『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』アフレコ時の裏話を平川監督・林勇・小澤亜李が語る【インタビュー】 | 超!アニメディア

『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』アフレコ時の裏話を平川監督・林勇・小澤亜李が語る【インタビュー】

数多くの名作アドベンチャーゲームを世に送り出したゲームデザイナー・シナリオライターである、故・菅野ひろゆき氏の代表作が原作のアニメ『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』。主人公・有馬たくやのもとにリフレクターデバイス …

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 数多くの名作アドベンチャーゲームを世に送り出したゲームデザイナー・シナリオライターである、故・菅野ひろゆき氏の代表作が原作のアニメ『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』。主人公・有馬たくやのもとにリフレクターデバイスが届き、数奇な運命を辿ることとなった物語は現在、たくやが大人になり、さらに奇妙な謎に巻き込まれる「異世界編」へと突入した。

 超!アニメディアでは、主人公・有馬たくや役の林勇、たくやの娘であるユーノ役の小澤亜李、監督を務める平川哲生にインタビュー。現世編を振り返っての感想から異世界編の見どころ、またたくやへの思いなどを語っていただいた内容を全3回に分けてお届けする。第2回目は「異世界編」のことを中心にうかがった内容を紹介。


――『YU-NO』の「異世界編」も話が進み、ようやくユーノが登場しました。

小澤 今まではサブタイトルを言うだけの役割でしたからね(笑)。

――「異世界編」が始まったときの率直なお気持ちをお聞かせください。

小澤 赤ちゃんのユーノから演じることができて貴重な経験を積むことができました。あとは、ようやくアニメの世界でユーノが登場して皆さんと一緒に作品を作っていける、それが楽しみ!という気持ちが強かったです。

監督 ゲームとアニメでユーノを演じるうえでの違いは感じますか?

小澤 本質は一緒なんですけれど、アニメはゲームのとき以上に表情が細かく描かれています。また、掛け合いがゲームとは違うことがあるので、アニメはアニメならではの感情の作り方をしないといけないと思いました。ただ、11歳くらいの純粋さ、無邪気さというのに変わりはないので、そこは念頭に置いて演じています。

――なるほど。対する林さんは第1話からずっと物語の主軸にいます。「現世編」と「異世界編」を演じるうえで意識される点に変化はありましたか?

 一学生だったところから旦那になり、結婚して父親にもなりと環境が変わっているので、そこは意識した点でもあり苦戦したところでもあります。というのも、実際に僕自身は父親になったことがないですし、父性を感じたことがなかったので、手探りというか、自分にない感情をどうにかして引き出さないといけないと思って。だから、結婚している友達と遊ぶとき、子供とどういうやり取りをしているかを集中して見ることで、どうにか芝居に繋げようとしました。ただ、いざマイク前に立った時、小澤さんが演じるユーノがかわいらしくて、健気で素敵だったので、無理に「父親にならなきゃ」と考える必要はないなと思ったんです。そこからは言葉のキャッチボールを大事にすることを意識しました。マイク前に立った時、小澤さんが守ってあげたくなるユーノを演じてくださったので、そこに素直に乗っかった感じです。

――監督は林さんの芝居で変化したと感じるところはありますか?

監督 最初は、自分に向けて語り掛けるセリフが、誰かに向けて語り掛けているようになっていたので、「自分に向けてください」とディレクションすることがありましたが、最近はなくなりました。普通に受け入れられるようになったんです。むしろ、「たくやはこういう風に言うんだろうな」と感じられるようになってきて、それがたくやの成長とリンクしていると感じました。話数が進むにつれて林さんがたくやを掴んできたのが芝居から伝わってきたんですよね。

――林さんご自身としてもたくやを掴んできたという感触はありましたか?

 100%の答えは見つからないのですが、やってきて馴染んできたという手ごたえはありました。役者として周りの人たちの芝居をみて学べるところは学ぶ、なるべく吸収してやろうという気持ちは一生消えません。今回は初めての主役なので、なおさらです。一話一話無駄にせずに歩いてきた証が手ごたえになったのかなと思います。

監督 第1話では、たくやが結城(正勝)と喋っているときと、たくやが澪に喋っているとき、だいたい同じような語り掛け方をしているんです。ところが、今は全然違う。たくやがユーノに喋っているときと、アマンダと喋っているときでは語り掛け方が違うんですよ。林さんのなかで、たくやはこういう人とはこうやって喋るんだろうな、というのが掴めたんじゃないかな。

 今回、練習をいっぱいしてからアフレコに臨んだので、最初は「たくやはこうやって喋るんだ」と固定観念を作りこんでしまって、頭でっかちになっていたのかもしれません。周りの人の声を聞くより自己完結するという意識が強かった。その気迫みたいなのが空回りしちゃって最初は固かったのかもしれないです。芝居をするときって、本来は言葉のキャッチボールのなかでひらめきが起きて物語を作っていくというのが一番いい空気感だと思うんですよね。自分は頑張りすぎると空回りするんだなということを36歳になって改めて痛感しました。なので、この作品には感謝です。とても大きな経験となりました。

――役者としても1ステップ、2ステップ成長できた?

 ですかね!?

監督 間違いないと思いますよ。

――対する小澤さんは「異世界編」より登場していきなりユーノ感を出さないといけなかったと思います。そのあたりのプレッシャーは感じましたか?

