『名探偵コナン公式アプリ』企画担当者が『コナンアプリ』の魅力について語る「ライト層もコア層も楽しめる“ファンの憩いの場”を目指す」【インタビュー】 | 超!アニメディア

『名探偵コナン公式アプリ』企画担当者が『コナンアプリ』の魅力について語る「ライト層もコア層も楽しめる“ファンの憩いの場”を目指す」【インタビュー】

『名探偵コナン』のすべての情報が詰まっている『名探偵コナン公式アプリ』。現在発売中のアニメディア9月号では、『名探偵コナン公式アプリ』で企画を担当しているサイバード・市川卓プロデューサーのインタビューを掲載中。「超!アニ …

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名探偵コナン』のすべての情報が詰まっている『名探偵コナン公式アプリ』。現在発売中のアニメディア9月号では、『名探偵コナン公式アプリ』で企画を担当しているサイバード・市川卓プロデューサーのインタビューを掲載中。「超!アニメディア」では、本誌に入らなかった部分を含めたロング版をお届けする。


 

――まずは『名探偵コナン公式アプリ』とはどのようなアプリなのか、そしてアプリ誕生のきっかけを教えてください。

 原作コミックを読めることを基本軸としつつ、TVシリーズや劇場版など、『名探偵コナン』のすべての情報を集めた公式アプリです。誕生のきっかけとしては「ファンの方が集えるポータルアプリがあると『名探偵コナン』の市場はより活性化するのではないか」という発想がスタートでした。もともと弊社では『名探偵コナン』に関するアプリを7~8タイトル作っていましたので、(『名探偵コナン』の原作元である)小学館と弊社の協業という形で2016年2月に本アプリを開始しました。

――ユーザーの年齢層や性別はどのようなバランスなのですか?

 一か月間に本アプリを使っているユーザー数は、15万人から20万人。全体の85%が女性で、年齢層は20代から30代がメインです。また、プレミアムクラブ会員は、95%が女性です。ボイス系コンテンツをより楽しまれるのは、女性ユーザーのようです。


――アプリの楽しみ方について教えてください。無料でも楽しめるのでしょうか?

 無料で楽しめるコンテンツもたくさんあります。一番のポイントは『名探偵コナン』の大元の世界観に触れることができる「原作コミックを読める」ことでしょうか。アプリをダウンロードされた日から、1日1話ずつ更新されていきます。リリース当初からアプリを利用されているユーザーの中にはすでに全話読み終えたという方もいらっしゃいますね。全話読み終えたあとは、また1巻の1話に戻るのではなく、好きな話から読み直すことができるようになります。一冊400円程度で購入したデジタルコミックを本棚に陳列保存する機能もあります。そのほか、さまざまな切り口でエピソードをまとめた「エピソード特集」というのも用意しています。これだけ長く続く作品ですからどの話を読もうか悩んでしまう方も多いと思うので、そういう方にはこちらの特集を見ていただくのがオススメですね。2019年8月は、現在「週刊少年サンデー」で連載中の原作コミックで描かれている平次&和葉のエピソードに合わせて、ふたりの恋にまつわるエピソードをまとめた特集を無料公開しています。

――エピソード特集で紹介するネタはどのように決めているのですか?


 サンデー編集部との定例会議で、今後掲載される原作コミックやTVシリーズ、劇場版などの最新情報を教えていただき、それに合わせた特集を企画しています。たとえば、今年の劇場版『紺青の拳(フィスト)』公開時期には映画の内容に合わせて「名探偵園子特集」を展開しました。最新エピソードに登場するキャラクターの過去のエピソードをまとめて公式アプリで公開すると、ファンの方に喜んでもらえるかなと思いながら企画しています。

――7月のエピソード特集では「トラウマ特集」を紹介していましたね。

画像ギャラリーはこちら。クリックすると拡大できます。

 

「トラウマ特集」は、夏ということで背筋の凍るようなゾっとしたエピソードを集めてみました。そうやって季節感のある内容でくくることもありますね。また、歴代エピソードに登場する「残酷な殺害方法」は、ファンの方のなかでもよく話題に挙がる内容なのでまとめてみました。以前提供した特集には、コナンがバレてしまいそうな場所で蝶ネクタイ型変声機を使うエピソードをまとめた「変声機そこで使用して大丈夫?特集」というものもありました(笑)。そうしたファンの方が気になっている切り口で特集を組むこともあります。

――では、有料会員になると、それにプラスしてどんなことができるようになるのですか?

