映画『ドラゴンボール超 ブロリー』野沢雅子に聞く悟空の親子関係 -「悟飯と悟天は子供であり同志」【インタビュー】 | 超!アニメディア

映画『ドラゴンボール超 ブロリー』野沢雅子に聞く悟空の親子関係 -「悟飯と悟天は子供であり同志」【インタビュー】

『ドラゴンボール』史上最大級に“つえー奴”と言っても過言ではない「ブロリー」が登場することでも話題となっている映画『ドラゴンボール超 ブロリー』。ゴジータも登場することが明らかになるなど、これまでもワクワクするさまざま …

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 『ドラゴンボール』史上最大級に“つえー奴”と言っても過言ではない「ブロリー」が登場することでも話題となっている映画『ドラゴンボール超 ブロリー』。ゴジータも登場することが明らかになるなど、これまでもワクワクするさまざまな発表がされてきた本作が2018年12月14日(金)にいよいよ全国ロードショーとなる。

 今回は本作の見どころや『ドラゴンボール』の魅力をさらに深堀りすべく、孫悟空役であり、映画では悟空の父・バーダック役も演じた野沢雅子にインタビュー。演じてみての感想や本作のテーマのひとつとなっている親子関係などについてお話をうかがった。

ドラゴンボール超孫悟空役・野沢雅子さん

ブロリーとは新鮮な気持ちで戦う!

 ――映画『ドラゴンボール超 ブロリー』にはそのタイトル通り、約25年ぶりにブロリーが登場しますね。

ブロリーと最初に出会ったのがもうずいぶん前のことなので、すべては覚えてなくて……。ビデオを持っているので見れば当時のことを思い出すこともできたのですが、今回はあえて見ませんでした。というのも、ブロリーに対して新鮮な気持ちでいたかったんです。ブロリーがどんな奴かというのを事前に知っているのと、初めて相対するのではやっぱり印象が変わります。今回はちゃんと純粋な気持ちで「この野郎!」と思って戦いたかったんですよね。

――なるほど。では改めて今回ブロリーと戦ってみた感想を教えてください。

悟空としては根っからの悪い奴ではないと思いました。

――壮絶なバトルを繰り広げましたが、憎いという気持ちはない?

悟空は平和を願っている人ですから、どんなときでも憎いとは感じないと思うんです。今回のバトルも「みんなに迷惑がかかるからそんなことやったらダメだろ!」という想いで戦っていますから。

―― 一方で戦闘民族のサイヤ人らしく、強い奴と戦うことを楽しむ言動をすることもあります。

強い奴と戦えるからワクワクしちゃうんですよね(笑)。

――それも悟空らしいのかなと思います! 映画ではブロリー以外にもさまざまなキャラクターが登場します。野沢さんは本作でバーダックも演じられますよね。

バーダックを演じるのは久しぶりでした。演じる身としても登場すること自体にビックリしましたね。

――バーダックもですが、シリーズでは悟空の息子である悟飯や悟天も演じられています。それぞれどのように演じ分けていらっしゃるのですか?


よく聞かれるのですが、私は絵の中に入っていくタイプなので、演じ分けってことをあまり考えたことがないんですよ。例えば悟空が喋るときは悟空になるし、悟飯なら悟飯になる。バーダックも同じでバーダックのセリフを言うときはスッとバーダックが入ってくるんです。

――技術というよりも感覚的なものなんですね。本作ではアクションも多く、バトルでのセリフや叫びも多かったのではないでしょうか。

始まったら叫びっぱなしで、収録が終わったとき「私、セリフ言ったっけ?」と感じるくらいでした(笑)

――やっぱり疲れましたか?

私、役者になってから今日まで疲れってあんまり感じたことがないんです。

――すごい! それは普段から健康面で気を付けているから?

