アニメディア連載「シンカリオン制作日誌」第2回『新幹線変形ロボ シンカリオン』プロデューサー・鈴木寿広【インタビュー】 | 超!アニメディア

アニメディア連載「シンカリオン制作日誌」第2回『新幹線変形ロボ シンカリオン』プロデューサー・鈴木寿広【インタビュー】

1月から放送2年目へと突入した『新幹線変形ロボ シンカリオン』。最近知ったという人にも作品の魅力をわかりやすくお届けする「新幹線変形ロボ シンカリオン応援連載 全速前進!こちら鉄分給配所」が、「アニメディア」にて連載中 …

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 1月から放送2年目へと突入した『新幹線変形ロボ シンカリオン』。最近知ったという人にも作品の魅力をわかりやすくお届けする「新幹線変形ロボ シンカリオン応援連載 全速前進!こちら鉄分給配所」が、「アニメディア」にて連載中。そのなかで、制作に携わる関係者に話を聞いた「シンカリオン制作日記」が掲載されている。第2回目はジェイアール東日本企画の鈴木寿広プロデューサーが登場。現場の裏話などを語ってくれているので、超!アニメディアでもご紹介する。


――まずは、『シンカリオン』ファンなら知る人ぞ知ると言っても過言ではない鈴木さんの自己紹介を、ぜひお願いします。
 『シンカリオン』には、TVアニメ化する前段階の企画から関わっております。2012~2013年ごろ、テレビ東京で放送された子ども向け番組『のりスタ!』で「新幹線の走行シーン」が非常に好評だったため、新幹線というコンテンツを活かすために「新幹線が変形するロボット」という企画を立ち上げ、コンセプトモデルの「Project E5」を制作し、2014年に開催された「東京おもちゃショー2014」で発表したんです。

――それが『シンカリオン』の前身ですね。
 ただ、新幹線という車両をキャラクターとして描くには「JR各社の許諾」が必要なんですが、当時JR各社は鉄道のキャラクター化については許諾してませんでした。当然、新幹線や電車に誇りを持っていますし、当時は新幹線をキャラクター化した前例もなかったのです。その後、ようやくJR東日本の許諾を得られたので「E5はやぶさ、E6こまち、E7かがやき」がタカラトミーの「プラレール『シンカリオン』シリーズ」として2015年に発売されました。そこから実績と信頼を作りあげていき、ほかのJR各社の許諾を得ることができました。大変でしたね。

――現在、TVアニメ『シンカリオン』では、どんなお仕事をされているのですか?

 放送枠・スポンサーの調整、宣伝やプロモーション、タイアップなどです。シナリオ会議にも参加します。原案者でもあるので、基本的には全ての部分に関与しています。またJR各社との調整も行ってます。それはビジネス面・許諾関係など多岐に渡ります。最近では、JR東海のCM「クリスマス・エクスプレス」のパロディを盛り込みたいというシリーズ構成の下山健人さんの希望をかなえてあげたくて、JR側の許諾を得ました。

――JR各社からシナリオのチェックでは、どんな指摘をもらうのでしょうか?
「この新幹線は、シナリオに書かれているような景色が見える場所は走行しないと思います」など、細かいチェックをいただいて「なるほど!」と気づかされたことがあります。

――2年目に突入したTVアニメ『シンカリオン』ですが、1年を振り返っての感想は?
 3年間の玩具とプロモーション映像での展開で、子どもたちにはなんとなく認知されていたのですが、TVアニメが始まると一気に認知度が広がりました。TVアニメのパワーを感じましたね。でも、まだまだだと思っていますし、これで終わらせません。


――印象に残っているエピソードは?
 1話かな。マルタイ(マルチプルタイタンパー・鉄道保線車両)の保線作業から始まる冒頭シーンに「鉄道車両をリアルに描く。新幹線ときちんと向き合っていく」という作品のメッセージを感じました。アニメの1話でこんな始まり方はなかなかないと思いますね。

――最近のエピソードではいかがですか?
 科学産業省の官僚でフタバの婚約者・倉敷ヤクモのモデルは僕なんです(笑)。僕のほうから出たがったわけではなくて、下山さんのアイデアですよ。また53話でコラボレーションした「Suicaのペンギン」は、絵本作家・イラストレーターのさかざきちはるさんの「ペンギン」というキャラクターをJR東日本がICカード「Suica」のプロモーション用に使用しているんです。なのでJR東日本を介して許可をいただいています。

――シンカリオンの運転には「鉄分」が大切ですが、鈴木さんが考える『シンカリオン』という作品の「鉄分」とは何でしょう?
 「新幹線に対するリスペクト」でしょうか。新幹線は、ビジュアルもかっこいいし、日本文化として自慢できると思うんです。『シンカリオン』に関わって「新幹線ってすごい」と本当に実感しました。「新幹線へのリスペクト」は、企画立上げ時に『シンカリオン』に関する企画書を提出するにあたり、JR各社への送付状の挨拶にしたためた言葉でもあります。『シンカリオン』という作品は、企画段階から新幹線と真摯に向き合っていると言えるかもしれません。

――読者へメッセージをお願いします。
 これまでいろいろなコラボレーションでびっくりさせてきましたが、今年もそうしたものをいっぱい盛り込んでいくつもりですのでお楽しみにしてください。コラボレーションのネタとしては、僕が個人的にやりたいこともあります。実現するかどうかは分かりませんが、ヒントは「新幹線のリベンジ」です(笑)。

取材・文/草刈勤

<TVアニメ『新幹線変形ロボ シンカリオン』情報> 
TBS系全国28局ネットで毎週土曜あさ7時~7時30分放送中!

◆ストーリー 
鉄道博物館、京都鉄道博物館、リニア・鉄道館の地下深くに存在する特務機関「新幹線超進化研究所」は、“漆黒の新幹線”が生み出す巨大怪物体から日本の未来を守るため「新幹線変形ロボ シンカリオン」を開発した。「シンカリオン」とは、実在する新幹線から変形する巨大ロボット! その「シンカリオン」と高い適合率を持つ速杉ハヤトら子どもたちが運転士となり、研究所員ら大人たちと力を合わせて強大な敵に立ち向かう! 果たして“漆黒の新幹線”の目的は・・・!? 子どもたちは日本の未来を守れるのか・・・!? チェンジ! シンカリオン!

◆スタッフ 
監督 池添隆博 
シリーズ構成 下山健人 
キャラクターデザイン あおのゆか 
メカニックデザイン 服部恵大 
音楽 渡辺俊幸 
音響監督 三間雅文 
アニメーション制作 OLM 
アニメーション制作協力 亜細亜堂 
CGアニメーション制作 SMDE 
制作 小学館集英社プロダクション 

◆声の出演 
速杉ハヤト 佐倉綾音 
男鹿アキタ 沼倉愛美 
大門山ツラヌキ 村川梨衣 
シャショット うえだゆうじ 
上田アズサ 竹達彩奈 
速杉ホクト 杉田智和 
三原フタバ 雨宮 天 
出水シンペイ 緑川 光

公式サイト 
http://www.shinkalion.com/ 

公式Twitter 
@shinkalion 

シンカリオンTV 
http://www.shinkalion.com/movie/

©プロジェクト シンカリオン・JR-HECWK/超進化研究所・TBS

《超!アニメディア編集部》
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