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【インタビュー】『鹿楓堂よついろ日和』原作者の清水ユウが感じたアニメスタッフの愛 -「きっと原作を超えるような素晴らしい作品になるのでは」

2018/4/20


 新潮社より発刊されている「月刊コミックバンチ」にて連載中の『鹿楓堂よついろ日和』。本作は和風喫茶・鹿楓堂(ろくほうどう)を舞台にしたハートフルストーリーで、店主でお茶担当のスイ、珈琲担当のぐれ、スイーツ担当の椿、料理担当のときたかが、お客さんをもてなしながらときには悩みを解決していく様子を描いた作品だ。また、2018年4月よりTVアニメも放送中ということで、更なる話題を呼んでいる。

 そんな本作の魅力に迫るべく、今回は原作者である清水ユウ先生にインタビュー。アニメ化にあたっての想いのほか、原作のこと、またマンガ家を目指したきっかけなど、パーソナルな部分についてもお話いただいた。

和の魅力は季節感

――本日はよろしくお願いします。まず、改めて『鹿楓堂よついろ日和』がどのような作品なのか教えてください。

鹿楓堂という和風喫茶を舞台に、店主でお茶担当のスイ、珈琲担当のぐれ、スイーツ担当の椿、料理担当のときたかという個性の違った4人がお客さんのちょっとした悩みを解決していくというのが物語の軸になっています。それ以外にも店員同士の何気ない日常や、少しほろりとする話など、様々なテイストの話を盛り込んでいますね。時にはシリアスな展開になるときもありますが、とにかく読んでいて、癒されて欲しいという気持ちが根底にはあります。なので、重すぎる話や辛い展開、また悪役は意識して出さないようにしていますね。

――“和風喫茶”という点も癒しを感じられる要素の一つかなと感じます。

実は当初は洋風の喫茶店で、キャラクターの格好もYシャツに黒ベストというギャルソン風にしようとしていたんですよ。ただ、自分自身が着物や和をモチーフにしたものが好きだったということもあり、途中で着流しにしたら面白いんじゃないかと思いついたんです。そこから“和風喫茶”という方向になりました。

――なるほど。

鹿楓堂は私の理想の喫茶店なんですよ。自分の近くにも練り切りを気軽に食べられるような喫茶店があればいいなと思っていたので、それを形にしました。

――“和”がお好きということですが、先生は“和”のどのような点に魅力を感じますか?

柄や和菓子などを見ていて特に感じますが、“和”の魅力は日本の四季をとても大切にしている点だと思います。作品でもそういった季節感は意識していますね。

――確かに季節が分かるストーリーが多いですね。

ネタにしやすいというのもありますが(笑)。

――なるほど(笑)。そんな本作では、様々な料理やお菓子が登場します。これも作品の魅力のひとつだと思いますが、料理やお菓子のアイデアは先生が考えていらっしゃるのですか?

基本的には担当編集さんとストーリーや料理・お菓子の方向性について話し合った後、具体的な料理・お菓子についてはフードコーディネーターさんに監修していただき、資料をもらっています。写真も併せていただけるので、そこから作画もしていますね。

――そんな料理・お菓子がアニメではカラーで登場します。

マンガだとどうしてモノクロのページが多いので、カラーで見られるというのはアニメならではの良さだと思います。イクラもツヤツヤしていてとてもいいなと思いました。

――アニメに登場するのが楽しみな料理はありますか?

ナポリタンかな。ナポリタンは読者さんの反響も大きかったので。

――作りたいと思う人も増えそうです。

そうですね!

――冒頭にもお話があったように、本作は料理以外にメインの4人のキャラクターが織り成す会話も特徴です。この4人はどういった発想から生まれたキャラクターたちだったのでしょうか?

最初にバランスを考えて4人登場させようと思い、そこからリーダー役、ちょっと元気なのと、ツンデレっぽい子、おっとりした人と配置して、肉付けしていきました。

――中でもお気に入りのキャラクターはいますか?

メインの4人に関しては誰が好きとかはなくて平等に大事です。一応、お話ではスイが軸にはなっていますが、はっきりと彼が主人公とは決めておらず、バランスよく4人の活躍をみせていこうと思って描いていますね。

アニメスタッフさんへの信頼

――先生のキャラクターへ対する思いが伝わり、胸が熱くなりました。ここまで原作のお話を中心におうかがいしてきましたが、本作は2018年4月よりアニメがスタートします。アニメ化が決まったときはどのようなお気持ちでしたか?

マンガ家になったときからアニメ化は夢のひとつだったので、とても嬉しかったです。ただ、すごく心配性なので「大丈夫かな」という不安も少しありました。

――どういう点が心配だった?

まだ原作のお話が途中なので、視聴者の方々にどのくらい物語を楽しんでもらえるのか、どこまでの話をどう展開するのかなどの不安がありました。ただ、そういった不安はアニメのスタッフさんと顔合わせしたときに解消されましたね。お話をしているだけで作品を愛してくださっている、作品のテーマ性やキャラクターを的確に理解してくださっていると分かり、むしろ不安が「これならきっと原作を超えるような素晴らしい作品になるのでは」という安心感に変わりました。

――原作者としてアニメの注目ポイントや見どころは?

