ニューシングルは新曲を3曲収録!―小倉唯『Empty//Princess.』リリース記念インタビュー | 超!アニメディア

ニューシングルは新曲を3曲収録!―小倉唯『Empty//Princess.』リリース記念インタビュー

アニメやゲームの主題歌、テーマソングなどを歌うアーティストに楽曲について語ってもらう雑誌「メガミマガジン」のインタビュー企画「Megami’sVoice」。2023年1月号には、シングル『Empty//Princess.』をリリースした小倉唯が登場。

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アニメやゲームの主題歌、テーマソングなどを歌うアーティストに楽曲について語ってもらう雑誌「メガミマガジン」のインタビュー企画「Megami’sVoice」。2024年1月号には、シングル『Empty//Princess.』をリリースした小倉唯が登場。

新曲3曲が収録されたニューシングルは、全曲とも小倉が共作で作詞を担当。表題曲『Empty//Princess.』は、小悪魔的な甘辛ソングで、小倉の歌声がキュートに響くナンバーとなっている。

小悪魔的で不器用な女の子を歌った表題曲


――ニューシングルに収録される3曲は、どんな方向性で制作しましたか?

アーティスト活動11年目に入って初めてのシングルになるので、表題曲はチャレンジした曲にできたらと思って制作を始めました。7月に行ったアーティスト活動10周年記念ライブで、ファンの方にカップリング曲投票をしてもらったのですが、上位2曲がどちらも小悪魔的なダンスナンバーだったんです。表題曲では歌ったことのないジャンルということもあり、表題曲のテーマは「小悪魔」に決めました。カップリングの2曲はライブで盛り上がれる王道のポップチューンと、もう1曲はレーベル移籍をしてからまだ挑戦していなかったバラードを入れました。

――表題曲はコンペだったそうですが、選んだポイントは?

SNS映えしそうでボカロっぽい電子系の雰囲気と、ダンスナンバーっぽさを持っていたところです。この曲が、まさに私のイメージしていた世界観どおりだと感じたんです。1回聞いたら忘れられないインパクトもあって、とくにイントロに引きつけられました。

――歌詞は小倉さんとアオワイファイさんの共作ですが、どんなイメージで書きましたか?

ちょっと不器用で、疑心暗鬼になって心を傷つけられた女の子をイメージしました。コンペの段階で仮の歌詞が入っていて、そこに素敵なフレーズがたくさんあったんですね。自分ではなかなか思いつかないワードだったので、参考にさせていただきつつ、全体のテーマ性とタイトルを考えました。タイトルに関しては、お姫様的な要素を入れたいなと思っていたんです。ギャップも表現したくて、見た目はプリンセスかもしれないけれど、中身は少し違うというニュアンスも込め「Empty//Princess.」に決めました。

――小倉さんの作詞曲は前向きなイメージがありましたが、今回の女の子はどちらかというと投げやりですよね。

そうなんです。いままでの曲の主人公がめげずにあきらめない子だったのが、今回は最後で少しやけになっている。自分的にも新しい表現ができたと感じていますし、ファンの方にも新鮮に感じてもらえると思います。

――レコーディングではどんなことを大切にして歌いましたか?

メロディがコロコロ変わるので、そのテンションに情緒を合わせ、表情をコロコロ変えるイメージで歌いました。「Empty//Princess.」は曲のテンポが速く、言葉数も多いので、歌う上での難しさはありました。それから、2番にはラップパートがあるのですが、これもいろいろな歌い方を模索しました。また、感情を強く入れすぎるとキャラクターソングのように聞こえてしまうので、自分を半分、曲の主人公の女の子を半分くらいの気持ちで、両者を行ったり来たりするような表現で歌い上げました。

――ラストの「Chu」を繰り返すパーも印象的です。

ラストのメロディにどんな言葉をはめるのか、じつはレコーディング当日に決めたんです。「Chu~」になったことで、攻めた曲ながら甘さを持たせることもできて、自分で想像していた以上に素敵な仕上がりになりました。

――初回限定盤Aには、同曲のMVを収録したBlu-rayが同梱されます。

MVは撮影監督さんのアイデアをもとに進めてもらいました。私からは、プリンセスというワードが入っているので、お姫様っぽい要素を入れてもらえるようにお願いしたくらいでしたね。その結果、プリンセスの私と部屋で疑心暗鬼になっている私を行き来するような映像になりました。個人的に、間奏やサビの振り付けにも注目してもらいたいです。

――カップリング曲「ときめきWeekend!」は推し活の歌ですか?

そうです。“推しに会える週末”をテーマに、私のライブやイベントに来る際に、曲を聞いてモチベーションを高めてもらえたらという気持ちで制作しました。歌詞にはいま流行している言葉を盛り込んでみたので、10年後に聞いたらどう感じるのか、ちょっと気になりますね(笑)。私自身は推し活をしていないので、周りの方やファンの方、それから自分が演じているキャラクターで推されている子を参考にしつつ、想像を膨らませて歌詞を紡ぎました。「同じ時代に生きられてうれしいです」とファンの方に言ってもらったことも歌詞に盛り込んでいます。

――「ときめきWeekend!」は、曲調もポップですから、歌もそれに合わせた感じでしょうか?

