【インタビュー】“理想の弟”が『妹さえいればいい。』の魅力を語る! 羽島千尋役・山本希望スペシャルインタビュー | 超!アニメディア

【インタビュー】“理想の弟”が『妹さえいればいい。』の魅力を語る! 羽島千尋役・山本希望スペシャルインタビュー

『僕は友達が少ない』の平坂読が執筆し、『変態王子と笑わない猫。』のカントクがイラストを担当する、人気小説が原作のテレビアニメ『妹さえいればいい。』。ラノベ作家の兄・羽島伊月とその弟・千尋を中心に、出版業界に携わる人々を描く青春ラブコメだ。今回、「超!…

特集
注目記事
%e3%83%98%e3%83%83%e3%83%80%e3%83%bc%e7%94%a8%e4%bf%ae%e6%ad%a3
  • %e3%83%98%e3%83%83%e3%83%80%e3%83%bc%e7%94%a8%e4%bf%ae%e6%ad%a3

――山本さんは原作・平坂読さんの過去作『僕は友達が少ない』にも楠幸村役として参加されていましたが、本作の印象は?

 この作品って、全体的に「ないものねだり」を描いていると思うんです。主人公の伊月はもちろん、春斗も、京も、那由多も、恵まれた才能や環境はあるけど足りないものがあって、それを求めている。求めるものを手に入れようとする過程でみんながお互いに影響を与えあって、気持ちや状況が変化していく。リアルなんですよね、感情の動き方が。ハッと気づかされるひと言が散りばめられていて、さすがは平坂先生だと思いました。本当にステキな青春群像劇ですよね。

――千尋の演技で意識している点を教えて頂けますでしょうか?

 女の子でありながら男の子として振る舞わなければいけないということで、とても考えさせられました。とくにアニメの千尋は女の子にしか見えないので、女の子らしさを出しすぎないようにするのが大変でした(笑)。基本的には男の子と女の子の中間に立って演じながら、女の子らしさが強調されているときは女の子に寄せるようにしています。

――女の子だけど男の子として生活をしている、という意味で、千尋は幸村に通じるものがあります。演じ方で違いはありますか?

 幸村は言葉数が少なく、表情も豊かに変わることがなかったので、千尋よりも演技の振れ幅が少なかったです。千尋よりもさらに中間のイメージ。女の子らしさや男の子らしさを意識するというよりは、“幸村らしさ”を意識して演じていました。千尋は自分が女の子であることをちゃんとわかっていて、そのうえで男の子として振るまっているので、幸村とは違った難しさがあります。

――兄・伊月への印象も教えてください。

 1話冒頭の伊月の書いた小説は、妹のパンツを食べたり妹のお風呂の残り湯で顔を洗ったり……とてつもなく変態的じゃないですか。最初はダメな部類の人間なのかなと思っていました(笑)。でも原作小説を読み進めていくとしっかり葛藤していて、信念を抱いて仕事をしていることがわかる。妹が好きな点に関してもしっかり理由があって、彼なりに一生懸命に人生を歩んでいるんですよね。ヒロインたちが惹かれるのもわかるし、人間的に共感できる部分もある。基本的にはアホな態度で周りを振り回すけど、いざというときには熱いものを見せるところは、少年マンガの主人公に通じるところがあるのではと思っています。OP映像は伊月の葛藤が見事に表現されているので、ぜひチェックしてみてください。

――千尋は伊月に対してどのような気持ちを抱いていると思いますか?

 まだ男として好き、という段階ではないかなと。恋を知らないと言えばいいのか、あくまでも「大切なお兄ちゃん」という立ち位置だと思います。ただ、きっかけがあれば伊月のことを異性として好きになると思うので、そのときにどうなるかですよね。さすがの千尋も伊月の変態的な性癖は怖いと思っているはずなので、妹であることを告白するかどうかも含めて今後の展開が気になります。

――山本さんは長女とのことですが、兄や姉がほしいと思うことはありますか?

 子どものころから親戚のお兄さんやお姉さんに遊んでもらっていましたし、同じ声優のなかでも姉のように接してくれる方もいるので、とくにほしいと思ったことはないですね。でも私の弟はお兄ちゃんがほしかっただろうなと思います。姉が4人、弟がひとりの5人姉弟で、弟はずっと女に囲まれて育ってきたので。親戚の男の子と夜遅くまで対戦ゲームをしているのを見ると、「あぁ、こういうことがしたかったんだな」って思って少し嫉妬しちゃいます。

――弟さんや妹さんとの家族仲は良好なんですか?

 弟は歳が離れていることもあって溺愛しています(笑)。両親が共働きだったので、お風呂に入れてあげたりご飯を作ってあげたりするのは私の役目でした。今は弟も大学生なんですけど、「大学生活はどう? 友だちはできた?」とか、もう気分はお母さんですね。妹は歳の離れた友だちといった感じでしょうか。友だちよりはもう少し距離が近いと思うんですけど、会いたいときに会うし、向こうから会いたいって言ってくれたらうれしい、みたいな感じですね。

――アフレコの雰囲気はいかがですか?