キャラクター同士のちょっとした掛け合いや関係性が分かる会話が見どころになると思います。キャストさんの掛け合いやコンビ感は見ているだけで楽しかったですね。テンポ感やゆっくりとした空気感はアニメならではの良さだと思います。また、どうしてもマンガだと尺の関係でカットしてしまうような舞台裏の話もアニメだと表現しているので、そういう部分は原作を読んでくださっている方にも楽しんでもらえるんじゃないかな。

――キャストさんの掛け合いのお話がありましたが、アフレコには何度か立ち会われていますか?

はい。この作品は接客する際の丁寧な会話が多いのですが、アフレコ時にその会話を聞いていると、実際に自分がお店でおもてなしされているような感覚になりました。耳から癒された気がします。

――それくらい素晴らしいキャスティングだった?

皆さんキャラクターのとらえ方が本当に的確なんですよ。神谷友美監督や音響監督の佐藤卓哉さんなども私が「ここのニュアンスがちょっと強すぎるかも」「このキャラクターにしては元気すぎるかな」と感じたことを言うまでもなく的確にディレクションされていました。これはキャラクターのことを理解していないとできないことだと思います。本当に「すごい」の一言に尽きますね。収録現場ではむしろ私のほうが「このキャラクターはこういう話し方もするんだ」と解釈が深まるくらいに勉強させていただきました。

――今回は鹿楓堂の看板猫である「きなこ」を天﨑滉平さんが担当されます。天﨑さんの演技はいかがでしたか?

「きなこ」はみんなから可愛がられている看板猫なのですが、ビジュアルはジト目でちょっと表情もポケッとしているので、女性声優さんだと可愛くなりすぎちゃうかなと思っていたんです。そこをあえて男性声優の天﨑さんが演じられたことで、“きなこ”らしさがとても表現できていたと思います。バッチリでした。

――キャストさんは文句なし、といった感じですね。ちなみにアニメ化に際して、先生から何か要望したことはありましたか?

本作でキーとなってくるスイと兄との関係は作品において少しシリアスな部分なので「重たくなりすぎないかな」という心配をしていましたが、こちらが言わなくても皆さんが“癒しを大切にしたい”という点を分かってくださっていたので、結局は特に何も要望しませんでした。

また、原作よりも椿が若干少年ぽい部分があったり、ときたかが少し元気だったりという微妙なニュアンスの違いがあるのですが、私としては原作に寄せすぎなくてもアニメはアニメの色を出した方がいいと思っているんですよね。だから、現場でも何か意見をしたことはないと思います。

――かなりアニメのスタッフさんに信頼を置かれていますね。

本当に丁寧に作ってくださっていると感じています。今回、初めて製作現場にお邪魔して、アニメは思っていた以上に色々な方が関わっているということを知りました。ただ、その関わってくださっている皆さんが作品のことを考えてくださっているというのが伝わってきて、とても嬉しかったです。感動しました。

――そんなアニメスタッフさんの愛が詰まった本作。先生にとって初のアニメ化作品にもなるかと思いますが、公開されているPVを観たときにはどう感じましたか?

一視聴者として、単純に「すごいな」思いました。

――自分の作品だけど、まだ自分事ではないのような感覚だった?

そうですね。不思議な感じでした。自分の作品で、自分が描いたキャラクターではあるのですが、別のフィールドの方が作って、しかもそれが画面で動いているというのは別次元すぎて……。まだ実感が沸いていない気がします。

――ひょっとすると一話を実際に放映されているのを観たら沸くかもしれません。

そうですね!

作品を見た方に幸せになって欲しい

 超! アニメディアでは、今回、“癒し”の作品を生み出す先生のパーソナルな部分についてもインタビュー。好きなマンガやアニメ、またマンガ家を目指したきっかけについてもお話いただいた。

――せっかくなので、今回先生のパーソナルな部分もおうかがいできればと。

パーソナル! な、何でしょう?

――まず、おいしそうな料理やお菓子がたくさん登場する本作にちなんで……先生ご自身が好きな料理は?

何だろう、色々とありすぎて……決め切れないです!

――では、ご自身では作られますか?

あまり得意ではありませんが作ります。作るのはお菓子のほうが好きですね。

―ーズバリ得意なお菓子は?

タルトですね。あまり作品には活かされていませんが(笑)。

――なるほど(笑)。

得意なものはあまり活かされていませんが、登場する料理やお菓子はやっぱり自分の好きなものが多いですよ。あとは担当編集さんとお話したり、トレンドや人気のスイーツなどを取り入れたりしています。

ーー今後、どういう料理が登場するのかも楽しみです! ちなみに、先生がマンガ家を目指そうと思ったきっかけは何だったのでしょうか?

姉が絵を描くのが得意で、私も影響されて絵ばっかり描いていました。小学校、中学校、高校と、とにかく暇さえあれば描いていましたね。マンガを描き始めたのも姉が描いているのを見て、自分も真似してみようと思ったのがきっかけでした。自分がマンガを読むのが好きということもあり、中学生くらいの頃にはマンガ家になれたらいいなという気持ちを持ち始めていた気がします。

――それから実際に持ち込みなどはされましたか?

