諸星すみれ&内田真礼&伊瀬茉莉也が思うTVアニメ『約束のネバーランド』のその先「ノーマンは外の世界で生きてると信じてたい」【インタビュー】 | 超!アニメディア

諸星すみれ&内田真礼&伊瀬茉莉也が思うTVアニメ『約束のネバーランド』のその先「ノーマンは外の世界で生きてると信じてたい」【インタビュー】

「週刊少年ジャンプ」(集英社刊)にて連載中の話題作を原作としたTVアニメ『約束のネバーランド』。2019年1月から、フジテレビ“ノイタミナ”ほかにて放送され、最終話で第2期の制作が明かされた。そんな話題作から、エマ役の …

ニュース
注目記事
YNL_KV-e1553832516557
  • YNL_KV-e1553832516557
  • 諸星すみれ&内田真礼&伊瀬茉莉也が思うTVアニメ『約束のネバーランド』のその先「ノーマンは外の世界で生きてると信じてたい」【インタビュー】

 「週刊少年ジャンプ」(集英社刊)にて連載中の話題作を原作としたTVアニメ『約束のネバーランド』。2019年1月から、フジテレビ“ノイタミナ”ほかにて放送され、最終話で第2期の制作が明かされた。そんな話題作から、エマ役の諸星すみれ、ノーマン役の内田真礼、レイ役の伊瀬茉莉也が「アニメディア5月号」に登場。超!アニメディアでは、本誌に掲載しきれなかった部分を含めたロング版をご紹介する。


――第1期の収録を終えたご感想は?

諸星 収録が始まったのが昨年の秋だったですが、感覚的にはあっという間だった気がします。物語は毎回スピーディーで内容が濃かったですし、キャラクターたちの感情の動きも大きかったので、私自身もそれについていくのに必死でした。今では無事にやりきれたなという達成感がありますが、ハウスにはフィルをはじめとする小さな子たちを残してきたままなので、続きが気になります。

内田 ノーマンは志半ばで「出荷」されてしまいましたが、エマたちの心のなかで彼女たちに寄り添い続け、私自身も第1期の最終話まで出演できました。もし「次」があるなら“今度こそうまくやってやるぞ”という気持ちが、熱く息づいています。第2期の放送も決まったので、この思いを温め続けていきたいですね。

伊瀬 「脱獄編」のなかでは、レイはとても重要な立ち位置にいましたし、感情の振れ幅も大きかったので、演じるほうのプレッシャーが大きかったです。それでも最後まで演じ切ることができたのは、周りのキャスト陣が支えてくださっていたおかげです。とくに1話のアフレコのときに、すみれちゃんのお芝居と声が、道しるべとなってくれた気がしました。レイとしても伊瀬茉莉也としても「このエマについていこう」と思える安心感がありましたね。

――作中で、エマ、ノーマン、レイの3人はそれぞれにさまざまな思いを胸に、脱獄計画を進めていきました。そのなかでエマは、どんな「決意」を秘めていたと思われますか?

諸星 エマは1話でハウスの真実を知り、絶望して泣きました。でも、それは自分に「死」が迫っていたからではなく、「家族」が死の運命にさらされているのを知ったからなんです。エマは“家族愛”が誰よりも強く、ハウスのみんなをとても大事に思っています。だから、ハウスから脱獄しようと決めたときも、誰も見捨てずに全員で逃げると固く決意していたんです。ノーマンが出荷されてしまったり、イザベラに脚を折られたり、アクシデントで計画の変更を余儀なくされましたが、それでも強い意志で乗り越えていくエマたちの姿が、とても印象的でした。


――では、レイやノーマンにとって、エマとはどんな存在だったのでしょうか?

伊瀬 レイは根底の部分ではエマと似た者同士なんですが、レイにとって「なりたかった自分」がエマなんです。レイは幼いころにハウスの真実を知って以来、周りの子どもたちが次々に「出荷」されていく状況下で、いろいろな物事を諦めながら過ごしていたと思います。それでも彼が絶望しなかったのは、エマとノーマンのふたりがいてくれたから。どんなときも底抜けに明るく、みんなに希望を与えてくれるエマは、レイにとって生きるための原動力になっていたんです。

