現在、放送中の『けものフレンズ2』の作品やキャラクターについて、木村隆一監督に聞いたインタビューが、「アニメディア3月号」に掲載されている。「超！アニメディア」では、本誌では紹介しきれなかったロング版を公開。気になるフレンズについて、語ってもらった。
わかりやすい物語のなかに多くの謎をちりばめる映像作り
――木村監督は『2』からの参加ですが、『けものフレンズ』という作品への印象はいかがでしたか？
以前のアニメ(以下『1』)は『アイカツ！』でお世話になっていたテレビ東京の細谷伸之プロデューサーが関わっていらしたので、拝見していました。コメディー寄りだけどもいろいろ考えさせられる作品で、「楽しそうなことをしているな」という印象でした。そうしたら細谷さんから「新作アニメを作るから手伝ってほしい」と依頼を受け、『２』の監督をやることになったんです。『アイカツ！』と同じく悪人が出てこないやさしい世界というイメージはあったので、自分としてはすごく入りやすかったですね。
――『2』を作るうえでのコンセプトは？
以前と制作チームが変わることもあり、「改めて視聴者の方々に『けものフレンズ』という作品の世界をいちから知ってもらう」ということを主題にしようというのは、早い段階から決めていました。なので、ジャパリパークのことを知らない（覚えていない）ヒトの子どもが、サーバルたちと一緒に冒険するという物語の基本構造は『1』を踏襲したんです。細谷さんからは「大人向けの作品だけど、子どもも楽しめるような内容にしてほしい」という注文がありました。そこで、お話自体は子どもでもわかりやすいものにしつつ、セリフ回しを工夫したり、背景にいろんなネタを仕込んだりしながら、大人が観ても満足できる作品を目指しています。
――『2』でも各話にいろんなフレンズが登場します。登場するフレンズはどのように決めていったのですか？
本作ではまずストーリー作りを優先して、キュルルたちがどんなルートをたどって冒険するのかを最初に決めました。その後、たとえば水辺ならこんな動物がいるだろうと想像し、シリーズ構成のますもとたくやさん主導で具体的にどのフレンズを出すか決めていきました。コンセプトデザインの吉崎観音さんからの要望やプロデューサーのアドバイスを受けて、登場フレンズを決めた箇所もありました。
――今作ではキュルル、サーバル、カラカルの3人で冒険しています。この3人をメインにした理由は？
今までにない新鮮な視点を持ち込むため、カラカルに入ってもらったんです。サーバルはおおらかでのんびりしていますけど、カラカルはいわゆるツンデレ的な性格で、物語のうえでは貴重なツッコミ役として活躍してくれています。キュルルも受け身タイプなので、2話なんか、カラカルがいなかったら誰が話を回すんだろうという感じでしたよね（笑）。とてもバランスのいい3人だと思っています。
――キュルル、サーバル、カラカルそれぞれの印象を教えてください。
サーバルは周りを明るくしてくれる、とても元気なフレンズです。映像作りのうえでもサーバルらしさが出るよう、仕草などには気を使って作ってもらっています。カラカルは表情が豊かなので、動かしていて楽しいフレンズですね。キュルルは文系ですけど、子どもらしく活発なところもある子なので、そのバランスをうまく表現しなければと思っています。演じている石川由依さんは繊細な表現が得意な人なので、とても助けられています。ラッキービーストは特徴を出すため、若干それぞれ口調を変えているんですけど、内田彩さんがうまく差別化し演じてくださいました。
――今回はいろんなラッキービーストが交代してキュルルたちを案内する、というのは『1』と違う点ですね。
もともとラッキービーストは、吉崎さんが設定としていろんな種類のものを描かれていました。せっかくだからいろいろ出したかったですし、ラッキービーストが交代するのは『1』と毛色を変えるための要素のひとつとしても機能するのではと思いました。
――オオセンザンコウとオオアルマジロがキュルルたちを追いかけるところは、『1』のアライグマとフェネックを連想させるところがありますね。