そこまで丹念に喉のケアをしているということはないんです。ただ365日やっていることはお風呂に入ってシャワーを出して喉に当てたり、鼻からぬるま湯を入れて口で吐き出したりしてうがいをすること。これをやったらホコリが取れた感じがするんですよ。とにかくその日についたホコリを取るということだけはするようにしています。

――それが野沢さん流のケアの仕方なんですね。

他の役者さんはもっとしっかりとケアをされていると思いますが、私はこれを続けています。面倒くさいと思って途中で止めちゃったらあまり意味がないので、ケアもとにかく続けるのが大事だと思います。

――ケアの仕方までお話いただきありがとうございます! キャラクターの面でいえば、本作からブルマ役を鶴ひろみさんに代わり久川綾さんが演じられています。久川さんの演技は鶴さんからバトンを渡されているとひしひしと感じて、まさにブルマだなと思いました。

すごく嬉しい言葉です。久川綾ちゃんのブルマ、いいでしょ?

――しっくりきました。

みんなの中にはどうしても長年演じてきた鶴の声が残っちゃっていて、何かにつけて彼女の話が出るんです。これは、長い間やってきたという証なので、それはそれでいいことだとは思います。ただ、それだけ既に築かれた関係性のなかに入るというのは役者からしてみると大変なこと。久川綾ちゃんも『ドラゴンボール』一家にどう入ろうかと思っていたんじゃないかな。ただ、彼女は一生懸命に鶴に近づこうとして、しかも私たち『ドラゴンボール』一家のなかに入ろうとしてくれました。それなら自然な形で一家に入ってもらって、言葉が出せるようにするのが私たちの役割。だから「鶴の話をするのはこの辺で止めよう、みんなのなかに鶴は残っているから」とみんなにも伝えました。今後、何かの形で『ドラゴンボール』の新しい物語が紡がれていっても、絶対に彼女なら大丈夫。素晴らしいです。

――野沢さんの想い、伝わりました。今のお言葉はきっと色々な方へも響くと思います。

ありがとうございます。

悟空の息子たちに対する想い

――本作において個人的な注目ポイントでもあるのが『ドラゴンボール超』で復活し、悟空たちと共闘までしたあのフリーザも登場することです。

あのとき共闘をしたことで悟空はフリーザに対して「いろいろと分かってきて、いい奴になった」と思っていたでしょうね。それなのに本作でのフリーザの奴はまた性懲りもなく……(笑)。ただ、あのフリーザもちょっとだけ変わってきている傾向にあります。映画では今までのフリーザだと考えられないような態度を取るので楽しみにしていてほしいですね。

――本作は悟空・ベジータ・フリーザ、そしてブロリーの父親も登場します。ストーリーの面でも親子というのがテーマになっているような気がしましたが、悟空はそもそも親として悟飯や悟天といった息子たちにどのような愛情を持っていると野沢さんは感じていらっしゃいますか?

もちろん自分の子供としての愛情を向けているとは思いますが、同時に修行を積んで強くなろうとする同志だとも感じているのではないでしょうか。さらに、強いなら自分と同じように平和のために戦って欲しい、悪い奴が来たら戦って欲しいという気持ちもどこかにあると思います。

――戦闘民族のサイヤ人ですが、常に「守る」ために戦って欲しいと願っている?

そうですね。悟空は「やっつけてやろう」ではなくて、「それはいいことじゃないぞ、間違っているぞ」と分からせるために戦っている。野沢雅子としては悪い奴が出てきたらもっとコテンパンにしちゃえばいいじゃん、と思うこともありますが、悟空はそうじゃないんです。単純に「世の中が平和であればいい」と思っている気がします。とにかく守るために戦う。そんな悟空が私は大好きです。

――まさに正義のヒーローですね。

ヒーローですよ。きっと自分では思っていないでしょうけど(笑)。

――こんなに頼もしいヒーローなんてなかなかいないんですけどね(笑)。

なかなかいないですよ。私、『ドラゴンボール』が色々な人に愛されてきた理由って、悟空の生きざまにあると思っているんです。目立ちたいという気はないけれども世の中がいい方向に向かうように引っ張っていく。悟空は「地球を守っている」ということをひけらかすようなことはあまりしません。そういう生きざまってカッコいいし理想だと思っています。

