Cö shu Nieが『約束のネバーランド』のED2曲を収録したシングルをリリース!「聴く人によって歌詞の解釈が違って面白いです」【インタビュー】 | 超!アニメディア

Cö shu Nieが『約束のネバーランド』のED2曲を収録したシングルをリリース!「聴く人によって歌詞の解釈が違って面白いです」【インタビュー】

「絶体絶命」に続き「Lamp」がTVアニメ『約束のネバーランド』のEDテーマとして好評のCö shu Nieが、両曲を収録したダブルAサイドシングル「絶体絶命/Lamp」をリリース。その制作秘話を聞いたインタビューが …

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  「絶体絶命」に続き「Lamp」がTVアニメ『約束のネバーランド』のEDテーマとして好評のCö shu Nieが、両曲を収録したダブルAサイドシングル「絶体絶命/Lamp」をリリース。その制作秘話を聞いたインタビューが、『アニメディア4月号』に掲載されている。「超!アニメディア」では、本誌記事内ではお届けしきれなかった部分も含めたインタビュー全文をご紹介する。

■パンクと『眠れる森の美女』がルーツ!

ーー昨年の『東京喰種トーキョーグール:re』のOPテーマ「asphyxia」に続き、パンチのある作品とのタイアップが続いています。

松本駿介 人が食べられる系ですね(笑)。「週刊少年ジャンプ」の連載でたくさんの人が読んでいる原作のアニメなので、「読んでいるよ」って言ってくれる人も多いです。

藤田亮介 僕ら自身も、アニメ化が決まる前から読んでいました!

松本 バンド仲間から「めっちゃ面白い漫画がある」と薦められ、読んだらすごく面白くてハマってしまって。

中村未来 それを(松本から)教えてもらって、私も読んだら面白くて。

松本 僕らがEDテーマを担当することが決まる前は、「アニメ化されたら絶対に観ないと!」と思っていたんです。

藤田 だから、EDテーマに決まったときはびっくりしました。

ーー『約束のネバーランド』(以下、『約ネバ』)の面白いところや、好きなキャラクターは?

藤田 原作コミックで、エマが足を折られるところは衝撃的でした。

中村 エマは身体能力の高さが特徴のキャラクターなのに、それを封じられたら絶望中の絶望です。ライブの直前に、ドラマーがスティックを取り上げられるようなものですよね?

藤田 絶望ですよ。口でドラムを歌うしかないですね(笑)。

松本 ストーリーもそうですけど、心理描写と絵の描写が細かくて、ブーツのひもまで繊細に描き込まれています。その両方があるから、物語に没入できるんだと思いますね。

中村 表情もすごいし、展開もハラハラしっぱなし。

松本 クローネの表情はヤバイ。「怖っ!」って(笑)。アニメになって動きがついて、原作コミックとは違った怖さがあります。

中村 頭が良すぎて自分に与えられた役割がわかってしまう、そんな大事なもののために命を燃やすノーマンの生き方や、みんなを守りたいと思う、エマの気持ちもわかります。大事なものを守ろうとして、自分を犠牲にしようとするところは、胸がギュッとなります。しかも命がかかった絶望的すぎる状況からの、極度のハラハラとドキドキ。子どもだからこそ突き進んでいけるパワーがあると思います。

ーー「絶体絶命」は、アニメ前半のハラハラドキドキの展開や、エマたちが置かれている状況とぴったり。「Lamp」からは救いが感じられて、この先に希望を感じる楽曲。アニメの前半・後半で、考えて作ったのですか?

中村 じつは、「絶対絶命」(1~8話ED)より先に「Lamp」(9話~ED)が出来ていたんです。『約ネバ』のために何曲か作り、最後に書いたのが「絶体絶命」です。最終的にこの2曲を聴いていただいたら、それぞれ前半と後半の展開にピッタリだということで、2曲とも採用していただきました。異例のことだそうで、こんな奇跡のようなことがあるんだと本当に驚きました。

藤田 ちゃんとアニメのイメージに寄り添ってはいるけど、でも完全にアニメにだけ合わせたというわけではなくて。

中村 ちゃんと自分たちの曲であることも、意識して作りました。『東京喰種』のときもそうでしたけど、自分を一人称として真摯に歌うのが、聴いてくださる方といちばん近い距離になると実感して、ストレートに繋がるものにしたいと思いました。どちらもちゃんと、自分の心から生まれた言葉で書いています。

ーー「絶体絶命」は、まさにタイトルがぴったりです。

中村 少年マンガが原作のアニメのテーマ曲なので、簡潔に曲を表した題名にしました。

――イントロのベースや激しいドラム。ピアノも印象的で、ジャズトリオのような演奏がすごくかっこいいですね。曲作りはどのように?

