富田美憂、アーティストデビュー記念インタビューで語るアニメ・歌・声優への思いーー「私にとっては人生そのもの」 | 超!アニメディア

富田美憂、アーティストデビュー記念インタビューで語るアニメ・歌・声優への思いーー「私にとっては人生そのもの」

『アイカツスターズ!』の虹野ゆめ役、『メイドインアビス』のリコ役、『ぼくたちは勉強ができない』の緒方理珠役など、数々の作品で活躍する声優の富田美憂。2015年にデビューした彼女が、20歳を迎える目前の2019年秋にアーテ …

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『アイカツスターズ!』の虹野ゆめ役、『メイドインアビス』のリコ役、『ぼくたちは勉強ができない』の緒方理珠役など、数々の作品で活躍する声優の富田美憂。2015年にデビューした彼女が、20歳を迎える目前の2019年秋にアーティストとしての活動もスタートする。

 超!アニメディアでは富田さんにインタビューを敢行。デビューシングルとなる「Present Moment」のレコーディングについてなどのお話に加えて、歌やアニメとの出会い、そして声優活動を通じて歌ってきたことで成長した点について、おうかがいした。


――アーティストデビュー、おめでとうございます! まずはデビューが決まったときのお気持ちを教えてください。

 2018年の夏ごろ、仕事終わりのタイミングでマネージャーさんから、ソロデビューが決まったことを教えてもらいました。小さい頃から声優になりたいという気持ちと同じくらいアーティストになりたいとも思っていたので、歌でデビューすることは「夢」のひとつだったんです。だから、夢の夢すぎる出来事で、最初は疑うところから入っちゃいました(笑)。

――信じられなかった?

 そうですね。もちろん嬉しかったですが、ビックリしすぎて「ドッキリなんじゃないか」という日がしばらく続きました。両親にもアーティストデビューが決まったと報告したのですが、「やったーー! でも、ほんとに……?」という反応で。みんながみんな信じられないという空気になったのが面白かったです(笑)。

――なるほど(笑)。CDが発売する直前の今はいかがですか?

 現実だと解釈するまでに時間がかかりましたが、デビューシングルの曲を決めたり、衣装を決めたりしていく中でようやく実感が湧いてきました。また、いまのように取材をしていただいたり、音楽番組の収録をしていくなかで、本格的にデビューするんだ、動き出したんだという気持ちになっています。アーティストとしてはまだ生まれたての状態なので、今は初めてアフレコに行ったときと同じような緊張感がありますね。その分、学ぶことも多くて、日々勉強しています。

――先ほどアーティストデビューがひとつの夢だったというお話でしたが、音楽が好き、アーティストになりたいと思うようになったのは、いつ頃でしたか?

 小さい頃からアニメが好きで、キャラクターが歌ったり踊ったりする作品もよく観ていました。その中で自然と歌も好きになっていったんです。歌うことを意識し始めたのは小学校高学年の頃。勉強もあまり得意ではなかったですし、運動神経もよくなかった自分が、友達などとカラオケに行くと「歌がうまい!」って褒められたんです。それが嬉しかったんですよね。

ーー当時歌っていたのは?

 もっぱらアニソンでした。当時放送していたアニメの曲を覚えては、友達と一緒にカラオケで歌っていましたね。

――富田さんは『うたの☆プリンスさまっ♪』がお好きとうかがいました。

『うた☆プリ』好きです! でも、好きなだけじゃなくって、『うた☆プリ』で歌っているキャラクターに憧れを抱いたんですよね。振り返ってみると、音楽が本格的に好きになったのはその影響があるのかも。

――過去には憧れの声優さんとして、『うた☆プリ』に出演されている宮野真守さんを挙げていらっしゃいます。

 宮野真守さんや水樹奈々さんは私が小さい頃から第一線で活躍されている方々ですし、常に声優・アーティストとしてトップを走り続けているので、憧れています。

――また、声優デビューした年齢が一緒の水瀬いのりさんを憧れの方として名前を挙げていらっしゃったこともあります。その水瀬さんも20歳の誕生日がアーティストデビューでした。奇しくもアーティストデビューも同じ年齢となりましたね。

 偶然! ビックリです。

――今回アーティストデビューするにあたっては、そういった方々を目標ともされている?

