ホーキの操縦する宇宙船が墜落したことよって生命の危機に瀕していたかるな、沙羅、和美の3人。生命維持装置・りすぽーんによって九死に一生を得るも使用料を請求されてしまい、その完全着脱は“幸せコイン”を貯めて膨大な借金を返済しないと不可能だと告げられた――。
幸せコインを貯めて借金生活からの脱却を!
女生徒「わが校のシンボルでもある風車発電の出力が落ちてて……一度最大出力で回して確認をしたいんだけど――」
かるな「つまり風車をぶん回せばいいんだよね?」
女生徒「う、うん……そうだけど、あんた誰なの? それに、その格好は……」
かるな「皆まで聞くない!」
りすぽーんの使用料を返済すべく困っている人を探していたホーキとかるな。そこで2人は風車の点検に出ていた女生徒を見つけると早速親切の押し売りを始めていた。
ホーキ「かるなさん、風を発生させればいいのですよ。おあつらえ向きにかるなさんのりすぽーんは魔法みたいな力が使えますから、それでやっちゃいましょう!」
かるな「正体がバレるから名前を呼ぶなって! ……で、どうすればいいの?」
ホーキ「水と火を用意してください。その2つをその杖でミックスすれば風の魔法的な力が使えるはずです」
かるな「水はそこの川から汲んでくればいいか。で、えっと……火か。ホーキ何か持ってないの?」
ホーキ「このマッチなんてどうでしょう?」
かるな「おお、オッケー、オッケー! これをセットして……“マジカル・かるるん・サモンボレアス☆”って……きゃああぁぁぁ!」
謎の詠唱によって杖から発生した突風は、あたり一面を駆け抜けて風車を回しはじめる。
ホーキ「ぷぷぷ……なんですかそのセリフ☆ 杖に媒体をセットしてボタンを押すだけでいいのに、わざわざ呪文を考えてきたんですか? しかも“かるるん”……って☆」
かるな「い、いいでしょ! 雰囲気作りが大切なんだってっ!」
ホーキ「それにしても……今日も地味なおパンツ様ですね☆」
かるな「ば、ばかー! 見るなって!」
女生徒「すごいです! 風車、ブンブン回ってますよ! ほら、見てください! パンツが地味な魔法少女さん!」
かるな「呼び方―!」
こうして親切の押し売りによって善行を積んだかるな。後日ホーキの口座に振り込まれた幸せコインは、たったの2枚でした。原画/シノ屋(TENKY) 仕上げ・背景/isumi(TENKY)
原作/古里尚丈(おっどあいくりえいてぃぶ) 文/たなかつ
© おっどあいくりえいてぃぶ・たなかつ/ラキりすプロジェクト