胸キュンすること間違いなしの青春ラブストーリー『多田くんは恋をしない』。オリジナル作品だからこそ先が見えない恋の行方、それを紡ぐキャラクターたちについて、主人公・多田光良を演じる中村悠一のインタビューが、発売中の「アニメディア」5月号に掲載中。超!アニメディアでは、誌面で紹介しきれなかったロング版のインタビューをお届けする。
オリジナル作品の広がりは無限大
基本的には普通の人だと思います。そんなに口数が多いわけでもなく、かといって暗いわけでもなく、お話の舞台が異世界じゃないこともあって“普通じゃない”部分がないんですよね。朴訥としていて、感情の起伏もそれほどないので、意外性もあまりないというか……。飼い猫(ニャンコビッグ)に対しては、少しだけいつもと違うやわらかい表情をするくらいです。
――“激レア”とはほど遠い、そんな普通の多田くんにドラマチックな恋をさせるのは、とても難しそうですね。
難しいでしょうね。要は能動的じゃないんですよ。自主的に何かに挑戦することもなく、写真を撮ることが趣味という、特別な要素があまりない人なので。そんな彼が見知らぬ女の子と出会って、急に関係性が深まったり相手に惹かれたりするのは、僕的にも難しいかなと思います。中盤あたりの段階で、やっと(そういう気持ちが)出てきたかなと。1クールの作品だけど、ラブストーリーとしての進行は、たぶん観ている人たちが思っているほど早くはないです。
――ゆっくりと近づいていく多田くんとテレサの関係性は、どのように感じますか?
こんなものかなと(笑)。逆に僕としては、朴訥とした設定なのに惚れっぽい人物では困るというか、淡々としているのに女にはすぐ惹かれるんだと思うと(役作りが)難しくなるので、そういった意味では進みが遅くてもいいかなと思いますね。この先、惹かれるとしても外見とかわかりやすい部分にではなく、テレサの内面とか物事の考え方とか自分との共通点とか、そういうところに段々と惹かれていくのかなと思っています。
――多田くんのキャラクター作りについて、山﨑みつえ監督からの要望などはありましたか?
オリジナル作品になると、キャラクターについて与えられる情報が台本と絵しかないので、僕らも手探り状態になります。収録の最初のころは、多田くんに対してオーディションのときほど朴訥感をあまり感じなかったので、もうちょっと表情に起伏があるのかなと、その辺を意識してやったんですけど、それだと感情が出すぎていると指摘されたので、多少修正しましたね。とはいえ高校生だと考えると、あまり落ち着きすぎると今度は老けた印象になってしまうので、僕としては年相応の“落ち着いている感じ”を出せたらいいかなと思っています。
――多田くんを取り巻く友人たちは、“激レア”な個性を持つ面々がそろっていますね。
多田くんがニュートラルな設定をされている分、周りには普通の人がいないですね。みんな濃く作られているから、こっちが主役なのに目立たんぞと(笑)。多田くんは黙っていることが多い人なので、毎話セリフが減っているような気がするんですよ。そういう点では、楽しそうにやっている周りのキャラクターたちへのうらやましさが多少あります。友達の伊集院薫は、演じる宮野(真守)くんのスケジュールの都合で収録が別々の回もあったんですけど、彼がいるのといないのとでは、やりやすさが違いましたね。とくに多田くんは伊集院との掛け合いが多いから、いるとテンポが自然と作られていきますし。伊集院は作品全体のペースメーカーでもあるなと感じます。
――猫のニャンコビッグも注目キャラではないかと……。
ニャンコビッグがメインの回もありますからね。1クールしかないのに、貴重な1話分をそこに使うのかと。これで後半の展開が駆け足になったら怒りますよ(笑)。でも、面白い存在ではあるので、山﨑監督やスタッフさんたちが本当にニャンコビッグを描きたいんだなと思います。
――オリジナル作品ならではの面白さを感じるところはありますか?