 もちろん、今でも憧れはあります。ただ、これまでアニメやゲームのコンテンツから誕生したユニットでの活動を経験したり、キャラクターソングを歌わせていただいたりしたことで、自分の歌の長所も段々と見つけられている気がするんです。だから、いまは富田美憂だから歌える歌、富田美憂だからできるパフォーマンスを磨いて、唯一無二のアーティストになれればいいなと思っています。

――コンテンツを通じて、より自分らしさを考えるようになった?

 そうですね。

――これまで、7人の声優によるヴォーカルユニット「Kleissis(クレイ・シス)」や、TVアニメ『ぼくたちは勉強ができない』から誕生したユニット「study」など、さまざまなユニットで歌の活動も行われてきました。そのなかで、特に「この人はすごい」と思った方はどなたでしたか?


 これが、みんななんですよね。「Kleissis」も「study」もそうなんですけども、それぞれで得意なパフォーマンスは違うし、魅せ方も違う。同じユニットで活動していると、一番近くにみんながいるので、レッスンをする度にお手本としています。強いてあげるとすれば、「Kleissis」で一緒にやっている髙橋麻里ちゃん。彼女は元々アイドルをやっていたということもあって、自分の魅せ方を研究しているということがパフォーマンスを見ていると分かるんです。自分がこう動くとカッコよく見えるかも、可愛く見えるかもということを考えて動いている。声優とアイドル、スタートは違えど、同じ表現者として、いま一緒に活動しているユニットの仲間として、とても尊敬しています。

 あとは、歌も衣装も可愛いものが多い「study」での活動を通じて、私なりの可愛さを出せたらいいなと思えるようになりました。それまではプリプリした“可愛い”系は向いていないと思っていたんですけど、「study」での活動をしてから意識が変わったんです。だから、コンテンツから受けた影響は大きいですね。

――私が最初に富田さんが歌っていらっしゃるのを直接見たのが2018年3月、「温泉むすめ」の一ユニットである「AKARSUKI」の初ライブでした。

 それ、人生で二度目くらいのライブです(笑)。

――そうだったんですね! あのときは環境や初お披露目ということもあったかと思いますが、緊張されているな、という印象を受けました。

 かなり緊張していましたね……!

――ただ、2019年2月に東京で行われた「AKATSUKI」の単独ライブでは、空気感や歌う雰囲気がかなり変わったなと感じました。

 元々人見知りでして……。人前で何かをするというのが恥ずかしくてできないタイプですし、カメラのほうを見て話せない、マネージャーさんと初めて会ったときも目を合わせられなかった。実は、人前に出ることが怖いと思っていたんです。だからライブも怖かったんです。

 でも、ありがたいことに場数を踏ませていただいて、人前に出ることにもちょっとずつ慣れてきました。本番、ステージに上がっちゃえばやるしかない、逃げ場がないという状況になることも分かったので、緊張することも少なくなったんです。どちらかというと今はライブの前日やメイクをしてもらっているときのほうが緊張するかな。それでも、楽しめるようになってきたので、そこは成長していると感じています。

――今、ライブをすることは楽しい?

 楽しいですね。ライブってダイレクトにお客さんが感じている感情を受け取ることができるんですよ。こっちが持っている熱量を出すと、それをお客さんが熱量を持って応えて下さって。それがすごく気持ちいいんですよね。

――お客さんからの熱量は歓声やペンライトなどでも感じられる?

 そうですね。

――ここまで音楽面を中心におうかがいしてきましたが、デビューしてから共にある芝居の面ではどうですか? 学ぶことはたくさんあった?

 これまでももちろんですが、2019年はありがたいことに、特に作品やキャラクターとの出会いが多かったので、学ぶこともたくさんありました。

――私は『女子高生の無駄づかい』で富田さんが演じられていたヤマイのお芝居が好きでした。

 本当ですか!? ありがとうございます! 『女子無駄』のヤマイはそれまで演じたことがないくらいの振り切ったキャラクターで……。いかに遊べるか、というのがアフレコでの課題でした。現場では(バカ/田中望役の)赤﨑千夏さんや、(ワセダ/佐渡正敬役の)興津和幸さんをはじめとする先輩方が「こうくるのか!」というお芝居をされているのを目の当たりにして、毎日研究しながらお芝居に臨んでいました。あと、いま声優活動をはじめてから5年目になるんですけども、先輩はもちろん、後輩からも学ぶことが増えましたね。

――後輩も増えてきましたよね!

 そうなんですよ! 私より年下の子が現場にいるんです。ビックリ!

