声優の夏川椎菜初となる連作短編小説『ぬけがら』の発売を記念した「夏川椎菜小説『ぬけがら』発売記念イベント”ぬけがらのなかみ”」が、2019年10月20日、東京・LOFT9 Shibuyaで開催。当日は、夏川本人による短編小説の朗読や担当編集の大野氏とのトークショーも行なわれ、集まったファンを楽しませた。
イベントは、本書に収録されている短編小説のひとつ「タカビシャとパッチ」の朗読からスタート。本作では、学内コンクールで知り合った、写真家志望のタカビシャとデザイナー志望のパッチ、ふたりの女子のやりとりがちょっぴり切なく描かれている。夏川は、登場人物のふたりをうまく演じ分けながら読み進めていく。目をつぶると情景が思い浮かんでくるような臨場感溢れる朗読であった。
トークパートでは編集担当の大野氏が登場。まずは、イベント限定のコラボドリンクとして販売されていた「銭湯の珈琲牛乳」と「ぬけがらむね」を手にしての乾杯が行なわれた。その後のトークは、制作に携わった関係者から贈られたコメントの紹介を交えながら進行していった。また、トーク中は夏川自身が作成した『ぬけがら』の人物相関図のプロット版や大野氏が赤入れした原稿などもモニターに映し出しながら紹介。制作の際、デザイナーから「どんなものを食べるんですか?」と聞かれた夏川が「とにかくラムネが好きです」と答えたら「ラムネだけだと心配です……」と本気で心配された、というエピソードなど、裏話も披露された。
さらに、「音声付き特別版」に収録されている「初恋のシャンプー」の朗読音声をスタジオで収録した際には「改めて自分の書いたものを見つめ直す機会になりました。本作の新しい側面が見えてよかったです」と語る夏川。一方の大野氏は「登場人物の本心を生々しくを入れたことで感情移入しやすくなり、読者が夏川椎菜さんになれるような作品になったのではないでしょうか?」と評していた。なお、夏川は一度方向性が決まるとファミリーレストランに缶詰め状態で書き上げることが多く、スマホを使って小説を書くという。そのスタイルに大野氏は驚いていた。
イベントでは発売を記念して、本作に収録された作品を「応援朗読」してくれた声優の伊藤美来、鶴岡聡、寿美菜子からのメッセージも紹介。夏川は、「みなさんの朗読があって『ぬけがら』が完成したんだな、と思います。声優という職業の尊さが分かりました」と感謝しきりだった。
トークコーナーの後半に行われたのは、来場者から募った質問に応えるコーナー。「今後挑戦してみたいジャンルは?」という質問には「ミステリー作品をいつも読んでいて、完成させることができたらさぞかし気持ちがいいと思うので、『日常×ミステリー』という形でいつか書いてみたいです!」と力強くコメントした。
イベントの終盤にはふたたび朗読を実施。本の最後に収められている「エピローグ」の朗読を客席へプレゼントした。そして、最後は集まってくれたファンに向けて感謝の気持ちを伝え、大きな拍手の中でイベントは幕を閉じた。
『ぬけがら』[音声付き特別版](1,200円+税)はReader Storeにて独占配信中、通常版(500円+税)はkindle他主要電子書籍ストアにて配信中。なお、本書はReader Storeの人気ランキング(デイリー/ウィークリー)にていずれも1位を獲得している。
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取材・執筆/佐伯 敦史
【夏川椎菜 小説「ぬけがら」概要】
・小説『ぬけがら』[音声付き特別版]
10月6日よりReader Storeにて独占先行発売中
著者:夏川椎菜
価格:1,200円+税
発売元:株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント
・小説『ぬけがら』[通常版]
10月11日より主要電子書籍ストアにて順次配信中
著者:夏川椎菜
価格:500円+税
発売元:株式会社ソニー・ミュージックエンタテインメント
収録内容>
プロローグ/ 初恋のシャンプー/ 匿名銭湯小噺/タカビシャとパッチ/私と孫の古時計/エピローグ
「夏川椎菜オフィシャルブログ ナンス・アポン・ア・タイム!」
https://ameblo.jp/natsukawashiinablog/
Reader Store 公式サイト
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