物語を掘り下げるため、探偵みたいなキャラクターを出したいと思い、オオセンザンコウたちにその役割を担ってもらっています。アライグマ、フェネックと同じく小野早稀さんと本宮佳奈さんに演じてもらっているのは、いわば“お遊び”の要素です。でもアライグマ、フェネックと立ち位置がまったく一緒ではなく、これからオオセンザンコウたちならではの動きを見せてくれるので、楽しみにしていてください。
――『2』のキービジュアルなどにも出てきているアライグマやフェネック、ＰＰＰは今後、本編に登場するのですか？
どうなんでしょうねえ（笑）。お楽しみにということで（笑）。とくにＰＰＰはアイドルなので、面白いことができるんじゃないかと思っています。期待してもらって大丈夫かなと（笑）。
――次回予告は、どうしてジャパリカフェになったのですか？
ＰＰＰを出しつつ『1』との世界の繋がりを見せたかったので、ジャパリカフェを舞台にしようと思いました。お茶は『2』の本編内でも、重要な要素になってくるので、注目していてください。あと次回予告のためだけに、けっこう豪華な声優の方々を呼んでいますので、そこもお楽しみに。
――1話の時点から『1』との関連性がいろいろ示唆されていて、いろんなところが気になっています。たとえば『2』のサーバルは、『1』と同じ子なのかとか……。
そのあたりは明言できませんので考察してほしいですけど、『1』のサーバルとなんらかのつながりがあると思っていただいて大丈夫です。4話の時点でだいぶ『1』との関連性が出てきましたが、5話以降ではさらに情報が出てくるので、考察もはかどるのではないかと思います。ただ、あまり前の話を意識しすぎると、『2』から初めてご覧になる方を置いてけぼりにしてしまうので、『1』を観ていなくても問題ない作りにはしています。
――それでは最後に、5話以降の見どころについておしえていただけますか？
5話と6話は、まさに衝撃の展開が待っています。よくも悪くも、みんなが驚く話になっているのではないでしょうか。5話のアフレコが終わったあと、声優の方々はみんな「次が気になる」っておっしゃっていました。みなさんもきっと同じような気持ちになるのではないでしょうか。7話以降ものんびりしているように見えて怒涛の展開が待ち受けています。制作は大変ですが、みなさんに面白く観ていただけるよう頑張りますので、今後も楽しみにしていてください。
〈TVアニメ『けものフレンズ2』情報〉
毎週月曜日26:05～テレビ東京、テレビ大阪、テレビ愛知、AT-Xにて放送
※放送時間は変更の可能性があります。
◆ ス タ ッ フ ◆
【原作・原案】けものフレンズプロジェクト
【コンセプトデザイン】吉崎観音（『ケロロ軍曹』他）
【監督】木村隆一（『アイカツ！』他 ）
【シリーズ構成・脚本】ますもとたくや（『ワンピース』他 ）
【CG監督】谷口英男
【音響監督】阿部信行
【音響効果】今野康之
【音楽】立山秋航
【アニメーションプロデューサー】 沼田心之介
【アニメーション制作】トマソン（『日本の昔ばなしシリーズ』他）
◆ キ ャ ス ト ◆
サーバル： 尾崎由香
フェネック：本宮佳奈
アライグマ：小野早稀
子供：石川由依
カラカル：小池理子
ラッキービースト：内田彩
＜ＰＰＰ（Penguins Performance Project） ＞
ロイヤルペンギン：佐々木 未 来
コウテイペンギン：根本流風
ジェンツーペンギン：田村響華
イワトビペンギン：相羽あいな
フンボルトペンギン：築田行子
『けものフレンズ』公式ホームページ
https://kemono-friends.jp/
『けものフレンズ』公式Twitter
＠kemo_project （推奨ハッシュタグ ＃けものフレンズ）
TVアニメ『けものフレンズ２』公式Twitter
＠kemono_anime
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