【連載】高田憂希の『ひトリップ』(11)初めてのフェスで体感した“美味しい空気”という隠し味 | 超!アニメディア

【連載】高田憂希の『ひトリップ』(11)初めてのフェスで体感した“美味しい空気”という隠し味

声優の高田憂希による連載企画『ひトリップ』。毎回「ひとり」で「お出かけ」した日々を記していきます。第11回のひトリップは「初めてのフェス」へ行ったお話です。

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高田憂希の『ひトリップ』
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ごきげんよう。10月も過ぎ、ほんのちょっぴり時間が空きましたね。こんにちは。こんばんは。高田憂希です。11月だというのに気温は落ち着かず、暑くなったり寒くなったり忙しいです。天気予報のアップデートをお願いしたい。体調には気をつけていきましょうね。



最近の私は、帰宅する楽しみを噛み締めています。このコラムでも何度か書かせてもらっていますが、私には愛犬がおりまして。

私が帰宅すると尻尾を大きく右へ左へブンブン振ってお迎えしてくれるのです。この瞬間がたまらなく愛おしくて、帰れるおうちがある幸せを噛み締めながら過ごしています。

ただ最近、定期検査で病院に連れて行った時。迎えてくれたいつも笑顔が素敵な担当の先生は、うちの子と向かい合うなり、ごくりと、息を飲む。どうしたのだろうと首を傾げていると、一言。「真ん丸な満月。」

優しい比喩表現ですが端的に言えばどうやらうちの子は、お太りになられたようです。困った!食事には気をつけていたつもりが。気づかないうちにおやつをあげすぎていたのかもしれない。気をつけよう。




そう心に誓ったものの。散歩の途中、いつもおやつをあげていたポイントに到着すると、自然とこちらを見上げるワンコ。その顔は「覚えてんだ体で。」と訴えてくる。この場所はおやつをもらえる場所でしょう?と。

私だって出来ることならおやつをあげたい。キラキラした笑顔が見たい。けれどここは、愛犬の健康のためにもグッと堪えた。うちの子の前に屈み、頭に手を伸ばす。もしかすると、こうして欲しかったのかもしれないと都合のいい解釈。そうかそうか。

「愛が欲しいんだね。」
「違う。おやつが欲しい。」

返事は、完全に想像だけれど、そう返されたような気がした。頭を撫でなくていいから、おやつをくれと。

その強い意志にグラッと心が傾き、結局はおやつを指でちぎってワンコの口元へ。もったいないからちょっとずつ与える。
咀嚼中のワンコを見つめる時間も幸せな一瞬。食べ終わるのも一瞬。愛犬の瞳は〝次〟を要求してくる。

「足りない、足りない、足りない」

そう言っているように聞こえたけれど、私はそっと目を逸らした。

不完全で最善。いきなりおやつを取り上げることは出来ない代わりに量を減らしていく。今日の分のおやつはこれでおしまい。少しずつ、少しずつ慣らしていこうね。

運動もたくさんさせてあげようと心に決めた。外の散歩は勿論、うちの中でも。家具は少ないから、室内でももっと走り回って遊べるはず。そうして、帯を締めて一歩一歩、君の健康を守っていく。一緒に頑張ろう。うちの子は、生きる意味とか明日の希望だから。って、少し大袈裟な表現かもしれないけれど、でも、それだけうちの子との時間は幸せでいっぱいだから。これからも楽しい思い出をたくさん作ろうね。でも、最後にこれだけは言わせてね。

ちょっとコロッとしているうちの子も最強に可愛いです。



さて、愛犬のことを書き始めると長くなってしまいがちな私の、今回のひトリップは、フェス~~~~!

皆さんは行ったことありますか?フェス。私はなんと、初めて行ってきました。初めてのフェスにして、ソロ参戦。後日友達に話したら「え、強くない??」と驚かれました。自分でもびっくりしています。

一人でライブに行ったことはあるのですが、フェスって、その名の通りライブだけではない、お祭り要素のようなものを強く感じていたので、そこにひとりで行って果たして楽しめるのか、未知数でした。でも、その日は、見たいアーティストさん達がたまたま同じ日に出演される奇跡的なフェスで。この日を逃したらもうこの先ないかもしれないと思うと、不安な気持ちとは対照的に身体は動いていました。

結果。とっっっっっっっても楽しかった!!!!!!!

フェスなので、自分のお目当てのアーティストさん以外にもたくさん出演されているので、ふらっとステージに向かえば新しい出会いのオンパレードでしたし、だからといって無理して全てを回る必要もなく、自分のペースでステージを見たりご飯を食べたり出来るのが、自分の想像していたフェスよりも「自由」で、楽しみやすかったです。ご飯もとっても美味しかったので、いくつかご紹介!

どん!



どん!!



どどん!!



どれもとっても美味しかったです。美味しい空気という隠し味は存在すると思います。あの瞬間しか感じられない楽しい味。学生の頃、部活の帰りに友達と食べたおにぎりやパンを思い出すようなそんな味。

初めてのフェスということもあり、全てが新鮮な景色だったのですが、個人的に驚いたのは、お客さんたちが自由参加で楽しめるカラオケスペースがあったことです。

ご飯を食べるために並べられたスペースの向かい側に、ちょうどカラオケスペースが設置されていたので、かき氷を頬張りながらその様子を見つめていました。「僕!今日が人生で初めてのフェスです!!一緒に盛り上がっていきましょう!!」と、挨拶をしていたお兄さんに心をウキウキさせながら心の中で返事。私も初めてのフェスなんです。

カラオケを歌う人たちはみんな、この日出演するアーティストさんの歌を歌う人が多かったのですが、中でも印象的だったのは、元々このフェスに出演予定だったけれど諸事情で出演を見合わせたバンドさんの曲を歌った方。

「みんなでいつまでも待ってるから!!!」そう挨拶して、周りの人が大きな声で応えていました。その言葉から伝わってきた熱い気持ちに、鼻の奥がツンと痛くなりました。いいぞフェス。熱いぞフェス。

周りを見渡せば家族連れの方も多く、のんびり楽しんでいる人もいたおかげで、自分のペースを見つけていけたのも幸いでした。無事、お目当てのアーティストさんのライブも見られて、(最高でした…。)幸せな一日になりました。

初めましてのイベントって、どうしても不安になると思います。場違いだったらどうしようとか、楽しめるだろうか、とか。でも、実際に一歩踏み出してみた私の感想は、とってもよかった!です!!行ってみたいな、という自分の気持ちに正直に行動してみると、案外何でも楽しめちゃうかも。自分の心が楽しいと思う場所へ。



さあ、次はどこへ行こう。

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《高田憂希》
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