内田 ノーマンにとってエマは、誰よりも大切な存在でした。それは、ふたりでいるときの表情や、9話で足を折られて寝かされている彼女の手を握るシーンなどの細かい描写からも伝わってきました。そして、ハウスから脱獄するには、自分たち3人だけでというのがベストだとわかっていながらも、「全員一緒じゃないと嫌だ」というエマの願いをかなえるほうを優先しました。それが自分にとっての幸せだと、ノーマンは考えているんです。大切な人のために尽くす気持ち、それがこの絶望的な世界で生きるノーマンにとって、何よりの原動力になっていたんです。

――自分の「出荷」が決まったときも、エマの前では平静さを保っていましたね。

内田 そうなんです。自分の「出荷」が明日。しかも、エマは足を折られて動けない。絶体絶命のピンチですよ。ノーマンも口には出しませんでしたが、ものすごくいろいろな思いが頭のなかを駆け巡っていたはずです。それでも、エマの前では穏やかな笑顔を絶やすことはありませんでした。ノーマンが最後まで取り乱すことなくハウスを去ることができたのは、エマが無事ならそれでいい、という想いが根底にあったからだと思います。

――では、エマにとってのノーマンは、どんな存在だったのでしょうか。

諸星 エマが感性でひらめくタイプの天才だとしたら、ノーマンは理詰めで考える天才。自分にないものを補ってくれる、「心の支え」なんです。なんというか、「お母さん」のように感じていました。

――お母さん……ですか!?

諸星 いつも寄り添い、導いてくれて、大きな愛情で包み込んでくれるところが、すごく「お母さん」的なんです。裏でいろいろと悩んでいるのに、エマにはつらそうな姿を見せず、いつも笑っていてほしいっていう気持ちが、まるで親心のように感じられて。

内田 言われてみれば、たしかにお母さんみたいな感じがする!

諸星 エマはノーマンに対してはいろいろとワガママを言っちゃうんですけど、ノーマンだからこそ頼ってしまうという部分があるのかなと。それと、じつはエマにとってのノーマンと、私にとっての内田さんへの思いが、すごくリンクしている部分があるんです。お芝居をしているとき、役に引っ張られて自分の感情が揺れ動きすぎてしまうことがあるんですが、隣で演じている内田さんのお芝居があるから、気持ちを戻すことができるんです。役柄の上でも、私自身にとっても、ノーマンは支えになってくれていました。

――レイにとってノーマンは、どんな存在だったといえますか?

伊瀬 レイにとってノーマンは、代えの効かない唯一無二の存在なんです。彼への想いは、「好き」を超えて「愛」にまで至ってるんじゃないかと。エマのことも「仲間」として、そして「家族」として大切に思っているんですが、どちらかというと「ノーマンが好きな相手だから、大切にしたい」と考えていると思うんです。自分が絶対にかなわない天才であり、憧れの気持ちも抱いていて、彼のためなら何でもしてあげたい……みたいな。レイに私の気持ちもリンクしたのか、真礼ちゃんが演じているノーマンがすごく輝いて見えてしまうんです。

内田 前に私が「ノーマンとエマが仲よくしちゃってるけど、いいの?」ってからかった時も、伊瀬さんは「もう全然OK!」って言ってニコニコしてたよね。

伊瀬 好きな人が幸せにしてるなら、それでいい、っていう気持ちがわいてきちゃって。きっとレイも同じ気持ちなんじゃないかな。だって、ママからポラロイドカメラをもらったときに撮ったのが、ノーマンとエマのツーショット写真ですからね。エマとノーマンがキャッキャウフフと仲よくしているのを、木の下で本を読みながらそっと眺めているのが、一番の幸せ、みたいな。

――普段はあんなクールそうな顔をしていながら……。

諸星 じつは全然クールじゃない!

伊瀬 見た目はクールな少年を装っていますけど、内面には燃えたぎる炎がうずまいるんです。感情が高ぶると声を荒げることもあるし、つかみかかったり、バケツを蹴飛ばしたりと、3人のなかでは一番感情表現が激しかったと思います。

内田 レイはノーマンの言うことなら、何でも聞いてくれるって思っていました。

伊瀬 ノーマンは絶対にレイの気持ちに気づいているよね。そのうえで、レイに対してはワガママを言って手玉に取ったりして。

内田 それで「くっ……」とか言いながらも、いうことを聞いてしまうところが、レイのいいところですよね。

――エマたちは4歳以下の子どもたちをハウスに残すことになりましたが、脱獄を果たしました。この決断について、みなさんはどのように感じましたか?

