約1年4か月ぶりに、松野家の6つ子がステージ上へ帰ってくる。舞台「おそ松さん on STAGE~SIX MEN’S SHOW TIME 2~」でおそ松役を務める高崎翔太と、カラ松役の柏木佑介のふたりを直撃したインタビューが発売中のアニメディア3月号に掲載中だが、ここでは本誌では掲載しきれなかった全文をお届けする。
――舞台「おそ松さん」第2弾公演が決定したときの気持ちを教えてください。
高崎 またこの6人で兄弟をやれるっていうのが一番うれしかったです。初演が仕事の枠を通り越して楽しかったので、あの日々がまたやってくるんだなって。
柏木 僕も第2弾が決まって本当にうれしかったんですけど、「初演の方が面白かった」って言われたら……って思うとプレッシャーも感じたし、頑張らなきゃなと思いましたね。
――現在、TVアニメ「おそ松さん」の第2期が放送されています。役作りのうえで参考になった部分はありましたか?
柏木 第2期で「じつはこう思ってたんだ」っていうような新たな設定がいっぱい出てきたので、そこは全部くみ取って次の舞台に生かしたいなと思って観ていました。たとえば、世界一優しい男と自負しているカラ松も、実は兄弟たちからなんでもかんでも頼み事をされるのが死ぬほど嫌だったんだ……とか。
高崎 通常はアニメが進むと前は知らなかった設定がたくさん出て来て、演じるのが難しくなったり縛りが増えるんですけど、「おそ松さん」の場合はキャラクター像が広がって自由度が増すし、笑いの幅も広がるんです。とくに初演時は、おそ松だったらじつは兄弟思いな長男、カラ松だったらナルシストという、わかりやすいキャラクターを作って表現していたので、今回はそれぞれのキャラクターたちの新たな側面を出していけたらなと思っています。おそ松ならクズでヤバイ部分、カラ松ならじつはメンタルが弱い部分とか。
柏木 そこを描けたら、もう一歩演劇として踏み込んで、キャラクターショーじゃなく、舞台で演劇として上演する意味につながるんじゃないかと思います。なので、そこは勝負していきたいですね。
高崎 あと「おそ松さん」ってチームプレーも大事だけど、個人技も重要で。ひとりひとりがキャラクターを作り込まないと周りに埋もれちゃうから、そこもパワーアップしたい。
柏木 そうだね。「おそ松さん」ではセリフがないところでもいろいろなことをやれて、それって役者にしてみると勝負どころなんです。僕らは最高の仲間だけど、最高のライバルでもあるんですよ。印象に残らない兄弟がいたら、役者のチカラ不足だったと思ってください!
――ちなみにTVアニメ第2期を観ていて、「このシーンを舞台でも演じてみたい」と思う箇所はありましたか?
高崎 やらせていただけるなら、ムチャクチャなことも全部してみたいですよ! (1話の)合体ロボットとか(3、4、7話の)「げんし松さん」とか。舞台のスタッフチームもアニメに負けずかなりぶっ飛んでるので(笑)、本気ですごいものを作ってくれそうな気がします。
柏木 衣装的には(5話の)サマー仮面までならOKです! 本当にやるなら、早めに肌を焼きに行かなきゃって思っているくらい(笑)。
――おそ松とカラ松を演じて、キャラクターの持つギャップのなかで一番魅力的な部分はどこだと思いますか?
柏木 どんなにシカトされても大丈夫だけど、ディスられたら凹むところはカラ松のかわいさだと思います。打たれ強そうに見えて意外と弱いというか。
高崎 おそ松は普段はクズでどうしようもないけど、最終的には長男で家族や友達思いなところが魅力ですね。初演ではそこを厚く演じたので、今回は逆ギャップで「あんなに兄弟思いだったのに、本当はやっぱりクズだな」という部分を出していきたい(笑)。
――舞台版では、F6とのギャップも楽しめますね。
高崎 キャラクターのギャップが一番大きいのは、カラ松ペアですね。佑介が舞台に出ていくとクスクス笑いが起きるけど、F6のマーシー(和田雅成)が出ると「キャー!」ってなる(笑)。
柏木 (カラ松調で)「ムカツク!(笑)」
――おふたりと、それぞれが演じるキャラクターとのギャップ(違い)を挙げるとしたら?
高崎 佑介は99.9%ギャップがないです(笑)。違うのは働いてるところくらいで、個人的にはカラ松のモデルって佑介なんじゃないかって思うくらい、アニメが始まる以前からカラ松でした(笑)。
柏木 翔太はおそ松とは全然違うから、逆に似てるところを探して「そこ以外は全部違います」って言うほうが早そう(笑)。
高崎 お酒が好き!