中村 メロディーやバンドの大体の音構成を私がDTM(デスクトップミュージック)で作って、それをリズム隊のふたりが聴いて、それぞれで細やかなところを仕上げて、少しだけ話し合ってまとめます。みんなで演奏しながらブラッシュアップさせていくのが楽しいです。ジャズトリオと言っていただきましたけど、ドラマーの藤田は、もともとジャズドラマーだったんです。

藤田 だからそういうふうに聴こえるのかもしれないですね。最近も、みんなでジャズのロバート・グラスパー・トリオを観に行ったばかりです。

中村 私はピアノをやっていたので、ルーツとしてクラシック音楽は根付いているかもしれないです。でも10代中頃のときはパンクやスカコアを結構聴いていました。

松本 僕のルーツもパンクです。でも、『眠れる森の美女』とかディズニー映画の音楽も好きで、ジャズにも通じる繊細さはそこから学びました。音にならない音、空気感、タイミング、リズム感、それらは完全にディズニー映画で学びました。

■エマのようになれたらいいなと思う

ーー「Lamp」は、少し明るい曲調です。歌詞は、エマの気持ちを表しているのかなと思いました。

中村 聴く人によって、エマの心境だったりノーマンの気持ちだったりと解釈が違っていて、すごく面白いと思います。きっと歌詞の一人称が、リスナーに合わせて、感情移入しているキャラクターやその人自身になって届いているのだと思います。それは『約ネバ』のキャラクターの魅力があればこそで、そこにリンクした歌詞が書けたのはうれしいです。

ーーじゃあ特にエマに限定したというわけではない?

中村

 相変わらず、自分の一部を切り取って書きました。でも、エマの気持ちには思うところがありました。(エマの)やさしさはある意味での甘さだけど、捨てられないものでもあります。それは私自身も過去に苦しい状況で自分の甘いやさしさに困ったことがあって。でもエマのようにまっすぐ進んでいけるのは、希望を見出せる強さがあるからこそ。私もエマのような強さを育てていけたらいいなって思います。

ーー「Lamp」は、行く先を照らす灯りのようなものの象徴ですね。

中村 奇跡みたいなことはそう起きないけど、少しでも灯りがあればそこに向かって進んで行けます。さんさんと降り注ぐ太陽のような灯りでなくていい、ほんのちょっと先を照らしてくれる灯りでいいんです。

ーーみなさんのなかで、道を指し示してくれるランプのようなものは?

中村 音楽の楽しさだと思います。3人とも音楽がとにかく好きで、そこが共通しているからいつもすごく仲良くいられるし、尊敬し合えます。音楽の話はいつまでしていても尽きなくて、そこに希望の光を見出しています。わからないことがあれば知りたいと思う探究心がある限り、進む方向はおのずと見えています。

ーー番組ではすでに「Lamp」が流れていますが、流れる前はどんな気持ちでいましたか?

松本 「みんなどういう反応をするだろう?」と、すごくドキドキしていました。気に入ってくれたらいいな、と。ストーリーのどのタイミングから曲が切り替わるか知らされていなかったので、どこから「Lamp」になるかのも楽しみにしていました。

ーーテレビから自分たちの曲が流れる瞬間は?

藤田 まだ慣れないです。

中村 EDで曲と一緒に流れるアニメの映像は、曲に合わせて作ってくださっているので、これはこれでまた別の作品という印象です。OPも同様で、曲と一緒に流れるアニメ映像には、いろいろなものが集約されているので、いつもワクワクします。

松本 初めて観るときは、毎回1分半息をするのも忘れて観入っています。仮にサンプルをいただいて先に観ていたとしても、リアルタイムで流れた瞬間は、ずっと息が止まったままです(笑)。

中村 『約ネバ』の1話を観たときは、衝撃的でした。アニメの展開もすさまじくて、そこにEDテーマがバッと流れたのは、すごい演出だと思いました。

ーーアニメと曲の相乗効果が、ちゃんと成立していましたね。

中村 アニメを彩る花として、私たちの曲が存在できたらいいなと思います。

ーーまたアニメ盤のジャケットは、エマが寝ているイラスト。それこそ『眠れる森の美女』のような。

藤田 すごくすてきです。

松本 イラストを描いてくださった中村章子さんは、アニメ『輪るピングドラム』を描いた方で、当時は絵のきれいさに衝撃を受けました。僕は、絵がアニメを観るきっかけになることが多くて、『輪るピングドラム』を観たのも、内容も面白さはもちろん、絵のクオリティーの高さに惹かれたことも大きな要因でした。その中村さんに描いていただけたのが、すごくうれしくて、こういうご縁もあるのだなと思ってすごく感動しました。

ーー松本さんは、アニメがお好きなんですね。

松本 はい。Cö shu Nieメンバーの中ではいちばん観ていると思います。

中村 私は刑事ものが好きで『PSYCHO-PASS サイコパス』は全部観ました。

藤田 僕もめちゃくちゃ『PSYCHO-PASS サイコパス』にハマっています。

ーー尖った作品が好きなのですか?