伊瀬 4歳以下の子どもたちを残していくのは苦渋の決断でしたが、その時点での最善の方策だったと思います。

内田 頼りになる司令塔であるノーマンが出荷されてしまって、さらに状況は厳しくなっていましたしね。

伊瀬 4歳以下の子どもたちもただ見捨てるのではなく、いつか必ずハウスに戻って助ける、という前提で置いていっていますからね。4歳以下ならすぐに出荷されることもないだろうし、数年間は命が保障されているのですから。

諸星 エマは全員で逃げることにこだわっていましたが、ノーマンが出荷されてしまったからこそできた判断だったと思います。頼りにしてきたノーマンがいない以上、全員で逃げおおせるのは不可能。それでも、脱獄に参加した子たちは必ず逃がさなければならない。少しでもリスクを減らすためにたどり着いたのが、あの決断だったんです。言い換えると、ノーマンの出荷は、エマが精神的に成長するポイントになったんだと思います。

内田 たしかに、ノーマンが出荷されてから、エマの“主人公感”がグッと増した感じがしましたね。いなくなってしまったノーマンの思いを吸収して、より頼りになる存在になった印象を受けました。

伊瀬 エマの周到ぶりには、レイも驚いていましたよね。レイはノーマンが出荷されたとき、完全に絶望していました。「あぁ終わった。もういいや」と。せめてエマだけでも助けられたら自分はどうなってもいいと思って、ハウスと自分に火を放とうとしていたくらいですから。でも、足手まといでしかないと思っていた年下の子たちが、エマの指揮のもとで驚くほど周到に準備を整えていて、捨て鉢になっていたレイを引っ張っていってくれました。それも、すべてはノーマンが、レイが死ぬ気であることをエマに伝えたうえで、今後の計画を立ててくれていたから。いなくなってなお、みんなの支えとして在り続けてくれたノーマンは、やっぱりすごいヤツだと思います。

――エマたちは脱獄したあと、どんな運命をたどることになると思いますか?

諸星 結局、出荷されたノーマンが殺されたシーンは描かれていないし、外の世界で生きていると信じたいです。

内田 生き延びたノーマンが脱獄したエマたちと合流して、外の世界をみんなで旅するとかもいいですね。外の世界で手に入れた服を着てオシャレをしたり。

伊瀬 ハウスに残してきた子どもたちが、どう成長するかも気になります。とくにフィルという男の子は小さい子どもたちのなかでも頭がよく、いろいろな事情を察していました。数年後、エマたちが戻ったとき、第2のノーマンのようなリーダー的存在になっていたら面白いですね。

内田 フィルがグッと背が伸びて、イケメンに成長している可能性もあるよね!

諸星 命がけで助けに行ったら、フィルが「待ってたよ」って準備万端で待ってた、っていう展開は面白いですね。そうなったら、私はイザベラもなんとか助けてあげたいです。最終話で、彼女のあんな過去を見せられてしまったら、憎むに憎めないじゃないですか。だから、フィルたちだけでなく、イザベラをはじめとするママたちも全部こちら側に寝返らせて、鬼に支配された世界の仕組みそのものを変えてやりたいですね。

――ママたちも一丸となって協力し合えば、世界の革命も夢ではなさそうですね。それでは、最後に第2期に向けての意気込みをお聞かせください。

諸星 とにかく「この物語の続きがTVアニメで描かれる」というのがうれしいです。きっとみなさんも続きが気になっているでしょうし。私も原作漫画の内容がアニメでどんな風に描かれるのか、今からとても楽しみです。第2期の収録も、全身全霊で臨みますので、みなさんも楽しみにお待ちいただければと思います。

内田 ノーマンはいなくなってしまったわけですが、彼からすると「エマとレイが友情から始まって、いい仲になっちゃったりして……」みたいな気持ちもあるかと思います。ちょっとした口惜しさと、彼らの幸せを願いながら、私の出番が次もあることに期待しています。

伊瀬 第2期が始まるのはもう少し先のことになりますが、そのときまでレイの気持ちとみんなとの絆を胸に留めていこうと思います。さらにドキドキする物語をお届けできるよう頑張りますので、引き続き応援のほどよろしくお願いします。

取材・文/福西輝明

〈『約束のネバーランド』情報〉
第2期2020年放送決定
Blu-ray&DVD第2巻、アニプレックスより5月29日発売。Blu-ray:12,000円、DVD:10,000円(税別)

公式サイト
https://neverland-anime.com/

(C)白井カイウ・出水ぽすか/集英社・約束のネバーランド製作委員会

 

《超!アニメディア編集部》
【注目の記事】[PR]

編集部おすすめのニュース

特集