――確かに、憧れます。

いま、テレビなどを見ているとたまにどうしようもない行動に出てしまった人のニュースが流れることがあるじゃないですか。そういう人には「あんたさ、『ドラゴンボール』を見てみなよ」と薦めたくなります。悟空たちを見ていればきっと行動する前にそれが正しいのか考えられるはず。

――それだけ『ドラゴンボール』は偉大ということですね! ちなみに、野沢さんがシリーズを通していちばん印象に残っているシーンはどこでしょうか?

パッと思い浮かぶのが、悟空がスノの家でトイレに入っていたら突然レッドリボン軍が攻めてきてマシンガンを「だだだだだだだだだ!」と撃つシーンです。

――なぜそのシーンがお好きなのですか?

撃ち終わったあと、トイレのドアが穴だらけになっていて、しかも悟空が出てこないんです。その後、「えっ、主役って死ぬの?」という空気が一瞬流れたところで、ぎーっとドアが開き、悟空が「痛ってー!」と言って出てくるんですよ。普通の人間だと「痛い」じゃ済まないですよね。でも悟空はそれだけで済む。このシーンで、悟空は銃弾だってへっちゃらなんだということがよく分かりました。

――コミカルなシーンですが確かに悟空の強さがよくわかるシーンでもありますよね!

そうなんです! だから好きですね。

――本日はいろいろとお話いただきありがとうございました。最後に本作を見ることを楽しみにしている子供と大人たちそれぞれにメッセージをお願いします。

まず子供たちにはとにかく楽しんで欲しい! それで見終わった後は何かひとつでも残ればいいなと思っています。欲張ることなんてないんです。だって、また次の作品を見れば残ることも増えていくから。それがいつかはいっぱいになって大人になっていく。それで、自分はどういう風になろう、将来はこうなろうと考えてもらえればきっと、世の中はとってもよくなっていくと思います。

――素敵なメッセージありがとうございます。対して小さい頃から悟空の成長を見てきた大人たちへはいかがですか?

大人たちも本作を純粋な気持ちで楽しんで欲しいですね。生きていると、どうしても色々な気持ちが働いてしまうと思うので、純粋でいることは易しそうで難しいこと。それでも、純粋さを持って作品を見て欲しいし、生を全うして欲しいですね。

プロフィール
野沢雅子【のざわ・まさこ】10月25日生まれ。東京都出身。青二プロダクション所属。主な出演作は『いなかっぺ大将』風大左衛門役、『銀河鉄道999』星野鉄郎役、『ゲゲゲの鬼太郎』(第6作)目玉おやじ役ほか。

ドラゴンボール超

〈映画『ドラゴンボール超 ブロリー』情報〉
12月14日(金)全国公開

■スタッフ 
原作・脚本・キャラクターデザイン:鳥山明
監督:長峯達也 
作画監督:新谷直大 
音楽:住友紀人 
美術監督:小倉一男 
色彩設計:永井留美子 
特殊効果:太田 直 
CGディレクター:牧野 快 
製作担当:稲垣哲雄
製作:「2018 ドラゴンボール超」製作委員会
配給:東映
配給協力:20世紀フォックス映画

■声の出演
野沢雅子
堀川りょう
中尾隆聖
島田 敏
久川 綾
古川登志夫
草尾 毅
山寺宏一
森田成一
宝亀克寿

■主題歌:「 Blizzard 」三浦大知(SONIC GROOVE)
■製作:「2018 ドラゴンボール超」製作委員会
■配給:東映
■配給協力:20世紀フォックス映画

『ドラゴンボール超 ブロリー』公式サイト
www.DBmovie-20th.com    

『ドラゴンボール超 ブロリー』公式twitter 
@DB_super2015

©バードスタジオ/集英社 ©「2018ドラゴンボール超」製作委員会

《超!アニメディア編集部》
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