大学生の頃に出版社さんに持ち込みました。その時に今とは別の担当編集さんがついて……という流れでしたね。

――今の担当編集さんとの出会いは?

本作の前身となる作品を別の出版社で連載していたのですが、それが終了してしまって……。そんなとき今の担当編集さんが「うちで描きませんか?」と声をかけてくださったんです。私が描いていた作品を「もっと面白くなる」と思って声をかけたと、後から聞きました。

――実際に声をかけてもらってから作品の方向性に変化はあった?

とにかく“癒し”を推していくという方向性に変わりました。また、話を基本的に一話完結で作る、そしてちゃんとその一話が面白いものになるようにするという方針になりましたね。

――その結果、アニメ化されるくらい話題の作品になりました。

本当に、ありがたいお話です。

――インタビューではアニメ化が夢の一つだったというお話がありましたが、先生自身もアニメはよく見られますか?

ほのぼの系よりもわりとアクションなどが激しい、骨太な作品が好きかもしれません。例えば『攻殻機動隊』はアクションや登場するキャラクターがカッコよくて好きです。深い心理のやりとりも好きですね。観る作品では外連味などを重視している気がします。

――そういうアニメを観て、ご自身の作品へ影響は?

ここのお話の後に場面を切って、次にこうしていくんだという見せ方やアングルなどの構図は参考にしています。また、ストーリーの展開も勉強になることが多いですね。

――なるほど。マンガも同じような作品がお好きですか?

マンガは姉が読んでいたものを見ることが多かったです。『幽☆遊☆白書』や『るろうに剣心』など少年誌の作品が多かった気がします。いまはゴールデンカムイなど青年誌で連載しているものも読みますね。読んでいて爽快感があって楽しいということを重視している気がします。それは自分の作品でもこだわっている部分ではありますね。

――ジャンルは違えど、読み応えという部分では共通している?

フィーリングではありますが、何を楽しみに読んでいただくのかというのを考えるのは共通しているかと思います。とにかく読者の方に楽しんで欲しい、少しでも幸せになって欲しいという思いでこれからも描いていきたいですね。

――そんな先生が描く『鹿楓堂よついろ日和』。最後に改めて作品の魅力と原作の今後の展開なども教えていただければと思います。

見どころとしてはやっぱり4人の店員がお客さんのお悩みを解決してあげる、おいしい物が登場するという“癒し”の部分だと思います。今後の展望としては、スイと兄の関係や4人が鹿楓堂に集まった経緯など、アニメでは描ききれない部分も原作で展開していこうと思っています。

とにかく私はアニメの足を引っ張らないように頑張っていきますので、アニメを観て興味を持ってくださった方が原作を読んでもっともっと作品を好きになってもらえたら嬉しいですね。アニメや原作を見た方に少しでも「幸せだな」と感じてもらえるよう、これからも作品を描いていきたいと思っています!

<TVアニメ「鹿楓堂よついろ日和」情報>
2018 年 4 月より AT-X、TOKYO MX、KBS 京都にて放送開始●AT-X 4 月 10 日より 毎週(火) 24:30~
[リピート放送]毎週(木)16:30~/毎週(日)6:00~/毎週(月)8:30~
●TOKYO MX 4 月 11 日より 毎週(水) 22:00~
●KBS 京都 4 月 11 日より 毎週(水) 23:00~
※放送日時は予告無く変更になる場合がございます。
配信情報 GYAO!にて先行配信予定!
◆イントロダクション
ここは和風喫茶「鹿楓堂」 店主でお茶担当のスイ、ラテアート担当のぐれ、料理担当のときたか、スイーツ担当の椿。 それぞれのスペシャリスト 4 人が働く隠れた人気店。 彼らはお客さまを「おもてなし」しながら、時にはお客さまの「悩み」を解決することも。 喫茶店を舞台に、素敵な 4 人が織り成すハートフルストーリー。 さて本日のお客様は…?
[キャスト]
スイ(東極 京水):諏訪部 順一
ときたか(永江 ときたか):中村 悠一
ぐれ(グレゴーリオヴァレンティーノ):小野 大輔
椿(中尾 椿):山下 大輝
八京:前野智昭
角崎役:鳥海浩輔
きなこ役:天﨑滉平
[スタッフ]
原作:清水ユウ(新潮社「ゴーゴーバンチ」連載)
監督:神谷 友美
シリーズ構成:赤尾 でこ
キャラクターデザイン:安食 圭
サブキャラクターデザイン:郷津 春奈
料理デザイン:伊藤 憲子
色彩設計:品地 奈々絵
美術監督:小倉 宏昌
撮影監督:口羽 毅
プロデュース:GENCO
アニメーション制作:ZEXCS
製作:鹿楓堂よついろ日和製作委員会
OP テーマ「桜色クリシェ」aki

※本インタビューはアニメ放送前に行ったものです。

公式 HP
http://rokuhoudou-anime.jp

公式Twitter
https://twitter.com/RokuhoudouAnime

©清水ユウ・新潮社/鹿楓堂よついろ日和製作委員会



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