柏木 若干ゆるい。仲間を大事にする。
高崎 あとポジティブなところは似てるけど、それ意外は全部違います。だから、ほぼギャップです(笑)。
――ほかのキャストの方と、キャラクターとのギャップも教えてください。
高崎 諒ちゃん(一松役・北村諒)は、猫好きだけど猫アレルギー。
柏木 太郎(トド松役・赤澤遼太郎)は男らしい! 野球一筋のスポーツ男子だったから、女子力のかけらもないね。
高崎 廉(十四松役・小澤廉)は十四松ほどピュアじゃない……とか?(笑)
柏木 植ちゃん(チョロ松役・植田圭輔)は、仕事マンで働きマン。
高崎 チョロ松はほかの兄弟の裏をかいたりするけど、植ちゃんは俺たちに心を許してくれてて、信頼だけで物事を進めてくれるよね!
――ちなみにお2人は、初対面のときと今とで、お互いに対する印象にギャップを感じますか?
高崎 ギャップはないんですけど、僕、最初、佑介のこのナルシストな感じが嫌いで(笑)。
柏木 それ、ずっと言うよね(笑)。
高崎 でも、カラ松を演じてからはめちゃめちゃ好きになったので、僕のなかでのギャップが、大嫌いから大好きに……。
柏木 待って! “大”嫌いだったの? それは初めて聞いた!(笑)
高崎 大嫌いから、大好きになったんですよ~(ニヤリ)。
柏木 まぁ、今が大好きならいいか(笑)。翔太は、前に別作品で共演したことがあったんですけど……。
高崎 チャランポランしてた?
柏木 当時は役柄的にも全然絡まなかったから、遠目でそういうイメージはあったかも。だから「おそ松さん」でガッツリ一緒にいるようになって、こんなに仲間を支えてフォローする、面倒見のいいヤツなんだってギャップがありましたね。
――最後に、第2弾公演を心待ちにするみなさんへメッセージをお願いします。
高崎 舞台の「おそ松さん」は、役者がキャラクターを演じるというより、ニートでクズな6つ子が一生懸命稽古して、劇場に通って朝から働いて、面白いものを作り上げてるっていう風に観てもらえたらと思うんです。だからお客さんには、6つ子に感謝してもらいたい!(笑) 逆に僕は役者として、最後に自分の素に戻ったとき、「来てくださって、ありがとうございました。楽しくお仕事させていただきました」ってみなさんに笑顔で言えたらいいなって思ってます。
柏木 今回は演劇として幅を広げたものに挑戦したいので、各々自分のキャラクターを研究して、新たな物を提示出来ればと思っています。舞台では、僕らが考える6つ子を全力でやるので、そのひとつの形を楽しみにしていただけたらうれしいです。
高崎 ……って胸元に大きな薔薇の刺繍の入ったトップスを着た柏木が、足を組みながら心のサングラスをかけて、かっこつけて語っております(笑)。
柏木 いやいや、頑張りますよ!?(笑)
高崎 頑張りまっす!(笑)
◆プロフィール
【たかさき・しょうた】9月21日生まれ。新潟県出身。トキエンタテインメント所属。主な出演作は、舞台「あんさんぶるスターズ! オン・ステージ」瀬名泉役など。推し松は、十四松。
【かしわぎ・ゆうすけ】10月17日生まれ。神奈川県出身。アール・クルー所属。主な出演作は、ミュージカル「薄桜鬼」不知火匡役など。推し松は、カラ松。
<舞台情報>
おそ松さん on STAGE~SIX MEN’S SHOW TIME2~
●大阪公演/2月23日(金)~26日(月)梅田芸術劇場 メインホール
東京公演/3月1日(木)~11日(日)TOKYO DOME CITY HALL
3月11日(日)全国映画館にて千秋楽ライブビューイング上映決定
公演前には映画館でしか見ることのできない、6つ子やF6役キャストからのメッセージ映像の上映、来場者特典として6つ子とF6の姿が交互に見えるオリジナルチェンジングポストカードの配布も決定!!
STAFF 原作/『おそ松くん』(赤塚不二夫) 演出/小野真一 脚本/伊勢直弘、鹿目由紀、小峯祐之 音楽/橋本由香利 劇中歌プロデュース/TECHNOBOYS PULCRAFT GREEN-FUND
CAST おそ松/高崎翔太 カラ松/柏木佑介 チョロ松/植田圭輔 一松/北村諒 十四松/小澤廉 トド松/赤澤遼太郎 おそ松 F6/井澤勇貴 カラ松 F6/和田雅成 チョロ松 F6/小野健斗 一松 F6/安里勇哉 十四松 F6/和合真一 トド松 F6/中山優貴 トト子/出口亜梨沙 イヤミ/窪寺昭 チビ太/KIMERU ハタ坊/原勇弥
公式サイト
http://osomatsusan-stage.com/
©赤塚不二夫/「おそ松さん」on STAGE製作委員会2018