小澤 そうでもなかったです。どちらかというと第1話の後半で一言「ユーノ」と言うほが緊張しました。第1話ではAパートを丁寧にアフレコしていたので、Bパートを収録するまで結構時間があったんですよ。だから周りの方々も気を遣ってか「お待たせしました」「やっとだね」なんて声をかけてくれて。でも、それが逆に「ここでミスっちゃいけないな」ってプレッシャーになっちゃったんです。「異世界編」はユーノが早くに登場しますし、セリフもそれなりにあるので、そういうプレッシャーを感じずにのびのびと芝居ができていますね。

監督 一言ってなかなか難しいですよね。

小澤 そうなんです! しかも、私のなかでは幼いユーノのイメージが強かったのに、第1話では大きいユーノの芝居をしないといけなくて……。慣れない中で迷っていたところもあったのですが、「異世界編」では幼少期のユーノが登場なので、そういう点でも役を掴みやすかったです。


――芝居のお話に続いて、アフレコ現場の雰囲気についても教えてください。

監督 ゲームとは違う距離感を掴むのに時間がかかっているという感じはありましたが、アフレコ自体は順調に進んだ気がします。作品によっては第1話を録り切れずに次に持ち越しなんてときもありますが、そんなことはなかったですからね。

 よかった!

――「現世編」と「異世界編」では雰囲気は異なりますか?

 どうでしょう? どっちがどうということは感じていませんが、個人としては一応座長という立ち位置なので、途中からアフレコに参加される方に極力声をかけることは意識していました。出来上がった空気の現場って緊張してしまうんですよね。そういう空気でストレスは感じてほしくないと思っていたので、新しく来るキャストさんには声をかけるようにしていました。

小澤 確かに! 声かけられた。

――そんな小澤さんは第1話に登場して「異世界編」でアフレコに戻ってきましたが、雰囲気はどう感じましたか?

小澤 特に雰囲気は変わっていなかったと思います。ただ、第1話のときはキャストがたくさんいらっしゃったのですが、それよりはコンパクトになっていたので、物理的にスムーズな動きができたかな(笑)。あとは(音響監督の) たなか(かずや)さんが「るんたん、るんたん♪」みたいな感じでアフレコブースに入ってくるのが楽しい! たなかさんは可愛らしいのでもっとたくさんお話がしたいです。

監督 見た目からキャラクターっぽいもんね。

小澤 ですよね!

監督 たなかさんのディレクションってどうですか?

小澤 時間が経つと集中力って落ちてしまいがちですが、たなかさんの優しさや温かさみたいなところで頑張れます。

監督 なるほど。僕はたなかさんをすごく信頼しているんですよね。というのも、初監督作品で音響をやっていただいたのがたなかさんだったんです。

 そうなんですか!

監督 当時、音響が全くわかっていない状態だったので、すごく助けてもらいました。今回、2クールの作品で話も複雑な『YU-NO』も絶対に大変になるので、「たなかさんしかいない」という感じでお願いしました。

小澤 そうなんですね! じゃあ、ディレクションとかでも気持ちは同じだったんですか?

監督 そうでもないですよ。

 (笑)。

監督 「たくや、もっとここは強くでるんじゃないですか?」「いやー出ないよ」とかブースの向こうで口論しています(笑)。でも、たなかさんのことを信頼していますし、自分の色を持っていらっしゃいますので、最終的にはお任せしています。


 次回はネタバレありの『YU-NO』の見どころやたくやに対するそれぞれの想いについてお話をうかがう。

アニメ『この世の果てで恋を唄う少女YU-NO』情報
【放送情報】

AT-X:毎週火曜23時~
TOKYO MX:毎週水曜22時~
ABCテレビ:毎週水曜26時46分~
BSフジ:毎週木曜24時~
メ~テレ:毎週土曜26時44分~
※放送日時は、都合により変更になる場合があります。
【スタッフ】
原作:菅野ひろゆき/MAGES.
監督:平川哲生
キャラクターデザイン:大塚舞
助監督:松下周平
サブデザイン/小物設定:藤崎賢二/枡田邦彰/村山公輔
美術監督:坂上裕文/加藤浩
美術設定:加藤浩
美術背景:ととにゃん
色彩設計:宮脇裕美
撮影監督:難波史
撮影アドバイザー:中村雄太
編集:丸山流美
音響監督:たなかかずや
音響制作:東北新社
音楽:ヨナオケイシ/高見龍/Evan Call/川村竜(BPS Studio)
音楽制作:MAGES.
OP・ED作詞・作曲:志倉千代丸
アニメーション制作:feel.
プロデュース:GENCO
製作:PROJECT YU-NO
【キャスト】
有馬たくや:林 勇
ユーノ:小澤亜李
波多乃神奈:内田真礼
一条美月:大西沙織
島津澪:釘宮理恵
武田絵里子:小林ゆう
朝倉香織:前田玲奈
有馬亜由美:名塚佳織
龍蔵寺幸三:楠 大典
結城正勝:藤原祐規
豊富秀夫:江口拓也
【新作ゲーム情報】
発売日:発売中
機種:Nintendo Switch™、PlayStation®4、PlayStation®Vita
価格:通常版 6,800円(税抜)ダウンロード版 6,000円(税抜)
※PlayStation®4版、PlayStation®VitaのDL版は9月2日までサマーセール価格4860円(税抜)にて販売中!
CERO:D(17歳以上対象)
【Blu-ray BOX発売情報】
発売日:8月28日(水) 
収録話:第1話~第8話 
価格:¥21,000+税
【初回限定版特典】
◆PC-9800シリーズ版キャラクターデザイン・長岡康史   描き下ろし化粧箱BOX
◆リメイク版キャラクターデザイン・凪良 &アニメ版キャラクターデザイン・大塚舞 描き下ろしインナージャケット
◆「YU-NO」大解剖ブックレット~今までの「YU-NO」の歴史がここに~(32P)
◆幸せお風呂ポスター【亜由美】
◆書き下ろしオリジナルシチュエーションドラマCD
【映像特典】
CM&PV集
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(C)MAGES./PROJECT YU-NO

《超!アニメディア編集部》
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