そうですね。とにかく明るく元気に歌いたかったのと、言葉遊び的な歌詞の部分は気持ちを高めて、お芝居をしているときに近いテンションで歌ってみました。私のファンの方はもちろん、誰かを推している方に「わかる!」と思ってもらえたらうれしいです。

――もう1曲の「アステリア」がバラードナンバーですね。

たださびしいだけじゃなく、温かさや前向きさが感じられるメロディが好きで、コンペで選びました。「アステリア」というタイトルは、作詞と編曲を担当してくださった鶴﨑輝一さんによるもので、「星座」というキーワードとその言葉に込められた物語を感じました。また、共作で歌詞を担当しているので、自分らしい言葉や世界観を考え、言葉を整えていきました。失恋ソングのようにもとらえられますが、身の回りの大事な人、大事なものが何かしらのきっかけで離れてしまったような意味にも取れるようにしているので、過去に名残惜しさを抱えている人が、ちょっとずつ思い出を昇華していけるような曲にできたと思います。

――歌声は、ほか2曲と比べるととても静かな印象です。

自分の生の言葉感、モノローグっぽさを出したかったので、とくに冒頭の部分はポツポツと語るような歌い方になりました。マイクの位置もいつもよりも近づけて歌ったりして、いろいろと調整をしました。

――3曲ともノンタイアップですが、ノンタイアップだから挑戦できたことはありましたか?

曲ごとのコンセプトを自由に発想できました。とくに「Empty//Princess.」は自分的にも攻めた曲や歌詞なんですね。アオワイファイさんから「タイアップがないのにここまで世界観を広げられるのはすごいですね」と言っていただいて。いままで自分にとって物語を構築していくのが当たり前だったので、すごくうれしいリアクションでした。

――自分で作詞をするときは、世界観はかなり作り込みますか?

そうですね。「Empty//Princess.」に関しては、歌詞に表現していないサブ設定として、好きな人にのめり込み過ぎちゃう、ちょっと面倒くさい女の子をイメージしていました。ただ、私が歌詞を書く際の想像力を広げるためのテーマだったので、歌詞にはそこまで直接的には反映していません。

――ノンタイアップとタイアップで、作詞のしやすさなどはありますか?

タイアップがあるとテーマが決まっているので、書きやすさはあります。でも、私はタイアップもノンタイアップもどちらも好きなんです。テーマを自分で生み出す楽しさと、物語をお借りしたなかで作っていく楽しさ。方向性は違うけれどどちらもやりがいがあります。

――初回限定盤Bには、ミニ写真集が付きますね。

今回ジャケットも含め、ビジュアル面もすごく素敵に仕上がっていたんです。もちろん曲を聞いてほしいのですが、ジャケットも完成度の高いできばえなので、インテリア的に飾っていただいてもいいかなと思います。

――12月13日には7月に行われたライブのBlu-rayが発売されました。

アーティスト活動10周年の集大成的なライブだったので、正直なところプレッシャーを感じていました。なので、いまは無事に終わってホッとしたという気持ちが大きいです。声出しが解禁されていたので、お客さんの勢いやパワーも感じましたし、10周年で皆さんもいろいろな思いを持って参加してくれたんだなということが伝わってきました。ライブは、当日、生でしか表現できないものもあるので、映像だとまた違うものになるかもしれないのですが、当日の私をまた違った角度から楽しんでいただけると思いますし、来られなかった方にも楽しんでいただけるできばえになりました。ファーストライブと見比べると成長した部分がいっぱいあって、それを見て改めて10周年の記念ライブなんだなと実感できました。

――シングルのタイトルにちなんで、小倉さんがいま“空っぽ”にしたいことは?

部屋です。ミニマリストを目指しているんですが、日に日にものが増えてしまうので、一度何もない部屋に住んでみたいです。いまはまとまったお休みが取れなくて、断捨離もできないんです。そうこうしているうちにものが増えてしまって、なかなか空っぽには辿り着けませんね。

――今回のシングルはどんな1枚になったと感じていますか?

自分の振り幅が生かせたシングルになりました。「Empty//Princess.」は声優として活動しているからこそ表現の幅が出せたのかなと思います。カップリング2曲も方向性がまったく違うので、いろいろなテイストを楽しんでいただけたらうれしいです。

■Profile
おぐら・ゆい/8月15日生まれ。群馬県出身。スタイルキューブ所属。2012年にソロでアーティストデビュー。2022年に日本コロムビアに移籍してからも、精力的に活動中。声優としての主な出演作は『私の百合はお仕事です!』白鷺陽芽役など。

■『Empty//Princess.』
発売中
日本コロムビア

初回限定盤A、B各2310円(税込)
通常盤1595円(税込)

小倉唯のニューシングルは、新曲3曲が収録で全曲とも小倉が共作で作詞を担当。表題曲は、小悪魔的な甘辛ソングで、小倉の歌声がキュートに響くナンバーだ。初回限定盤Aには、同曲のミュージックビデオとメイキング映像を収録したDVDを同梱。初回限定盤Bには、CDのほかにミニ写真集が付く。

《超!アニメディア編集部》
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