――先輩からも後輩からも能動的に学ぼうとする……芝居に対して真摯に向き合っていることが伝わってきます。

 単純に芝居が好きなんですよね。どの仕事も好きなんですけど、アフレコをしているときが本当に楽しい。しかも、お芝居って、日々の生活で感じていることが活かせるんですよね。

 ……誰かから怒られて落ち込んだり、いやだなーって気持ちになったりすることで終わらせるのではなく、その気持ちを覚えておいて、もしそういうシーンが今後の作品で出てきたときに表現しよう、芝居しよう……。これは、TVアニメ『メイドインアビス』の現場で伊瀬茉莉也さんから教えてもらったことです。お芝居に生かそうと思うと単純にストレスの発散になりますし、日々の生活で感じていることがお芝居として発信できるのがやりがい、といいますか、お仕事の楽しさにも繋がるようになるんですよね。上手くいかなくて「くそー!」って気持ちになるときもあるのですが、その分、自分の経験や感じたことをぶつけられる。このお仕事の楽しいところだなと思いました。

――休みの日も芝居のことを考えている?

 はい。お買い物に行ったときに周りの人を観察して、芝居に生かそうと思っています。

――音楽や芝居に対する向き合い方について教えていただきありがとうございました。先ほどもお話されていたように、これまではコンテンツありきの音楽活動が多かったと思います。ただ、アーティストで歌う場合は富田さん自身の名義となる。その点で感覚はこれまでと異なりましたか?

 全然違います。キャラクターを背負っていないこともあり、レコーディングのときに個性や自分の癖などの自分の歌い方を尊重してくださるんですよね。だから、今回は自由に伸び伸びレコーディングができたと思います。

――自身の個性や癖だと思っているところは?

 語尾がしゃくりがちになる癖があります。このしゃくりは、これまでキャラクターとして歌ううえで取り除かないといけない部分でしたが、今回は「それを全部出してください、個性になるので」とディレクションしていただきました。もう富田美憂全開です(笑)。

――そういう意味でも自分らしさを出せた?

 出せたと思います!

――デビューシングルには「Present Moment」「Ageha Twilight」の2曲が収録されます。こちらはどのようにして決まりましたか?

 何百曲あるなかからマネージャーさんと私が意見交換をしながら、最終的に日本コロムビアの担当さんやマネージャーさんと決めていきました。実はこの2曲は、満場一致で決まったんです! それくらいはじまりにふさわしい2曲だと個人的には感じています。

――では、それぞれの曲についてお話をうかがいます。まずは表題曲の「Present Moment」。こちらはご自身も大野翠役で出演されているTVアニメ『放課後さいころ倶楽部』のテーマ曲ですね。作品の想いも乗せていらっしゃる?

 はい。レコーディングをアニメのアフレコが数話進んだ段階でやったので、作品の雰囲気などを理解しつつ臨めました。また、この曲は(『放課後さいころ倶楽部』の主人公である) 武笠美姫ちゃんの背中をみんなで押していく様子だったり、夢に向かってひたむきに頑張っていく様子が歌詞でも表現されているので、そういう意味でも作品を意識して歌いました。

――作品のオープニング曲を自身の名義で担当して、作品でのキャラクターの声も担当する。これまでにはない経験ですよね。

 何だか不思議な感覚でした! この前、作品の先行上映会があったのですが、キャストが登場する時に「Present Moment」が流れたんです。そのとき「あっ!」って嬉しい気持ちになりました。昔から私のことを応援してくださっている方々も拍手と併せて頷いてくださっているのが見えたんです。それがとても嬉しかったです。

――ファンの方も思いは一入だと思います。

 ありがたいお話です。

――先ほども少しディレクションのお話がありましたが、その他、レコーディングで言われて印象に残っていることを教えてください。

 いい意味で荒々しく、というディレクションを受けました。デビューシングルだからこそ出せるフレッシュさや初々しさ、完成されていない感じが逆にいい、そこにあるエモさを出そうという話になりました。

――なるほど。「Present Moment」はMVの撮影も行われています。こちらはいかがでしたか?