 同世代の仲間が集まっているので、すごく和気あいあいとしています。仕事仲間ではあるんですけど気兼ねなく話せる人たちが多くて楽しい現場ですよ。そこに先輩として日野聡さんや鳥海浩輔さんがいらっしゃって、締めるときはビシッと締めてくださる感じです。あとは、この現場ならではの楽しみ方として、劇中に出てくるゲームをみんなで遊ぶことがあります。この間は「ウミガメのスープ」をやりました。イベントでステージに立つ前の楽屋のなかだったんですけど、みんなでひとしきりツッコミを入れあって、気分を盛り上げてからステージに向かうといったひと幕もありました。

――平坂先生がアフレコ現場にいらっしゃることも多いそうですが。

 先生はアフレコだけでなく飲み会にもよく顔を出してくださるんですよ。ユーモアあふれる方で、この間は私を含めたキャスト陣全員が先生にドッキリを仕掛けられました。とてもリアルなコーヒーの食品サンプルがあるんですけど、それがiPadの上にセットされていて、まるでiPadにコーヒーがこぼれたみたいな状態になっていて。みんな引っかかっちゃいました。とくに鳥海さんが「これは大変だ! 早くふかなきゃ!」と、普段の落ち着いた様子からは考えられないほど慌ててティッシュを探されていて(笑)。今でも笑いの種になっています。

――実在するお店が登場するなど、細かい部分にもこだわりが感じられます。

 お店だけでなくDVDのパッケージも実際にあるアニメのものなんですよ。ボードゲームもそうですし、あとはお酒。「サンクトガーレン」っていうブランドのビールなどが出てくるので、そういう細かいところに注目しながらお酒を飲んで視聴すると楽しいだろうなーと思います。ほかにも脇役に対するこだわりがすごくて。5話の混浴風呂の場面でおばあちゃんたちがいっぱい出てくるんですが、おばあちゃんたちの声を女性陣ではなく男性陣にやらせるっていうのは、なかなか見られない配役の仕方だと思います。おもしろい。細部のネタにもこだわるからこそこんなにおもしろい作品になるんでしょうね。

――現在4話まで放送されていますが、お気に入りのシーンはありますか?

 2話のラスト、千尋が女の子だとわかるところは原作を読んだときも衝撃を受けたシーンです。同じ平坂先生の作品だから幸村と同じような流れで女の子バレするだろうなーと思っていたら、まさかの序盤で、しかも地の文で読者にだけ女の子であることが伝えられるという。『僕は友達が少ない』を読んだことがある方なら、この衝撃は共感してもらえると思います。税理士のアシュリーが登場する4話もインパクトすごかったですね。伊月と春斗をいじるドSな演技が原作で読んだときのイメージ通りだったので印象に残っています。沼倉愛美さんの演技が光る場面でした。

――今後注目すべきキャラクターは?

 5話の冒頭で少しだけ登場する三国山蚕先生です。一見すると清楚なマンガ家なんですけど、原作を知らない方は衝撃を受けると思います。個人的に応援してあげたいのは春斗ですね。6話は春斗に焦点が当たる回で、春斗を通して作家の気持ちがすごくよく表現されているので必見です。6話は春斗だけでなく京もすごくいいセリフを言うので、京ファンにとってもうれしい回になると思います。詳しくはネタバレになるので言えませんが、私はアフレコのとき、「京はなんて天使なんだ!」と思いました(笑)。

――最後に読者にメッセージを!

 本作は下ネタやお笑いシーンが多くてコメディ色が強いんですけど、キャラクターひとりひとりに深い過去や背景が設定されているので、単なるコメディでは終わらない深みがあります。観ていくうちに自然と物語に引き込まれていきますので、ぜひ最後まで観てください!

◆プロフィール
山本希望【やまもと・のぞみ】8月9日生まれ。青森県出身。ヴィムス所属。

 


【放送情報】
▼TOKYO MX:毎週日曜 夜10時30分~
▼サンテレビ:毎週日曜 深夜0時30分~
▼KBS京都:毎週日曜 夜11時~
▼BS11:毎週火曜 深夜0時~
▼AT-X:毎週土曜 夜11時30分~
【AT-Xリピート放送】
毎週火曜午後3時30分/毎週金曜 朝7時30分~

【CAST】
羽島伊月:小林裕介
羽島千尋:山本希望
可児那由多:金元寿子
白川京:加隈亜衣
不破春斗:日野聡
土岐健次郎:鳥海浩輔
恵那刹那:代永翼
大野アシュリー:沼倉愛美
三国山蚕:藤田茜

【STAFF】
原作:平坂読(小学館「ガガガ文庫」刊)
キャラクター原案:カントク
監督:大沼心
シリーズディレクター:玉村仁
シリーズ構成・脚本:平坂読
キャラクターデザイン・総作画監督:木野下澄江
メインアニメータ―:青木慎平プロップデザイン:泉美紗子
美術監督:坂上裕文
色彩設計:平井麻実
撮影監督:臼田睦
編集:坪根健太郎
音響監督:土屋雅紀
音楽:菊谷知樹
音楽制作:ランティス
アニメーション制作:SILVER LINK.

公式サイト
http://imotosae.com/

公式Twitter
https://twitter.com/imotosae_anime

(C)平坂読・小学館/妹さえいれば委員会

《超!アニメディア編集部》
【注目の記事】[PR]

特集