『ぽんのみち』EDは「日常に寄り添うような楽曲」―halca『Good Luck Waker』リリース記念インタビュー | 超!アニメディア

『ぽんのみち』EDは「日常に寄り添うような楽曲」―halca『Good Luck Waker』リリース記念インタビュー

アニメやゲームの主題歌、テーマソングなどを歌うアーティストに楽曲について語ってもらう雑誌「メガミマガジン」のインタビュー企画「Megami’sVoice」。2024年4月号には、『Good Luck Waker』をリリースしたhalcaが登場。

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アニメやゲームの主題歌、テーマソングなどを歌うアーティストに楽曲について語ってもらう雑誌「メガミマガジン」のインタビュー企画「Megami’sVoice」。2024年4月号には、『Good Luck Waker』をリリースしたhalcaが登場。

日常に寄り添うような楽曲を目指しました

――「Good Luck Waker」は、テレビアニメ『ぽんのみち』のEDテーマですね。

「Good Luck Waker」は、『ぽんのみち』のEDを歌うことが決まってからサウンドの打ち合わせをしました。麻雀を扱っている作品ですが、OPが中華テイストの楽曲ということもあり、EDは日常に寄り添うような、夕方の帰り道を一緒に歩いているような曲にしたいと希望を伝えさせていただきました。

2022年あたりから激しい楽曲にチャレンジしていたので、このタイミングでhalcaの音楽チームが作る落ち着いたテンポの曲をお届けしたかったんです。いくつか候補の曲をいただいたなかで、歌始まりだったところや、何かが始まりそうな雰囲気、そしてかわいさもあるこの楽曲を選びました。アウトロに「また来週!」のような雰囲気があって、EDらしさを感じたのも選んだポイントです。

――制作の段階で、『ぽんのみち』の内容はどのくらい知っていましたか?

 細かなストーリーはまだわかりませんでしたが、『ぽんのみち』のプレゼン資料をいただきました。『ぽんのみち』に関わるとこんなにいいことがあります、みたいなことが書かれていて(笑)、盛り上がりそうな雰囲気が伝わってきましたし、日常パートの雰囲気や麻雀をどう見せていくかも記載があったので、作品のイメージがしやすかったです。

――レコーディングでは、どんなことを大切に歌いましたか?

 友達に語りかけるように歌うことです。友達に夢の話をするような歌い出しですし、私自身学生時代に「興味ないって言わないで、聞いてよ!」と友達に言ったこともあったので、そんな懐かしさも込めました。また「ぎゅっと」とか「しようよ」というコーラスは、普段の生活であまり言わないワードということもあってちょっと照れちゃって(笑)。でも素敵に歌いたい気持ちもあり、何回もトライをさせてもらいました。

また、最近は激しい曲に置いていかれないように大きな声で歌おうとがんばっていたのですが、「Good Luck Waker」は心地よく、力まずに出てくる声で歌いたいなと思ったんですね。2ndアルバム『nolca solca』に収録の「weather through」という曲で見つけた歌い方ですが、ライブだと力を入れないと歌声がバンドにかき消されてしまうので、自分でもバランスを探りながら歌っています。

――懐かしさや少しのさびしさも感じられる歌ですよね。

 そうなんです! アニメのテーマソングでノスタルジックな雰囲気の歌を歌うのが初めてだったので、自分としても新鮮でした。サウンドの前半は朝っぽいのに、だんだん夕焼けっぽい空気感になっていくのも不思議なんですよね。私は恋愛をテーマにした曲を歌うことが多く、友情をテーマにした曲は自分のなかでも珍しいんですが、「Good Luck Waker」」を歌ってみて切なさが声に混じるのも私の特徴なんじゃないかと思えて。

この曲を聞いた人に、“今”は失われていくものだからこそ大切にしたほうがいいということが伝わればいいなと思いますし、学生の皆さんにはかけがえのない時間は今しかないということに気づいてもらえたらと思います。

――『ぽんのみち』には麻雀も登場しますが、halcaさんは麻雀の知識はありますか?

 母が麻雀を好きで、友達や親戚、家族とよくやっているんです。なので私も麻雀牌を触ったり、卓に座ったりしたことはありましたが、かわいい鳥の絵が描かれた牌があるくらいの知識しかないので、今は勉強中です。昨年4月からFM YOKOHAMAさんで『Tresen』という番組のアシスタントを担当しているのですが、麻雀について紹介していいよと言っていただき、麻雀に関する話題を発表しています。麻雀に触れたことがない方がいたら、一緒に勉強してほしいです。

――カップリング曲「IN THE BRAIN」は、電子サウンドですね。

 打ち合わせで「電子サウンドは最近歌っていなかったよね」という話題が出て、久しぶりに作ってみようと決めました。山崎真吾さんの曲をディレクターさんが勧めてくれて、すごく気に入ったんです。その段階で、真吾さんの仮歌詞がついていて、すごく完成度が高かったのですが、私も作詞に挑戦していることを引き続きアピールしていきたかったので、作詞を担当したいとお願いしました。

ただ、真吾さんの歌詞でこれ以上のワードは浮かばないというものがたくさんあって変えがたかったので、それは残して共作という形にしていただきました。サビの頭は1番が真吾さん、2番、3番は私ががんばって頭をひねりました。「東西南北」というワードは、『ぽんのみち』のEDテーマのカップリングであることを意識して入れてみました。

――山崎さんの仮歌詞を見て、どんな閃きがありましたか?