 すごく楽しかったです! MVは、過去の閉じこもっている自分の背中を今のアーティストとしての自分が推すということがコンセプトになっています。そのため、今回は自分と容姿が似た役者さんに来ていただいて、画面に過去の自分と今現在の自分が存在する、という形で撮影しました。私も昔は自分に自信がなくて、「自分なんか……」って思うこともあったし、声も嫌だなって思うこともありました。コンプレックスだらけで、性格も暗かったんです。だからこそ、このMVのコンセプトに共感できました。また、イラストを描くのが好きなのですが、MVのなかには過去の自分が未来の自分を夢見て絵を描く、というシーンがあります。自分の特技をMVに盛り込んでいただいて、楽しく収録できました。

――一方の「Ageha Twilight」はどのような楽曲でしょうか。

「Ageha Twilight」は意志の強さなどは「Present Moment」と似たところがありますが、曲調としては真逆です。「Present Moment」はさわやかで疾走感のある曲に仕上がっているのに対して、「Ageha Twilight」は凛とした強さがある、少し重厚感があって、オシャレでカッコいい曲だと思います。色で表現するなら、「Present Moment」が白やピンク、「Ageha Twilight」が青や赤や紫系の強いカラーですね。

――レコーディングはいかがでしたか?

 こちらも自分の歌声の強さを前面に出していけたらいいなと思いながらレコーディングしました。この曲は坂井竜二さんが、ソロデビューに対する決意をコンセプトに詞を書いてくださったんです。私の成長や決意を、生まれてきて、さなぎになって羽ばたいていく蝶とリンクさせているのですが、それがオシャレでカッコいい!

――お話をうかがっていると今回は2曲とも成長や今後の活動への決意がテーマになっていそうです。

 そうですね。どちらも成長や目標、夢をテーマにしつつ、曲調を変えることで二面性と言いますか、ギャップみたいなものが表現できればいいなと思っています!

――念願のソロデビューを果たしましたが、今後、アーティストとしても活動するうえで大切にしていきたいことは何でしょうか?

 目標は「人の心を動かせるようになること」。「Kleissis」でライブを行ったとき、目の前で泣いてくださる方がいらっしゃったんです。自分の歌が心に響いたと思えて、嬉しくなりました。また、私自身も『うた☆プリ』を観ていて、歌で人の心を動かせる方って本物だと思ったんです。だから今後、私の歌が夢に向かっている人の背中を押す、辛いときにちょっとだけでも救ってあげられるお手伝いができる、感動していただける……と、心を動かせるものになればいいな。そういう歌を届けられるアーティストになりたいと思います!

――本日のお話をうかがっていて、富田さんは「感情」をとても大切にされていると感じました。

 あー、しているかもしれないです!

――それがお芝居にも歌にも生かされているんだろうなと思いました。

 これからも、そうなるように頑張っていきたいと思います。

――本日はありがとうございました。最後に富田さんにとって、アニメ・歌・声優というのは、今どのような存在でしょうか?

 全部に一貫して言えるのは人生そのもの。アニメや音楽に出会えていなかったら恐らく今の私はいないと思います。自分に自信をくれたのも歌やアニメですし、夢をくれたのはアニメや歌や声優さんです。私の人生において欠かせないものですね。

プロフィール
富田美憂【とみた・みゆ】11月15日生まれ。埼玉県出身・アミューズ所属。主な出演作は『アイカツスターズ!』虹野ゆめ役、『メイドインアビス』リコ役、『となりの吸血鬼さん』ソフィー・トワイライト役、『ぼくたちは勉強ができない』緒方理珠役、『Z/X Code reunion』月形由仁役 ほか。

「Present Moment」概要
発売日:11月13日(水) ※TVアニメ『放課後さいころ倶楽部』OPテーマ
料金
初回限定盤【CD+DVD】1800円(税抜)


通常盤【CD】1200円(税抜)


【CD収録内容】
1.Present Moment   
作詞:金子麻友美 作曲・編曲:睦月周平
2.Ageha Twilight   
作詞:坂井竜二 作曲・編曲:GRP
3.Present Moment(Instrumental)  
4.Ageha Twilight(Instrumental)
【DVD収録内容】
Present Moment Music Video/Music Videoメイキング映像

イベント情報
*フリーイベント
開催日時:2019年11月15日(金)19:30~
会場:お台場ヴィーナスフォート 2F教会広場
※その他東京・名古屋・大阪・札幌でリリースイベント開催

 富田美憂 日本コロムビア公式サイト
https://columbia.jp/tomitamiyu/
富田美憂 公式Twitter 
@miyju_tomita
富田美憂 STAFF公式Twitter  
@miyustaff

《超!アニメディア編集部》
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