 月額500円のプレミアムクラブ会員になると、キャラクターの声が聞ける「ボイス」系のコンテンツも楽しめます。そのひとつが、公式アプリでしか聞けない録りおろしオリジナルストーリーが展開する「ストーリーボイス」。原作コミック、TVシリーズ、劇場版にはない、各キャラクターのスピンオフドラマを堪能できます。たとえば、新一と蘭の登下校時の様子など、キャラクターの日常を知りたいというファンの方のニーズに応えるために用意しました。

――ストーリーボイスは何種類くらいあるのですか?

 現在は50ストーリーほどあります。それぞれのストーリーは、短いものなら30秒くらい、長いもので2分くらいです。6月はジン、ウォッカ、ベルモット、世良のストーリーが追加され、7月末には和葉のストーリーが追加されました。これまでのストーリーで評判がよかったのは、新一と平次が英語の試験勉強をする話ですね。平次はもともと英語が得意なのですが、原作やアニメではなかなか彼の英語を聞けるタイミングがありません。そこで、新一のもとに遊びに来た平次が新一の英語のテスト勉強を手伝うというストーリーを用意しました。平次の英語の発音など、ファンの方が気になっているものが聞けちゃう!ということで、ご好評いただいています。今後は長編のストーリーも作っていこうとしています。

――ストーリーボイスのシナリオは、どなたが書かれているのですか?

 弊社のライターを中心に制作して、それを「週刊少年サンデー」編集部と小学館集英社プロダクションとで調整しています。もともと弊社ライターのなかには『名探偵コナン』が好きな人も多いんですよ。もちろん、最後は(原作者の)青山(剛昌)先生に監修していただいています。TVアニメや劇場版のシナリオ制作時と同じチェックが入ります。ちなみに、原作者・青山剛昌先生には、公式アプリということで、さまざまな形でご協力いただいています。たとえば、毎年「○周年記念おめでとう」という直筆イラストメッセージもいただき、壁紙にしています。1周年のイラストは新”一”、2周年は平”次”、3周年の今年は白鳥任”三”郎。でも、来年の4周年では「4がつくキャラクターがいないね、作ろうか」と笑っておられました。

――ボイス系コンテンツは、そのほかにもあるんでしょうか?

 キャラクターの声をアラーム音にできる「アラームボイス」があります。毎朝、好きなキャラクターに200種類以上あるボイスの中からお気に入りのセリフを選び、好きなキャラクターに毎朝、起こしてもらうことができます。日替わりでキャラクターを替えるのもいいですね。毎日の生活のなかで『名探偵コナン』の世界観を味わってもらいたいというのがコンセプトです。ちなみに「アラームボイス」は、選べる回数などの制限はなく、すべてを使うことができます。また、誕生日を迎えると好きなキャラクターがお祝いのメッセージをくれる「バースデーボイス」もあります。

――アラームボイスなどで声を聞けるキャラクターは何人くらいいるんですか?

 現在は、単独では9人。それに加えて「コナンと蘭」など、キャラクターを組み合わせたパターンもあるので、バリエーションは豊富です。原作やアニメではあまりない、赤井と安室がいるシチュエーションを聞くこともできますよ。ボイス系のコンテンツは、声優の方々の声が好きというアニメファンの方には、より楽しんでいただけるのではないでしょうか。

――ほかにもオススメの情報はありますか?

 プレミアムクラブ会員にリアル(現実)での楽しみを提供する意味で、会員だけがチケットを購入できるリアルイベント「プレミアムナイト」を開催しています。アニメのキャスト陣と一緒にクイズを解いたり、その場で名セリフを聞けるイベントで、これまでに2回開催しました。会場では、原作コミックのイラストを使ったグッズの配布や販売も行っています。原作イラストを使用したグッズは、通常、鳥取県にある原作者・青山先生の記念館「青山剛昌ふるさと館」やサンデー応募者全員サービスなどでしか手に入らない貴重なものなので、そこもファンの方に喜んでいただける点ではないかと思います。第3回の開催も現在企画中です。
また「推しキャラ設定」は、キャラクターのファン歴をカウントできる機能です。半年・1年・1年半などの期間で、推しキャラに設定したキャラクターの壁紙やオリジナルボイスなどのデジタルデータだけでなく、限定カードなどの現物もプレゼントされます。ちなみに、プレミアムクラブ会員歴1年半を越えた会員にはブラックカードが届きます。こういったリアルイベントやアイテムプレゼントなど、デジタルなスマホアプリの枠を超えた、記念に残るような展開も企画しています。

画像ギャラリーはこちら。クリックすると拡大できます。

 

――コンテンツは新しく増えることもあるのでしょうか。

 もちろん、つねにファンの方のニーズに応えられる企画を模索しています。最近では、これもプレミアムクラブ会員限定ですが、5月に「ホーム着せ替え」機能を追加しました。アプリ内のアイコンを原作コミックのコマをモチーフにしたイラストに変更できます。ちなみに僕は、コナンのコマに設定しています。とってもかわいいですよ。

――今後展開予定の新たな企画はありますか?