原作がない分、僕らも先の展開がわからないというのは面白い部分ではあります。原作があると比較もされるでしょうし、何より原作を読まれている方たちの想像を超えていくって、僕らにとってはすごく難しいことなんですよ。その人の頭のなかでは「キャラはこういう声で、映像はこういう景色なんだろう」と完成しているわけで、それを上回らないといけないわけですから。でもオリジナル作品だと、誰にとっても第1話が初めての情報なので、先入観なしで純粋に楽しめるかなと思います。あと、僕らの芝居を受けて、監督たちが先々の話数で「ちょっと修正してみようか」と、なることもあるのかなと。そういう意味では制作側にも縛りがない分、オリジナル作品の広がり方は無限にあるような気がします。
――「青春ラブコメディー」というジャンルでのオリジナル作品は、最近では珍しいのではないかなと思います。
恋愛の発展の仕方は、ていねいだなと思いますね。1話目で出会って、お互いに即めっちゃ気になるという感じではなく、やりとりを重ねるなかで気持ちが芽生えていくという描写ですから。1クールと短いですけど、その辺はオリジナルだからこそ、ていねいに描いているなと感じます。
――今後の見どころをお聞かせください。
どちらかというと序盤は、周りのキャラクターたちがいろんな面を見せたり、全体の人間関係を見せたりすることが多いですね。中盤あたりからは、恋のライバルっぽい新キャラクターが出てきますが“悪人”が出てくる作品ではないので、どういった関係になっていくんだろうなと、観ていて楽しくなってくるかと思います。僕も新キャラクターは出ないと思っていましたから「あ、面白い奴がまだいるんだ」という感じです。
――では、アニメディア読者へのメッセージをお願いします。
非日常的な要素もある作品ですが、基本的には学生たちの日常や、仲間たちと一緒に行動する世界から飛び出すことはないので、穏やかな気持ちで観ていただければいいのかなと思います。連続したドラマ作りをしていて伏線もあるので、できれば毎週観ていただきたいですね。僕らも先の展開を知らず、あとから伏線を知ることがあるんですよ。そういうときは「言ってよ」と思うんですけど(笑)。たとえば、第1話のラストでテレサが北極星を見上げるシーンがありましたけど、あれもじつはテレサにとっては意味のあるシーンで、そのことがあとからわかる作りになっています。そういう伏線を張っているので、連続して観ていただくと、よりキャラクターの心の機微がわかって楽しいかなと思います。
<TVアニメ『多田くんは恋をしない 』情報>
◆放送情報
毎週木曜 夜 9 時 00 分〜
─ リピート放送 ─
毎週土曜 午後 1 時 00 分〜
毎週日曜 朝 8 時 30 分〜
毎週水曜 朝 5 時 00 分〜
TOKYO MX毎週木曜 夜 10 時 00 分〜
テレビ愛知毎週木曜 深夜 2 時 35 分〜
KBS京都 毎週木曜 深夜 1 時 00 分〜
サンテレビ 毎週木曜 深夜 0 時 00 分〜
TVQ九州放送 毎週木曜 深夜 3 時 00 分〜
BS11毎週木曜 夜 11 時 00 分〜
◆イントロダクション
数々の話題作を手がけてきたアニメスタジオ・動画工房が贈る一生に一度の《恋》を描いたオリジナルTVアニメ「多田くんは恋をしない」がついに動き出す!監督に山﨑みつえ、シリーズ構成・脚本に中村能子、キャラクターデザイン・総作画監督に谷口淳一郎と、大ヒットを記録したTVアニメ「月刊少女野崎くん」を手掛けたメインスタッフが再集結!さらに「NEWGAME!」シリーズの監督を務めた藤原佳幸やキャラクターデザインを担当した菊池愛、「ゆるゆり」シリーズのキャラクターデザインを手掛けた中島千明、「同級生」に美術監督として携わった中村千恵子など、人気タイトルを手掛けた実力派クリエイターたちも多数参加!まだ《恋》を知らない少年と少女を中心に繰り広げられる笑って泣けるドタバタラブコメディが今、幕を開ける!
◆ストーリー
カメラを手に、満開の桜の写真を撮りにきていた多田光良(ただ・みつよし)は、異国から日本にやってきたばかりだという少女・テレサに出会う。ヨーロッパのラルセンブルクという国から日本に留学にやってきたテレサは、日本に着いて早々に、一緒に日本にやってきた連れとはぐれてしまい、迷子になっていた。成り行きからテレサを助けることになった光良は、祖父が営んでいる多田珈琲店へとテレサを連れていくのだが……。
◆スタッフ
監督:山﨑みつえ「マジきゅんっ!ルネッサンス」「月刊少女野崎くん」
シリーズ構成・脚本:中村能子「SUPER LOVERS」「月刊少女野崎くん」
キャラクターデザイン・総作画監督:谷口淳一郎「刀剣乱舞-花丸-」「月刊少女野崎くん」
副監督:藤原佳幸「NEW GAME!」「未確認で進行形」
サブキャラクターデザイン:菊池愛「NEW GAME!」「未確認で進行形」
プロップデザイン:中島千明「プラスティック・メモリーズ」「ゆるゆり」
美術監督:中村千恵子「同級生」「輪るピングドラム」
色彩設計:石黒けい「NEW GAME!」「月刊少女野崎くん」
伊藤裕香「NEW GAME!!」「三者三葉」
撮影監督:伊藤邦彦「刀剣乱舞-花丸-」「月刊少女野崎くん」
編集:武宮むつみ「マジきゅんっ!ルネッサンス」「月刊少女野崎くん」
音楽:橋本由香利「おそ松さん」「月刊少女野崎くん」
音響監督:土屋雅紀「NEW GAME!」「未確認で進行形」
音響効果:白石唯果(いいな)「月刊少女野崎くん」「夏雪ランデブー」
アニメーション制作:動画工房「刀剣乱舞-花丸-」「月刊少女野崎くん」
製作:「多田くんは恋をしない」製作委員会
◆キャスト
多田光良:中村悠一
テレサ・ワーグナー:石見舞菜香
伊集院薫:宮野真守
アレクサンドラ・マグリット:下地紫野
杉本一:梅原裕一郎
長谷川日向子:石上静香
山下研太郎:下野紘
多田ゆい:水瀬いのり
公式サイト
http://tadakoi.tv/
公式Twitter
@tadakoi_anime
©TADAKOI PARTNERS