中村 そういったものばかりではないです。『日常』とか『よんでますよ、アザゼルさん。』などのギャグものも好きですし。両極端ですけど、もしも今後『日常』のような作品の曲を書けるチャンスがあったら、楽しんで書きたいです!

松本 『日常』のアニメも、絵が細かくて好きですね。僕は、初めてハマったアニメが『東のエデン』で、それからアニメをよく観るようになりました。『約ネバ』も『東のエデン』と同じ「ノイタミナ」の枠なので、そこでEDテーマを担当させていただけるということでも、めっちゃテンションがあがりました!

ーー4月にはライブツアー『Cö shu Nie Tour 2019“Daring Transition”』を開催。どんなライブにしたいですか?

中村 ツアータイトルは、虎視眈々と、と言うか……。「絶体絶命」の歌詞でも「時間が証明する」と歌っているのですが、まさしくそういう気持ちです。大胆な変遷だって、表面には見えていないところでそれぞれが自分を磨いて、積み重ねてやっと表面化します。たとえば今日という日は、今までの続きではあるけど、大きく変わっていて、これからも変わっていきます。それと同時に、何かを変えるには冒険的な勇気も必要で、そういうことを表現したくて、このタイトルにしました。

ーー音楽的な部分も変わってきていますか?

松本 何かひとつのジャンルをやりたいという気持ちはなく、その場のインスピレーションで毎回曲を作っています。特に初期は曲と曲との振り幅が広すぎて、セットリストを組むのも大変でした。でも曲を作っているのは中村なので、心臓部はまったく変わらない。中村が僕らにとっての希望の「Lamp」です。

藤田 ほんとうにそうですね。ライブは、Cö shu Nieらしく、一個一個完全燃焼できるようにしたいです。理想としては、僕らだけじゃなくスタッフさんとも結託して……。

ーー結託……悪巧みしているみたい(笑)。

中村 ライブは、“悪巧み”ですよ。人の心をさらおうっていうんですから(笑)。ツアーでは新しい試みも考えていて、挑戦することもあります。もっともっと引き込める、みんなの心をさらえるような、深く深くまで心が通じ合えるライブにしたい。お客さんにとっても、“Daring Transition”のきっかけになるような、心を揺るがせるようなものにしたいんです。

ーーでは最後に、今後はどんな活動をしていきたいですか?

中村 普遍的なものをベースにしながら、好奇心をあおったり面白いと思ってもらえるものをプラスしてやっていきたいです。人がハッとするものを見つけていきたい。今は決してひとりよがりではやりたくない。Cö shu Nieの世界にみんなを巻き込んで、深く繋がれるバンドになりたいです。みんなで楽しみたいので、『約ネバ』ともどもCö shu Nieのこともよろしくお願いします。

<プロフィール>
【コシュニエ】2012年にデビュー。作詞・作曲担当の中村未来(Vo/G/Key/Manipulator)、松本駿介(B)、藤田亮介(Dr)の3人組バンド。昨年『東京喰種トーキョーグール:re』のOPテーマ「asphyxia」が話題を呼ぶ。これまでにシングル2枚、アルバム1枚、ミニアルバム3枚をリリース。4月に全7公演のライブツアー『Cö shu Nie Tour 2019 ”Daring Transition”』を開催。

<シングル「絶体絶命/Lamp」情報>
発売中
Sony Music Associated Records
期間生産限定盤:2,160円、通常盤:1,296円

歪んだサウンドのベース、アグレッシブなドラム、繊細なピアノが三位一体になった「絶体絶命」はTVアニメ『約束のネバーランド』の1~8話のED。アニメ9話からのEDとなる「Lamp」は、明るく転調するサビに希望を見いだすアンセムソング。絶望的な状況でも力強く生き抜こうとするエマたちの心情と絶妙にマッチした2曲は、テクニカルな演奏も聴きどころである。

期間生産限定盤


通常盤


(取材・文=榑林史章)

 

 

《超!アニメディア編集部》
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