 コンテンツのひとつとして『名探偵コナン』のコミックにまつわるクイズへ挑戦できる「コナン検定」があるのですが、その正式な検定試験「名探偵コナン検定」の第1回を10月に実施します。これは「『名探偵コナン』のような多くのファンの方に愛されている作品ならば、ファンの方の作品に対する愛を公式に認める検定試験があっていいのでは」「ファンの方のみなさんも、自分の作品への思いの度合いを測りたいと思っているのではないか」と打ち出した新たなサービスです。検定試験の合格者には、原作者・青山剛昌先生描きおろしの公式認定証(複製)が発行されます。今後は毎年4月と10月に実施していく予定です。まだアイデアのひとつではありますが、将来的には「コナン検定の資格を持っている人限定の青山先生トークショー」とか、検定に合格した人だけが参加できるイベントも実施できたら面白いですね。

――ファンの方のニーズに応える企画がたくさんあるのですね。『名探偵コナン』というビッグコンテンツにありながら、ファンの方との距離が非常に近く感じられます。

 毎年こまめにユーザーアンケートを実施しており、その声を参考にしながらコンテンツを作っています。原作コミックやアニメはファンの方の要望をダイレクトに反映するのはさすがに難しいでしょうから、さまざまな要望を抱いているファンの方に 一番寄り添えるのはアプリという形態の強みだと思います。ファンの方の意見を吸い上げやすいwebメディアの特性を活かした形ですね。今後も、原作・アニメ・劇場版をより楽しむことができる情報はもちろん、さらにアプリ単体としても楽しめるというような、ファンの方々に喜んでいただけるものを届けられたらいいかなと思います。

――ユーザーの反応で印象に残っていることは?

「バーボン(安室)とベルモットのストーリーボイス」を聞いたユーザーの反応で「ふたりの掛け合いには長年の阿吽の呼吸を感じて毎日耳が幸せです」といった声もあったりして、作ってよかったなと感じました。また、アンケートの「今後どういった機能が欲しいか?」に答えていただいた意見を参考に新機能を追加したときに、ユーザーの「要望に応えてくれた。うれしい」という反応を目にするとこちらもうれしいですし、実行したかいがあるというものです。また、リアルイベントで声優陣に聞きたい質問を事前に募集したのですが、イベント後の感想で「私の質問が選ばれた」といった報告があると、やりがいを感じます。

――ところで、市川さんも『名探偵コナン』ファンだったのですか?

 僕は、もともとはごく一般的な、ライトな『コナン』ファンでした。公式アプリは、コアなファンの方はもちろん、僕のような普通のファンの方でものめりこむように作っているつもりです。たとえば「久しぶりに劇場版を観たら、改めて原作を読みたくなった」というような、久々にコナンの世界観に触れたいというライトな『コナン』ファンの方向けのコンテンツも、公式アプリでは用意すべきだと思うんです。だから、そういう方にこそ、ぜひこのアプリに触れていただきたいですね。

――最後に、読者へメッセージをお願いします。

『名探偵コナン公式アプリ』は、ライトなファンからコアなファンまで、それぞれが満足していただけるコンテンツを用意をしていますので、自分に合うものを使っていただければいいかなと思います。原作コミックファン、TVアニメファン、劇場版ファン、それぞれ全員が末永く楽しんでいただけるサービスをたくさん仕込んでいます。今後も愛されるサービスをご用意しますので、ファンの憩いの場として、ご活用いただけると嬉しいです。

取材・文/草刈勤

☆「名探偵コナン検定」開催!

『名探偵コナン』の知識量を測る公式検定が今年10月に開催される。原作コミックスにまつわる問題を解くもので、3級・2級・1級があり、正答率に応じて「青山先生描きおろしイラスト入りの”公式認定書”」を発行される。インターネット接続可能な端末からのWEB受験で、3級の受験料は4,500円。

名探偵コナン検定公式サイト
https://lp.conan-kentei.jp/index.html

名探偵コナン公式アプリ概要
名探偵コナンのマンガ、TVシリーズ、劇場版、オリジナルコンテンツを楽しめる公式アプリ。原作マンガを読むことができるほか、キャラクター同士の掛け合いを楽しめるストーリーボイスなど多彩なコンテンツを展開している。

ダウンロードはこちらから(iPhone版・Android版共通)
https://api.conan-official.jp/app/pr.php

『名探偵コナン公式アプリ』公式サイト
http://d-conan.jp/portal/

©青山剛昌/小学館  ©CYBIRD

《超!アニメディア編集部》
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