いっぽうアザリー討伐に向かうかつての師チャイルドマンやハーティア、コミクロン、学友たちと運命的な再会を果たすも思いは交錯し、再び袂を分かつことになる。
旅はフェンリルの森を抜け、タフレムへ。
そう、かつてオーフェンが修行を積んだ《牙の塔》が存在する街へとたどり着く。
そこでオーフェン達を待ち受けていたのは、想像を絶する巨大な敵だった。

◆キャスト
オーフェン:森久保祥太郎
クリーオウ:大久保瑠美
マジク:小林裕介
ボルカン:水野まりえ
ドーチン:渕上 舞
チャイルドマン:浪川大輔
アザリー:日笠陽子
レティシャ:伊藤 静
ハーティア:坂 泰斗
コミクロン:安田陸矢
フォルテ:前野智昭
ウオール・カーレン:津田健次郎
ハイドラント:吉野裕行
スエイン:岡本信彦

◆スタッフ
原作:秋田禎信(TOブックス刊)
イラスト:草河遊也
監督:浜名孝行
シリーズ構成:吉田玲子
キャラクターデザイン:吉田隆彦
色彩設計:桂木今里
美術監督:荒井和浩
撮影監督:近藤慎与
CG 監督:川谷啓介
音響監督:平光琢也
音楽:Shinnosuke
音楽制作:ランティス
編集:小野寺桂子

オープニング主題歌:「Calling U」buzz★Vibes(ランティス)
エンディング主題歌:「予測不能Days」渕上 舞(ランティス)

プロデュース:GENCO
アニメーション制作:スタジオディーン

TVアニメ『魔術士オーフェン』公式サイト
http://ssorphen-anime.com/

(C)秋田禎信・草河遊也・TOブックス/魔術士オーフェンはぐれ旅製作委員会

《超!アニメディア編集部》
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