2013年7月から9月に放送されていたTVアニメ『有頂天家族』が、9月18日(日)に『京都国際マンガ・アニメフェア2016』内にて『有頂天家族 捲土重来ステージ』を開催した。
『有頂天家族』は、『四畳半神話大系』などで知られる森見登美彦による小説作品で、これを原作としたTVアニメが2013年7月から9月まで放送されていた。
『さよなら絶望先生』、『じょしらく』などで知られる漫画家・久米田康治がキャラクターデザインを務めていることでも話題を集めた作品だ。
本作の舞台にもなっている京都で開催された『京都国際マンガ・アニメフェア2016』内で『有頂天家族 捲土重来ステージ』を開催。
メインキャストである下鴨矢三郎役・櫻井孝宏、弁天役・能登麻美子をはじめ、TVアニメ監督・吉原正行、音楽制作を担当したランティスのプロデューサー・斎藤滋、本作を制作したP.A.WORKS代表でプロデューサーの堀川憲司、そして、本作の原作者・森見登美彦らが登壇した。
この豪華な面々によって行われたトークショーの内容をレポートする。
矢三郎たち下鴨家とは対立関係にある夷川金閣・銀閣によるナレーションから始まった本イベント。二人のタイトルコール後、メインキャストの櫻井孝宏・能登麻美子が登場すると、櫻井は冒頭のナレーションを“有頂天家族らしい”としながらも、夷川兄弟による悪言を「馬鹿兄弟に言われたとて気になりませんけどね」と軽くあしらい、負けじと“有頂天家族らしさ”を見せた。
映像によって有頂天家族を振り返ると、「思い出すというよりも昨日のことのように残っている」というキャスト陣が当時の様子や自身の役を振り返るトークに。
櫻井は矢四郎以外の兄弟3人のオーディションを受けたことを明かし、矢三郎については、主人公でありながら飄々としており食えないと評しながらも、京都らしい雅やかさがかっこ良く見えると語り、京都に住んでいるからこそ備わるものを自身の想像力で補うことを楽しんでいたとのことだ。
一方、無邪気に周囲を引っかき回していく弁天を演じることが最初は難しいと思っていたが、弁天が抱く寂しさや無邪気さなどが腑に落ちたときからは演じやすくなり、嬉々として弁天を演じていたという能登。櫻井が「魔性な感じ」と言葉にすると会場の笑いを誘った。
和気藹々とスムーズに進行したというアフレコに話題が移ると、出演キャスト陣も口々に「この作品が一番好きかも」としていたことが明かされ、能登はアニメ放送終了後にも共演者と会った際には有頂天家族の話をすることが多いと、キャスト陣の本作への思い入れの深さをうかがわせた。
櫻井は、キャストとキャラクターが似ているところが多く、アフレコで改めてディスカッションの場を設けることは無かったと語ると、「僕は人を騙して生きていますから」と“狸らしい”コメントで、笑いと共に振り返りトークを締めた。
そしてここで、原作・森見登美彦、アニメ監督・吉原正行、P.A.WORKS代表・堀川憲司、ランティスのプロデューサー・斎藤滋が登場。
冒頭の振り返り映像の最後で触れられていた「今後の展開」について発表へ。
まず、堀川から有頂天家族のBlu-ray BOXが発売されることが発表。
本作を一度に振り返ることができる機会に、櫻井は「弁天ダイジェストを見たい」とコメント。「裸の弁天と鯨のシーン(※)は神秘的で未だに衝撃的だ」と話すと、2年前に実施されたステージイベントでも原作・森見が「弁天の一番好きなシーンは裸のシーンだ」と話していたことが暴露され、会場は笑いに包まれた。
(※TVアニメ第3話)
一方の能登は、さまざまな感動的なシーンなどがある中で思い浮かんだ「矢三郎の女子高生の格好がすごく好き」と暴露。女子高生姿の矢三郎への思いを熱を込めて語った。
堀川が、森見の創り出す深いストーリーと暖かくしんみりとできる世界観を味わって欲しいと総括した。
さらに、発表は続く。
櫻井が有頂天家族第2期製作決定を告げると、会場からは歓声が沸き、拍手が続いた。
森見がアニメにして欲しいエピソードなどへの想いを問われると、原作小説の第二部の発売が遅れてしまったことに言及。続編のアニメ化は諦めていたと本心を明かし、アニメ2期製作が決まった際には嬉しかったと語った。
アニメの制作を手がける吉原は、「全部に力を入れている」と自信をうかがわせると、第2期から登場する新キャラクターについても「いろいろ考えている」と、含みを持たせたコメントを残した。制作を指揮する堀川は、どうしても2期が作りたかったと熱意を語り、森見からのコメントでの「1期を凌駕する傑作を」という期待に応えられるようがんばりたいと、意欲を見せた。
一方のキャスト陣からは、2期のアフレコが既にスタートしていることが暴露され、能登は新しいキャラクターが増えることに対してワクワクしていると心中を明かした。
さらに、音楽制作を担当する斎藤からは、本作の音楽制作も順調に進行していることが報告された。
ステージの最後に、櫻井は「(発表前に)アフレコが始まっていることが漏れ出そうだった」と安堵し、二期の発表に対して大きな歓声を得られたことに対して感謝を述べ、「面白きことは良きことなり!」という本作を象徴するセリフをステージと客席で掛け合い、ステージは幕を閉じた。
<『有頂天家族2』作品概要>
【キャスト】
矢三郎:櫻井孝宏 矢一郎:諏訪部順一 矢二郎:吉野裕行 矢四郎:中原麻衣
弁天:能登麻美子 ほか
【スタッフ】
原作『有頂天家族 二代目の帰朝』(幻冬舎):森見登美彦 キャラクター原案:久米田康治
監督:吉原正行 シリーズ構成:檜垣 亮 キャラクターデザイン/総作画監督:川面恒介
美術監督:竹田悠介・岡本春美 音楽:藤澤慶昌 音楽制作:ランティス
アニメーション制作:P.A.WORKS 製作:「有頂天家族2」製作委員会
TVアニメ『有頂天家族2』公式サイト
http://www.uchoten2-anime.com/
TVアニメ『有頂天家族2』公式ツイッターアカウント
https://twitter.com/Uchoten2_Anime
(C)森見登美彦・幻冬舎/「有頂天家族2」製作委員会