 仮歌詞は、対戦カートゥーンを想起させるものだったので、そこから連想ゲームのように「頭のなかでの戦い」を考えていきました。それがそのままタイトルにもなっているんです。そして、仮歌詞の段階での真吾さんの奇抜なワードがものすごく素敵で、私もそれに倣って組み立てをしていきました。

――halcaさんとしては、どんなテーマで歌詞を考えていましたか?

 本当のやさしさってなんだろう、ですね。つい最近、電車に乗っていたときに私の両脇の席が空いたことがあったんです。目の前に男子高校生が2人立っていたので、並んで座れるようにひとつズレたんですね。そうしたらひとりが「次、降りるのに」ってためらっちゃったのですが、もうひとりが「ここは座ればいいんだよ」って言ってくれて。私の親切にしようかな、という気持ちが救われた気がしたんです。普段から、その場が丸く収まるようにしたいとか、みんなに気持ちよく過ごしてほしいと考えるほうではあるのですが、場をまとめようとするやさしさに気づけない人もいるなと思い、それに対する悲しみと怒りをポップに込めて作りました。

2番には、聞いたことのある話でも何度も聞かなくてはいけない場面に出会ったことがある人もたくさんいると思うのですが、そんな辛さなども入れたんです。本当は、一度聞いた話を知らない振りで聞いていたら「覚えてないの!?」と怒られたエピソードを入れたかったのですが(笑)、歌詞にするには複雑だったので、シンプルにわかりやすく、上の世代の人がギクッとなるようなとげとげしいワードもあえて入れました。歌詞のおもしろポイントとして、くすりと笑ってもらえたらと思います。

――顔文字やネットミーム的なワードが入っているのもおもしろいですね。

 これまでだとこういう外した歌詞は、作詞にまじめに取り組んでいないように見えるかもしれないと思って、あまり書けなかったんですね。でも、真吾さんの仮歌詞を見て、おもしろさに振ってもいいんだと思えました。Dメロはもしかしたら怒られるかもと思ったんですよ(笑)。でも、スタッフさんも楽しんでくれてよかったです。

――「IN THE BRAIN」のレコーディングで大切にしたことは?

 キーチェックのときは、曲調に合わせてかわいく歌ったのですが、歌がスカスカで物足りなかったんです。そうしたらディレクターさんが「アフロにサングラスかけているイメージで歌ってみたら?」と言ってくれて、半信半疑で歌ってみたら、しっくりきたんです。かわいいサウンドでも声を張った方が響くこともあるんだと思って、そこからはソウルフルに歌いました。聞いた方が「モヤモヤすることがあっても、吹き飛ばして今日は踊ろう!」みたいに感じていただけたらいいですね。

――ジャケットはパジャマ姿ですね。

『ぽんのみち』のEDということで、麻雀要素も入れたいと思っていましたが、「Good Luck Waker」」が日常をイメージした曲なので、いきなり麻雀要素が入っていると混乱してしまうかもしれないというお話になって、ジャケットからは麻雀要素はなくし、不思議な力で朝の準備を手助けするようなイメージの写真になりました。

私自身、いつも朝はドタバタして、2回くらい家に忘れ物がないか気にして戻っちゃうタイプですが、リアルな自分も表現できるし、「うまくいくといいね」という「Good Luck」も込められて、朝っぽさのある曲にもマッチしたなと感じています。でも、『ぽんのみち』に携わっている意識も残したかったので、ブックレットにカンフーポーズの写真を入れました。

――5月4日にはライブも決定していますね。

 新宿ReNYはデビューしたばかりの頃にイベントでよく出演させていただいていましたが、ワンマンで出演するのは初めてなので、すごく楽しみです。今回のライブは生バンドの予定なんです。ライブのタイトルは、タイトルを見ただけで内容がわかる共通言語になればいいなと思って、ステージに立つのがひとりだけのときは「HelpMe」、マンスリーライブは「playgood」、アコースティックは「playground」と付けてきました。

今回の「playloud」はゴリゴリのバンドライブにしたいという思いがあって、このタイトルにしたんです。「Good Luck Waker」」も生バンドだとまた違った曲に聞こえると思います。激しいだけがロックじゃないということも表現できていると思いますので、気軽に遊びに来てもらえたらと思います。

■Profile
はるか/7月7日生まれ。2018年にテレビアニメ『ヲタクに恋は難しい』のEDテーマ「キミの隣」でメジャーデビュー。
2023年1月25日には2ndアルバム『nolca solca』をリリースし、同年4~5月には自身初のツアーを開催するなど、精力的に活動中。

■Information
5月4日(土)に、東京・新宿ReNYにて『LAWSON presents halca live 2024 playloud』を開催。
開場17時、開演18時。チケットの詳細は公式webサイト【https://halcaofficial.com/】をチェック。

■『Good Luck Waker』
発売中
SACRA MUSIC
初回生産限定盤6600円(税込)
通常盤1320円(税込)
期間生産限定盤1760円(税込)

 halcaの10枚目となるシングル。表題曲はテレビアニメ『ぽんのみち』のEDテーマで、何気ない日常の大切さを歌った、ノスタルジックなナンバー。カップリング曲は、山崎真吾と共作で作詞をした「IN THE BRAIN」を収録。初回生産限定盤に同梱のBlu-rayには、表題曲のMVやメイキング映像、さらに2023年に行ったファーストツアーの東京・Spotify O-WEST公演を収録する。

(C)IIS-P/ぽんのみち製作委員会

《超!アニメディア編集部》
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